2008年5月 中村祐司の教育日誌
08/05/01. Thurs.
スポーツ社会学/体育社会学(白鴎大学)
聖火リレー問題(とくに先日の長野市におけるセキュリティ対策)、運営をめぐるソウル五輪と北京五輪との相関性などを題材に講義を行った。新聞の紙面が聖火問題に割かれる傾向があるのは止む得ないだろう。中国内に入ってからの報道にも注目していきたい。次回TPは31(とくに奇数のTPに関連させて)から。
スポーツ行政論(白鴎大学)
ソウル五輪後の施設をめぐる管理運営の大変さや、野球の独立リーグをめぐる注目すべき拡大現象を取り扱った記事を使って授業を進めた。拾い方によってスポーツ行政に関する素材はたくさんある。この調子でやっていきたい。次回TPは同じく31(とくに偶数のTPに関連させて)から。
ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)
小山駅から白鴎大まで徒歩で往復した。にもかかわらず、駅近くの良心的な定食屋でゆっくりめに昼食を済ませた後にタイミングよく快速逗子行きに乗れた。池袋経由で高田馬場下車の後、懐かしさあって早大キャンパスまで歩く。回を重ねる毎にゼミ生の雰囲気が把握できるようになる。4年生が複数顔を出してくれた。こちらから指すようにすると問題意識を感じる応答が得られた。毎週木曜は体力勝負のようなところがあるが、集中する時には集中して乗り切っていきたい。
08/05/07. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
連休明け。前期の水曜授業はこれから夏まで変更なしで行くことになる。レポート作成要領を確定した4名の受講生に配布した後で内容について説明。締切を7月2日と設定し、この日の提出が明確な目標となった。聖火リレー問題をめぐり意見交換。TPは11から20まで。国際政治に関わる資料を配布。次回までに読んできて感想を聞く。また、2週間後のテーマ確定に向けて関心のあるテーマについて口頭で聞くことにした。
余暇政策論
同じく7月2日締切のレポート作成要領を配布。人数は20数名で双方向のコミュニケーションを行うにはこのくらいがベストだ。ITをめぐる意見を聞く。指名すると真剣な問題意識を感じる応答が多かった。聖火リレー問題についてもいろいろと違う角度からの見方があるはず、と問いかけた。資料を配布して余暇政策領域の多様性への理解を促した。TPはやはり11から20まで。合併によって余暇をめぐる公共サービスの在り方が変容する点を強調した。
国際学基礎演習(博士後期)
午後に委員会が重なり、止む無く遅刻で司会役としてぎりぎりで滑り込む。後期の院生相手だと、意識しなくてもさすがに頭の中が「研究モード」に切り替わった。考えてみれば、今日は学部1年生から博士後期1年生まで学年としても年齢層としても実に幅のある受講生を相手にしたことになる。スケジュールは非常にきつかったものの、こうした教育環境に身を置けることに感謝しなければいけないのだろう。
08/05/08. Thurs.
スポーツ・体育社会学(白鴎大学)
聖火リレーのチョモランマ到達が間もなくと予想され、中国内の聖火リレーとの整合性や「特別バージョン」のトーチ構造などについて書かれた記事を紹介した。また、環境対策や気象対策など北京大会をめぐる中国政府による統御の具体例についても言及した。次回TPは41から。
スポーツ行政論(白鴎大学)
Jリーグと大学との連携事例、野球の独立リーグをめぐる運営課題、バスケットボールbjリーグの新たな可能性、さらには北京五輪とスポンサー戦略など新聞記事から紹介し、運営面の課題に注目した授業を行った。同じく次回TPは41から。
ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)
木曜は連休にかぶらなかったものの、一つの区切りとして今日からいよいよ2年生は「研究小論文」に向けスタートを切った。今後のスケジュールを示し、テーマや複写の仕方、グループ分けなどに取り組んだ。春休みの日光合宿でのテーマについて尋ねるとほぼ全員が変更するとの予想外の反応。来週、個々のテーマが確定する。7月が1回しかないこともあり、やや前倒しの締切りとなったがやってくれると思う。3年生の発表はゴミ処理対策についてのもの。以前調査に関わったこともあり意識しないうちに教員からのコメント量が多くなった。次回TPは41から。
08/05/09. Fri.
