2004年1月 中村祐司の教育日誌
04/1/14. Wed.
現代政治の理論と実際
振替のため水曜日の授業。久しぶりなので、後期にやってきたことを振返った後19日提出のレポートの作成進捗状況について一人一人に聞く。提出日を勘違いして今日までに完成させてきた受講生がいたのはうれしかったものの、話を聞く限りではこれから取り組むという者がほとんどであった。まだ間に合う。ただし、入試センター試験の関係で、明後日はキャンパス内に入れない点(後にこれは間違いでどうやら施設利用は可能だったようだ。申訳ない)を注意しておいた。テーマの変更は柔軟に行ってよいということと、作成にあたっての留意事項を再確認して終了。
地方自治論
同じく19日提出のレポート内容について全員から聞く。テーマ設定もかなりよくなされているようでまずは一安心。こういう時に「何を書いていいか分からない」と答えられると困るので、19日はきっちり提出してもらえるのではないか。ただじ、今日の欠席者を除いてだが。昨年の10月以降やってきたことの流れを簡単に述べた後、再確認の意味を込めて、レポート作成上の注意についておさらいした。テキストは5章の1,2節をやや強引であったが済ませた。来週のテキストは休みとなる。
行政学演習B・卒論指導
「進路情報交換会」と題して、別教室を借り切って2コマ続きで、4年生から就職活動経験について話をしてもらい、3年生との間で質疑応答を行った。「ゼミOB」も2名参加してくれた。双方にとって非常に有益な時間だったのではないか。昨年も同様なことを行ったが、この1年間でのゼミ生の成長を感じた。4月からは離れ離れになって皆が各々選んだ道を歩んでいく。結果として、それに向けての実質的な激励会の意味合いにもなったように思われた。
比較政策研究(大学院)
県北部の降雪の関係と風邪のため発表者2名が欠席したため、レジメ提出は「米国の政策形成・決定過程について」と「移民と言語教育政策」の2つ。関連する課題がいろいろと浮かんできたし、発表者とのやり取りもなかなか面白かった。受講生が修士論文で取り扱うテーマについて政策と絡めて順番に発表してもらうというスタイルは正解だったのではないか。次回でラストとなるが、今回できなかった2名の発表と口頭での今後の研究活動予定を述べてもらう。また、残りの時間で教員の関心や今後の研究活動の抱負について発言したいと考えている。
04/1/19. Mon.
現代政治の理論と実際
レポート提出日。8割方の受講生が提出。全員がきっちりこの時間に提出してもらうことを来年度の目標にしよう。人数的に余裕があるためミスのないように一人一人のファイルを確認しながら取り込んでいく。来週、再来週はフリーディスカッション。他人のレポートを批判的に読んできてほしい。そのために研究室HPに掲載するのであるから。司会者2名を決めて終了。来週、授業評価アンケートの実施を忘れずに。
地方自治論
同じくレポート提出日。ファイル名などについて指示した様式を守ってくれると、取り込みは一人1分以内ですんなりいくのだが、2,3割の受講生にはこれができない。講義メモにも掲載し、講義でもくどいほど繰り返したはずなのに。これではまじめに話しの内容を聞いている受講生に申訳ない。人に話を聞いてもらうには、まず話し手に注目してもらう何らかの工夫が必要なのだろう。来年度に向けた反省点としたい。どうにか時間内に作業を終えたものの、レポートを内容毎に一括りする時間がなくなってしまった。順番についてはこの際目をつぶり、何とかテーマ毎の塊に分けてみた。司会者についても積極的に挙手する者なし。最終的には研究室の学生に救われる結果となった。来週は授業評価アンケートのため、最低でも10分程の時間は確保しなければならない。
04/1/26. Mon.
