20066月 中村祐司の教育日誌

 

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06/06/01. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

日経新聞の特集記事「Soccer巨大ビジネス」から、欧州プロサッカー市場やW杯市場について取り上げた。同じプロスポーツでも現在の日光バックスが置かれた苦境とのあまりの違いに戸惑うほどだ。「企業のための大会」が人々に心からの喜びをもたらし得るのであろうか。次回もW杯について見ていきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 まず朝日新聞の記事からイタリアセリエAのユベントス疑惑を取り上げた。イタリアチームが置かれた苦境が本大会で果たして吉と出るのか、凶と出るのか。同新聞の「欧州スポーツ庁」の設置などを提言したEUのレポートに関する短い記事も紹介した。他はサッカー世界ランキングの決め方、ドイツ大会を通じてFIFAが進める「グリーゴール」などについて説明した。その他口頭で現地キャンプ地などの話題。次回も授業の題材はやはりW杯関連となりそうである。

 

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06/06/05. Mon.

 

行政学

省庁制と「橋本行革」「小沢構想」について。とくに官房系統組織については文部科学省の例を板書しながら丁寧な説明を心掛けた。来週あたりには7月の試験の日程を示さなければいけない。研究室HP掲載用のポイントを提示したノートについても、もうあまりのんびりはしていられない。出席カードのチェックはやや厄介ではあるが、受講生が毎回の授業に出席した貴重な「痕跡」でもあり、何とか継続していきたい。

 

行政学演習

 二つのグループによる報告。実際に宇都宮の中心市街地を歩いたり、自転車に乗ったりして得た感触はかならずこれからの提案に生きていくはずだ。ゼミの途中、まちづくり提案についての市から説明日を調整するため、研究室を出たり入ったりしたものの、今月19日ということで決定した。この機会を利用してゼミ生にはプロの行政職員にどんどん質問をぶつけてほしい。ISFJの説明会(10日)、ジョイントの顔合わせ(17日)、そしてサブゼミの実施といったふうに活動がどんどん本格化していく。

 

卒論指導

臨時の欠席できない委員会が急に入り、進行を院生等にまかせて、最後の方だけ顔を出す。2名からレジメの提出もあったし、意見交換も盛り上がったようでほっとした。再び委員会へ出ざるを得ず、教員側から質問できなったのが残念。次回はじっくり卒論生と向き合いたい。

 

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06/06/06. Tues.

 

国際学英書講読

最初に当てていた受講生が遅刻で肩透かし。順番を変えて”Victory for intolerance”, “Coda for the ‘Code’”, “The lost art of diplomacy”を読み切る。残りの時間で最初に戻って7-8行まで。次回はこの続きとその前の一つをさっと読んで、63日付けの新しい社説集をできるだけ多く(できれば全部)読み終えるようにしたい。

 

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06/06/07. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

 アフリカ・ソマリア情勢、世界における少年兵問題、東アジア共同体構想、アフリカ連合、イラクへの自衛隊派遣といったテーマでのレジメ報告。4月とは様変わりで、自分たちによるセミナーを形成していこうとする雰囲気が出来上がってきた。次回は後半の4人による報告。司会も決まっている。

 

余暇政策論

旅行産業、銭湯、コンビニフィットネス、本屋さん大賞、余暇・仕事での携帯電話利用、ドイツW杯における環境対策などのテーマ候補が並んだ。まだまだテーマ設定で悩んでも大丈夫な時期である。オーストラリアのクウィーンズランド大学内における学生や市民を対象としたフィットネス環境、銭湯サービスとフィットネスクラブとの交錯領域の出現、W杯情報をめぐる携帯機能など、報告や意見交換に耳を傾けながらいろいろな問題意識が出てきたのでこうしたことにも言及した。

 

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06/06/08. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

