2004年10月 中村祐司の教育日誌
04/10/04. Mon.
現代政治の理論と実際
11月中旬まではアメリカ大統領選挙をテーマに調べてきたり、論じ合ったりすることにした。イメージラボ教室において、インターネットへのアクセスができなかったのが誤算。地方自治論の終了後にいろいろとやってみたがダメで、結局、管理者に聞くしかないようだ。誰に対してもオープンになっている際に操作上の保護をしっかりしておかないと機能不全となってしまう。この教室の旧パソコンは既にまともに作動しなかった。次回までに本日のテーマで各自が何かしら調べてきて、口頭報告してもらう。11月中旬以降はレポート作成に取り組む。
地方自治論
この授業で始めて接する受講生が多かった。所属学科の学生と授業で一度も顔を合わせないケースもあるので、大切にしていきたい。今後のスケジュールを大まかに示した。前半は地方分権と市町村合併についての講義。後半はレポート作成となる。名前と顔を早く一致させたい。せっかく現役行政職員の聴講生もいるので、授業の中で発言してもらい、他の受講生に刺激を与えてもらいたい。
卒論準備演習
名称変更で以前の行政学演習Bがこの名称になる。しかし、ゼミの進め方は変わらず、ISFJとジョイントを目指した活動内容となる。夏休み中に相当準備しているゼミ生もいて、今後を考えると非常に心強かった。今日が本格的なスタートとなる。元気に顔を揃えてくれるのが何よりである。ISFJは年金についての勉強をさらに深め、ジョイントの共通テーマ「地域の国際化」については全員で取り組む。そして、まちづくり分科会についても、Jリーグやプロ野球の地域展開を取り上げる方向性が見えてきた。サブゼミもぜひ充実させてほしい。
卒論指導
3名と心細い参加数であったものの、卒論作成に向かう決意はいずれも強いと感じた。結局は自分にはねかえってくる。勉強面での学生生活の集大成に向けて、本格的に今日からスタートである。化粧品、生活共同組合、地方競馬と素材はどれも面白い。資料収集をしながらの章立て・文章作成に取り組むこととなる。11月あたりが正念場となりそうだ。
04/10/05. Tue.
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公開講座(コミュニティ入門)
若干2名ではあるが、その分、相互のコミュニケーションの密度が上がった。過去2年間の成果を振り返って、コミュニティについて自分が向き合うスタンスを説明した。受講生から、この講座に入った動機や今までのコミュニティ活動などについて話をしてもらった。いろいろと興味深い、議論の対象となる題材が出てきた。次回以降が大変楽しみである。
比較政策研究(大学院)
この夏の海外調査や、現在取り組んでいる活動や研究上の視点などについて話す。院生には研究する上での覚悟のようなものを伝えたかった。今後の日程を固め、発表の割り振りを決めた。とにかく修士論文につながるようこの授業を利用してほしい。特定の英書文献を読み込むことはしない。こちらから一方的に説明するのではなく、受講生がやってきたことをプレゼンさせ、どのような視点から小論を書いたのかを問うていきたい。
03/10/6. Wed.
リサーチ英語セミナー(学部必修)
2年生を対象とした学部必修科目。後期の1限目ということで、3-4名かと予想していたが、14-5名が受講した。アメリカ大統領選に絡む” Bush or Kerry? “の記事を取り上げる。精読を心掛け、文意はもちろん構造もしっかりと把握するような教え方に努めたい。今日予定していた分は終わらなかったものの、ほとんどの受講生は前向きであると判断できそうな雰囲気であった。次回からが本番。ぜひ予習をした上で臨んでほしい。間違えて、新聞の逆サイドに掲載されていた論説をコピーし、配布してしまったものの、問題はないであろう。教員側もしっかりと準備しておかなければ。
04/10/12. Tue.
