2010年4月 中村祐司の教育日誌
10/04/08. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
「スポーツ社会学とはスポーツ世界を社会学の視点から研究する学」という自己流?の定義に加えて、この授業ではスポーツ社会の学としても捉え考えていくことを表明した。地域社会、地方自治体、国家、国際社会といった縦軸と生涯スポーツ、スポーツ環境、競技スポーツといった横軸を板書し、こうした枠組みにおいて、次回以降、新しい事例を紹介しつつ、各々に対する見方や課題を提供してくことを強調した。久しぶりに緊張しつつ教壇に立つと確かに疲れるものの、身が引き締まるような思いもした。
スポーツ行政論(白鴎大学)
スポーツ行政論は読んで字のごとくスポーツ行政を論じるものであるが、行政サービスを広く公共サービスと捉えるならば、スポーツ公共サービスの担い手は行政だけではなく、住民・市民、企業、NPO・団体も含まれるし、各々が「交錯」する特質を有することを強調した。説明を事例(マツダスタジアム運営や広島市の五輪招致など)から入ったものの、果たして受講生の関心を喚起できただろうか。
10/04/12. Mon.
行政学
文科省(中央教育審議会)発の授業回数確保のお達しの影響で、今年度は15回+試験となった。その第1回目。「ポイント行政学」「現在行政学」と題して、A4表裏に印刷したものを配付。初回は前者について福祉国家の要件やエージェンシーなど。後者についてマニフェストに見る民主党政権の「大きな政府」傾向。この授業に限らないが、1回1回を大切に積み上げていきたい。
行政学演習
その年々によって受講者数の波があるのは確かなようだ。14名と大所帯でスタート。多人数ならではのダイナミック効果が期待できる。ゼミ概要説明と題して現時点で考えているスケジュールの提示、自己紹介、授業登録前ではあるものの、現段階でこのゼミに対して興味を持った理由(複数の受講者が“とちぎ発”の新書に触れてくれたのは嬉しかった)、そして雇用政策をめぐる新聞報道の提示など、一コマの時間をめいっぱい使って初回のゼミがスタートした。次回はスペース確保のため、事前に大きい椅子を廊下に出しておくのを忘れないようにしよう。
卒論指導
3名の卒論生が出揃った。初回は社会人院生1名と留学生院生1名もアドバイザーとして加わる。報告のスケジュールを設定。ゼミで用いた雇用関係の資料も配付。各々の進路に向けて状況を真正面から受け止めて、あきらめずに可能性を追求してほしい。卒論作成はそのこととは相反しないはずだ。
10/04/14. Tues.
国際学英書講読
昨年と同じくイメージラボTを用いた英字新聞(ジャパンタイムズウイークリー)社説講読の開始。ただし、今年は初回からいきなり社説4本を教員主導で読む。出席カードの整理がまだなので正確な人数は分からないが、受講生数は過去最大の多さ(40名を超えた?)。その熱心さは嬉しいし、受講者数の制限などは考えてはいないものの、一人一人に目配りできる範囲を超えているような気もする。でもとにかく専門科目における問題意識を持った受講生の参加はありがたい。人数の多寡どうこうではなく、1回1回皆で正確な内容把握を受講生と共有できれば。
余暇政策論
20数名といったところか。これならば皆と顔を見合わせて進められる。事前に用意したプリントを配付し、さっそく内容を紹介しながら、随所で受講生に問いかけるよう心掛けた。最初のうちはなかなか意見が出なかったが、電子書籍、携帯機能、音楽ダウンロードをめぐる法の規制のところでにわかに盛り上がる。初回から教員と複数の受講生の間でこのようなやり取りが展開され、上々のスタートを切ることができたは嬉しい。知識どうこうではなく、見方、捉え方、発想の仕方など余暇空間をめぐる思考を軸にした授業内容となるよう心掛けたい。
10/04/15. Thurs.
スポーツ社会学(白鴎大学)
囲碁の「頭脳スポーツ」としてのアジア大会参入、ラオスのペタンク人気、1980年モスクワ五輪ボイコットが競技者とその後の人生に及ぼした影響、「地域密着」をキーワードにした場合のJリーグ人気の維持と代表の人気低下の要因、プロ野球巨人と他の11球団の地域密着への向き合い方の違いなどについて指摘した。受講生の集中力の継続に直面し、それが授業展開に元気を与えてくれたことに感謝。
スポーツ行政論(白鴎大学)
政権交代後のスポーツ予算をめぐり、政策集との相違、事業仕分けによる国庫補金の削減、その後の削減を補ってあまりまる重点事業の増額、新規事業の立ち上げなど、昨年12月以降のスポーツ予算の変容と特徴について説明した。人によって解釈は様々だろう。もう少し詳細に事業項目や予算の内訳を見る必要があろう。
10/04/19. Mon.
