2007年1月 中村祐司の教育日誌

                    

 

07/01/09. Tue.

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英文講読U(学部担当共通教育)

07年初の授業は英文講読から。今回は社説ではなく、昨年129日付の論説である”Slavery: British regret trumps apology”. 分量として通常の1.5倍ぐらいあったものの何とか読み切る。受講生の予習はもう一歩というところか。最後の方は時間ぎりぎりで教員が訳した。つくづく時間があれば読めるものではないと感じた。やはり外部圧力というか、授業日程を軸としてたとえ一夜漬けであっても放棄しないで取り組むことで力が付いてくるのである。

 

比較政策研究(大学院)

 修論提出間近の受講生が作成した「はじめに」と「おわりに」の原稿の内容を検討した。自分が書いている時には認識してはいないものの、第三者の立場で他者の書いたものを読むと、社会科学系の論文の特性・スタイルを再確認するような思いを持った。次回は教員側からは論文の提示、M1の受講生からは修士論文の目次、そして本日の報告者からは口頭で今後の研究計画を述べてもらうこととした。

 

 

07/01/15. Mon.

 

現代政治の理論と実際

レポート提出日。全員とはいかなかったのが残念。それでもファイルの受け取り確認作業を淡々と進めた。活字は確かに媒体としては地味な存在ではあるものの、後世にまで残るという点では秀逸な性質を持つ。本日提出された受講生のレポートは、その内容上の課題はともかく、これからも消えることはないと思う。次回から2回に分けてレポート内容をめぐる討論会となる。その区分と司会を決めた。できるだけ早めに研究室HPに掲載しなければ。

 

地方自治論

同じくレポート提出日。この授業でも残念ながら全員とはいかず。気を取り直して受け取り作業を進めた。パソコンの動作が遅く(まさかウイルスでは?)、マウスのすべりが悪く苦労した。いつも何とかしなければと思うのだが、週1回のみの使用なのでどうしてもそのままにしてしまう。次回、次々回の割り当てと司会者を決め、やや早めに終了した。HP掲載とレポートの中身を熟読しなければ。現政の時間と同様、今回も何とか教員も文章を作成することができた。前期の余暇政策論と初期セミを合わせてもたかが年4本の小論ではないかと言われればそれまでだが、実際にやってみると苦戦続きだったので、ここ数年は脱落せずに蓄積してきた感慨はある。

 

卒業研究準備演習(行政学ゼミ)

研究室HP更新作業にあてた。今回は今後の研究室活動の電子発信ノウハウ習得のスタートとなるだけに、ゼミ生全員が揃わなかったのが残念。パソコン操作に通じる4年生1名が講師役を引き受けてくれたのが大きい。行政学・政策学の領域においてもインターネット情報の利用は不可欠であり、本日を境にゼミ生には情報を受け入れるだけでなく自ら発信していくことの可能性にぜひ目を開いてほしい。

 

卒論指導

同じく研究室HP更新作業にあてた。卒論掲載とその他の項目で更新がなされず遅れをとっている箇所を検討させた。卒論提出で安心してはならず、他のメンバーの卒論を熟読し、それに対してシビアに批評しなければ研究室活動を終えたことにはならない。卒論生には研究室活動の総仕上げとして、残り3回の中でHP更新、卒論発表会、進路情報交換会に真剣に取り組んでほしい。

 

 

07/01/22. Mon.

 

現代政治の理論と実際

自由討議の前半。少しずつ議論が活発化し、聞いていて頼もしかった。内容については多々課題はあるだろうが、ささやかながらこうして活字をWeb上に掲載する価値はあり続けるように思われる。次回は教員を含む後半の5本。終了後、受講生から教員名でWeb検索しても研究室HPが出てこないと言われ、あせって確認したが大丈夫だった。受講生が検索の際、名前を打ち間違いたのであろうか。検索サイトのパワーに情報の発信元が右往左往してしまう時代が既に来つつある。

 

地方自治論

同じく自由討議の前半だが、対象としたレポートは10本と現政の2倍。それでも合併問題など、各レポートが緩やかに包括されていたため、互いの意見がわりとかみ合っていたように感じた。次回はぜひ参加者全員が教員を含む後半のレポート10本をじっくり読んできてほしい。後半のコメントも気を抜かないで作成しなければ。

 

 

卒業論文準備演習(行政学ゼミ)

研究室HP更新作業。最初に更新したらWeb上の写真が消えてしまうとゼミ生から不安の声が挙がる。作業時にファイル名の変更をしたかどうかもあやふやだったため、もしや元ファイルを消してしまったかと一瞬焦った。ファイル名と同名で自然発生するフォルダの移行をしていなかっただけと分かりほっとした。こうして試行錯誤しながら覚えていくものだ。吸収力はものすごく早いはずなので、この調子でやってくれれば大丈夫だろう。丁寧で分かりやすいマニュアルを作ってくれた卒論生に感謝。