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公開講座(コミュニティ入門)
市内の自治会組織と身近な経験としての自治会サービスについて説明。受講生からの豊富で興味深い経験論にも耳を傾ける。合併については時間不足となってしまったものの、大まかな流れについてフォローした。地元や地域生活圏域について良いところ、誇れるところ、あるいは将来そうした可能性が見出されるところに注目し発掘していくことを心掛けると、日々の生活が楽しくなるであろうし、別の側面からも生きがいを感じ取ることもできそうである。
03/10/13. Wed.
リサーチ英語セミナー(学部必修)
前回やり残したところを終えてから、” It’s much more fun in the mud “ に進む。内容はやはりアメリカ大統領選をめぐる論説である。準備の段階で理解できたので安心していたものの、いざ授業で訳そうとするとすんなりとはいかなくて戸惑った。この授業は自分にとっても勉強になる。ある程度の量をこなすことを考えると受講生がどれだけ予習してくるかがポイントになりそうだ。早くも若干名が眠っていた。国際学部の授業、しかもこの題材でも受講生に対して動機付けしなければいけないのだろうか。
04/10/18. Mon.
現代政治の理論と実際
アメリカ大統領選に関する話題を各受講生から出してもらう。イラク問題、北朝鮮問題、メディアのあり方、財政・税制などいろいろ出た。これらをもとに意見・情報交換を行う。自分が用意した分を説明する時間がなくなってしまったものの、大統領選に絡んでもっと知っておきたいことなど次々に頭に浮かんできたような気がした。タイムリーな話題を取り上げることは、情報収集の点でもやりやすいとも感じた。次回も同様のスタイルで進めていきたい。
地方自治論
一方的な説明中心の講義となってしまったものの、この段階でまだ2回目なので仕方のない面もある。地方分権推進委員会の諸勧告から地方分権一括法の成立まで一気にやる。ポイントを繰り返して強調したので大丈夫だろう。テキストには言及できないで終わった。次回は1章と2章を取り扱う。授業終了後、「講義メモ」への掲載を当日の授業の数日前にやってほしいという要請を一人の受講生から受けた。確かに受講生にとってみれば、授業に臨む前にメモに目を通し、それを予めプリントアウトしておけば、講義中に説明を聞きながら書き込むこともできるわけだ。ただ、教員側としてはスケジュール的にきついことも確か。努力はしてみるということで勘弁してもらった。
行政学演習B
メンバーが8名で確定した。ISFJの中間報告が今週の土曜日に迫っている。また、ジョイントの方も参加人数の決定など動き出してきた。手続きの面でもゼミ生は戸惑うことが多いだろうが、恐れるには足らず。要はどれだけ詰めた研究ができるかであろう。役割分担もしっかりしているようだ。地域の国際化、年金、まちづくりといった3つのテーマのいずれにおいても精一杯やってほしい。
卒論指導
卒論生がほぼ出揃った。商店街の活性化と地方競馬についての2つの報告。論文執筆の場合、あまり構えてもいけないし、見切り発車が過ぎてもいけない。何年やってもタイミングがなかなか難しい。集団では書くわけではもちろんないが、この時間は注文ばかり付けるのではなく、できるだけ卒論生のやる気を喚起していく雰囲気づくりにも貢献していきたい。
04/10/19. Tue.
