2003年7月 中村祐司の教育日誌
03/07/01.Tue.
.
公開講座(地方自治体入門)
7月に入った。公開講座も残すところ今日も含めてあと3回。まずテキスト3章の4節と5節。首長部局の審議会のあり方(議員参加の是非)などをめぐって活発な意見交換がなされた。レポートの進捗報告を口頭で行ってもらう。全体の骨組みがほぼ固まり、既に文章を作成している受講生もいて感心した。この公開講座の足跡を何らかの形で残したく、それにはレポート作成が最も適切なように思われる。最後に少し残った時間で合併についての受け止め方を聞いた。県内の動きも本格化し、いよいよ本腰を入れて勉強しなければいけないと思い直した。次回はレポートを受け取り、まずは人数分を印刷。そしてフロッピーをノートパソコンに保存して、研究室HPへ掲載の体裁について承認を受講生から得るつもりだ。来週までに巻頭言を作成しておかなければ。テキストも読み進め、次回は4章の1節と2節を取り扱う。可能ならば、これから1週間の間で地方自治関連の新たな動きがあれば、新聞記事をピックアップし紹介したい。
03/07/02.Weds.
インターネットと政府情報(初期セミナー)
レポートの仮提出日。印刷されたものについては、OHPを利用してスクリーンに写しながら校正した。受講生からの語句修正の指摘もありがたかった。また、ノートパソコンを持ってきて、その場で修正するという積極的な姿勢をみせる受講生もいて大変うれしかった。やはりこのような時間を設けた意味があった。来週にはより一層引き締まったレポートが提出されるはずだ。研究室HP上に掲載されるということが、受講生にはいい意味での刺激を与えているのかもしれない。
余暇政策論
レポート提出日。ほぼ出揃い、パソコンへの取り込み作業を行う。レポートの体裁についてもっと繰り返して伝えるべきであったかもしれない。一見したところ、例えば、段落ごとに1行空けるとしたきまりや、参照リンクの紹介などについて守られていないレポートもかなりあったようである。しかし、中身がどうであるかが大切なのだから、このあたりのことについて今回は緩やかに受け止めておこう。来週と再来週の各々の司会者を募ると自主的に手を挙げてくれた受講生がいて、その後は順番の設定がスムーズに進んだ。前期における今までのこの授業は、来週と再来週の2回にわたる自由討議のためにあるといっても過言ではない。まずは8本のレポートを熟読してもらい、問題意識を持って参加し、さらに各レポートのポイントをめぐる活発な議論が展開されることを期待したい。
03/07/07.Mon.
行政学概論
月曜日は雨に降られる日が多かった。産業技術大学校の最終回の授業を終え、強い雨の中、自転車で大学へ。正味10分はかからないと思うが、特にハンドルを握っている左手から左半身あたりがびしょびしょとなってしまった。ラストとなる来週は試験のため講義としては今回が最後。先週までに一通り終わらせたので、若干余裕を持ってテキストの概要を説明することができた。試験問題を作成しておかなければ。来年はおそらく別のテキストを使う方向で考えているが、一段落し落ち着いたら慎重に検討してみよう。後半はポイントの提示などを比較的丁寧にするよう心掛けた。やることはやったという多少の自負はあるので、試験では一人でも多くの受講生が高得点をマークしてほしい。
行政学演習A
四つのグループ毎で取組みを進めてきた成果を提出する日。内容の検討は来週となるが、締め切りを守ってくれた。さっそくゼミ生自身によるHP掲載作業に入り、40分ほどで完了した。その後、次回最終回の自由討議の進め方(司会者の決定、発表1-2分で討議14-15分)と、ISFJやジョイントについて現時点で必要なこと(ISFJの代表者や、ジョイントの環境、まちづくり、教育の分科会で発表する大まかなテーマ)その他について確認した。来週は後期の大まかなゼミ進捗予定とI、SFJの準備過程をゼミ生間で共有する件などについて確認したい。このあたりのことをレジメ1枚程度で整理しておこう。来週は資料室でささやかな打ち上げもある。食べ物はゼミ生にまかせたので飲み物の買出しが必要だ。
