2005年12月 中村祐司の教育日誌
05/12/05. Mon.
現代政治の理論と実際
レポート作成に向けた各自のテーマ探しと大体のテーマ設定。今回報告受講生はレジメを1枚作って皆に配布した上で、簡単な報告を行い、これにもとづき討議した。北朝鮮をめぐる情勢や在日朝鮮人と教育の過去の経緯、二重国籍、9条と憲法改正論議、年金と学生特例制度などいろいろ出てきた。電子媒体・紙媒体に関わらず、たとえメモでも情報源を明確にしておくようアドバイスした。次回は6名から報告。司会も今回と同様受講生から。
地方自治論
「現政」よりも進捗は1週間分ずれる感じではあるものの、全受講生から今、考えているテーマを挙げてもらった。村おこしから外国の環境政策までこれまたいろいろと出てきた。初めてスクリーンを用いて研究室HPを紹介。参考にしてもらえるよう過去のレポート一覧やコメント一覧を提示した。メモの取り方や情報源の保管の仕方など、自分流のインターネット情報への対処法を説明した。メモ帳とワードを同時に使うやり方は受講生に果たして受け入れられるだろうか。要するに各自が試行錯誤しつつ最適な方策を見つけるのが一番いいのであろう。次回から2週に分けて模擬報告。10人の報告者と司会を決めた。
行政学演習B
昨日のISFJの余韻がまだ残っている中でのゼミ。発表者とサポートの3年生に感謝して、今後のスケジュールについて確認した。まちづくり提案の論文が2週間後に迫っている。来年早々にはその発表会やポスター展示もある。ゼミ活動として初めての未知の領域へのチャレンジだが積極的にやってほしい。ジョイントとISFJの感想の締切は来週とした。研究室HPへの記録掲載については言い忘れてしまった。来年1月30日を卒論発表会とし、2月6日を進路情報交換会とした。今週金曜のコンパも2時間程度しか出られないものの楽しみだ。来週はまちづくり提案論文2本の作成途中報告となる。
卒論指導
いよいよ大詰めという感じで、今までにない緊張感が漂ってきた。全員の報告という訳にはいかなかったのが残念。少し強く言い過ぎたと後で反省したが、自分としても出来上がった卒論をその場で読み込むぐらいの気持ちでないと、日程上も厳しいということを伝えたかった。現実には睡眠時間を削って読むようになるだろう。しかし、これはある意味では教員冥利に尽きる行為であり、楽しみでもある。「論文を書くというのは、ものすごくたいへんなことなんだ」とポツリと漏らした卒論生の一言がとくに印象に残った。
05/12/06. Wed.
リサーチ英語セミナー(学部必修)
気合を入れて読み込んできたつもりが、結局、前回やり切れなかった箇所のみで終わってしまった。自分にも前回分はすんなりいくという甘さがあり、この点反省。一定の「量」をこなしたいという思いと受講生による訳の「スピード」との兼ね合いがとても難しい。”Patriot death games”と“Time to use veto”を終える。「このままでは単位が出ないのが数人いる」という毒のある言葉を思わず発してしまった。嫌味ではなく激励と受け取ってほしい。
比較政策研究(大学院)
この授業では修士論文につながる報告を積み上げていくスタイルがここ数年定着している。文章化することでレジメとは違った研究上の価値も見えてくるはずである。
05/12/12. Mon.
