2003年12月 中村祐司の教育日誌
03/12/01. Mon.
現代政治の理論と実際
足銀の一時国有化について取り上げる。県内に居住する者としては他人事ではない。新聞記事を部分的にピックアップし、これをもとに説明した後、意見交換。次回は今後のスケジュールの提示と、田中宇氏の国際解説ニュース配信を申し込み、バックナンバーから一つを選び、その内容を3分以内で説明してもらうこととした。
地方自治論
再来週のこの時間に試験を実施することを伝える。地方分権の流れ、市町村合併について、そしてテキスト1章から3章まで一つを選択して、それについての意見を書くというもの。1999年の分権一括法における合併特例法改正(合併特例債など)、2002年11月の西尾私案、地方自治法と合併特例法の改正案を紹介し、各々のポイントを板書によって提示した。合併が国を形成する基本的枠組みをめぐる大変革である点を指摘した。テキストは3章の4節。次回は県内の市町村合併について説明する。テキストは4章の1節と2節。
卒論指導
昨日までのジョイント参加のため演習は休みとしたが、卒論はそうはいかない。「PFIの事例研究」と「コピーコントロールCDについて」の進捗報告。執筆に踏み込んでいく前の戸惑いがいずれの卒論生からも感じられた。肝心なのは中身で、基本的に形式については後から何とでもなると説明した。何をどのようにまとめ、そこから何を見出し、論理を展開していくかは自分の思うようにのびのびとやっていいのである。3名については15日を研究室内締切としたが、22日全員提出という形にずれ込みそうだ。
比較政策研究(大学院)
午後1時から4時までの3時間に当初予定していた休憩をとれなかったつけがきて、疲れがどっと出てきた。しかし、それはこの授業に参加する院生に対する言い訳にはならない。教員側からの質問のポイントがずれてしまったこともあったが、途中、7-8分の休憩を入れて何とか乗り切ることができた。発表の内容は、「足尾町の現状」「地方自治体における国際交流協会設立の経緯」「移民と言語教育政策」「アメリカ大統領制と政治任命制度」。基本的事項について知らないことが多過ぎると反省。今回で発表2巡目が終了。3回目はできれば、文献のまとめ以外にも自分の見解をどんどん提示したノートを提示してもらえることを期待する。
03/12/02. Tue.
公開講座(コミュニティ入門)
テキストは9章の4節。プロスポーツ選手の待遇や存続運動継続、チーム運営の難しさについて意見交換。来週提出の小文について確認した後、休憩をはさんで足銀の破綻についての新聞記事を拾い上げたペーパーを提示した。学部学生とは異なる反応に勉強させてもらった。やはり大変なことが起こったとあらためて実感した。行政の研究者といえども自分なりに整理し、不十分ではあっても見解をまとめておく必要性を感じた。議論が非常に盛り上がったことに満足した。早いもので次回が最終回である。名残惜しい気がする。テキストは10章全部。受講生が提出するファイルをノートパソコンに取り込み、修正作業した上で、簡潔に発表してもらう予定である。
03/12/04. Thurs.
公開講座(市民の政策提言とまちづくり)
最初に市町村合併に関する基本資料を提示・説明した後に意見交換に入る。合併やまちづくりをめぐって様々な意見が出た。住民自治の未成熟にも問題があるのではないか。行政はやるべきことが他にあるのではないかなどといった意見がそれである。自分の担当分については2回で、今回でラストとなったが、受講生一人一人が考えているところを把握できたように思われ、その意味で充足感を感じた。
03/12/08. Mon.
現代政治の理論と実際
「国際解説ニュース」(田中宇)をどれか一つ読んできてもらい、その内容の説明を個々の受講生にやってもらう。興味深く読んできた受講生が多くうれしかった。ただし、やはり、共通のものを皆で読んできて、それをもとに意見交換をした方がよさそうである。次回は今日やってこなかった受講生の挽回してもらった後で、12月2日以降の最新の解説ニュースを読んできて、これをもとに各々の見解を出し合うこととする。1月の授業スケジュールも次回あたりには提示したい。
地方自治論
テキストは4章の1節と2節。栃木県内の合併の進み具合(法定合併協議会と任意合併協議会)について、地図をスクリーンに写しながら説明する。合併をめぐる実質的な進捗は正論のみではなかなか片付けられないこと、議会などの意思形成がネックになっている点などを強調した。来週はこの教室で試験を行う。問題用紙の作成と今後のレポート作成も含めた授業スケジュールを提示しなければならない。次回、テキストはなし。
行政学演習B
ジョイントの際のハイウエイカードやガソリン代の分担を清算した後、HP掲載作業に取り掛かる。勢いでやらなければできないので、とにかく多少強引であっても、スケジュール、感想、写真など載せる作業を皆で取り組んだ。まだじっくり読んではいないものの、相当充実した感想集となりそうで楽しみである。ISFJの発表が数日後に迫ってきた。模擬的な発表を聞く限り、やるべきことはやったという感じで自信を持っていい。当日前に名古屋の出張が入り、強行日程となってしまうが、宇大の発表当日は終日参加する予定である。次回は、ジョイント、ISFJの反省と今後のゼミ活動のスケジュールについて案を提示したい。
卒論指導
いよいよ大詰めとなってきた。研究室内締切を一律今月22日に設定し直す。まずはこの2週間で追い込みをかけてほしい。ここまでくると理屈ではないという感じもする。体調に留意しつつベストを尽くしてほしい。自分の文章を積み上げていくというのは大変な作業だ。逆にとても価値ある行為に向かっているともいえる。また、今の頑張りがそのまま電子媒体上に痕跡として残っていくのである。
03/12/09. Tue.
