20107月 中村祐司の教育日誌

 

---

 

10/07/01. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

サッカーW杯関連で韓国と明暗を分けた北朝鮮、フランスに落とした影、W杯後のスタジアムの管理運営問題、新ユニホームの環境配慮と機能面の向上などを取り扱った。日本チームの「型」というのは試行錯誤のプロセスそのものであることを最後に強調した。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツ立国をめぐる課題として、スポーツ庁の設置が本当に日本のスポーツ振興につながるのか、五輪招致の鍵となる国民の意識と盛り上がり、さらにはカナダやドイツ、イギリスの五輪招致とスポーツ振興、日本におけるスポーツ・体育の家庭教師の静かな広がりなどについて述べた。断片的な情報の提供ではなく、本質的な問題を考えるための課題を提供したつもりだ。

 

---

 

10/07/05. Mon.

 

行政学

統計調査、行政需要、法令案の実質的意思決定過程、中央省庁の意思決定過程の特徴について講義する。現在行政学との関連でも、副大臣や政務官の役割変容の可能性などを指摘した。教える側としては15回授業にぶつぶつ言うのではなく、行政学の基礎知識を受講生により把握させる絶好の機会到来と(無理してでも?)思うようにしよう。

 

行政学演習

研究小論文提出日。事前にもらっていた2名と今日の昼に受け取った1名についてはじっくり目を通し、ゼミ開始の前に赤を入れる。それ以外のゼミ生についてはさっと目を通した上での形式的なチェックを社会人院生と2名で行う。ゼミの終わりに提出した1名については卒論指導の時間に食い込んでしまったが一通り目を通す。研究室HP掲載については説明の時間を取れず。明日夕方に「講習会」を開くことにした。

 

卒論指導

卒論生1名、社会人院生1名、研究生2名から報告。進み具合は個々ばらばらであるが、いずれも確実に前に進んでいる。研究を担うのは他ならぬ書き手自身だ。教員ができるのは緩やかな側面支援であり、これは留学生も例外ではない。終了後、留学生の研究生・院生相手に研究室HP掲載をめぐる「パソコン講習」。一番良いのはテキストを作成することだろうがとてもそのような余力はなし。しかし、明日も含めてこの機会に院生はもちろん、学部3年生の一部には使い方の基本をマスターしてもらいたい。

 

---

 

10/07/07. Weds.

 

国際学英書講読

先週のハイチ政治史の続きと、インドを対象とした”Spying on slums”.前者で授業時間のほとんどが取られ、後者は雑な訳とならざるを得なかったのが残念。受講生の対応を探りながらなので、なかなか時間管理が難しい。とにかく15回全授業をやり切るつもりで、目の前の11回を大切にしていこう。

 

余暇政策論

レポート提出日。一人一人確認しながら電子データでほぼ全員から受け取る。ページ脚注はWebレイアウトにした際には消えてしまうことが判明。また、残念ながらファイル名など何名かはレポート作成要領とは異なる提出の仕方で、修正作業に時間を取られ、残り時間があまりなくなってしまった。慌てて次回以降3回の割当てを決める。この授業で飲み会をやるとの発案が受講生から出て、その提案に対する反応も良く担当教員としては嬉しかった。

 

---

 

10/07/08. Thurs.

 

スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

男子バスケット界統合をめぐる課題、地域密着型プロスポーツチームのスポンサー獲得をめぐる「共存共栄」と「競合」、女子プロ野球の順調な滑り出しなど。サッカーW杯をめぐっては「余計な時間との戦い」と題する新聞記事や日本代表の今後の課題としての「連係して攻め手に厚みを生むこと」(新聞記事)などを紹介。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

栃木SC(「オール栃木体制」)と日光バックス(吉本興業との業務提携)の新経営戦略、ラグビーW杯2019年開催をめぐる強化方策、子どもの体力低下への福岡県などの対応と才能発掘事業、さらには「生きる体力」確保に向けた「コダイラスロン」事業などを紹介し、論点を提示した。未明のW杯準決勝スペイン対ドイツを観戦したため授業では体力的にかなりきつかった。

 

---

 

10/07/12. Mon.