現代政治の理論と実際
中間報告の後半。少子化、竹島問題、WTO、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教、ODAなどが取り上げられた。レジメを作成してきたことで、受講生の授業への参加意欲がより増したように感じられた。少人数なのだから一方通行の授業をやっても仕方がない。次回はA5版でキーワードと自分なりの考えをコンパクトにまとめて提示してくることにした。司会者による議論の持って行き方も来週の報告会の中身を左右するであろう。
地方自治論
1限目の授業とは一週間遅れるような形で、今回と次回で中間報告。今回報告すべき受講生が数人休んだのには正直驚いた。一方で、報告者のレジメは意欲的なものが多かった。レジ袋、指定管理者制度、外国の地方自治制度、原子力発電、食育、村おこしとしての染物、など実に多彩だった。各々の受講生が好きなテーマを掘り下げていけば、そこに必ず共通の問題意識が芽生えるはずで、それを期待したい。次回は予め決まっている報告者と前回休んで今回出席した者が発表ということにした。
行政学演習B
来週20日がまちづくり提案論文の締切となるため、そこに至るまでにやるべきことや提出原稿の体裁などについて確認した。同時に研究室HPに掲載するジョイント合宿とISFJの内容についても確認した。その後は2つの班(ジャズによるまちづくり、景観によるまちづくり)に別れて打合せの作業。来週のこの時間に提出し、教員や他のゼミ生がチェックを入れて、20日は添付で送信するという段取りだ。
卒論指導
これから一週間が大一番となる。教員にも卒論生の緊張感が伝わってくるほどである。卒論生のほとんどは非常に気合が入っており、これなら大丈夫だという確信に近い感触が持てたのが大変嬉しい。教員と卒論生の連結役として院生が果たしてくれている役割にも感謝したい。来週のこの時間に卒論をもらい、26日と27日の午前中に微修正をめぐり、個々と向き合い、仕上げに向かわせるよう持っていきたい。終了後は、一昨日の塩谷広域での委員会とは異なる類の、教育活動の達成感と疲労感が入り混じった感覚に襲われた。この疲れも教員冥利の一つであろう。
05/12/13. Tues.
リサーチ英語セミナー(学部必修)
“Time to use veto”の最終パラグラフの意味を確認した後、受講生が次の”Wise decision”と”Guard safeguards”をうまく訳す。新しい社説集に入り、まずは”The gift of life”をスピーディーに読み終え、”Azerbaijan flunks test”もどんどん教員主導で訳した。結局、予定の”Impending APEC”まで終える。やればできるという感触を少し得ることができた。次回はその続きからさらに新しい社説集の4分の3まで終わらせたい。受講生が自主的に手を上げ、訳の担当者が決まったので、今年最後のリサーチ英語を有終の美で飾りたい。
05/12/19. Mon.
現代政治の理論と実際
先週、受講生全員にA5版のレジメを課したので、その応答をもとに授業を進めた。少しずつ顔なじみになってきたせいもあって、率直な意見交換がなされた。来年最初の授業では、レポート作成の進捗報告と、年頭に当たっての話題提供という形でやっていきたい。
地方自治論
中間報告の後半。司会者がしっかりと準備してきてくれたので、時間内にぴたっと納まった。他の受講生のテーマについても調べてきたことが、状況に応じて司会者自らが質問を発することにつながった。何とか、今年の授業の最後までこれてほっとした。来年最初の授業では、現政と同じくレポート作成の進捗報告と、地方自治関連でポイントとなると思われる事項について指摘したい。
行政学演習B
うつのみやまちづくり提案についての二本の原稿を読む。ジョイント、ISFJと続き、さらにもう一つ大きな山がこの原稿と来年1月の発表会・ポスター展示だ。乗りかかった舟なので最後まで精一杯やってほしい。このゼミではスポーツ活動も活発化しそうで楽しみである。ジョイントISFJのHP掲載は年内にはやっておきたい。発表直前の模擬発表にはぜひ顔を出したい。
卒論指導
研究室内の卒論締切日。全体を通して中身をじっくり読むのはこれからだが、皆それぞれが頑張ってきたのがよく分かった。来週26日27日の個別チェックの日程を調整して早めに終わる。副査のお願いを早いうちにやっておかなければいけない。教員側としても年内に終わらせることができる仕事はできるだけ消化した上で新年に臨みたい。
05/12/20. Tue..
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
先週、手を挙げたわりには、準備があまりできなかった受講生や、ノートに書いてきた訳を意味を一つ一つは把握することをしないで、そのまま読み上げる受講生がよもやこの段階でいたのが非常に残念だった。それでも何とか“France riots expose social ills; change is needed”(2本),”Flagging efforts”,そして”Door to reform”の最初まで終える。何だか教員だけが浮き上がっているようだが、1回で1日分の社説を読み通すよう、少なくなった今年度の残りの授業であきらめずに挑戦していきたい。
比較政策研究(大学院)
報告の2巡目に入る。来年2月7日に各院生が修士論文のその時点での目次を提示してもらうこととする。借り物の文章でなく自分の文章表現をぜひ定着させてほしいし、実証研究をやるにしてもある程度の理論研究は必要となるであろう。その意味で、今後の展開に期待できる報告があったことを素直に喜びたい。