行政学
金曜日なのに振替で月曜事業。何ともきつい。レジメは5章と6章。噛み砕いて説明したつもりだが果たして伝わったかどうか。毎回丁寧な授業を心掛けるしかない。次回TPは31から。2日間置いて次の7,8章に進むことになるが、日程の決まりに従って精一杯やるしかない。
行政学演習
欠席なしの全員参加。今後の「研究小論文」作成までのスケジュールと報告の分担を決める。多少時間はかかったものの、ゼミ生間でまさに「理詰め」で決めていくプロセスに感心した。連休中に調査活動に踏み込んだゼミ生もいて頼もしい。次回から司会者もゼミ生が担い、自分たちが中心になってゼミ運営をしてくことになる。教員としては口出しすべき場面と見守る機会とのバランスを考えた指導を心掛けたい。
卒論指導
2名から報告。この時期にテーマを焦って絞り込む必要はないだろう。和気あいあいとしたやり取りの中にも問題意識の軸を見出そうとする共通の姿勢は維持できている。IT情報もフルに活用してもらいたい。7月の中間発表会を目指して、この調子で進めていこう。
08/05/12. Fri.
法学(産業技術大学校)
連休をはさんだため2週間ぶりの授業。医療機器や造船技術、ゴミの灰から金属を抽出する先端技術についての新聞記事を紹介。TPは31から40。ものづくりだけでなく、政策を学ぶ自分にとっても世界トップクラスの事例を知るのは有益である。
行政学
昨日、1昨日と行政学会に参加し、今日また行政学の授業なので4日間連続で「行政学」にどっぷり浸かったことになる。7章と8章のレジメをポイント5点に絞って説明した。TPは31から40まで。5月26日に中間試験を行う。レジメのポイントから10問程度出題し、比重はレジメにあるももの、TPからは2つ選んで、そのままでなくてもカッコ内にタイトルを入れて、2,3行で要旨をまとめた後、自分なりの簡単な考えを数行で書かせる(時間は70分で持込不可)。
行政学演習
遅刻・欠席なしが続くのが何とも頼もしい。今日からいよいよ3年生が中心になっての報告となる。いずれも意欲的に記載してきており、問題意識をきちんと整理したレジメもあり。個々が個別のテーマを追いかけることになるものの、ゼミ生間での相乗効果をぜひ発揮してもらいたい。残りの10数分、口頭でまちづくり提案とISFJについて院生と一緒に説明した。次回にはまちづくり提案についての要領など縮小印刷してゼミ生に配布する。また、研究室HP(まちづくり提案とISFJ)についての感想を聞きたい。再来週の4年生参加による説明をスムーズに理解してもらうために、ジョイントHPについても見ておくように言わなければならない。
卒論指導
1名欠席ではあったものの、今年度初めて顔を出した1名もいて、賑やかな雰囲気のもとで行われた。テーマ設定がその後の執筆展開の中身を大きく左右するので、とにかく今の段階では大いに迷ってほしい。慎重過ぎてもいけないし、大胆過ぎてもいけない。自分のみの力で切り開いていく気概と同時に他人のアドバイスに耳を傾ける度量も大切だ。卒論作成そのものから学ぶことは多い。うっかり卒論指導題目提出についての連絡を忘れてしまった。
08/05/13. Tues.
国際学英書講読
プリント3枚目(No.3)の社説集(4本)。各々のタイトルは”Iranian nuke report”, “Kosovo's aftereffects”, “Astronaut replacement”, “China and Tibet”. 前半の2本は教員が訳し、後半はランダムに受講生を指名した。予習の段階での準備に相当な違いがあるように見受けられた。この授業はとにかくコツコツと継続していくことに価値がある。2週間先の分までの配布も継続していこう。
08/05/14. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
最終的に受講者数は5名で落ち着きそうだ。炭素排出ガスをめぐる売買と各国の対応、アメリカによるイランへの経済制裁、EUと東アジア、アフリカの経済成長率、ブッシュ外交の成果と課題について論じた新聞記事を紹介しつつ、意見交換を行った。来週は3名からのレジメ提出とテーマの紹介。来週のTPは31から40.
余暇政策論
20名が向き合う形式を今回から採用。アウトレットモール、リゾート開発、仕事・時間・お金、地域SNS、デコレーションといった話題を提供し、感想を一人一人に聞いた。来週は11名からテーマを出してもらい、一人3-4分程度で内容を説明する。TPは同じく31から40.
