2007年7月 中村祐司の教育日誌
07/07/02. Mon..
行政学
外国出張の関係で授業内期末試験の1週間前の最後の授業となった。第19章と20章。社会科学の学術論文においても、社会現象を把握するためにはどうしても概念上、専門用語を用いざるを得ないことと、行政学に関する文献に今後ぜひ積極的に当たってほしい旨を強調した。出席カードを配布しながら、中間試験の出来が悪くても期末試験で挽回可能であるとも伝えた。
行政学演習
各グループから論文が出揃った。ポスターも作成。各自分担してキャンパス内要所に数カ所貼る作業も終える。研究室HP掲載の仕方を学ぶ機会を持てなかったため、4年生を助人としてお願いするも、実質的に一人が背負う形となり、これが予想外にスムーズにいかなかった。Web掲載の仕方はマニュアルを鵜呑みにする以上に、各自が試行錯誤の経験から時にはひどい目にあって、体で覚えていくものかもしれない。いずれにしてもやや早めだが次回で前期ラストのゼミとなる。活発な議論を展開してぜひ有終の美を飾ってほしい。
卒論指導
卒論中間発表も来週に迫った。ポスター作成と貼る作業まではスムーズに行ったのだが、Web掲載が壁。時間切れとなり、教員が引き受けるも何と「卒論生の部屋」の前年度以前のファイルが全く閲覧できないことに気づく。いずれもパソコン内ファイルにリンクが張られており、一つ一つの修正に時間を費やしてしまった。全くの更新がなされておらず、あくまでも卒論作成を軸としつつも、3年生への引き継ぎも含め、このあたりは夏休み期間中の課題となるだろう。
07/07/03. Tues.
国際学英書講読
The Japan Times Weekly (6月23日付)の4本の社説を読了。タイトルは”Congress loves coal”, “Missile defense”, “The G-8 Summit”, “Barack Obama”. 今日から自主的に手を挙げ訳させるようにしたが、いずれの社説についても受講生の積極性が見られた。残り僅か2回だが、今日のような感じでやっていきたい。
07/07/04. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
レポート提出日。7名プラス教員を加えて8本が出揃う。やはりファイル名では戸惑いがあったようである。一つ一つ丁寧に確認し、来週・再来週の討議対象の区分けと司会者を決める。再来週の司会者を決めるのにじゃんけんとは驚いた。Web掲載作業は順調にできそうだ。受講生にはまずは他者のレポートをじっくり読んでほしい。
余暇政策論
17本という分量もあってか、あるいは司会進行そのものの経験がぶっつけ本番であったせいか、最初はさらっと進み過ぎて気を揉んだ。しかし、後半からは質疑・応答が活発になる兆しが見られた。受講生にはぜひ発言してほしい。授業は睡眠の場ではないし、大幅な遅刻を含め教員としては「フリーライダー」の存在を認めるわけにはいかない。次回は全員が積極的に手を挙げるような場面が見たい。一言コメントも3回に分けて確実に積み上げていこう。
07/07/05. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
試験前最後の授業。勉強のポイントについて再確認した。諸外国のスポーツ選手養成システムについて新聞記事から紹介。4月に始まった段階では遙か先のことかと思っていたが、残すところあと僅かとなった。
スポーツ行政論(白鴎大学)
同じく試験前最後の授業。期せずして栃木SC、栃木ブリックス、日光アイスバックスの比較経営論を展開する授業となった。この授業では身近な素材も豊富に取り上げたせいか、将来も含め受講者には自分にも関連する課題として捉えたのではないだろうか。
07/07/09. Mon.
行政学
期末試験の実施。授業評価アンケートを実施しなければならないこともあり、配布前の準備から早くも重労働となった。内職はせずに監督に徹した。逃げずに真正面から取り組んだ受講生には必ずその分の力が身に付いたはずである。
行政学演習
E棟の教室を借りて前期の演習生成果発表会。外部から2名(社会人学生と市政研究センタースタッフ)の参加があった。一人一人への目配りは足りなかったかもしれないが、それも今日の発表に至ったことで良しとしたい。今日で研究室を離れるゼミ受講生、ジョイント参加者、卒研準備演習履修者など3層構造ぐらいとなっており、残った時間で段取りを考えつつ説明した。一応の区切りを付けることができたことを喜びたい。
卒論指導
卒論中間発表会。ここでもありがたいことに外部(市政研究センタースタッフ)から参加があった。夏休みにやっておくべきことを明確にするためにも重要な発表会となった。卒論作成は確かに孤独な知的行為であろうが、こうして研究室全体としての共通認識を持つことの意味はある。一足早い前期研究室活動の締めくくりであったが、共同研究、ジョイント、ISFJ、まちづくり提案など、本格的な取組はこれからである。
07/07/10. Tues.