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公開講座(コミュニティ入門)
県内の市町村合併の状況について、配布資料は多くなったものの、かいつまんだ説明をしながら、質問を受けたり、意見・情報交換を行ったりした。受講生の視点には素朴ながら鋭いものが多々あり、「こういった点を調べておかなければ」と気づかせてくれることが多い。県内合併状況は、いくつかの例を除けばまさに混沌としているといっていいのではないだろうか。次回は合併問題に関する具体的な処方箋について考えてみたい。
比較政策研究(大学院)
報告のテーマは、日本における環境社会学の学説史的なものと、商店街活性化の実践紹介。採用すべき今後の方策について、院生から出された関連の質問は興味深いものが多かった。やはりこの時間の軸を「政策」に設定しておいてよかったと思った。たとえ、全く異なるレベルや分野の政策であっても、それらは分析する視覚には共通する点もあるし、そこから院生は自分なりの問題意識のヒントを得ることができるのではないだろうか。
04/10/20. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
前回の残りを終わらせ、”A tough decision”に進む。受講生(2年生)にとってちょっとしんどい内容かとも思ったものの、なかなかどうして、しっかりと予習してきていて感心した。今日のような調子であれば、皆でこの授業の質を高め盛り上げていくことができるだろう。教員が一方的に教え込むのではなく、内容の正確な理解に向けて全員で集中していくスタイルが大切だと思う。
04/10/25. Mon.
現代政治の理論と実際
来週の翌日(日本時間では翌々日か)が米大統領選挙となる。受講生からの報告。新聞の切り抜きやメモ報告を聞いて、その後、自分が用意した画面で投票のしくみや、支持層の特徴について説明した。来週は直前ということで、思い切って全員で選挙結果の予想を行うこととした。情報源は限られるだろうが、面白半分ではなく、いろいろな要素を出し合って予想していきたいと思う。
地方自治論
地方分権の流れについての説明の3回目。分権委を引き継いだ地方分権会推進会議に触れ、設置根拠についての相対的な弱さを指摘。その後、三位一体改革が意味するところのものについて、高校政経資料のコピーも配布しながら説明。大枠のところは理解してもらえたと思う。テキストは残念ながらほとんどが持ってこなくて、まだ購入していないのではないかと思った。1章2章を読んできた者はほとんどなし。軌道修正して、次回第2章を取り扱うことにした。説明に力みが出てしまったのが反省点。自分で自分を持て余し気味だ。
卒業論文準備演習
ISFJの中間報告会が先週土曜日にあった。話を聞くと、ISFJは着実に進化しているらしい。宇大が発表した分科会にもコメンテーターが2名駆けつけてきてくれたとのこと。本が出版されること。本番2日目には各分科会単位での大学統合的な政策が発表されるとのことであった。その分、プレッシャーはかかるだろうが、ますますやりがいが出てきたではないか。ジョイントに向けた発表も来週あたりからは本格化してくるであろう。準備過程や発表で得たことはそのまま当人の糧になることは確実だ。
卒論指導
今回も卒論生はほぼ出揃った。報告内容は合併と協同組合の2つ。ともに文章化に入っていたのでほっとした。この調子で積み上げていけば大丈夫だ。研究室内締め切りでいえば、残り2カ月を切ったものの、これからが卒論生にとって正念場だと思う。報告者以外の卒論生から活発な質疑が出るのがいい。教員も含めて互いに切磋琢磨していきたい。
04/10/26. Tue.
公開講座(コミュニティ入門)
個々人がボランタリーな活動に従事する原動力は何なのかをめぐって、議論が盛りあがった。何のためにやるのかについては、最後は人間や社会をどう見るかという哲学的な部分や、生きがいをどのように追究するのかといった点を抜きには語れない。自分の価値観とやりたいことをコアに、たとえそのコアが現状では不確かで圧倒的な自信が持てないとしても、まずは自分の気持ちに正直に向き合うことが大切だ。次回は合併、市長選・知事選などを話題に、代表制の意義など、身近な生活レベルから論じ合うことにした。
04/10/27. Wed.
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リサーチ英語セミナー(学部必修)
昨夜、念入りに見直したつもりで授業に臨んだつもりだが、それでもすんなりとはいかない。来週が「文化の日」のため休みということで、一方的にあせって進んでしまった。そのせいか、終了時間を間違え、受講生に次の授業があるからと促されてしまった。理想としては、当てられた受講生が予習の成果を出して、すらすらとではなくても何とか意味を把握していくようになればいいのだが。そうなれば皆で着実に進んでいく雰囲気が出てくるはずだ。