卒論指導
前期は残すところ、今回と次回のあと2回となった。卒論生の事情で今回は2名が発表。アグロフォレストリーをテーマにした報告では、実際にそのコーヒーを最高級コーヒーと味比べするという機会を作ってくれた。今までの卒論指導で味覚の要素が絡んできた経験は始めてのことで大変面白かった。報告で示された予定通りに夏休みにおける調査研究が深まれば、後期は先手先手で卒論作成に取り組めるようになるだろう。もう一つは派遣社員についての保険・給与を検討した報告。貨幣経済が成り立っている限り、働く者ないしはその家族にとって給与そのものが生活の糧である。給与は雇用者側と被雇用者側のせめぎ合いにおける一つの結節点かもしれないという感想を持った。そろそろ後期卒論指導のスケジュールを作成しておかなければ。卒論生2名には、来週のゼミがレポートをめぐる自由討議のため、ぜひ出席して辛口のコメントを提供してくれるようお願いした。
03/07/08.Tue.
.
公開講座(地方自治体入門)
課題としていたレポートが出揃った。残念ながらそのうちの一つについては、HP上に掲載しないが、どのレポートも受講生一人一人の貴重な成果である。書き終えた後の感想を聞いたり、関連の話題について意見交換したりした。レポートは1部を除いてコピーして受講生に配布し、来週までに読んできてもらい、それをもとに自由討議を行うことにした。レポート作成に当たっても、それぞれの受講生の個性が如実に表れていて興味深かった。何十年かぶりの課題となった受講生もいるようで、その点では罪深いことをしてしまったかもしれないものの、HP上に記録されることの意義は決して小さくない。ここ数日内に多少の打ち込みとトップページの作成に取り組もう。来週はテキスト講読(4章の3節と4節)の方も最終回となる。調整にばたばたした場面もあったが、担当教員にとっても非常に有意義な時間であった。
03/07/09.Weds.
インターネットと政府情報(初期セミナー)
レポート提出日。残念ながら全員というわけにはいかなかったが、前回の仮提出を経た上でのことであるので、推敲が重ねられたように感じられ、読むのが楽しみである。その場でトップページを作成し、あとはこれをそのまま掲載した上でリンクを張ればいい状態にした。いずれにしてもこれで一区切りがついた。この仮提出というやり方は他の授業へも応用できるかもしれない。受講生5名と少人数であったからこその、アットホームでありながら率直な意見交換や、相互のコミュニケーションが図られた側面は否定できない。少し時間が余ったので、このセミナーの経験をこれからの勉強に活かしてほしいと強調する。司会者も決まり、最終回の舞台は整ったという感じだ。
余暇政策論
2回にわたる自由討議の1回目。スタートはやはり10分遅れとなってしまったが、椅子を円形に並べ互いの顔を見合わせながらの議論を行った。予め他者のレポートを読んでの関連意見や感想、さらには議論展開の中で生じた各自の考え方の紹介もなされた。こうした中に記録に残しておくことはできないものの、重要な論点がいくつも散りばめられていたように思われた。このような展開が議論の醍醐味なのであろう。主な発言者が限定されたことと、発言のなかった受講生がいたことがやや残念であった。次回はこのあたりをぜひ克服してほしい。司会者も当初は運営をリードすることに戸惑いがあったように見受けられたが、質問の提示や時間配分など巧くさばいてくれた。余暇をテーマに掲げた授業ならでのユニークで興味深い討議がなされたといっていいのではないか。
03/07/14.Mon.