現代政治の理論と実際
レポートNo.1からNo.6までを各自が事前に読んできた上でのフリーディスカッション。議論慣れした受講生は見当たらなかったものの、それでも大切な論点がいろいろと出てきた。来年度は隔週ぐらいでこうしたスタイルを取り入れてもいいかもしれない。教員の話す内容を消化し、質問に答え、自分の意見を述べることに加えて、受講生間での意見交換を行えば、「こんな考え方をする人がいるのか」といった発見にもつながるのではないか。また、司会者をつとめることで、議論の全体を見渡すことのできる能力が身に付く。最後に授業評価アンケートを実施して終了。次回最終回はNo.7からNo.12まで。
地方自治論
レポートNo.1からNo.16までを各自が事前に読んできた上でのフリーディスカッション。量が多く、司会者は時間配分に苦労したはずだ。地元の合併問題やゴミ問題などをめぐって、最初はぽつぽつといった感じだったが、後半は発言希望者が一度に3人手を挙げるなど盛り上がりを見せた。やはり受講生が30人を超えると、討論も3回ぐらいに分けて行った方がいいかもしれない。時間がオーバーしたが、やらないわけにはいかないので授業評価アンケートに記入してもらう。次回最終回はNo.17からNo.32まで。今日、発言のなかった受講生は来週には発言してほしい。
行政学演習B・卒論指導
先週と同じE棟の演習室を借りて卒論発表会を2コマ分実施。授業の関係で出られないゼミ生にはコメントを書くように指示しておいたところ、きっちりと守ってくれた。3年生と4年生がこれだけ一同に会す機会は今までコンパ以外はあまりなかったので、休憩時間には記念写真も撮影した。卒論をめぐる意見のやりとりを聞きながら、昨年4月以来のゼミと卒論の指導における一コマ一コマが思い出された。何とかここまできたという安堵感と名残惜しさが同時にこみあげて来た。卒論指導においては、前期に研究室主催の中間発表を行ってもいいかもしれない。前期のゼミ活動ではディベートを取り入れたい。何はともあれ、今日で一区切り。この1年間、研究室の学生は誰もが何かを残すことができたのではないか。
比較政策研究(大学院)
前回、発表できなかった2名が各々「欧米における高齢者と地域の関係」「栃木県内の国際交流協会の動向」と題して発表。院生はレポート提出時期をむかえて大変そうだ。しかし、いい加減な自分の院生時代を振返ると、経験者ゆえ分かるのは、一見自分のやりたいことと関係のない分野の勉強でも、かならずそれらがつながってくるということ。ぜひ今の時期、集中的に取り組んでほしいと思う。少しでも自分の経験がこれからの院生の進路に役立てばと、最後の10数分で自分の今までの研究活動において身に染みたことを衒(てら)うことなく述べさせてもらった。
04/2/2. Mon.
現代政治の理論と実際
レポートNo.7からNo.12までを各自が事前に読んできた上でのフリーディスカッション。前回同様、司会者がよく準備してくれたこともあってスムーズに進む。他者のレポートテーマについて関連のインターネット情報を調べてきてくれたのは大変うれしかた。やはりこれくらいの人数であれば、対面形式の授業を取り込んでいく必要がある。レポートに対するコメントを一つ一つ文章化する作業もかなりきついが、このスタイルも継続していきたい。受講生各々がこの授業を通じて力を付けたことが伝わってきた。
地方自治論
レポートNo.17からNo.32までを各自が事前に読んできた上でのフリーディスカッション。コメントを書いていて痛感したのが、このようなスタイルでは30名弱が受講生数の限界ではないかということ。大教室での授業と比べればやりやすい面は確かにあるものの、受講生間で向き合って意見を交換できないのが痛い。レポート内容にしてもこれだけいると組織の常で、必ず後ろ向きな者が数名は出てきてしまう。しかし、逆に好レポートが多く輩出する可能性も高くなる。司会者は必至にやってくれたのだが、時間オーバー。テキストについてはそれこそ駆け込むように5章の後半を取り扱って終了。コメント文の仕上げと成績提出は残っているものの、今年度の授業はここで区切りがついた。「継続は力なり」で、自分ができる範囲でこの教育日誌を来年度も続けていきたい。