 日経新聞の特集記事をもとに、南米から欧州への巨額の移籍金をめぐる巨大なサッカー市場と、欧州有力クラブと欧州サッカー連盟・FIFIAとの確執について、キーワードを板書しながら噛み砕いて説明。試験を来月6日に実施。受講生個々の考えを問い、自筆ノートのみ持込可の方向で固めていきたい。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 関西学生アメフト連盟による自前の新スタジアムが今月24日に完成との朝日新聞記事と、日経新聞の競技場の命名権についての取材記事をもとに、国内におけるスポーツ環境の変容を指摘した。その後、FIFA事務局長へのインタビュ記事から、FIFAが収入の7割を各国の協会に還元しているとの認識を紹介した。「FIFA加盟の3分の2は貧しい国で、われわれの援助がなければサッカーはできない」という指摘は担当者ならではの言葉かもしれない。

 

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06/06/12. Mon.

 

法学概論(産業技術大学校)

早いもので今回を入れて残すところあと3回。試験を来週実施。工作機械企業のインドへの事業拡大、携帯電話の折り畳み部分にもちいる高性能銅はく開発、二輪車用ヘルメットの多品種少量化生産の工夫といった話題を取り上げた。何とかこのスタイルで残り2回も貫いていきたい。

 

行政学

公務員制度(開放型任用制と閉鎖型任用制)、官僚制組織の分業構造の編成・形成を説明。時間が目一杯となってしまった。試験を710日に設定。ポイントの作成に取り掛からなければ。法令と命令のところで上司の「支持」ではなく「指示」と修正する必要あり。これから試験までの1カ月弱の間、できるだけ多くの受講生の奮起を促すよう心掛けたい。

 

行政学演習

宇都宮市主催の「大学生等によるまちづくり提案」への申込書の作成をめぐって、じっくりゼミ生間で話し合って、提案内容の現時点での骨格を2つのグループがまとめるまでに至った。着実にスタートを切る雰囲気が漂っていて非常に頼もしく感じた。

 

卒論指導

2名から町の活性化方策とフリーペーパーに関する報告。発表者以外からいろいろな視点が出されて面白かった。夏休み前まではこのように試行錯誤したとしても、テーマ探しに真剣に取り組んでいけば、必ず道は開けてくるように思われる。

 

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06/06/13. Tues.

 

国際学英書講読

2枚も戻って”Blair gambles on last-gasp Cabinet shuffle“を訳し、次の”One nation”を訳させてから本来のところに入る。”Hold the applause in Iraq”, “Say goodbye to Gitmo”, “The end of Yugoslaviaまでが精一杯。次回は”Not just bad apples”から。次のところまで全部終えたい。昨夜のドイツW杯における日本の対オーストラリア戦での惨敗から得られた教訓が、これからを見据えて今に集中することであるとすれば、社説英語の講読にもこの教訓は当てはまるように思われる。

 

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06/06/14. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

中間報告の2回目。4人から児童労働、ルワンダ内戦、京都議定書、貧困問題について報告。早いものでレポート提出まであと2週間。最初に問題意識を明確に打ち出している報告があり、これに見習ってもらいたい。次回は口頭での簡単な進捗報告と教員からの話題提供の予定である。

 

余暇政策論

レジメ報告者は11名。余暇領域にはこれほど多様で興味深い題材がころがっているとあらためて確認できた。午後の大学院中間発表会準備のため、早めに終えた。初期セミと同じく次回は口頭での簡単な進捗報告と教員からの話題提供の予定。おそらくワールドカップ関連の話題となるはず。

 

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06/06/15. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

W杯商戦、チケット問題、韓国での盛り上がり等をテーマに新聞記事をもとにキーワードを黒板に書き出した。授業内試験を76日に50分間実施することに確定。できるだけ各自が充実した自筆ノートを準備してほしい。日本の初戦敗退を受けた多様な論議が沸き上がっている。果たして来週の時点で日本代表チームはどうなっているのだろうか。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 FCバルセロナの財務マネジメントに関する新聞記事を紹介。クラブ運営と金銭との絡み合いが良く分かった。続いてブラジル代表合宿の経済効果、W杯開催期間中の環境対応、日光神戸アイスバックスの経営難脱出への試みを取り上げた。スポーツ価値としてのサッカーとアイスホッケーとの優劣関係はないにもかかわらず、その運営基盤をめぐる現実のコントラストには厳しいものがあると感じた。この授業でも76日に50分間の試験を実施する。

 

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06/06/19. Mon.