 

行政学

参院選の開票速報とW杯決勝(スペイン対オランダ)が日付をまたいで重なり、相当なハードスケジュールとなったが、授業を抜かす訳にはいかない。予算編成過程の実質的中身について丁寧に説明したつもりだ。今後、良くも悪くも政治・政策の最重要キーワードになるであろう消費税についても賛否の論拠を提示した。残すところ試験前はあと2回か。15回授業は慣れるまで2-3年はかかるかも。

 

行政学演習

研究小論文の最終締切日。この時間内に研究室HP掲載を終えるよう先週指示したので、教員からはこれ以上口出しせずに1時間はゼミ3年生の作業を見守ることとした。残念ながら数名による奮闘も実を結ばなかったようで、2名(途中から3名に)が卒論指導の時間も資料室に残り、遂に掲載に至った。自力でやらせることの大切さを教員も学んだ。

 

卒論指導

卒論生1名、社会人院生1名、研究生2名から報告。頭脳疲労というのだろうか、なかなか集中できなかったものの、報告者にとって貴重な機会であり、細部はともかく全体像は正確に理解するよう努めた。残り前期はあと2回。夏休み前のもう一踏ん張りしたい。

 

---

 

10/07/14. Weds.

 

国際学英書講読

プリントNO.13.タイトルは”Cuba’s ‘Ladies in White’”, “Spy scandal in India”, “North’s suicidal move”, “Wall Street casino”. 志願の受講生が1本ずつ訳す。4本目の米政府の金融改革をめぐる民主・共和両党の考えの違いのところで、”is”の受け方に疑問が生じ立ち往生した箇所が2つ。結局、一つのまとまりとして捉えれば三人称単数と取れると理解するのが妥当だということになったが、来週この点について一言触れておこう。

余暇政策論

レポートをめぐる自由討議の1回目。社会人受講生の巧みな司会と受講生間の相互のやり取りとで盛り上がった。レポート個々のテーマは一見ばらばらだが、底流では共通の価値で繋がっているのではと思った。コメントの校正もこの時間の中で行った。次回も今日のような活発な意見を交換してほしい。

 

---

 

10/07/15. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

再来週の試験について授業の冒頭で周知した。ようやくW杯南ア大会以外の話題提供となった。スポーツ選手の政界進出やモスクワ五輪ボイコットの今日にいたるひずみや余波など。毎回コツコツと積み重ねてきた受講生に試験では力を発揮してほしいと切に願う。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

同じく授業の中身はW杯南ア以外。スポーツマーケティングの新潮流やスポーツ活動が教育や国際交流、医療に及ぼす好影響などについてポイントを板書した。受講生にスポーツ世界の奥深さと広がりを理解してもらうのがねらいであったが、どれほど共有してもらえただろうか。

 

---

 

10/07/19.Mon.

 

行政学

試験について冒頭で説明。行政責任論で締め括る。来週の前期講義最終回では、テキストで覆い切れなかった民主党政権誕生以後の政府間関係(地域主権)をめぐる動きとその評価ついて説明するつもりだ。他の合宿型の授業評価のお手伝いがこの時間にできるかと思ったものの、実際の対象者は僅か3名でお役に立てなかった。祝日に授業をやるのは当初予想したほど愚痴めいた気にはならず、むしろ変に回避しなくてよかった。

 

行政学演習

先週、書き上げた各小論文をゼミ生3名で研究室HPに掲載したので、それをもとに自由討議に当てる。各々の内容や問題意識についてゼミ生間でだいたいのところは共有されたと思う。次回で前期ラストとなるが、気を抜かずにしっかりプリゼンできれば、良い形で締め括れるだろう。

 

卒論指導

来週は4年生主催の研究室飲み会のため、前期卒論指導は今回がラスト。各自がパワーポイントを使って報告。結果的に良い形での一区切りとなった。来週の段取りを確認してから、研究生2名についての研究計画案も見る。こちらも中身の輪郭はほぼ固まってきた。次回には研究室に残る3年生、卒論生、研究生、院生に対して今後の研究室活動についてメモを手渡さなければ。その他にも3年生の研究成果発表ミニポスターの研究室HP掲載や連絡先の取りまとめなど、教員がやるべきことはまだかなりある。

 

---

 

10/07/21. Weds.

