20086月 中村祐司の教育日誌








08/06/02. Mon.



行政学

 産業技術大学校が休みのため体力的に少し楽。今日から後半の授業へ。期末試験で挽回可能なことを強調した後で、レジメ11章と12章を説明する。事例を盛り込むのでのどうしても時間がかかってしまう。次回TP61から。レジメは20章、TPについては100が授業としてはゴールである。着実にやっていこう。

 

行政学演習

 今日から研究小論文に向けたステップ2ともいえる文章化を伴った報告。皆、意欲的に取り組んでいて安心して見ていられる。ついつい助言にも力が入る。最後の30分ほどはジョイント、まちづくり、ISFJに関する調整。ISFJについて参加するかどうかが決まらず。卒論指導の後で3名にまた来室させ、院生も交えて話し合うことにした。参加することで必ず何かが得られるのは確かだが、教員側の行動の拙速は避けてあくまでもゼミ生の判断にまかせたい。



卒論指導

毎週2名による輪番での報告が軌道に乗ってきた。「窮鼠猫を噛む」の思いで、4年生の中からISFJに参加してはと水を向けるものの、やはり唐突過ぎたか。報告をめぐってかなり話が脱線したものの、全員からいろいろな考えが提示された。卒論生にとって目の前の目標は来月14日の中間発表会だ。








08/06/03. Tues.



国際学英書講読

 社説ではなく、419日付の”Tibetan culture, traditions likely to disappear”という優れた論考を読む。英文読解だけで終わらず、中身で示された視覚や事実をぜひ吸収してほしい。次回はプリントNO.7. まずは10までを目標としたい。






08/06/04. Weds.



「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

 レジメ報告からステップ・アップして中間報告へ。少人数のため目配りができるのがメリットだ。その後資料をもとにメディカ・ルツアー、「公けの欠如」(ジンバブエなどアフリカ諸国における政府の機能不全)、ノルウエーの年金制度改革、中国共産党の人材育成などについて意見交換。次回は2名から中間報告。TP51から。 



余暇政策論

受講生全員からレポートのテーマや進捗具合について尋ねてから、来週・再来週の中間報告の割り当てを決める。レジメは27部用意。その後資料を配布(万引きをめぐる被害者から加害者への一瞬の転化、「じてんしゃ図書館」、学生起業の「ルーズフリー」「タダコピ」「マイカード」、ネットオークションなど)。新聞記事から余暇政策を考える上での興味深い素材をこれほどいろいろと拾えるとは思わなかった。次回TP51から。








08/06/05. Thurs.



スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

 2016年五輪の立候補地7都市のうち、東京を除く6都市の招致活動を話題として読売新聞の記事をもとに、今朝ラジオでちらっと聞いた、IOCの第1次選考により4都市に絞られた結果を伝えながら授業で取り上げた。710日の試験を目指して一回一回丁寧に積み上げていきたい。次回TP71から。



スポーツ行政論(白鴎大学)

 女子プロボクシング、F1レース(日本のプライベート・チームの資金難による撤退)、北米プロサッカーの人気沸騰とその背景にあるファンをめぐる社会構成の変容、といった話題を取り上げた。この授業についても710日受講生が前向きに力を発揮できるよう、スポーツ行政に関わる「生(なま)の素材」をどんどん提供していきたい。次回TPは同じく71から。



ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)

 文章化したレジメ報告の後半。コピーカード1枚を複数で使うための実務的な調整も貴重なゼミ活動であろう。次回TP81(早大が一番進んでいる)。受講生から「ワード2007でリッチテキスト保存すると脚注が消える」との指摘を受け、MSはそこまでするのかと思わずたじろぐ。確認してみなければ何ともいえないものの、ワード20002003ではそんなことはなかったはずだ。もしかしたらMSの操作戦略かもしれない。3年生の報告も順調に進んでいる。ホームレス政策については以前少しかじったせいで、思わず熱いコメントとなってしまった。せっかちの性格ゆえに沈黙の時間が惜しい。当日の疲れは言い訳になるまい。73日の前期最終を目指して一回一回エネルギーを惜しまずやっていこう。








08/06/09. Mon.