.
公開講座(コミュニティ入門)
ついに最終回。まずはテキストの10章を取り扱う。この講座の受講生はどの政策領域を取り上げても、活発な意見が飛び交う。後半はレポートの取りまとめ作業から入る。各々が力作を提出してくれた。明日中にはHPに掲載したい。修了証書を渡した後、残り僅かな時間で果物をいただきながら懇談。出会いもあれば別れもあると、少し感傷的になってしまった。また、別の機会に再会できるのを楽しみにしている。
03/12/15. Mon.
現代政治の理論と実際
まずは、「国際解説ニュース」を前回読んでこなかった受講生に報告してもらう。その後、自衛隊派遣の閣議決定やフセイン拘束を受けて、今後、どのように状況が変化していくかについて意見を出し合った。時間が足りなくなりやや消化不良の感も。来週もう一回、バックナンバーも含めてイラク状勢に関わる解説ニュースをどれか1本読んできて、時間をたっぷりとって論じ合うこととする。レポート作成についても口頭で簡単に説明した。
地方自治論
市町村合併について論じざるを得なくなったため、だいぶずれ込んでしまったものの、試験を実施(50分間)。実質的にはここが折り返し点である。別教室を借りることも考えたが、そのままイメージラボのおいて机をできるだけ分散させて行った。残った時間で1月19日提出のレポートについて説明した。年内は残すところあと1回。次回は対談形式で、聴講されている行政職員の方からざっくばらんな話を聞きたい。
行政学演習B
ジョイントとISFJが無事終了し、虚脱感の中で反省会を実施。就職活動や体調を崩したりしたゼミ生が欠席し、少数ではあったが、ゼミの二大事業を振り返って率直に語ってもらった。来年1月のゼミのスケジュールについて、卒論の講読と進路情報交換を柱とすることを説明した。また、多少、資料室の文具等を揃えることができるので、何が必要かについてもゼミ生に話し合ってもらうこととする。できればパソコン購入にも踏み切りたいのだが。確定したスケジュールを来週提示しなければ。
卒論指導
研究室内締切まであと1週間。逆算する形で1月の卒論発表会と進路情報交換会の日程を詰める。提出後の赤を入れて返却する日取りについても決定する。卒論に取り掛かることのできる絶対的な時間が圧縮されてきたとつくづく感じた。こちらのスケジュールにも厳しいものがあるが、何とか乗り切っていきたい。来年1月に使用する教室を年内には確保しておきたい。
比較政策研究(大学院)
4人の発表テーマは各々、「栃木県内の町づくり事例報告及び問題点について」「山あげ祭りと氏子組織・自治会活動との関連」「地方自治体の国際協力」「(インドネシアの)2004年総選挙、そしてその後」。やり取りをしているうちに2時間があっという間に過ぎた。終了後、事前に連絡できなかったことを詫びて、30分ほどのミニ忘年会を黒ビール、ウーロン茶、簡単なつまみで実施した。
03/12/22. Mon.
現代政治の理論と実際
「国際解説ニュース」の最新版が12月19日だったこともあって、これを読んできた受講生は僅か3名。そこで、内容を説明してから議論に入るが、最初はなかなか盛り上がらなかった。それでも終了間際になるといろいろな意見が出てきた。たまたま本日の新聞記事でもイラクに対する独仏等の債権放棄問題を取り扱った記事が出ていたので、コピーして配布した。情報源をいくつか持っているとそれらを組み合わせることによって、「実際」の部分が見えてくるのであろう。年内はこれで終了。次回は口頭でのレポート作成進捗状況についての報告となる。
地方自治論
行政職員の聴講生から就職活動や公務員試験、実際の仕事をめぐるいろいろな経験を語ってもらい、大変有意義な時間となった。やはり、講義もいつも教員と受講生の間のやり取りでばかりでは「井の中の蛙」になりがちである。このような時間を設けたのは正解だった。質問も出て、受講生にとっておおいに参考になったのではないだろうか。残り時間僅かとなったところで、慌ててテキスト4章の3節と4節を終える。次回はレポート作成をめぐる口頭報告を全員から聞く。テキストは5章の1節と2節だが言い忘れてしまった。講義メモに記載しておかなければば。
行政学演習B
来年のスケジュールを口頭で説明。進路情報交換会と卒論発表会がメインとなる。これにHPの充実を付け加えた。近いうち教室の確保とHP掲載をしておく必要がある。資料室に必要な文具について検討。ISFJの感想掲載はゼミ生にまかせる。4年生の卒論を3年生もじっくり読むという方向に持っていきたい。就職活動をめぐるタテ(先輩―後輩間)とヨコ(同学年同士)の情報も研究室で共有していけたらと思っている。
卒論指導
卒論の研究室内締切日。本人による一応の完成は残念ながら2本。途中までのものも含めて今月26日までに読んで赤を入れなければならない。出張が2日間なので、電車の中での精読か。いずれにしてもこちらも時間的に切迫している。この時期から年末、そして来年1月と2月は入試等もあり、例年ハードでしんどい時期となる。こういう時こそ休みを適度にとって、トータル面で効率が上がるようにしたい。