2007年6月 中村祐司の教育日誌
07/06/04. Mon..
行政学
授業も後半に突入した。第11章と第12章。官僚制組織の作動様式がいよいよ組織外への取締活動や規制行政サービスという形で広がってきた。拙著(新書)がまさに初刷年月日と同じ6月1日付けで手に入ったため、次回から手に取って本格的に使用できるようになった。多くの受講生の懐の広さに感謝したい。同時にポイントをはずさす、かつ体系的な位置づけもしつつ、できるだけ分かりやすく説明するように努めたい。
行政学演習
19名きちんと揃うのはさすがだが、全体の雰囲気として積極性に欠けるのが残念である。ISFJとジョイント合宿の日程が重なったのにはショックを受けた。何とか工夫しようにもまずは志願者が出るかどうかだ。一方、うつのみや学生まちづくり提案の方は、すんなりとはいかなかったものの、3グループによる申請が決まった。人数から言ってこのくらいがちょうどいい。幹事校としてのジョイントに対する取り組みもそろそろ本格化していかなければ。何とかしようという兆しが最後の方で見えてきたのは収穫。
卒論指導
卒業研究の取り組みが市共同研究のテーマと重なっており、今年度は卒論生にとっても研究室にとっても、資料収集のみならず、その成果の公表においても貴重な機会が与えられている。これを生かさない手はないという気持ちで、着実に調査研究を進めていきたい。毎回、一歩一歩階段を上がっていくつもりで、最終的には今までの研究室活動にとっての頂点を目指したい。
07/06/05. Tues.
国際学英書講読
The Japan Times Weekly (5月19日付)の5本の社説を読了。タイトルは”Still
best in the show”, “Family size”, “End to ‘trouble’s ?”, “Dialogue with
07/06/06. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
次回とその次が中間報告のため、割り当てを決めたり、進捗具合について尋ねたりした。拙著を快く受け入れサインまで要請され、生まれて初めての出来事で非常に感激した。中間報告では、スクリーンを使った発表でも、レジメを配布してもよいこととした。少人数ならではの受講生との親近感が回を重ねるごとに深まっていく感じがする。
余暇政策論
先週の行政学の際における説明の仕方を反省し、中身の点からテキストとして使うことの事情説明を行った。すんなりと受講生が受け入れてくれたことに感激した。今日は口頭での中間報告を一人2分間の持ち時間で行わせる。それぞれの個性と興味深いキーワードが示されて面白かった。紙のレジメを配布する場合や、スクリーンに映し出す場合とことなり、報告者が他の受講生全員と向き合う形でのやり方の価値を感じた。
07/06/07. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
テキスト購入の理解を求めたところ、友人の分も購入する受講生が相当いて、宇大と同じでまたまた連日感激してしまった。次の時間の部数が足りないのではと焦るほどであった。自発的に手渡しを手伝ってくれた受講生に感謝したい。授業内試験の実施を7月12日に設定した。次回からはこのテキストと入手新聞記事とをうまく絡み合わせるような授業を進めていきたい。いずれにしても関連情報を新聞記事から積極的に獲得していかなければ。
スポーツ行政論(白鴎大学)
まだ受講者名簿を確認したわけではないものの、どういうわけか登録者数に比べて受講者数が相当少なく感じる。結果的にテキスト配布が不足することはなかった。前の友達の分を購入する度量の広い受講生がいるのには感心した。今日の内容はやや抽象的にはなったものの、自分の経験からNPO運営の難しさとその価値について話をした。社会的企業への期待にも言及した。
07/06/11. Mon.