法学(産業技術大学校)

国際宇宙ステーションへ(ISS)への「きぼう」建設をめぐる新聞報道を紹介。スペースシャトルで船内実験室を運び設置するプロセスや、「親アーム」を用いた船内保管室の移設などのしくみについて、自分が理解し得た範囲で説明した。早いもので来週はもう試験。受講生は自分なりの考えを答案に書き込むことが大切だ。僅かな時間でも話題提供は続けていきたい。



行政学

レジュメは13章と14章。官僚制組織の作動様式を組織の機能障害論で締め括った後で、政策学に入る。今日は時間に余裕を持って終わると思っていたが、一つ一つの説明を丁寧にやり過ぎたせいでぎりぎりに。次回TP71から。受講生全員がまずはレジメ20章までのマスターを、そしてその後の試験での力の発揮を目指してほしい。



行政学演習

 文章化したレジメをもとに5名から報告。提出が2週間後に迫ってきた。註の付け方や章の設定など形式的なことは来週でも大丈夫なので、中身(論文作成)の構築にこれから2週間はエネルギーを費やしてほしい。残りの時間でジョイント、まちづくり提案、ISFJに関する打ち合わせ。研究室活動として良い方向で進んでいるのを実感した。本格的な取り組みはゼミ生が書き上げた後にスタートすることになる。



卒論指導

就活関係で4年生は3名、加えて直接の報告者は1人とやや寂しかったものの、レジメ報告書のものも含めて意見交換や話が盛り上がった。卒論生が集まる週1回のこの時間は、ざっくばらんな情報交換を通じて企業社会の状況を見る上でも貴重な機会になっている。毎回大切に臨みたい。








08/06/10. Tues.



国際学英書講読

プリントNo.7に入る。”Diana incident inquest ”, “ NATO membership bids ”, “Agricultural innovation” , “Weak dollar”といった4本の社説を読む。取り扱っている社説はいずれも国際社会を知るアンテナだと思って、内容そのものを知識としても吸収していきたい。まずはプリント2桁が当面の目標。








08/06/11. Weds.



「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

 できるだけ文章化した中間報告ということで受講生2名が担当した。どのような視点を設定するかなど、物理的には2,3枚ではあっても、レポート作成者が主導して活字を埋めていくのはそう簡単にはいかない。書き出すまでが大変だ。時間切れで用意したレジメは配れず。来週のTP61から70.



余暇政策論

10数名による文章化したレジメ報告。早めに進めていったつもりだが1時間以上かかり、意見交換の時間はほとんどなし。それでも各自が設定したテーマはいずれも興味深いものばかりだった。問題意識をたとえ数行でも自力で書き下ろし、資料データのまとめは出典を明らかにし、この検討作業から見えてきたことを結論として再び自力で書き下ろす、というのがオーソドックスな手順だろう。残りの僅かな時間で用意したレジメを配布して説明。次回TPは同じく61から70. 4-5名欠席で余ったレジメがもったいない。








08/06/12. Thurs.



スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

 2016年東京五輪の招致活動をめぐる課題などについて話題提供した。次回TP81から。まじめに出席している受講生には繰り返しとなってしまうが、710日実施の試験については毎回の授業で周知徹底していこう。



スポーツ行政論(白鴎大学)

 栃木SCの経営課題やMLBのスタジアム座席数を敢えて減少させる経営戦略などを紹介。同じく次回TP81から。テキストを購入する受講生が4名ほど。「今ごろ」などと言わずに、その時点で少しでも多くの受講生に真剣に目を通してもらいたいと思う。



ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)

 2年生にとって研究小論文の提出が来週に迫ってきた。今日は最初のコマに3年生による研究発表を行う。テーマについて発表者自身が熱く考察している場合、その真剣さと迫力が聞き手にも伝わるものだ。次のコマでは研究小論文をめぐる形式的な確認を行う。ジョイントをめぐる話し合いでは4年生から貴重な苦言が呈された。来週、成蹊大の先生が書いてくださった共通テーマについての提案趣旨説明を忘れずに持参し、コピーしておきたい。2年生も3年生もなくジョイント参加者であれば、いずれも活動に深く関われるようにしたい。TPについては早大が先頭を行っていて、次回はいよいよ91からでラスト。








08/06/16. Fri.

