20074月 中村祐司の教育日誌

 

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07/04/12. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

 今年度は教室が新校舎となってやりやすい反面、スライド式黒板が使えないのがやや痛い。プロ野球界における裏金問題を取り上げ、その背景や倫理宣言に抵触するところなど、情報提供と自分なりの解釈を提示した。話術にことさら走る必要はないだろうが、熱意だけは学生に通じたのが授業中騒がしさは感じなかった。今後、1回1回、具体的な新しい事例を紹介しつつ、この授業を通じてスポーツ社会を考察していきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

スポーツに関連する雇用の場を挙げながら、これらと公共サービスとが交錯する部分に注目して話しを進めた。さらにスポーツ世界においても公共サービスの担い手は多様化しつつある現状を伝えて初回の授業は終了。今後できるだけ身近な視点からスポーツにかかわる公共サービスの数々を対象に考察していきたい。まずは今年度最初の授業がスムーズに進んでほっとした。

 

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0/04/16. Mon.

 

法学(産業技術大学校)

ドライブレコーダー、工作機械、高強度鋼板といった製造業の現場における卓越した実践技術に焦点を当て、日々の生活のなかで人々が先端技術にいかに依存しているかを強調した。せっかく「ものづくり」を追求する多くの若い世代を相手にできる貴重な機会なので、自分の中でもこの分野における新しい知識を開拓・吸収していくつもりでやっていきたい。

 

行政学

今年度最初の宇大での授業。月曜はかなりハードで産業技術大学校から自転車で駆けつけ、研究室に上がった後、今度はマイクの鍵を取りに修学支援課に走り、教室に戻って授業開始となる。レジメを利用した行政学における教科書的な内容と、身近な素材を取り上げた話題提供といった二本立てでやっていきたい。後者については5月下旬か6月上旬あたりから何とか自作のテキストを使いたいと考えている。研究室HP掲載の授業レジメを毎回コツコツ更新していかなければ。

 

行政学演習

 17名が集まり入りきれないほどで幸先の良いスタートを切れた。4年生も全員6名が「後輩」を心配して顔を出してくれ心強かった。ジョイント、ISFJ、うつのみや学生まちづくり提案、地域連携共同研究、といった4本柱で臨む旨を説明した。教員からの説明だけでなく、4年生が各自の経験にもとづいた自分の言葉で語ってくれたのもうれしかった。ゼミ活動はやってみなければ分からないというのが事実であろうが、集まった3年生には何かしらの意欲は感じ取ってもらえたのではないだろうか。次回以降たとえ人数が減少したとしても、初回にこれだけ集まったこと自体が嬉しかった。

 

卒論指導

全員6名が出席し、1217日の研究室内卒論提出締切日に向けて今日からスタートした。まずは現段階での問題意識をレジメによって紹介させる。就活等で、次回以降全員が顔を揃えるのは難しいかもしれない。それでもとにかく1回1回を大切にしていきたい。1回につき報告は2人なので一人当たり前期に4回発表の機会がある。宇都宮市との共同研究についても積極的な参加を促していきたい。

 

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07/04/17. Tues.

 

国際学英書講読

印刷を慌てて朝やったものの、電子媒体上のシラバスで示した教室が紙媒体の「授業時間割」のものと異なっていたのを、昨日掲示しておいたのでスムーズに始めることができた。人数は30数名と予想外に多かった。初回なので、次回以降の進め方をつかんでもらうよう、教員がリードする形で読み進めた。内容は224日付The Japan Times Weeklyで、”Six-power agreement, Baghdad bombings, Putins Speech, Avian-flu holdout”の4本。とにかく頑固に1回この欄の社説を全部読むように進めていきたい。

 

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07/04/18. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

昨夜被ったひどい食あたりでフラフラの状態だったが、初回から休むわけにはいかないと半分意地で大学に行った。人数は少なめだったものの、やりとりしているうちに受講生はそれぞれこのセミナーの副題に何らかの関心を持っていることが伝わってきた。この時間のねらいとするところ(セミナー形式の受講生主体の内容にしたいということ)について話し、先日の学科ガイダンスで話したテロのグローバル化・ボーダレス化についてやや詳しく説明した。さらに昨日の英書講読の内容を素材に国際社会の情報に関するアンテナを張ることの重要性を強調した。次回までに気になる情報について各自から指摘してもらうこととした。

 

余暇政策論

初期セミとは逆に予想外の人数が集まり教室がいっぱいとなった。この人数のままでは皆が向き合う形での椅子の配置は無理であるものの、多様な意見が聞ける幅は広がるだろう。4月上旬に訪れたディズニーシーとディズニーランドで感じた余暇政策関連の問題意識(ある種の高価余暇市場メカニズムの凝縮された場)を提示し、この授業のねらいを語った。次回は一人一人に各自が考える余暇とは何かについて聞くことにした。

 

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07/04/19. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

 プロ野球の裏金問題が高校野球にも波及した北上専大問題を新聞記事から取り上げた。なぜ高校野球においてスポーツ奨学制度が認められていないのか、その背景を説明した。また、プロという点に注目し今朝の新聞記事からK-1に若干15歳でデビューした選手について紹介した。とにかく新たに動きにある新しい話題を素材に、まずは連休前を目標にやっていきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 前回、スポーツに関する雇用・仕事には何があるのか皆で考えながら板書した事項に加えて、スポーツ製品の製造・販売業やメディカルフィットネスクラブを挙げた。そして、とくに人気スポーツの一流選手には巨額なスポンサー料が入り、エージェンシーとの契約も不可欠となっている状況について、女子フィギュアスケートを取り上げた新聞記事を紹介した。その他、ソフトボール日本リーグの女子1部などについても紹介した。取り扱う対象は異なるものの、基本的授業のスタンスは体育社会学に倣いたい。

 

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07/04/23. Mon.