 

法学概論(産業技術大学校)

前半の時間を使って試験を実施。後半は技能オリンピック金賞(金型-抜き型部門)獲得の地元の技術者を紹介したり、県の職業能力開発計画(案)のポイントを押さえたりした。早いもので次回が最終回。このまま、ものづくりをめぐる政策環境にこだわってきたスタンスで終えたいと思う。

 

行政学

情報伝達経路の太さをめぐる観点から「面従腹背行動」「ストリートレベルの行政職員」について説明。その後、規制行政活動における「取締活動」「違反者の類型と第一線職員の執行戦略」を、事例を盛り込みながら理解させるよう努めた。最後に試験対策のポイントその1としてまずは10問の設問と各々に対応した回答内容となるノートをホームページ上に掲載する旨を伝えた。

 

行政学演習

市政研究センターのスタッフがわざわざゼミの時間に合わせて来室してくださった。12月の学生によるまちづくり提案について、とくに問題意識を促してくれる方向で説明してくださった。ゼミ生にとって刺激になったはずである。とりあえずは来月10日のゼミ発表会を目指してほしい。17日のジョイントの打合せも順調にいったようだ(ゼミからは3名が参加)。他大学と比べて往復が大変だっただろうが、我が研究室の前向きな姿勢が今後ますます強まってほしい。

 

卒論指導

2名から報告(フリーペーパー、環境ボランティア・ごみダイエット作戦)。テーマを起点に課題を追求していこうとする意欲が感じられた。今は卒論作成準備段階の時期。テーマ設置などをめぐってむしろ大いに悩んでほしい。就活などでなかなか全員揃わないものの、残りの11回を大切にしていこう。来週で報告は終わり、再来週は模擬発表、そして来月10日が中間発表会となる。

 

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06/06/20. Tues.

 

国際学英書講読

前回利用した社説集の最後である”Not just bad apples”が残っていて担当の受講生が欠席したため教員が訳す。その後、5人の訳担当受講生にややスピードアップを心掛けつつ、結局、”Condi’s Iran gambit”, “A crash course in diplomacy”, “U.N. losing AIDS fight”, “Tokyo’s good deed”, “Japan’s lackluster policy on Myanmar”を全部読み切ることができた。授業時間が超過したので慌てて、次回の社説集を配布し担当を決めて終了。受講生の取組み次第ではあるものの、予習の必要性など厳しい内容にもかかわらず受講生数が減少しないのがこの授業の救いとなっている。

 

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06/06/21. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

早いもので来週のこの時間がレポート提出締切である。その道の専門家や評論家が書くものではないので、表現に多少の拙劣さはあっても自分の考えをしっかり書くことに主眼を置くよう強調した。内容上で至らなかった点があれば、それを課題として文中で指摘しておけばよいし、収集データに合わせてテーマが変わることもあり得る。

 

余暇政策論

同じく来週のこの時間がレポート提出締切。初期セミナーと同様、口頭での進捗報告を受けた後、開催中のワールドカップを題材にいくつかの話題を提供した。クラブの発言力の増大とクラブマネジメントのあり方に注目して、自分も2本のレポートを作成するつもりでいる。

 

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06/06/22. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

76日実施の授業内試験について確認した後で、アラブ諸国におけるW杯人気、日本の1次リーグ2試合の時間設定の問題、4年前の618日における日韓の明暗と今回の618日の結果との類似性、中国における学生のW杯テレビ観戦をめぐる暴動に至るまでの熱気などを取り上げた。次回は良くも悪くもブラジル戦での結果を受けた授業内容となる。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 同じくまずは76日実施の授業内試験について確認した。共同通信の記事で川口の対クロアチア戦での好セーブについて、「この一瞬にさまざまなことを経験した8年という時間が凝縮されていた」という表現を紹介した。その後、なかなか複雑な現時点での日本の決勝トーナメント進出の条件について整理した。その他識者のコメントも取り上げた。前日本代表監督の「この4年間は、私の作ったマシンに微調整を加えれば、戦うことができた」という発言はきつい内容である。結果論とも絡み代表チームに対する評価の難しさを浮き彫りにしているように思われる。

 

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06/06/26. Mon.

