2005年1月 中村祐司の教育日誌
05/01/11. Tue.
現代政治の理論と実際
火曜日だが、月曜時間割への振替のため、今年初めての授業となる。昨年後期から行ってきたことを振り返った後、受講生にレポート作成状況を尋ねる。残り6日間だが書ける範囲でやってほしい。スマトラ沖地震とインド洋大津波をめぐる救援各国の関わりや、災害に乗じたスリランカやインドネシアにおける子どもを対象とした人身売買の懸念について話題提供する。少人数であるがゆえに、再来週の意見交換を1回とするかどうか次回に判断しなければならない。
地方自治論
年頭ということで、最初に今までやってきたことを振り返る中で、分権改革、合併、三位一体改革をめぐる議論を取り上げ、補足説明を行った。その後、大災害とそれに乗じた動きや若い世代に託された課題と期待について述べる。その後、受講生からレポートの進捗状況について口頭報告。レポート提出者が10数本であるならば、意見交換がじっくりできるであろう。何事も継続していくのは大変で、授業についても同様。残り3回を引き締めてやっていきたい。
卒論準備演習
パソコン教室。Yahooあるいはhotmailが使えるように設定する。ウイルス対策についても説明。CD-ROMが機能しないパソコンについても再起動して何とか使えるようにする。ISFJとジョイントのHPがようやく完成。今年度残り3回の研究室活動のスケジュールについて確認。今年の反省から来年度は新3年生に対してゼミの時間を使ってHP作成についての講座を開くことになるだろう。
卒論指導
卒論提出日。全員無事提出してよかった。この時間を使ってHPへの掲載作業。2週間かけて3年生も含めじっくりと読んで、発表会に備えてほしい。4年生の場合、就職日誌の作成もある。来週は進路情報交換会の準備に充てる。卒論発表会と交換会の教室を確保しておかなければ。今日は新年いきなりのフル稼働でさすがに疲れた。教育活動も冬休みを経ると一時勘が鈍ったようになってしまう。
05/01/12. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
少し残っていたコートジボアール問題を早目に切り上げ、” Karzai’s dangerous road from exile, jihad to Afghan presidency ” に進む。受講生にどんどん当てていくが、2名程を除けばいずれももう一歩というところか。予習をしてきたのは伝わってきたので、あとひと頑張りで単語の訳を見ないで一度通して自力で訳す練習をしてほしい。国際学部に属する学生としてのプライドを持ってほしい。最後に訳した受講生を目標にしてほしい。
05/01/17. Mon.
現代政治の理論と実際
レポート提出日。少人数なのでトップページの雛型をその場で作成し、来週と再来週に分けて意見交換することとした。司会者も決める。文章作成という点ではレポートといえども論文と同様である。教員の力量を落とさないためにも、たとえ中途半端な内容になっても毎年何とか自分も書くようにしている。今回も週末の俄か勉強でどうにか間に合わせた。HP掲載作業を素早くやりたい。
地方自治論
同じくレポート提出日。昨年よりも受講生が少ないので取り込み作業もやりやすかった。それでもメモリーカードが読み込めなかったり(再起動して解決)、なかなかスムーズにはいかない。授業が終わってから、遅れて提出すると言い出す受講生もいて困る。いずれにせよほとんど出揃ってよかった。数年間積み重ねてきたものの、毎年この日のファイル取り込み作業では漏れがあってはいけないと多少緊張する。次回から2回に分けて意見交換を行う。討論対象となるレポートと司会者も決定した。
卒論準備演習
来週の卒論発表会ではぜひ厳しい質問を浴びせるよう要請した。進路情報交換会と追いコンの担当者も決まった。4月以降の卒論指導(前期)のスケジュールも固めた。コンピュータ操作の課題は実質的には持ち越しとなったものの、前回までで一区切りとする。自分からやろうとする意欲がなければ何にもならないからである。今日は今後の段取りがうまくいって嬉しかった。ゼミ運営全体を視野にいれた受講生のスタンスが頼もしい。
卒論指導
残念ながら出席は半分ほど。ぜひ他の人の卒論をこの1週間でじっくり読んでほしいと伝えた。進路情報交換会の趣旨も浸透したはずだ。来週、再来週の担当の3年生にも途中入ってもらってすり合わせができたのが大きい。勢いで3,4年生のメールリストを作成して送信すると言っていまい、アドレス帳を別々に保管していることもあり、その後作業に四苦八苦することになった。
05/01/18. Tue.