 

法学(産業技術大学校)

第2回目。産業技術関連分野と政策・法的規制などと結びつけた授業をやる方向なので、今日はLPG自動車の普及をめぐる課題とLRT導入をめぐる賛否両論、そしてマイホーム家電、石炭ガス化技術、ファックスやプリンターの基盤に電子部品を実装する受託加工業者を取り上げた。ものづくりが生み出す成果としての恩恵に消費者は鈍感になりがちであり、その意味でもこの授業では様々な領域の先端技術を積極的に紹介していきたい。次回は連休のため57日。

 

行政学

第2回目からは1-2章のレジメが受講生の手元にあることを前提に授業を進めた。それ以降の章もWebレイアウト形式に修正する作業をたとえ自転車操業でも行っていくつもりである。エージェンシー、新公共管理論、立法―行政関係、政治―行政関係についてポイントを押さえた。身近な視点からの素材提供は、民間経営手法の加速化と学生による年金政策提案(これについては出だしのみの紹介で終わった)。次回は振替授業のため休みとはならず、58日火曜日に実施。

 

行政学演習

先週よりも若干増えて資料室にようやく入れる状態でのゼミ活動。前半は昨日終了した統一地方選挙に関連して学生の投票意識について、下野新聞の記者による取材を受け入れた。ゼミ生にとって第一線で活躍する記者とのやり取りは良い刺激になったはずだ。後半は今後(とりあえず前期)のゼミ活動について皆で話し合う。来週までに各自で調べたテーマについてメモ書きして持ち寄り、グループ分けしつつ、同時にジョイントなどの運営の中身にも入りこんでいくこととした。ジョイント担当幹事1名が決まったのは朗報だった。とにかく気負わずのびのびと研究室活動に取り組んでほしい。

 

卒論指導

3名が出席しそのうち2名から現段階で最も関心の高いテーマが提示され、それに関するレジメをもとに考えを出し合った。就職活動の方も順調らしく、教員としても嬉しい。内定の時期や進路の最終的決定など、人それぞれであろうが、自分のペースを崩さすに頑張ってほしいし、一定の区切りが付いた後は卒論と同時に共同研究や研究室運営などにも積極的にかかわってほしい。

 

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07/04/24. Tues.

 

国際学英書講読

受講生数はむしろ増えたかもしれない。多い分には歓迎だが、その分一人一人との距離が遠くなるので、早く名前と顔を一致させたい。受講生が予習した上で臨む授業としては今日からスタート。33日付けの”Iraq troop pullout”, “On Britney Spears”, “War in Afghanistan”, “N. Korea’s invitation”を読了。次回は58日となり2週間空くものの、1回につき1枚のペースを継続していきたい。

 

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06/04/25. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

各受講生から長崎市長選に絡む殺害事件、イラク・バグダッドでの自爆テロ、バージニア工科大学乱射殺害事件、ロシア・エリツイン大統領の死去、NASAにおける銃事件などが関心事項として挙げられた。この授業では自分なりの言葉で社会現象を把握・解釈し、見解を提示する力を養っていくようにしたい。次回も今回と同じようなスタイルで行う。

 

余暇政策論

受講生は減らず、そのこと自体は結構なことだが、教室いっぱいなので向き合う形を取れないのがやや痛い。何とかやり方を工夫して受講生間の相互コミュニケーションが図れるようにしたい。まずは教員から地元の観光資源、河川を利用した人工ビーチ、地域別・スライド制の連休設定などの話題提供を行った上で、受講生数人から各々にとっての余暇について一言述べてもらった。それを受けて教員から皆に問題提起する形で授業を進めた。何もしない日を「1日」は取りたい、友人等とのおしゃべりが一切なしとする日を設ける、趣味に没頭する、「無いものねだり」をする、体を動かすなど普段の生活とは逆のことを行う、バイトは勉強以上にきつく厳しい仕事である、など興味深い指摘が続いた。初期セミと同じく、来週の連休合間にも授業を行う。次回はもう少し発言に肉付けして述べてもらうことにした。

 

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07/04/26. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

 高校野球を揺るがしているスポーツ特待制度を取り上げた。この1週間であらたに公表する高校が増加し、来月上旬まではさらに増えるであろう。プロ野球の西部裏金問題の最終報告にしてもどうも煮えきれない印象だ。一部の有望選手や活躍選手が注目されるのは致し方ないとしても、裾野で支えているプロには行かない大多数の選手たちこそ主人公であることが見過ごされているのではないか。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 くして果敢にプロあるいはそれに近い世界に挑む選手紹介の新聞記事を紹介した。結局は競技と学業等とのバランスを当人がどう取っていくかということか。失敗を恐れずに挑戦する姿勢には元気づけられる。後半は東京オリンピック招致の資料を紹介。招致決定までのこれまでの経緯とこれからのスケジュール、大会運営の内容など基本的なところを押さえる。これについては次回以降も折りに触れて言及していく。

 

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