08/05/15. Thurs.
スポーツ・体育社会学(白鴎大学)
北京五輪に向けた市民のマナー向上策や英スピード社の新開発水着をめぐる日本水連の対応など、今問題になっている具体的なスポーツ課題を提示した。次回TPは51から。
スポーツ行政論(白鴎大学)
Jリーグ運営をめぐるマネジメントプロの養成課題や、曲がり角にきたCS放送や新規ファンの獲得策といった話題を提供した。新聞報道からもスポーツの公共サービスをめぐる環境の激変が手に取るように分かる。同じく次回TPは51から。
ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)
2年生はレジメ1枚でのテーマ確定報告。指示待ちの雰囲気ではなく、もう少し中身の充実が図れれば。テーマに作成者の問題意識をできるだけ滲ませることが大切だ。3年生の発表が空きとなったので、ジョイントゼミについて説明。担当者2名の連絡先を数日内に送信してもらうこととした。次回のレジメは今日の状況を踏まえてぜひステップアップしてほしい。次回TPは51から。
08/05/19. Mon.
法学(産業技術大学校)
燃料や原料高騰を受けた航空機の燃費向上の技術開発と装着型ロボットHAL、さらには軟包装材の製造をめぐる話題を提供する。毎回できるだけ産業技術をめぐるパイオニア性の強い具体事例を提供していきたい。次回TPは51から。
行政学
早いもので来週中間試験。出題形式について確認した上でレジメ9章10章の講義。できるだけシンプルな説明を心掛けたものの、受講生の理解はどうだったろうか。TPについても50まで終える。ここからも2題出題。行政学の基礎を身に付けるべく試験に立ち向かってほしい。TPは再来週に51から。
行政学演習
欠席者が1名もなくここまで続いているのは演習開設以来のことではないだろうか。5名によるレジメ報告。聞き取りも既に積極的に行っており、このまま各々のテーマについて深めていってほしい。最初に市の学生まちづくり提案についてわざわざ担当の方が来て説明してくださった。ISFJの説明会にも前向きの対応を見られたのも良かった。来週は後半、40分程度時間を確保してジョイント合宿とまちづくり提案について4年生からの説明がある。
卒論指導
院生2名も含め全員顔を揃えた。卒論指導にはちょうどいい人数のような気がする。2名から報告。テーマ探しの段階でとことん悩むのは決して無駄ではない。政策を社会の動きとの関連で捉えようとする姿勢が卒論生に浸透しているのが頼もしい。演習と卒論指導は教員の問題意識や研究スタンスが最も曝け出される時間でもある。とにかくどんどん互いに踏み込んだ形での意見交換を継続していきたい。
08/05/20. Tues.
国際学英書講読
4枚目の”Obama's comments”, “Iraq war”, “New Taiwanese leader”, “Bush and Putun”を読み進める。最初の2本を教員が訳し、後の2本は受講生に託すもののスムーズには行かなかった。もう少しの間、訳をめぐり受講生との距離を探りつつの授業とならざるを得ない。社説の文意と文の流れをきちんと把握することが同時に国際社会に対する視野とアンテナを広げる近道なので、あきらめないでほしい。
08/05/21. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
いよいよ今回から進め方を受講生主体にしてレポート作成に向けたレジメ報告に入る。4名からテーマについて考えていることや調べていることについて数分程度で報告。報告を受けたやり取りなどで終わりの時間が来たため、用意したレジメとTPは来週に持ち越しとなった。
余暇政策論
同じく受講生主体のレジメ報告。先週の欠席者の影響でレジメが少し足りなくなった。10名からの報告内容はいずれも興味深いものばかり。レポートに向け幸先の良いスタートだ。ついつい興味にかられるまま関連の課題についての話をしたりしてしまったため、後半は時間がなくなってしまった。用意したレジメとTPは次回に持ち越し。来週は早め早めに回していかなければ。
08/05/22. Thurs.