法学(産業技術大学校)
何と朝用意したファイルを持って来なかった!せっかく産業技術振興の興味深い取組事例を紹介しようと思っていただけにがっかりした。同時に講義の中身をどうしようかと困ってしまった。仕方がないので頭の中に入っている範囲で板書したりして、誠意は尽くし挽回に心掛けた。次回はテスト。問題は「産業技術(ものづくり)に関わる取組事例を2つ挙げ、各々に対する自分なりの考えを述べなさい」というものである。
行政学
13章と14章。思い切って余分な説明は省き、各章2つずつの要点に絞った。そうはいっても全体の中の位置づけは理解してもらうよう努めた。大教室なので受講生の反応は把握しにくいものの、まじめに臨んでいる受講生には何としてでも一回一回の授業分の糧を獲得してほしいと教員側も必死である。早いもので次回には7月9日の試験について知らせなければ。
行政学演習
まちづくり提案、ISFJ、ジョイントに向けた研究室の体制が少しずつではあるものの、良い方向に動いてきた。国際学部のゼミは前期完結型であるので、後期どうこうは関係ないという見方もできるだろうが、現実にジョイントなどの準備開始が迫っている中ではそう言ってはいられない面もある。ジョイント幹事校としての活動を支えるメンバーを明確にして、一定の区分けをする段階に来ているのかもしれない。いずれにしても7月2日の論文締め切りを目指して、フリーライダーを出すことなく全員が真剣に取り組んでほしい。ゼミというのはそういうものではないだろうか。
卒論指導
久しぶりに全員が揃った。市共同研究をめぐる調整が、そのまま卒論作成に直結する。各自の現地調査の大まかなスケジュールを固めた。大学に入った公金を取り扱うため、確かに手続は煩雑な面もあるものの、それ自体が実務の勉強だと思って、とにかくひねくれないことを心掛ける。目的はあくまでも良質な研究成果を生み出すことにあるのだから。実務面に限らないだろうが、やるべきことがいろいろ重なると、一瞬何が何だか分からなくなる。しかしやりたいことが溢れている職業に就いていること自体幸せなことだ。
07/06/12. Tues.
国際学英書講読
The Japan Times Weekly (5月26日付)の4本の社説。タイトルは”Immigration reform”, “Status of Jerusalem”, “Hamas-Fatah clashes”, “Freeing Suu Kyi”. 訳してきたのを棒読みする受講生はまだいるものの、一文一文予習してきた意味を取り直しながら進む受講生も増えてきた。今日で8枚目を終えたので、とりあえず2ケタを当面の目標としよう。
07/06/13. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
4名から中間報告。いずれもメモリーフラッシュを用いてスクリーンに投影。ショックだったのはワード2007のファイルが同2003で呼び出せなかったこと。ダウンロード・インストールで事なきを得たが、今後、受講生とのファイルのやり取りを考えると非常に不安である。次回、また同じスタイルで別の4名から報告予定。少人数ではあっても人前で自分の考えを表明する機会を持つことは受講生にとって貴重な経験だと思う。
余暇政策論
先週に続いて中間報告の後半。一人2分を目安に報告。テーマの変更もまだ大丈夫である。むしろ調べていく途中で変わるのはよくあること。小学校の時のクラスルームのような雰囲気を思い出した。大学の授業ではこのような進め方は珍しいのではないだろうか。順調に進んだものの、前回当たっていながら欠席した者や、欠席が続いていて当てていなかった受講生が急遽報告するなど、時間がずれ込んでしまった。正直、出欠席をきちんと付けておいてよかったと思った。次回はレポート提出の手続上の確認をして、拙著の小テキスト(だが中身は詰まっていると自負している)からも話題提供したい。
07/06/14. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
小テキストにあるオーストラリアスポーツ環境資源や自転車をめぐる課題などに触れた後、プロバスケの栃木ブレックスについての新聞記事を紹介した。サッカーのJリーグもそうだが、何か新しいものを創造する過程では必ずいくつもの「産みの苦しみ」に直面する。世間に認知される大変さはスポーツや政治に限らず、あらゆる政策領域に当てはまることかもしれない。
スポーツ行政論(白鴎大学)
小テキストのポイントは、いちいちページ数を確認しなくてもすぐに行き着けるので大変便利なことに気づいた。スポーツNPOや地域スポーツクラブの新設や運営をめぐるやりがいと課題を、自分の経験にもとづいて指摘した。字面の説明ではない分、説得力は増したのではないだろうか。サッカー日本代表をめぐる監督―選手の組織論、ワールドカップ副審の大会を述懐した興味深い特集記事などを紹介した。
07/06/18. Mon.
