2006年11月 中村祐司の教育日誌
06/11/06. Mon.
現代政治の理論と実際
今回から11月いっぱいかけて受講生各自がテーマ探しに入る。北朝鮮をめぐる歴史や6者協議の行方、イラク情勢、高校社会科の履修問題、経済格差など思い思いの案を提示させた。授業の主役を少しずつ受講生に移していくよう、次回からは発言をもっと引き出す工夫が必要だ。
地方自治論
今年7月に提示された経済財政諮問会議による骨太の方針において、三位一体改革がどのように位置づけられたのかについて補足説明。「三位一体」という言葉が消え、地方交付税の維持と具体的な数値が盛り込まれなかった点を押さえ、国会に法案が提出中の「地方分権改革推進法案」の骨格を提示する。ここまでの範囲で試験(50分間)を次々回(11月20日)に実施する。問題は、日本における1993年以降の地方分権、市町村合併、三位一体改革の流れについて(これが分量として9割ほど)と、こうした一連の経緯に関する自分なりの考え(感想。分量として1割ほど)を述べるというもの。来週は教員側からの話題提供としたい。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
ゼミ生は精力的にインタビュ調査やアンケートを行ったり、原稿作成に取り組んでいる。チームワークも良く教員としては安心して見ていられる。あとは良い意味での図々しさというか貪欲さがもっと出てくればいい。まずは原稿作成(ジョイントの場合レジメ作成)に突き進んでほしい。提出の前に目を通しておくための時間を確保しておかなければ。
卒論指導
卒論作成も佳境に入りつつある。1名を除き出揃った。進度に温度差が出るのは止むを得ないだろう。献血、障害者スポーツ、地域教育、図書館のビジネス支援に関して4名から報告。共通の手続さえ守ってもらえば、書き方に書き手の個性が溢れるのは教員としては大歓迎である。あと1回ずつの報告の後、その2週間後(12月4日)に卒論指導があり、その1週間後(12月11日)が研究室内提出日となる。教員にできることは限られるものの、とにかく書き上げる気持ちを切らさないことが大切だろう。
06/11/07. Tue.
.
英文講読U(学部共通教育)
10月28日付の”The small U.S. defense budget”, “Making the Hajj by road”, “Restricting flight”, “Dannatt on Iraq”を読み切る。この授業も軌道に乗ってきた。ただ小刻みに受講生に当てているので、それ以外のとこもぜひ予習してきてほしい。雰囲気として長文読解に対する身構えがなくなってきて、その分前進しているように感じられる。
06/11/13. Mon.
現代政治の理論と実際
受講生のテーマ探しの続き。教育問題(履修、いじめ、ゆと教育)や格差社会、景気回復の生活への浸透具合、税金の無駄使い、人口減少問題など、国内の課題に目を向けたものが多かった。時間切れで用意したレジメは配布できなかったが、来週使うとしてもHPには掲載しておこう。ユニークな企業組織に関する新聞記事についても次回チャンスがあれば取り扱いたい。来週までにいよいよテーマを決定することにした。
地方自治論
試験範囲外とはなるものの、公務員制度について書いた論文をもとに、仕事の場としての公務労働、民間企業、NPOなどの環境について考えた。「未来工業」に関する新聞記事のコピーを配布し、公的セクターや私的セクターに関わらず組織パフォーマンスの在り方について、問題提起したつもりである。次回は50分間の試験を実施し終えて、残りの時間はそれ以後のスケジュール説明に充てるため、それまでに問題用紙の作成とスケジュール設定やレポート提出要領を定めておかなければならない。
卒業研究準備演習(行政学ゼミ)
ISFJの原稿がほぼ出来上がってきたので、この時間を使って研究室で目を通す。微修正の指摘をしてゼミに戻った時には残り10分ほど。まちづくり提案の準備も着々と進んでいるようだ。来週はこちらの2本の原稿に目を通すことになる。文章を作成することの意義は大きい。そうはいっても12月初旬のジョイント(共通テーマ)のレジメ提出の締切もある。とにかく今は目の前のことに頑張ってほしい。
卒論指導
いずれの報告(社会起業家、自治会、フリーペーパー、食育)も卒論の完成に向けての見通しを感じさせるもので、手ごたえがあった。この調子でやってくれれば大丈夫だろう。次回の4人も今日のような進み具合を示してほしい。再来週が学祭のため休みとなるので、来週の出来具合を見てから来月4日の内容を確定したい。外の冷気を室内にいても本格的に感じる季節となった。日照時間もこれからさらに短くなると思うとやや心寂しい。
06/11/14. Tues.