スポーツ・体育社会学(白鴎大学)
北京五輪をめぐる聖火リレー問題以外の課題(都市開発による伝統家屋の立ち退きや観光資源としての保存への転換など)について指摘。来週は休み。次回TPは61から。日本のフェンシング代表選手の話題にも触れた。
スポーツ行政論(白鴎大学)
栃木SCの本拠地をめぐるサッカースタジアム兼陸上競技場建設の課題や、命名権をめぐる可能性と問題点などについて話をした。授業で取り上げる話題はできるだけ受講生の関心を喚起するような内容をピックアップしているつもりだが、意図がなかなか現実に反映されないのが厳しいところ。再来週の次回TPは同じく61から。
ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)
各自設定のテーマに関する2年生によるレジメ報告の後半。問題意識が旺盛なものもあった。やる気のあるゼミ生は萎縮せずに、ある意味で攻撃的に論文の作成に取り組んでほしい。ジョイント担当者の連絡先も把握。3年生の発表ではゼミ内における自然体での質疑応答がなされて良かった。発表報告も何かを生み出す知的行為であり、頭脳面での大変なエネルギーが必要だ。次回TPは61から。
08/05/26. Mon.
法学(産業技術大学校)
鉄鉱石や食糧原料の値上げとその背景、これらがものづくりに及ぼす影響について新聞記事をもとに説明した。高度な技術にもとづく生産事例(ショベルカーの運転席など)も紹介した。次回は休みで再来週のTPは61から。そろそろ試験の中身について詰めなければ。
行政学
中間試験を実施。敢えて内職はせずに試験監督に徹した。折り返し点まできた。レジメで掲載した用語の繰り返しはできるだけ避けて、できるだけ平易・丁寧な説明を心掛けていきたい。次回TPは51から。
行政学演習
まちづくり提案、ISFJ、ジョイントといずれもゼミ生から前向きな反応を引き出すことができた。後半の4年生による説明の効果も大きく、研究室内の教員-院生-4年生-3年生の間での共通理解、そして研究室外の情報源の把握などが非常にうまくいったように感じた。この3大研究活動に向けて今日は大きな一歩を踏み出したといえるのではないだろうか。メンバーの積極性が研究室活動をとても良い方向へと向けているようだ。次回は文章化した個人研究の成果の一部を提示してもらう。ここまで全員出席、遅刻もなしというのは今までにないすごいことである。
卒論指導
昨年度の三者連携の成果である冊子を多文化公共圏センターに30部預けたり、院生の研究指導計画や卒論題目を提出したりした後で卒論指導。テーマを定めるまでの試行錯誤が続いている。現段階ではこれでいいと思う。迷いを正面から見据えてほしい。全学の委員会が昼間の時間帯にあり、朝から晩まで連綿と仕事に取り組んだためか終了後はやや放心状態に。
08/05/27. Tues.
国際学英書講読
プリント5枚目までやってきた。タイトルは”Beijing and Tibet”(台湾紙), “Sarkozy in Britain”(北アイルランド紙), “Tata's development”(インド紙), “NATO summit”(アメリカ紙)。最後の社説は日本語で短く書いてある「視点」の記述を逆に理解しなければならないことに昨夜気づいたため、相当丁寧に文章を読み込んだつもりだ。この授業は受講生も教員も予習できるかどうかが力を伸ばす試金石だ。
08/05/28. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
4名で授業を進める。来週2名、再来週2名の中間報告の割り当てを決める。資料についてはイラク、パキスタン、イランとの米欧、中ロの距離感の違いを窺わせる新聞報道を対象とした。全部やり切れず、次回はメディカル・ツアーの問題から。次回TPは41から。
余暇政策論
14名からのレジメ報告。ユニークなテーマ設定が散見され、どんなレポートが出てくるか楽しみである。前回や前々回の欠席者の影響でレジメ報告の人数配分がアンバランスになってしまった。来週は全員に口頭で進捗状況や問題意識について簡単に述べてもらう。そして11日と18日の作成途中段階での文章化したものの提示の割り振りも決める。次回TPは41から。教員からの話題提示も継続できれば。
08/05/29. Thurs.
ゼミ担当(「国民生活と行政過程」早稲田大学)
白鴎大が休みのため体力的にだいぶ余裕があったものの、あいにくの雨。2年生の場合、今日からいよいよ文章化の提示。自分の文章を積み上げていくことが大切だ。次回TPは71から。早大ゼミが一番進んでいる。次のコマは3年生からの報告と自由討議。報告内容について皆が共通認識を持った上での意見交換が理想だ。