法学(産業技術大学校)

試験の実施。今まで取り上げた産業技術をめぐる話題を2つ取り上げて、まとめた上で自分なりの考えを書くというもの。TPについても2つ選び、自分なりの考えを書かせる。採点はこれからだが、50分間、真剣に向き合っている様子に接して嬉しかった。一枚一枚の答案をしっかりと読んでいきたい。ものづくりについての総括的な話を新聞報道をもとに行う。次回、ここで出てきた書籍を紹介しなければ。TP81からだが、ラストなので100まで一気に行きたい。



行政学

早いものでこの間、中間試験が終わったと思ったが、レジメはもう後半の15章と16章。少し早めに終われるかと思ったが、具体例を挙げているとつい説明に力が入ってしまった。試験は77日でほぼ確定。来週は確定した旨を最初に伝えよう。次回TP71から。TPについてもレジメ各章の進み具合と歩調が合っているので、このまま行けば100まで終わる。



行政学演習

 演習における研究小論文がいよいよ来週に迫ってきた。遅刻なしで10名がぴたっと揃うゼミが続いている。これは誇るべきすごいことだ。最初にジョイント打ち合わせについての調整を行った(打ち合わせ参加に向けて良い方向で話が進み、ややほっとした)。全員から研究小論文の進み具合について報告。註の付け方の説明に時間を割く。何と卒論指導の際の註をめぐる説明よりも先行する結果となった。来週はファイル受け取りとHP掲載を院生の力を借りて一気にやりたい。



卒論指導

 714日の中間発表会後の懇親会の場所(コモンルーム)を確保。1名からテーマを絞り込んだ形での報告。このように作成者が最もやりたいテーマに忠実になる姿勢は大切だと思う。もう1名は欠席だったが、良質なレジメの用意が事前にあって、それをもとに意見交換を行った。就職活動に関する新聞の切り抜きや、研究室OBのインターネット上の卒論掲載に対する高い評価の反応なども紹介した。








08/06/17. Tues.



国際学英書講読

授業が始まる前に真剣に予習している受講生が多くいたことに感心した。今回は社説ではなく、論考”Technology: the answer to global problems”を読む。意味を取っていく勢いの大切さを受講生に知ってほしくて、最後の2パラグラフを除き自分が訳す。プリント2桁を目指そう。










08/06/18. Weds.



「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

 2名から中間報告。1名欠席で全部で3名を相手に行う。レポートの作成はこれからの在学期間中に何度も経験することと思う。このセミナーがその出発となると同時に土台となってほしい。提出まで2週間。問題意識の提示、収集した資料の自力でのまとめと位置づけ、資料の検討から見えてきたところの提示、といった三本柱を念頭に置いて取り組んでほしい。来週のTP71から。



余暇政策論

文章化したレジメを配布した上での中間報告の後半。12名が発表する。もう少し受講生にじっくり語らせればよかったと後で反省。提出まであと2週間となった。この調子で行けば大丈夫だろう。後半は今朝用意したレジメ(電車内化粧について)を紹介する。余暇に関わる話題提供は継続していきたい。次回TPは同じく71から。








08/06/19. Thurs.



スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

 四川大地震と北京五輪と相互影響について新聞記事をもとに説明した。ポジティブな方向性に注目して、これからもたとえ小さな記事であっても拾っていきたい。次回TP91から。



スポーツ行政論(白鴎大学)

 MLBのマネジメントをめぐる模索や新たな市場戦略について読売新聞の特集記事を素材に授業を進めた。スタジアム建設が地元の自治体の負担なしで作られた事例やIT産業の利用など、日本のスポーツスタジアムをめぐる考察にも役立ちそうな事例を紹介した。同じく次回TP91から。



ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)

 2年生は「研究小論文」の提出日。各自持参のUSBメモリーから教室に設置のノートパソコンを使って自分のUSBメモリーに取り込んだ。来週、再来週のゼミでの検討内容について司会者の選定も含めた確認を行った。終了後に3年生からの研究報告。休憩を入れてTP91から100までを対象とした前期最後の「ミニ講義」を行った。その後はジョイントの共通テーマ趣旨説明のプリントを配布したり、ジョイント担当者の司会で分科会テーマについて話し合った。ジョイントに関連する実務的な情報のゼミ生間の共有について迅速にやるよう苦言を提示した。前期は残りあと2回。








08/06/23. Mon.



