1999年12月の研究教育日誌
1999年12月6日(月)
「現代政治の理論と実際」
昨日の夜、ジョイントゼミから帰り、ややふらふらで講義に向かう。何も計算したわけではないが、受講生の中間報告のため、こちらがしゃべる分量がやや減り正直なところ助かった。残念ながら欠席が目につく。寒さが厳しくなり1限目だということを差し引いてもややがっかりだ。国立大学の独立行政法人化や教員評価をテーマとして取り上げる学生もいたが、この授業の質は結局は受講生自身のやる気にかかっているのではないか。
「地方行政論」
この授業も残念ながら欠席が目立った。受講生にとっては課題が重すぎるのだろうか。レポート提出のプレッシャーよりも、知的好奇心を持って楽しみながら進めていってほしいのだが。しかし、中間報告の内容はなかなか面白く、市町村ホームページに対する評価基準など受講生の考えがおおいに参考になった。
「卒論指導」
2名の卒論生から昼間にメールで草稿をもらっていたが、至急片付けなければならない雑務が入り、指導前にじっくりとは読めなかったことが心残り。4コマ目の「行政学演習B」を休講としたため時間を取れると思ったがうまくいかなかった。5名の発表を聞いてこのままでは1、2名を除き、今月20日までの研究室の締め切りに間に合わないと判断せざるを得なかった。奮起を促す意味でやや強い口調で指導を行った。卒論に真剣に取り組む経験が、たとえどのような進路に向かうにせよ、どれほど役立つことになるか現段階で卒論生に説教しても始まらないだろう。
1999年12月13日(月)
「現代政治の理論と実際」
いよいよ17日がレポート締め切りのため、中間報告をまだ済ませていない学生に発表させる。こちらも試行錯誤でやるしかないが、各自が作成したレポート内容の共有を実現していきたいと改めて思う。後半は2000年問題の話をする。考えてみれば1000年に1回の経験であるし、誰も正確な予測ができるわけでもない。年末年始が大丈夫だからといって安心はできないようにも思われる。そうした意味では社会全体の知恵が試されているのではないだろうか。
「地方行政論」
この授業でもスタイルは同じであり、本日で中間報告を済ませてもらう。学生のレポートを入れるhtmlの枠をあらかじめ作成しておき、敢えてプレッシャーをかけた。正直なところ、紙であれフロッピー、添付ファイルであれ提出レポートに対して、口頭で簡単なコメントを示すということであれば、そちらの方が楽だ。しかし、各自のレポート内容を皆が共有することは今後の大学教育にとって意味のあることだと思っている。この授業の受講者が30人を超えていたら、レポートを研究室ホームページにリンクさせることはあきらめていたかもしれない。
「行政学演習B」
先週はジョイントゼミの翌日ということもあり休講にしたが、1週間以上たっても余韻が残っているというのか、脱力感が抜けなかった。この演習生の全員がジョイントゼミに参加したわけではないが、勉強会も含めて、この合宿のために演習を開いたというのが実情だ。しかし、残りは来年も含めてまだ数回ある。新しい目標として、ジョイントゼミの感想、スケジュールなどをホームページ上に掲載することやレジメを掲載することなどを提案した。
「卒論指導」
いよいよ研究室内の締め切りが1週間後に迫ってきた。見通しは若干1名を除きあまりたっていないようだ。言葉は乱暴だが来年は危機感の植付けを一工夫しなければならない。6名という人数は私立大学の研究室からみたら極めて少人数であろうが、各々の個性もあり一つの方向にまとめていくことの難しさを痛感している。
12月14日(火)
「比較行政研究」(大学院)
本年最後の大学院の授業。自分も含めて4人のメンバーが2000年問題についてレジメを切ってもらい、簡単な発表をしてもらった上で話し合いに入る。それぞれの視点があって面白かったが、一定の結論をしいてあげれば「自分の身は自分で守る」「自己責任で対応」というところか。来年は最初に自分が研究テーマを提示し、3名にも修論に向けた構想について発表してもらう予定である。
12月20日(月)
「現代政治の理論と実際」
若干1名を除いてレポートが提出され「うれしい誤算」といっては学生に悪いが、受講生のやる気を感じ充実した気持ちになった。添付メールで受けたレポートを研究室ホームページに掲載する作業は予想外に面倒であったが、こうしてしっかり出してくれるとやりがいがある。作業の途中で自分も掲載してみたくなり、簡易なものではあるが自分の作品も割り込ませてもらうこととした。
「地方行政論」
こちらは「残念な誤算」というのか、未提出者が予想以上に出て、受講生によっては過重な要求であったかもしれないという戸惑いを持った。10月の最初の講義でホームページに掲載する件を宣言してしまったので、今さら引くことはできないとは思いつつ、やはり編集作業はすんなりとはいかず、何度か無力感におそわれた。しかし、紙媒体のようにほこりをかぶるわけでもなく、情報の保持という点でも価値のあることだと思う。今後とも積極的にやっていきたい。
「行政学演習B」
来年1月17日までには4年生の卒論をホームページに掲載し、これを演習生に批判的に読んでもらい、1月24日の卒論発表会で議論してほしい旨説明する。最後の1月31日は2年生については最も関心があり今後調べてみたい社会的事象を、3年生については卒論に向けた構想について発表してもらうこととする。この研究室で卒論を書く書かないに関わらず、こうした社会科学の問題諸領域は相互にリンクしており決して無駄ではないであろう。
「卒論指導」
やはりと言うべきか、完成原稿に至った者はゼロであった。ほんの数%ではあるが、もしかしたらという期待はあった。いずれにせよこれで年末までに何日か時間を取らなければならない。目の色が変わりだしたのがここ1、2週間とは言わないまでもあまりにも遅すぎた。果たしてこちらの期待値が高すぎるのであろうか。指導する側も前向きに捉えていくことの限界を感じてしまう日であった。しかし、まだ終わったわけではない。一呼吸おいてもう一度やり直したい。