法学概論(産業技術大学校)
自筆ノートの持込可で試験を実施。ただし、自分なりの考え方を書かせる点を重視した。終了後、20分ほど時間があったので、県溶接技術競技会と北九州市響灘地区のエコタウンについての話題を取り上げた。いよいよ次回で最終回となる。最後まで産業技術に関わる実践事例を取り上げていきたい。採点を早めにやっておかなければ。
行政学
対象は15章と16章。とくに行政需要と、図表の提示はできなかったものの中央省庁における法令・行政規則の意思決定過程について丁寧に説明した。『見るポイント』についても予め5つ読んでおくことを前提に、文章に盛り込めなかった関連の話題を提示した。あと2回、この調子で続けて、期末試験にスムーズに入っていきたい。中間試験の採点がまだなので、早めに済ませておかなければ。
行政学演習
早いものでグループ毎の論文提出が2週間後に迫った。インタビュに入ったグループが全てでなかったのが気掛かりだ。一般論を整理してもどうしようもないので、とにかくキャンパスを出て話を聞いて、それを論の展開に生かしてほしい。グループ内での個々人の取組度合いにある程度差が出るのは止むを得ないであろうが、誰がどの部分(章ないしは節)を書いたのかは、成果の「足跡」として残しておくよう次回にゼミ生に伝えておかなければ。
卒論指導
ゼミ終了後、そのままジョイントの打ち合わせに入り、共通テーマについての相談を受けたりしたので、スタートが遅れる。市共同研究の方向性に関して、あくまでも個々にやりたい卒論のテーマを追求しつつ、大学資源の活用策も絡めた形での内容を報告書には盛り込むことを確認した。共同研究を進めていく上での庶務的業務が自分に集中してしまい苦慮しているのも事実。調査地日程の作成など、たとえ「子飼い?」の6名ではあってもなかなか最初から内容的に足並みを揃えるには無理で、このあたりが正直、実務上しんどい。いずれにしても大目的は紙媒体としての完成品である。その時々で取組姿勢の感情に起伏が生じるのは止むを得ないものの、とにかくいじけずやっていきたい。
07/06/19. Tues.
国際学英書講読
軌道に乗ってきたような、まだまだそうでないような、この授業におけるペースがなかなか掴めない。訳を早口で読み上げるのだけは止めてほしいのだが。それでも3分の1、いや半分以上の受講生は趣旨を理解しコツコツ頑張っていると信じたい。今日は9枚目に入り、2007年6月9日付のThe Japan Times Weeklyの”New World Bank boss”, “Violence in Lebanon”, “Citizenship rights”, “Politics and TV”を読了。次回10枚目をクリアすれば、まじめにやってきた受講生には必ず自信となるはずだ。
07/06/20. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
4人から後半の中間報告。ワードの画面をスクリーンに映写して行う。一人持ち時間15分を使い切った受講生が少なかったのは残念だったものの、「セミナー」ならではの授業スタイルを取ることができた。2週間後の提出に向けた奮起を期待したい。
余暇政策論
最初の理容店などの定休日に関する新聞記事を紹介した上で、レポート提出1週間前ということで、作成要領の再確認と、ファイルをリッチ・テキストファイルで保存する変更内容を伝えた。レポートに限らず締切日はあっという間にやってくるもので、教員にとっても例外ではない。来週は授業前の休み時間の間にファイルの受取・確認作業に入らないと間に合わないだろう。事前にマウスを掃除しておくことを忘れないように。
07/06/21. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
東西冷戦時代における旧東独における国策としてのドーピング行為など、エリート選手養成における負の側面を取り上げた記事などを紹介した。10代の選手による活躍についても投下時間×コーチング、さらには家族の理解やコストの投入など、選手養成にはある意味王道がないことを指摘した。
スポーツ行政論(白鴎大学)
サッカーJリーグの潤沢な収益構造や、それとは対照的な、再興に踏み出した日光バックスの苦しい経営戦略などについて取り上げた。プロチームは気まぐれなファンの評価に日々晒されており、組織の維持・発展がいかに難しいかということと、しかしその反面で軌道に乗った場合の累乗的な発展について説明した。
07/06/25. Mon.