法学(産業技術大学校)

9回に及ぶ授業の最終回。先週の試験欠席者2名のフォローに多少時間を取られたものの、事なきを得る。産業技術をめぐる「暗黙知」と「形式知」、さらに市場メカニズムの枠では納まり切らない挑戦や、産業技術外領域に知のアンテナを張ることの重要性を強調した。敢えてものづくり領域に踏み込んだ授業を進めたことで自分にとっても大変勉強になった。



行政学

 再来週の試験について板書。レジメ1718章のポイントについてできるだけ簡素な説明を心掛けたが、どうしても説明における言葉数が増えてしまう。内容は今どきの学生には不人気の「概論」となっているが、今後の政策に関する勉強の基礎力養成には欠かせない。次回TP91からラスト100まで。





行政学演習

10本の研究小論文が出揃った。院生が手早く研究室HPの掲載作業を行ってくれ助かった。この間にジョイント(共通テーマや分科会の割り振りや、分科会希望テーマの設定など)に関する話し合い、まちづくり提案のコアメンバー(2名ずつで、ゴミ処理と防犯という二つのテーマ)の確定や、その他のゼミ生の協力スタンスなどを決めた。来月14日のゼミ生発表会の会場(イメージラボ)も確保。先週の早大ゼミと同様、まずは一山超えた感じでほっとした。



卒論指導

地元での就職活動に取り組む1年生を除き、6名が出席。やはり欠席者が少ない方が盛り上がる。とくに前期(後期も同様か?)における1週間のスケジュールの関係で、この時間を大切にしなければ。実際の資料収集やインタビュに入る前の迷いはおおいに結構で、悩んだ分だけ夏以降本格化する卒論作成の原動力となるはずだ。








08/06/24. Tues.



国際学英書講読

9枚目の”Financial summit”, “New Italian leader”, “Food crisis”, “AIDS treatment”を読む。一定の時間の中で受講生に訳出させるのに苦慮する。次回はプリント二桁。理屈抜きで継続するしかない。








08/06/25. Weds.



「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

 出席は2名と寂しかったものの、来週のレポート提出に向けて進捗状況を聞いた。提出の形式についても再確認した。受講生1名のレポートとの関連で、大学キャンパスにおける留学生との日常的な相互交流の課題とあり方について話し合った。資料(原油高騰と食品の値上げ)を使って地球規模での危機的問題についても意見交換した。次回TP81から。



余暇政策論

同じく来週のレポート提出に向けた進捗状況を受講生から受けて、提出形式についても確認。文章化したレジメの提出や中間報告をじっくりと積み上げてきたので、一つでも多くの力作を期待している。ファイルの取り込み作業についても念を押したので大丈夫だろう。北京五輪をめぐる問題意識について教員から提示。次回TP81から。








08/06/26. Thurs.



スポーツ・体育社会学(白鴎大学)

 2週間後の試験に向けてその準備内容と出題形式について説明。四川大地震が北京五輪をめぐる環境をポジティブに一転させた現状に注目し、関連の新聞記事のキーワードを板書した。何とかTP91から100まで終えた。全体的に把握するために受講生には来週も持参するように言った。



スポーツ行政論(白鴎大学)

 中国におけるスポーツの普及について、日本のプロ野球やMLBの取り組みを紹介した。また、北京五輪スポンサーのスポーツ用品市場に関する動きについても具体例を挙げた。同じくTP100まで終えた。縦長の教室の座席が後ろから埋まっていくので、教員と受講生との間で空間が「間延びする」ためやりづらい。



ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)

 2年生が先週提出したレポートのうち5本を対象に、2年生自身の運営で自由討議を行う。後半、関連の意見の連鎖が展開されたのが収穫。次のコマは3年生による前期最後の報告発表。ミクロの素材とマクロのそれとをどうつなげていくかが課題だ。来週が前期最後となる。10月以降の4年生による報告やジョイント準備などのスケジュールを提示しなければ。








08/06/30. Mon.



行政学

 産業技術大学校の担当授業(法学)が先週で終了したため、授業開始前に1時間弱、雑務を2つこなすことができた。レジメの19章と20章。TPも最後まで終える。一通り説明し終えてほっとした。来週の試験問題を早めに作成しておかなければ。



行政学演習

 10本出揃った研究小論文の前半5本を対象に自由討議。実質50数分間ではあったものの、事前に熟読してきたゼミ生がほとんどのように見受けられ、頼もしかった。ジョイントとISFJの件で調整・合意する時間が必要となり、残りは事情説明と教員からの提案に充てた。良い方向で来週あたりは研究室としてのスタンスも固まるのではないだろうか。

 

卒論指導

 試行錯誤中の報告が2本。かえってあまり考え過ぎずに、まずは行動(現地調査はインタビュなど)してみた方が展望が開けるかもしれない。今回でもって前期のこのスタイルでの卒論指導は終了し、次回は院生2名による報告、そして再来週は中間発表となる。残り2回も気を抜かないでやっていこう。11回を大切に。








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