英文講読U(学部共通教育)
今日は珍しく社説ではなく、論説である”Time to reassess strategy on Darfur”を読む。最初読んだ時にはスマートでやや表面的な書き方だと勝手な印象を持ってしまったが、読み返してみると分析力の深い隙のない文章であることが分かった。やはり繰り返し読むことが大切である。次回の割り当て(今日が7枚目だが、10枚目ぐらいまではこのやり方でいきたい)を決めて終了。
比較政策研究(大学院)
『改革者』の4月号と8月号に掲載された、公務員制度改革と長野県政に関する論文を配布して、公共サービスの担い手をめぐる多元化状況について問題提起と意見交換を行った。行政組織と企業組織との違いや、両者間の機能面をめぐる差異などについて、受講生から有益な情報を得ることができた。1回1回を大切にしていきたい。
06/11/20. Mon.
現代政治の理論と実際
レポート作成における受講生各自のテーマが提示された。自殺とメディア報道、少子化対策、サービス残業、最低賃金をめぐる地方格差、モノ・カルチャー経済など。来週が大学祭のため休みとなるので、再来週以降の授業スケジュールと同時に、来年1月15日提出のレポート作成要領も配布した。次回までに研究室HPの「レポー・作成レジメ」と「講義メモ」を見ておくことと、口頭でのテーマに関する報告を行うことにした。
地方自治論
50数分間で試験を実施。受講生にとってこれをクレアし、以後はレポート作成に向けて授業内容が切り替わることになる。残りの時間で今後の授業スケジュールとレポート作成要領を配布し簡単に説明した。テーマを絞り込むんでほしい。次回は各自から決定したテーマについて簡単な口頭報告をさせ、教員からは、スクリーンを使ってインターネット情報源の取り組み方や情報の咀嚼の仕方について説明したいと思う。
卒業論文準備演習(行政学ゼミ)
うつのみやまちづくり提案の原稿2本が出揃った。いったん引き取って研究室で集中して読んだ後、形式面や参考文献の付け方などについて微修正を指摘した。両グループとも意欲的に取り組んでおり、安心して見ていられる。研究室の3大イベント(ジョイント、ISFJ、まちづくり提案)がいよいよ目前に迫ってきた。実務面での詰めも含めてすべてが糧になるはずで、この調子で臆せず伸び伸びとやってほしい。
卒論指導
今回でもって、4人毎(障害者スポーツ教育、献血、図書館、地域教育)の執筆途中報告は修了。いずれも道筋が見えるので後は本人の頑張り次第だろう。再来週に書き終える覚悟で、教員宛に一部、原稿をもらう約束をした。これを受けて来月11日に当人の中での完成版原稿を受け取り、一週間かけて全てに目を通し、18日に教員側からの修正を提示して、一気に提出版の年内作成を目指したい。
06/11/21. Tue..
.
英文講読U(学部共通教育)
11月4日付のThe Japan Times Weekly。これで8枚目となる。“East Timor’s elections”, “Iceland’s return to commercial whaling”, “No-fault divorce”, “Europe’s Muslims”を読了。一見難解な文章でも逃げずに真正面から取り組めば、かならず文章の筋道が見えてくるはずである。次回の割り当ての際、うっかり受講生1名を飛ばしてしまったので今後は気をつけなれば。
06/11/28. Tue..
.
英文講読U(学部共通教育)
11月11日付のThe Japan Times Weekly。9枚目に入った。“Justice for Saddam”, “Act of vengeance?”, “Global warming bandwagon”を読了。来年1月のカレンダーを眺めていたら、振替授業と入試のための1月は2回のみであることが判明。その分12月(あと3回)を充実させていきたい。一通り読み終わった後にパラグラフごとに全体を把握する試みを行うことと、内容そのものから国際社会に関する知識を得る姿勢を大切にしていきたい。
比較政策研究(大学院)
院生1名から報告。企業での経験の蓄積の一端を学ばせてもらっているようでありがたい。当たり前のことではあるものの、毎年の受講生の個性と教員側の研究関心との交錯が大学院授業の醍醐味であろう。