法学概論(産業技術大学校)
5月の連休明けから続けた9回シリーズの授業も最終回となった。成績についても全員を対象とすることができてひと安心した。最後まで産業技術にかかわる法政策を追求したいと、今日も技能五輪国際大会(11月に静岡県沼津市で開催)、次世代ロボット、インドや群馬県の自動車部品メーカー、ホチキス針生産工場といった具体的事例を取り上げて、ものづくりの醍醐味と今後の展望について講義を行った。教員にとってもこの授業はとくに情報収集の過程で勉強になることが多く感謝したい。受講生から最後に感謝の言葉を聞けて、表情には出さなかったものの心の中で大感激した。
行政学
早いもので17章18章の段階までやってきた。とくに予算の編成過程について、できるだけ分かりやすく説明することを心掛けた。「見るポイント」についても、政策学にふさわしい5つのポイントをピックアップした。次回、20章まで確実に終了させて、再来週の試験では受講生の多くが勉強をあきらめずに、たとえ内的なものであっても何らかの成果を獲得するよう力付けたいと思う。
行政学演習
ゼミも大詰めを迎え、来週がグループ毎の論文の提出となる。ぜひあきらめずにグループ内でのメンバー間調整も一つの貴重な活動だと思ってほしい。複数で何かをやり遂げることの大変さは、その分、それを乗り越えた時の格別な達成感と連帯感を必ずもたらすはずである。来週は受け取ったファイルを4年生の協力も得て一気に研究室HPに掲載する腹づもりでいる。
卒論指導
昼に行政関係者との打ち合わせが入ったこともあり、朝から連綿と仕事が続き、この時間の前の段階で体力的にはきつかったものの、時間は待ってくれない。どの卒論生にとっても、卒論作成が市共同研究との絡みでうまい方向に進み出した感触を受けた。とにかく思い切って調査地に出向き、何かを得てきてほしい。今週は研究会もある。目の前のことだけ考えて突き進む時期も必要だ。
07/06/26. Tues.
国際学英書講読
The Japan Times Weekly(6月16日付)の社説4本。タイトルは”Boycott of universities”, “The tuberculosis scare”, “Immigration debate”, “Politicians’ tough talk”. 今日で社説集10枚を読み込んだことになるので、次回、次々回と訳の割り当てをせずに、全体にトライしてくるようにした。残り数回となってきたが、最後まで気を抜かないでやっていきたい。
07/06/28. Weds.
「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)
来週がレポート提出日。最終的な提出手続の確認を行った。余暇政策のレポート作成追い込みで再び実感したのが、文章化することの大変さと大切さだ。活字のみで他者に自分の考えを伝えるという知的活動の意義の高さを、毎年ますます実感するようになっている。
余暇政策論
レポート提出日。ほぼ全員から提出がなされたことは歓迎したいが、残念ながら、予めしつこいほど受講生への伝達を心掛けたファイル名などの作成要領の形式が守られていないケースが散見された。そのため次回以降に向けて50本のレポートを3つに仕分ける作業時間がなくなってしまったし、口頭での諸注意を伝えることもできなかった(さらに『見るポイント』についても触れられなかった)。とにかく来週に向け気を取り直して、まずはレポート掲載作業に取りかからなければ。
07/06/29. Thurs.
体育社会学(白鴎大学)
旧東独やロシアのエリートスポーツ選手養成の優れたシステムや科学的研究に事例を新聞記事から取り上げた。早いもので2週間後が授業内試験となる。次回は試験に臨む勉強方法等、より具体的に受講生に提示することになる。
スポーツ行政論(白鴎大学)
競輪、プロ野球、プロサッカー、プロボクシングなどの世界における引退後の仕事の確保をめぐる課題について取り扱った。同じく再来週が試験なので、次回は受講生にやる気を起こさせるべく、試験に臨む上での具体的な勉強方法にまで踏み込んで説明するつもりである。