行政学
ポイント3つ分(統制の規範、分離の規範、総括管理機能)を説明し、「現在行政学」では現政権における政治と行政についての素材を提供した。しばらくはこのようなやり方を貫いていこう。ポイント説明もあせらずにやっていきたい。
行政学演習
先週よりも5名減って3名ほど新規受講生が増えた。来週には落ち着くだろう。論文の書き方について、あまりがちがちにならないよう心掛けつつ、教員の経験も盛り込みながら説明。本日の受講生にはこれまでで最も印象に残っているレポート作成について出させた。残りの時間で雇用をめぐる新聞記事を紹介。もう一枚については来週までに読んでくることとした。
卒論指導
卒論生にとっても大いに参考となること間違いないため、院生と研究生から報告させる。とくに文章の訂正や意図の確認など、スムーズな相互意思疎通とはいかなかったものの、悪戦苦闘した結果、最後には皆の間で共通認識を持つことができた。
10/04/21. Weds.
国際学英書講読
プリントNO2.を読み切る。タイトルは”Air screening”, “Hyperbole on Yemen”, “Australian surveillance”, “Hatoyama needs time”. 真剣な集中ぶりに、受講生がおおむね予習してきた手応えを感じた。最初のうちは教員が半分程度訳すとしても、今後、その割合を徐々に減らしていけばよい。
余暇政策論
日中韓の若者の間での人気ドラマ、一コマ漫画、記憶遺産、トクホについて取り上げる。特に最後の素材については、受講生の中に栄養学・食品学を学んだ経験者がいて、やり取りが大いに盛り上がった。このように教員が提供した課題に詳しい受講生がいると、授業が思いもしない展開を見せ、教える側のやりがいも増す。
10/04/22. Thurs.
スポーツ・体育社会学(白鴎大学)
自転車エリート選手が医師国家試験に合格した話から入り、栃木ブレックス優勝がもたらす地域密着型クラブの可能性や、今後のリーグ統合の可能性、さらには野球の独立リーグが抱える課題などを指摘した。
スポーツ行政論(白鴎大学)
「鳥取方式」と呼ばれる天然芝普及活動を紹介。その後、福岡大が取り入れた人工芝の成功と、保水力・蒸発力の発揮によるヒートアイランド抑制効果やゲリラ災害抑止効果について、新聞記事をもとに説明した。
10/04/26. Mon.
行政学
ポイント三つ分進む(政治・行政の融合論、古典的組織理論、行政学の隣接学問)。とくに縦割り組織と横割り組織、ラインとスタッフの古典的定義に説明の時間を割いた。事業仕分けについても言及。連休明けもこの調子で進めていければ。
行政学演習
今回で受講者はほぼ確定か。多めの人数メリットを生かして、前期の研究室活動がダイナミックに展開できれば。以前、話題提供したトライアスロン大会について、課題設定例として取り上げる。積極的な質問や意見も受けた。ゼミ生に望みたい研究の基本的な姿勢や、混沌としている雇用情勢に正面から向き合う心構えについて語った。混沌とした雇用状況のなかで、前向きな気持ちだけは常に持ち続けたい。
卒論指導
事情で2名が欠席。卒論生1名から報告。寂しくなると思いきや、研究生留学生2名と院生2名が参加し、うち社会人院生の報告を入れたので、指導の中身を形成することができた。このように今後も柔軟に対応していきたい。毎週1回のこの貴重な時間を教える側(=仕事をする側)が放棄するわけにはいかないのだから。
10/04/28. Weds.
国際学英書講読
プリントNO3.を読み切るものの、教員主導色が強かったかもしれない。タイトルは”Failed coup attempt”, “Kim’s unrealized visions”, “Yemen’s struggle”, “China’s economic policies”. 連休前の段階で3枚終わらせたのは初めての経験だと思う。連休明けも攻めの姿勢を受講生と共有していこう。
余暇政策論
受講生から食品・栄養関係で話題提供あり。教員としては大変ありがたい。テーマパークの値下げ、ツイッターをめぐる街おこしや情報課題、行列LOVERS、喫煙場所と排気設備をめぐる話題提供。連休明けにはレポート作成のスケジュールを提示するものの、レジメ配付は1枚でも続けていくつもり。