 

法学(産業技術大学校)

最終回の授業。日経新聞の記事を参考に小山市の「シンデン」という樹脂加工会社を紹介する。毎回、ものづくりに絡んだ授業を最後まで続けることができ、自分にとっても収穫であった。世界のエネルギー問題について述べ、休憩をはさんで後半はドイツW杯に関して書いた小論文2本の内容を話す。無事終了できて良かった。各学科受講生の今後の活躍を祈りたい。

 

行政学

政策対応のレベルや法令・行政規則の作成をめぐる実質的意思決定過程などについて、黒板にキーワードを書いて説明。原始的ではあるがこうしたやり方を貫く意味はある。再来週が試験。試験対策ポイントその2を作成しなければならない。これは受講生のほとんどが試験勉強に身を入れるために不可欠な作業と考えている。

 

行政学演習

 再来週の中間発表会が迫ってきた。教員がしびれを切らし教室を確保。和気藹々とした雰囲気もいいが、もう本腰を入れる時期であることを強調。どれだけゼミ生に伝わっただろうか。後期の演習を取る取らないは別にして、何らかの成果を前期の間にぜひ残してほしい。

 

卒論指導

2名から報告(食育政策と図書館行政)。ともに力が入っていて良かった。基本的に書きたいことを社会科学の枠組みで書きたいように書くというのが大切。その意味で、テーマを追求していく問題意識と意欲があれば道は必ず開けるはずだ。これで前期における各卒論生の報告は終わり、次回は中間発表の準備。そして再来週が卒論中間発表会となる。

 

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06/06/27. Tues.

 

国際学英書講読

継続することに意義がある典型的な授業内容になっている。”It isn’t amnesty”, “Forgive and forget”, “Call me Jacques”, Execute Moussaoui ”( ここは教員が訳す)Asean’s sad Burma policy”といったように48日付のものを全部訳す。終盤になってやればできるという感触を掴みつつある。次回は617日付のThe Japan Times Weeklyを全部。

 

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06/06/28. Weds.

 

「国際社会を見る目を養おう」(初期セミナー)

レポート提出日がやってきた。なかなか思うようにいかなかった受講生もいたようだが、まずは全員提出したことを良し(昼休みに1名が遅れて提出)としたい。ずっとイメージラボのパソコンをいじっておらず、最初は戸惑ったものの何とかうまくいきほっとした。次回以降2回に分けて批判的に読み込んでいくこととする。ここからがこのセミナーの真骨頂でもある。同時並行してコメントを作成しなければ。

余暇政策論

同じくレポート提出日。ファイル名などいくつかの手直しは必要となったものの、時間内でおさまった。この授業は初期セミと若干異なり、次回以降3回に分けて討論を行う。司会者も何とか決まる。同じく次回以降のために今までやってきたといっても過言ではない。まずは次週の8本のレポートを読み込み、コメントを作成した上で臨みたい。

 

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06/06/29. Thurs.

 

体育社会学(白鴎大学)

まずは自分が作成した欧州のプロサッカークラブの台頭に関する小論文の内容について話す。今まで新聞記事やインターネット情報から、やや興味本位で断片的な解説やデータを提示してきたので、今回は教員の考えを前面に打ち出す講義内容とした。

 

スポーツ行政論(白鴎大学)

 同じくまずは来週の試験について確認した。ドイツW杯における日本代表チームの試合開始時間について作成した小論の内容を説明。自分なりに書き上げたものがあると、新聞の切り抜き等の作業と読み込みだけでは得られない、自分なりの論理展開の流れを明確に説明できる。本来ならば、このような授業内容が理想であるかもしれない。

 

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