比較政策研究(大学院)
NPOの理念に関するものと難民保護に関わる発表の2つ。この授業では一貫して文書化されたレジメを要求してきたが、いずれの院生もしっかりやってきた。HP掲載が良い緊張感を生んだようである。確かに各々の専門分野が異なるので、互いがテーマをめぐる意思疎通に戸惑った側面もあろう。しかし、発表者との事実認識の程度の差はともかく、現象の見方という点では各々の修論作成に役立つポイントもかなり盛り込まれていたのではないだろうか。次回が今年度ラストとなる。今後の研究の方向性をめぐり意欲的な決意表明の場としたい。
05/01/19. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
今回は訳させた受講生の中で、予習に励んだ者が複数いたようでうれしかった。やはり、受講生自ら積極的に取り組むことがこの授業を活性化させる。”Curbing opium trade will take years” の後に”Yushchenko victory is a
watershed for Ukraine”に進む。あとワンパラグラフのところまでいった。次回は”Four more years!, A world
feeling bullied by Washington braces for George W.’s second term”まで終わらせたい。
05/01/24. Mon.
現代政治の理論と実際
2本のレポートを対象に討論を行う。じっくり検討できるせいか、イラク問題についても沖縄米軍基地についても言いたいことはある程度言い合えたのではないか。とくに少人数の場合、受講生を司会者に立て、対話形式で進められる良さがある。次回は残り2本のレポートを取り扱う。進捗に合わせてコメントを作成しておかなければ。
地方自治論
8本のレポートを対象に討論を行う。事前に読み込んでくれば何かしらの質問は出てくるものだ。この時間に合わせて作成したコメント内容を、自由討議を聞きながら微修正した。レポートの良し悪しの基準を判断する上で、当該テーマに対する教員の認識度や知識量の違いが影響を及ぼすことは避けられないだろう。それでも、できるだけ先入観を排し、まっさらな状態で読むように心掛けている。次回は後半8本のレポートが対象となる。これについても当日までにコメントを作成し終えておきたい。
行政学演習B・卒論指導
事前に借りておいたE棟のこじんまりした教室での卒論発表会。これでもって、卒論指導が終了となる。教える側としてもいろいろな課題が残ったものの、今年度、よくぞここまでこられたと感慨深く思いつつ、卒論生・ゼミ生間のやりとりを聞いた。次回の進路情報交換会でもって、今年度の研究室活動が終了となる。
05/1/26. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
“ Four more years ! ”に入る。今まで、時間を目一杯使って、文意を正確に理解しようとしてきた。量的にはそんなにたくさんではなかったものの、それなりの成果は上がったのではないか。受講生の約3分の1は、教員が想定する準備をしっかりやってきたように思われる。教員にとってもただ読み流すのとは違って、受講生の訳から学ぶこともあり、相乗効果のきっかけにはなったとは思う。次回は残り3パラグラフを終わらせて、” Top World News of 2004 “ を早目に把握し、4つの社説をじっくり読んで締め括りたい。
05/01/31. Mon.
現代政治の理論と実際
教員1本分を含む後半の2本のレポートを対象に討論。2,3日前から体調を崩したが、休むわけにはいかない。テーマを広げて今後、日本が中国や北朝鮮とどのように付き合っていけばいいのか等について、意見交換した。この授業のメリットは、世界情勢についていかに知らないことが多いかを痛感することで、今後の意欲的な勉強や情報収集につながる契機が提供される点であろう。少人数ではあったが、今年度もそのことはある程度達成できたように思われる。
地方自治論
後半9本のレポートをめぐる意見交換。コメントを文章化するのは意外と大変だが、何とかこの時間までに書き上げた。受講生間のやりとりを聞きながら、内容を修正し、あとは掲載するばかりの状態にした。もう少し、批判的な見解の提示や熱いやり取りがあってもいいと思う一方で、こうしたソフトなやり取りも宇大生の特徴かもしれないと感心したりもした。この授業を通じて地方自治をめぐる課題の裾野の広さを受講生に感じさせることはできたように思われる。
行政学演習B・卒論指導
先週と同じようにE棟の教室において進路情報交換会。就職活動では各々が他人との接触や希望先企業の情報収集などの点で、また、公務員試験勉強では合格までの道筋における悩みややる気維持の工夫などの点で、各々が貴重な経験を積み重ねたことが伝わってきた。やはりこういうことは研究室としても後輩に伝えていかなければいけない。風邪のため体調がどうしようもなく、終了後の打ち上げは泣く泣く欠席。最後の最後でいつもダウンしてしまう。
05/02/01. Tue.
比較政策研究(大学院)
最終回ということで、今後の修論作成に向けての研究の中身について、レジメをもとに全員に述べてもらった。確かに教員の研究内容について説明する時間はほとんどとらなかったものの、各自が修論の章あるいは節に直結するような文章をしっかり作成してきたことは大きい。これから、必ず生きてくるはずだ。その意味では受講生の自主性を尊重するこうしたやり方を継続していきたい。
05/02/02. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
この授業も今回で最終回。昨日と比べれば体は楽になったものの、今度はのどががらがらして声が出ない。普段は声が大きいので、受講生にとっては今日ぐらいがちょうどよかったかもしれない。この授業に限らないが、受講生のやる気が授業の質を左右することを痛感した。国際情勢について書かれた英字新聞の内容を正確に読み取る力をつけておくことは、各々の関心のあるテーマが何であれ、必ず役立つ時がくると思う。