2012年10月 中村祐司の教育日誌
12/10/01. Mon.
地方自治論
後期授業のスタート。カリキュラムの変更でこの授業を一コマ目にやるのは始めてだが、意外にもあまり違和感を抱かなかった。地方自治の学問領域が多岐にわたることや身近な素材に対象が溢れていることなどを話した。新聞報道からの具体的事例、自分が関わっている委員会活動、雇用をめぐる論説などについて作成した資料を配付した。
現代政治の理論と実際
特定領域についてずっと追いかけていくのではなく、広く浅くはなるものの、今、国内外で直面する現代政治の課題をその都度取り上げていくと説明した。たとえば今年は中国、韓国、米国、そしておそらく日本でも政権トップをめぐる動きが集中する。このあたりのところも授業の対象としたい。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
まちづくり提案とジョイントに向けた本格的スタートの日となった。市スタッフの方2名がわざわざ来てくださり、アドバイスを受けた。今後のスケジュールや現地調査について調整を行う。方法論はあまり気にせずに、締切は各々明確になっているのだから、それに向けてとにかく前向きにのびのびやってほしいと思う。
卒論指導
卒論指導といえば、5コマが定番だったので、4コマでやるのはやや変な感じもしたが、すぐに慣れるだろう。とくに冬を迎えた時期には早めの時間帯はありがたいかもしれない。卒論生はいずれも夏休みの「宿題」とちゃんとやってきているようで一安心。まずは良いスタートが切れた。今後の報告スケジュールについて皆で詰めていった。実質提出までにまだ2カ月半もあると思うようにしよう。まだまだこれからだと気持ちを強く持とう。
比較政策研究(大学院)
始めて顔を合わせる院生もいて、自己紹介や研究テーマについて一人一人対話形式で進める。進め方は例年どおりで、修士論文の一部に盛り込めるような文章作成とその発信をこの授業のメインに置くことを説明し、了解を得る。大学院1年生とはいっても、進路のことや修論作成を考えるとそんなに時間があるわけではない。
12/10/15. Mon.
地方自治論
先週が休日だっため2週間ぶりの授業。ペルーの刑務所運営、中心市街地活性化問題、震災への自治体対応などを新聞記事から紹介。雇用政策関係についても配布した。新しい試みとして次回テーマとするEUをめぐる課題について、予め資料を配付し、1週間の間にじっくり読んでくるよう受講生に伝えた。
現代政治の理論と実際
領土問題をめぐる新聞記事を取り上げる。とにかく受講生からどんどん意見を引き出すよう努めたい。今後も多少資料の枚数が増えるかもしれない。まずは、薄く広くでも国内外におけるタイムリーな政治課題をどんどん扱っていくつもりだ。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
まちづくり提案とジョイントに向け、前者についてまずは論文作成、後者については現地調査の実施が焦点になる。インタビュや現地訪問の報告を聞いて、順調に進んでいることがわかり安心した。大勢を前に発表の機会を持つことが貴重な経験になるのは間違いない。
卒論指導
研究室内締切を考えると実質あと2カ月。書きかけであってもとにかくこの時間に論文形式で出してもらう以外にない。院生についても状況は同じ。なかなか思うように書けない時もあるだろうが、向き合う気持ちを切らさなければ必ず活路は開ける。機会を見て自分が書いたものを提示してもいいかもしれない。
比較政策研究(大学院)
受講生増加で発表の割り当てなどを全部組み直す。今日の報告は2人。できるだけ受講生の意見を引き出すように努めたつもりだ。日本語を操り自分の考えを述べる姿に感心した。国際学部なのだから、教員としても個々の留学生の見方・考え方を理解し、吸収する姿勢を持ち続けたい。
12/10/22. Mon.
地方自治論
週単位ペースでの授業が今回ぐらいから軌道に乗ってくるはずだ。特定のテーマを深堀りするのではなく、当面は国内の地方自治関連の課題を新聞記事と自分作成の資料を配付する形で進めていく。EUの課題と関連させて、エネルギー問題、河川(水運)、児童養護、宗教、城に関する日本とイギリスの共通項を取り上げた。雇用についても、地元・地域での雇用創出成功の事例を紹介した。
現代政治の理論と実際
受講生とのやり取りに重きを置きつつ進めた。国内外の現代政治を把握することは並大抵ではないものの、まずは、これまでの経験や得てきた知識や見方を総動員して、動きや変化を観察する必要がある。とくに社会科学領域では、健全な批判精神も必要になる。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
ジョイントとまちづくり提案に向けた実務面やこれからの準備スケジュール、現地調査の報告と今後の予定などについてに向け、皆で話し合う。論文やレジメの作成、プレゼンやポスターなどやるべきことはたくさんあるが、一つ一つ目の前の課題をクリアしていきたい。
卒論指導
卒論と修論についても、今日ぐらいからいよいよスパートの時期に入る。これまで書いてきた文章の合体と同時に、力業で切り開いていく対象も結構ある。卒論生、修論生に共通していえることとして、とにかく現場の足を運んでみる、現地での情報収集活動にとりあえず踏み出すのが大切だ。
12/10/30. Mon.
地方自治論
原発をめぐる各国のスタンスと日本に対する米側の意向に関する新聞記事をもとに意見交換。受講生の間での一致を見出せなかったものの、教員としては、電力業界、産業界、被災者、電力供給・需要、立地自治体、雇用事情など全員で考えたことの意味はあったと受け止めた。
現代政治の理論と実際
少人数受講者の強みを生かして、遠慮することなく各自の考えをどんどん引き出すように努めた。地方自治論と同様、暗記事項を課さないため、前期の行政学と比べて柔軟な授業運営ができると捉えたい。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
まずはジョイント締切の日程確認。参加費の徴収も。こうした実務的手続きも学びの一環でジョイントがあるからこその機会なので丁寧に対応していきたい。また、来年は幹事校の可能性が高く、そのことも視野に入れ対応していこう。まちづくり論文の最終チェック。教員側が気張り過ぎたか時間ぎりぎりでの終了。ジョイント共通テーマに向けた現地調査報告もあり、卒論指導の時間に食い込んでしまった。
卒論指導
卒論の方も実質大詰めだ。月が変わるとさらにプレッシャーが増してくるからこそ、今日のこの時間が大切となる。論文というのはこれにエネルギーを注いだ以上の結果は絶対に出ない類のものだ。修論ではこうした要素がさらに色濃くなる。報告者は、前向きの姿勢を崩さずに、章は無理でも複数節の完成文章を提示するぐらいのつもりで臨んでほしい。
比較政策研究(大学院)
3人から報告。ペーパーにはオリジナル性、まとめを含め自分が作成した文章であること、考察部分を盛り込むことなどを必須と考えていたが、残念ながら達成されたはいえなかった。日本語文献を読むとどうしても、それを自分の言葉でまとめる労力すらう省く誘惑に負けがちだ。ネイティブ言語を日本語に直すのであれば資料的価値があるといえるので、そのことを強調した。