2011年7月 中村祐司の教育日誌

 

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11/07/04. Mon.

 

行政学

前期ラストの授業。震災後の自分なりの研究活動における向き合い方について述べた後で、プロジェクター・スクリーンを使って郡山、気仙沼、石巻、いわきなど訪れた場所の写真を紹介。ずっと活字とプリントを中心にやってきたので、前回の試験終了後に続き、内容に加えて、このようなプレゼンスタイルを盛り込む意味はあったのでは。授業評価アンケートを実施して終了。当初予定していた回数を縮めるのは結構大変だったが、とにかく休講なしでやり切れてほっとした。

 

行政学演習

ゼミも前期ラスト。研究小論文の力作が目立っただけに、司会も含めもう少し読み込んできてほしかった。後期の開始の予定を示したり、就活関連の記事を配布したりと最後までどたばたしたものの、毎年のことだが、前期完了形式のこのゼミも何とかやり切ることができた。そのことの意義はあったと思う。

 

卒論指導

前期研究室活動打ち上げの4年生による18時からの手作りコンパを控え、急ぎ気味に夏休みの研究計画について卒論生・院生から説明。小学生じゃあるまいし、と思われるかもしれないが、初の試みとして後期に向けて良い区切りとなった。10月以降の予定のポイントを記した緑色のペーパーをゼミと同様に配布し、皆と認識を共有した時点で教員側の役割は終了。とにもかくにもここまで辿り着けてひと安心し思わず力が抜けた。皆、ぜひ夏季期間中にさらに伸びていってほしい。

 

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11/07/06. Weds.

 

国際学英書講読

40分間の期末テスト。終了後に解答例を配布。36名が集中して試験に取り組む姿を見て、とても頼もしく感じた。この授業で用いた英文記事を活用してほしいということと、教育日誌を紹介。早めに終わり、その場で早速採点に取り掛かった。全部を見てはいないが、全体的に出来は良くて安心した。今回、震災関連に特化した授業の意義はあったと思う。

 

余暇政策論

提出・掲載レポートをめぐる自由討議。受講生間の相互のやり取りで盛り上がった。ボランティア活動の成果絡みの意義について、最後に学生から出た悩みに対して発言したかったが時間切れ。自分としては地方自治や行政の現場との関わりについて、論文あるいは文章の作成のために役立つデータ収集ができればいいと割り切れるようになった。45年程前から悩み始め、1年程前にようやくこうした認識に至ることができた。だから結論は10数年後でよく、急ぐ必要はない。とにかく迷ったら前に進んでほしいと助言したかった。非常勤先での授業や試験、成績作成や博士後期関係の報告会、委員会など、前期にまだやるべきことは相当あるものの、本務校での授業に今日一区切り付けることができたのが、自分にとって大きい。当初は授業回数が減り、正直不謹慎にも「楽になるのかな」と思う気持ちもなくはなかった。しかし、やってみると回数の削減は内容の取捨に直結して結構大変だった。何はともあれ休講なしで、とくに311日以降のこの年の前期授業をやり切ることの重みは常に感じていたので、ようやく一つ肩の荷がおりた。

 

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11/07/14. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

最初に時間と取って再来週の試験についての説明を丁寧に行う。今日を試験準備スタートの日にしてほしい。2018年冬季五輪開催都市に決定した平昌を軸に、招致成功の背景を探った。招致の是非はともかく、2020年の夏季五輪東京招致をめぐって決して不利な要素ばかりではないことを学んだ。最後に授業評価アンケートも実施。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ社会学と連続して受講している学生にことわった上で、同じく再来週の試験についての説明を行う。節電に悩むJリーグチームの鹿島、サッカーの中・高・大の学校スポーツ選手とプロあるいはユース選手と相互交流をめぐる課題について、具体例を出しつつ考える素材を提供した。自分たちだけの殻に閉じ込もる時代ではないことは確かだ。来週が前期最後の授業。手を抜かないでやっていきたい。

 

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11/07/21. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

試験前最後の授業。サッカーの女子W杯優勝を受けて内容を変更。チーム・組織運営やスポーツ環境など5つのカテゴリーを設けて、今月19日付の主要新聞の報道をもとに視点を提示しようとしたが、中途半端な提示で終わってしまった。それでも海外評価などのキーワードを提示しつつ、優勝がもたらした社会的現象について考察する素材を提供できたと思う。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

この授業でも内容を変更。スポーツ社会学で扱いきれなかったチーム・組織運営とその波及効果に絞って関連の新聞報道を紹介した。やはり組織は人であり、所与の環境の中であきらめるのか、その環境を変えようと努力するのかが分岐点だと感じた。競艇で活躍の女子選手のインタビュー記事を最後に紹介し、平常心と緊張感のバランス、オンとオフのめりはり、どんな場面でも楽しむ姿勢を失わないことなど、競技種目に関わりなくトップクラスの選手の共通する極意を指摘した。また、スポーツ領域以外の諸組織や活動機会にもこのことは当てはまることを強調し授業を終えた。残すは来週の試験とその後の採点のみとなった。

 

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