国際学英書講読
The Japan Times Weekly (6月30日付)の5本の社説。タイトルは”Murder in Afghanistan”, ”Africa and the G-8”, “Protests over Rushidie”, “The Erez crossing”, “Human rights hoax”を読了。最初から複数が手を挙げないのが多少引っ掛かるものの、この授業も最後の方に来てようやく自主参加の色合いが出てきた。次回最終回は社説ではなく、環境問題を取り扱った大学教授の寄稿論文を読む。
07/07/11. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
4名のレポートを対象に自由討議。出だしはあまりにも静かであったものの、後半から相互の意見交換に盛り上がりが見られた。ぜひもっと激しく互いの意見をぶつけ合ってほしい。教員としてもたとえ一言コメントであろうと「校正」も含め簡潔な文章を作成するつもりである。
余暇政策論
17名のレポートを対象とする。早朝、読み込んでおいたので、個々の内容に相当な温度差があることが印象的だった。やはり口頭での表現と文章作成の質のレベルとは必ずしも合致しないか、むしろ合致しないケースの方が多いのではないだろうか。最初の数本はどうしても素通りしがちとなってしまうので、次回の司会者にはぜひこの点を留意してほしい。テキストとして途中から使用の「地域社会を見るポイント」の背景紹介や授業評価アンケートもあり、慌ただしさは避けられなかった。
07/07/12. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
授業内試験の実施。何と普段使っている教室に受験者が入り切れず。いかに授業に出てこなかったかが露呈されたようで、教員としては複雑な気持ちとなった。講義内容の充実や魅力が不足していることは謙虚に受け止めなければならないとしても、その他の方策も含めて何とか毎回の授業に受講生をつなぎとめておくやり方を考えなければ。
スポーツ行政論(白鴎大学)
同じく授業内試験の実施。こちらも普段はがらがらの教室が8-9割方埋まる。それでも体育社会学同様、自筆ノート持込み可とはいえ、私語もなく答案用紙に書き込む行為に集中する状況であった。前期授業なので次回でラストとなる。あまり板書はせずに紹介し残した記事や言いたりなかった課題について、口頭中心で述べるようにしたい。
07/07/17. Tues.
国際学英書講読
前期最後の授業。The Japan Times Weekly (6月23日付)のCommentary。タイトルは”Divvy up allowance for emissions”. 最初の段階で挙手がなかったので自分が訳す。非常に分かりやすく、それでいて説得力と理論武装がなされている良質な時事解説であった。最終回は異なったものの、英字新聞の社説を読む面白さを一人でも多くの受講生が味わってくれたらと思う。時間があるないは二の次であろう。
07/07/18. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
自由討議の後半。活発な意見展開もありこのような形で締めくくれたことに感謝したい。ハードな授業スケジュールであっても、できる範囲で誠実に向き合うことで何かが残ることを再確認できた。
余暇政策論
同じく自由討議の後半。回を追うごとに良い雰囲気が出てきて、やり取りを聞きながらやはり受講生に発言させる授業スタイルを今後も続けていこうと思った。試験はないものの、例年になく多い受講生を相手にレポートの掲載とコメントも含め、何とかここまでたどりつけてほっとした。
07/07/19. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
中国行きを明日に控え、試験の採点提出など綱渡りのような最終講義。今まで紹介しきれなかった話題を補足し、まとめとしてスポーツ社会に目をむけた考察の大切さを訴えて締めくくった。
スポーツ行政論(白鴎大学)
同じく補足説明と、とくに自分が今までやってきたスポーツ政策研究から見えてきたスポーツ世界の奥深さと、他の政策領域を考察する上での応用が可能である点を強調して授業を終えた。大勢とは決して言えなかったものの、授業を真剣に聴講し、話の内容を吸収してくれた受講生がいたことを喜びたいし、彼ら彼女の今後の活躍を祈りたい。