行政学概論
期末試験の実施。受験者の数が気のせいか多い気がした。今まで講義に出席し、この試験で一定の水準に達する受講生が一人でも多くいることを願う。試験監督をやると途端に時間の経過が長く感じるようになるが、それでも内職せずに1時間見回った。採点してみなければ何ともいえないが、いずれにせよ、この講義も今日で一区切りついたわけで、多少の達成感とほっとした気持ちが入り混じった。来年度の行政学概論の中身については現段階では未定である。
行政学演習A
レポートをめぐる自由討議。院生や4年生から指摘されたことも含めて、レポートの形式の点でも内容の点でも、後期のジョイントやISFJにつなげていきたい。夏休み中にやっておいてもらいたいことと、10月から始まる後期の大まかなスケジュールについて提示した。実は直前に慌てて作成したのだが、こうしておかないと、どうしても10月の開始時に「ふんわり」とした感じで始まってしまうので、区切りをつけ次につなげる意味で重要な提示だと考えている。昨日来、風邪で体調を崩し、資料室での打ち上げに参加できなかったのがとても残念。
卒論指導
卒論指導も今回でもって前期は一区切りがついた。「女性専門外来」という大変興味深いテーマなので、ぜひ夏休み中に関係機関に足を運んでほしい。そうすれば必ず道は開けてくるのではないだろうか。風邪が治りきらないガラガラ声で、後期卒論指導の予定についてスケジュールを提示した。思いのほか10月以降から年内までは卒論指導の回数が少ないので、1回1回を大切にしていかなければと思う。公務員試験の勉強に区切りがついた4年生もいたので、皆と一緒に慰労したい気持ちは山々だったのであるが、体調がどうしようもないとアルコールを体が受け付けない。ゼミの時間と同じく打ち上げに出られないことを詫びて終了。
03/07/15.Tue.
.
公開講座(地方自治体入門)
最終回。まず、テキスト4章の3節と4節を早めに終えて、レポートをめぐる自由討議の時間を多くとろうとしたのだが、予想に反していろいろな質問が出て、さらに関連のテーマをめぐって、意見交換が白熱した。おかげでレポート関連で割いた時間は短くなってしまったものの、最終回ならではの充実感も残った。受講生間で連絡先を教え合った。共著であるにもかかわらず、テキストにもサインを求められたので応じた。今度再会する時にはぜひ単著を、という励ましのメッセージとも受けとめ頑張っていきたいと思う。市民と付き合う公開講座は決してマンネリにならない、という思いも強くした。10回ではあったものの、お互いに小さな財産を残すことができたのではないだろうか。
03/07/16.Weds.
インターネットと政府情報(初期セミナー)
最終回はレポートをめぐる自由討議。率直な意見交換を行う。バインダーを上げ、窓を開け、室内の蛍光灯は消して、自然の光の中で皆が向き合いながら行った。受講生の表情からも、ささやかではあるが、何かを残すことはできたように感じられた。正直、自分も一受講生になってレポートを作成するのは時間的にもきつかったが、このスタイルは今後も継続していきたい。
余暇政策論
レポートをめぐる自由討議の後半。司会者が事前に非常によくレポートを読み込んできていて、また、公欠者2名の感想にも直前に目を通し、各々の論点を押さえた歯切れのいい進行となった。受講生間での発言量や積極性の点で濃淡があったのは残念であるものの、発言を強制するわけにはいかないであろう。やはり初期セミナーと同じく、受講生それぞれと教員が何らかの達成感を得ることができた最終回であったと思う。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではあるものの、やはりこの講義において今後も小論を作成していきたいと思う。「文章を書く」という難儀ではあるが、貴重な行為をこれからも受講生と共有していきたい。
03/07/17.Thur.
総合演習
最終回は3名の教員が集まって、受講生からのざっくばらんな感想を聞いた。教職を目指しているだけあって、授業そのものを受ける立場と教える立場の両方から、まじめに捉えようとしている者が多く非常に関心した。今回、アクシデント的にこの教職関連の演習を一部担当することなったが、教える側にとっても貴重な経験となった。