 

卒論指導

残念ながら全員は揃わず。卒論指導の単位は大丈夫であろうか。今日も含めてあと3回の卒論指導はとても大切なはずだ。来週はいよいよ卒論発表会。それまでに他のメンバーの卒論をじくり読み込むようにくどいほど指示したので、来週は活発な議論のやり取りができるはずだ。研究室HPも直しだすときりがなくなる。かといって、何もしなければたちまちのうちに更新が滞った状態に慣れきってしまう。互いのバランスがなかなか難しい。04年度、05年度の「研究室メモリアル」を今になってようやく掲載した。とはいっても手元に写真画像はなく、ジョイントやISFJの中から持ってくるのが精一杯だった。

 

 

07/01/23. Tue..

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英文講読U(学部共通教育)

来週が学部の帰国子女、社会人、私費留学生の入試のために今回が英文購読としては今年度最後の授業となった。教員が補足の説明を加えながら訳していった。国際社会に対する各自の知識と洞察力が英文社説の理解を容易にする。なかなか単独では読めないので、まだまだあきらめずにこのような授業を逆利用して、4月以降も「国際学英書購読」で自分自身の読解力を少しでも上げていきたい。

 

 

07/01/29. Mon.

 

現代政治の理論と実際

 レポートをめぐる意見交換の後半。教員から見ると、せっかく良い論点が提示されたのだから、そこのところを突っ込んで議論したらと思う場面もあった。それでも受講生なりのやり方で相互コミュニケーションがうまく図れているケースもあった。やはりこのスタイルを当面は続けていきたい。次回は最終回。来週までの1週間における新聞報道等のニュース、出来事のなかで、国内外を問わず最も印象に残ったものを、一人当たり3−4分、口頭で報告してもらうことから始めたい。

 

地方自治論

 同じくレポートをめぐる意見交換の後半。2−3年生が中心なので、1年生と比べるとやや大人の雰囲気はある。受講生の発言に耳を傾けながら、レポートのコメント文修正も進めていった。今回は好レポートがやや多くなりそう。次回最終回は生活拠点はどこがより良いのか(仕事の拠点や家庭の拠点なども)について、市町村、都道府県、広地域レベルを問わず、東京をはじめとする大都市への人口集中も絡めて、フリートーキングを行いたい。

 

卒論発表会(演習・卒論指導合同)

 いよいよこの日を迎えた。宇都宮市職員の方と研究室所属以外の学生3名が参加し、それと研究室OBからの8本の卒論に対するコメントが非常に有り難かった。昨年4月以降、あっちに行ったり、こっちに行ったり教員も自問自答しつつ、何とか指導の糸を切らさないでここまで来れたことに感謝したい。

 

 

07/02/05. Mon.

 

現代政治の理論と実際

 今年度最終回は、各受講生からの話題提供をもとに意見交換。地球温暖化、従軍慰安婦問題、マグロ漁獲量制限、納豆ダイエット報道問題、丁寧語・謙譲語・尊敬語の使い方、賞味・消費期限問題などについて議論した。14回の授業で養った現代社会に関するアンテナを生かして今後の勉強に取り組んでほしい。

 

地方自治論

 同じく今年度最終回は、生活や仕事の拠点について話し合った。受講生が今までそしてこれからどこに住み、どこで仕事に就きたいか、故郷や大学生活も絡めて自由に述べてもらった。現政もそうだが、一方的な講義形式ではなく、できるだけ相互コミュニケーションを図るよう努めたのは教員にとっても良かったと思う。

 

進路情報交換会(演習・卒論指導合同)

 いよいよ今年度最後のゼミ兼卒論指導。4年生の就活を記した文章から浮かび上がるこれからの仕事への真剣さと人生をより良く生きていこうとする真摯な姿勢が心に残った。それは各々の異なる向き合い方というか、生き方をめぐる個性の表出でもあり、同時に昨年4月以降の個々の卒論への取り組みや試行錯誤の過程と重なるものであった。終了後、全く予期していなかったことに4年生から資料室でクラッカー、ケーキ、壁一面の花飾り、運動の際に活用できる本格的な帽子や手袋、首巻、そして卒論生8人の言葉がぎっしり詰まった写真付きの色紙、などをもらい今までのことを感謝された。4年生は人間関係の機微を優しく理解し、感情に走りがちな自分よりも一回りも二回りも大人の接し方を示してくれたことに言葉が出なかった。今日のような出来事を経験できる大学教員は幸せである。

 

 

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