国際学英書講読

プリントNO.14. 今年度から15回授業が義務づけられたので、ここまで来たのは初めて。タイトルは”Israel’s entry into OECD”, “Natural world”, “U.K.’s new government”, “Europe’s bailout plan”. 3本目までは教員が訳し、4本目は自ら手を挙げた受講生が訳す。講義としては次回がラスト。最後まで手の抜かずに行きたい。

 

余暇政策論

受講生による自由討議の2回目。司会の準備も万端で前回同様かなり盛り上がるが、注文を付けるとすれば、まずはレポート内容そのものに関する発言があって、そこから関連の話題に展開していけばと感じた。次回が講義としてはラストとなるが、受講生にはさらに活発な論議をしてほしいし、余暇領域をめぐる本質的部分での共通理解を促すような発言を期待したい。

 

---

 

10/07/23. Thurs.

 

スポーツ社会学(白鴎大学)

講義は最終回で来週は試験。サッカーW2018年と22年大会の招致活動を紹介。18年が欧州、22年がアジアか北米という視点で予想も含め説明。2年後に迫った2012年ロンドン五輪についても準備状況の概要を示した。試験に関する質問が少なかったのは、教員側の意図などが受講生に浸透しているからだと思いことにしよう。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

同じく講義は最終回で来週は試験。スポーツ立国戦略の特徴について新聞報道をもとに説明。また、スポーツの持つ他領域(健康や国際交流)への好影響力についてJAICA(国際協力機構)の雑誌から紹介。あとは試験を残すものの、とりあえずここまでたどり着くことができて良かった。

 

---

 

10/07/26. Mon.

 

行政学

来週は試験で、今回が前期最終回の行政学講義。テキストをもとにしたレジメから離れて、1993年以降の地方分権・地域主権の課題について解説。とくに昨年9月の政権交代以後の議論や法案の中身を追い、その特徴を指摘し、私見も提示した。締め括りの授業としてはこれでよかったのではないか。試験問題の作成はこれからだが、ひとまず(中間試験を含む)15回の授業をやり切れたことにほっとした。

 

行政学演習

研究小論文の成果報告会。イメージラボを借りて行う。後期研究室に残る3年生や4年生、研究生、院生に伝え確認しておくことは結構あり、昨日薄緑色のA4用紙に印刷しておいたものを配布して説明。夏休み中、そして後期以降もとにかく前向きにやっていきたい。

卒論指導

コモンルームを借りて、学部3年生から社会人院生まで世代縦断型で懇親会を4年生主催で開催。教員もこの場ではうるさいことは一切言わず、疲れを癒し楽しんだ。振り返れば、関連の書類の提出など何となく追われるような気持ちで研究室を運営してきたが、前に進むためにはそのくらいでちょうどよかった。

 

---

 

10/07/28. Weds.

 

国際学英書講読

前期講義の最終回。プリントNo.15.タイトルは”Hillary at the buzzer”, “Earthquake anniversary”, “Plight of Greece”, “Obama and Karzai”. いずれも読み応えがあった。アメリカの対アフガン政策を”hospitality”と呼称していた箇所に来た時には思わず感情的になってしまい反省。15回の授業でどうにか15枚読み切った。ここまでのプロセスについては受講生にも教員にも合格点を与えていう。来週は実力を見る試験。

 

余暇政策論

受講生による自由討議の最終回。意見交換は終始なごやかに良い雰囲気で進んだ。もう少し激しくやり合ってもいいのでは。しかし、若者世代から見れば時代遅れかも。社会人受講生から夏休み前の水事故に気をつけようと呼びかけるパワーポイントの紹介あり。最後に授業評価を行って終了。来週は記述式で考察重視の試験を実施。

 

---

 

10/07/29. Thurs.

スポーツ社会学・スポーツ行政論(白鴎大学定期試験)

試験本部もあり、非常にシステマティックなやり方に驚いた。専任教員の手助けも受け、大いに助かった。まだ採点はあるものの、出講日としてはこれがラスト。ここまで皆勤できてほっとした。

 

---

 

研究室トップへ