2002年6月 中村祐司の教育日誌 (今月から日付順を昇順としました。)

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02/06/03.Mon.

 

行政学概論

テキストの9章と10章。何とか折り返し点まできた。来週はここまでの試験となる。今日はややポイントを押さえ過ぎたか。時間が少し余ってしまった。枝葉の説明をすれば良かったかもしれない。最後に、来週は公正な環境の下で試験をしようと呼びかける。当初と比べて少し人数は減ったが、まじめに出席し、まじめに勉強した受講生にはその成果を試験の場でも発揮してもらいたい。

 

行政学演習A

ゼミ生の発表内容が週単位で濃くなってきているので、聞いていてうれしい思いがする。HP掲載のためのコンピュータ操作も慣れてきたようだ。こうなると若者の吸収力は早いので、いずれ、自分が教えてもらうようになるのが楽しみである。他の授業における課題で書いたレポートなどもどんどん掲載したらどうか。自分のノートとして、ホームページを利用すればいいと思う。画像を多用しない限り、容量はまだまだ大丈夫だ。

 

卒論指導

就職活動等で発表者予定者3名のうち1名のみが発表。少し時間に余裕ができたので、情報交換を行う。各々が一生懸命にやっているのが分かる。公務員試験の勉強にせよ、他のペーパー試験や面接にせよ、やった分の力を発揮すれば、必ずチャンスが来るのではないか。立ち止まる事も時には必要だろうが、今は、前のめりになって、むきになってでも、当面の目標に突き進んでいく時期だろう。

 

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02/06/04.Tue.

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公開講座(地方自治体入門)

 1名にレポート内容について、現段階で考えていることを述べてもらった。さすが、町内会・自治会における実際の経験をもとに、いわば肌で感じたところから問題点を指摘しているために説得力がある。自分が学ばせてもらったような気がした。後半は、テキストを読み進め、市の行政機構全体についての資料も配布。分権の流れについての説明を続け、分権一括法のうちの1本である改正地方自治法のポイント説明まで終わる。説明しながら、自分が今後押さえておかなければならない領域が明確になってきたような気がする。

 

 

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02/06/05. Weds.

 

インターネットと政府情報(初期セミナー)

  学ぶ上で有用なリンク先が増えていくのはうれしいものだ。これを今後どう活用していくかは利用者個人にかかっている。 「インターネットは空っぽの洞窟」というのは今や死語に近いのではないか。情報の受信者数に発信者数がものすごい勢いで追い付こうとしているのではないか。研究者はもちろん、学生一人一人がホームページを持つのがいずれは当たり前になるような気がする。

 

余暇政策論

ワールドカップが開催されてから初めての授業。前の時間(初期セミナー)でも昨日、日本がベルギーと2対2で引き分けたことと、韓国が2対0でポーランドに勝ったことは、この授業そのものの活性化にもつながっていくように思われる。昨日の結果が単なる勝敗の問題ではなく、歴史的な意義を含んでいることに受講生のうち何人かは気づいたのではないか。回顧談や過去の資料の綿密な検討も意味はあろうが、現在進行形で日々揺れ動いているワールドカップ実施期間中の今こそ、この巨大スポーツイベントの派生課題について考えていきたいと思う。

 

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02/06/10.Mon.

 

行政学概論

テキスト1章から10章までと、サブテキスト2章と6章を範囲とする中間試験の実施。受験者は40数名ほどか。鉛筆があまり動かない受験者もいたようだ。全体として試験の出来が少しでも上がることを願う。これで折り返し点である。後半の10章分も一つ一つこなしていくしかない。

 

行政学演習A

 毎回のレジメ発表も少しずつ軌道に乗ってきたようだ。少人数なのでやりやすい面もある。10年前は小学生だったという発表者の話を聞いて、今さらながら驚いた。自分の場合、今の歳から10引いたとして、大して変わらないように思われたからだ。知力の面でも学生はそれだけどんどん伸びていくということであり、このような世代と利害関係抜きで接することにできる仕事に就いているありがたさをあらためて噛み締めた。自分から少ししゃべり過ぎた。次回からはゼミ生間での活発な議論を導くように心掛けたい。

 

卒論指導

 2名によるレジメ発表。さすがにこの頃、発表予定者全員が揃うことが難しくなってきた。しかし、HPへの掲載はちゃんとやっていてくれる。掲載は「生命線」で、ここが崩れてくるとこの時間の意味が薄れてくる。この時間もやはり自分から少ししゃべりか。昨日のワールドカップ日本対ロシアにおける1-0の勝利に喜び疲れて、その分、逆に口数が多くなってしまったのかもしれない。卒論の作成はまさに長期戦。テーマや問題の設定、情報収集などに右往左往する時期だが、今はとにかく、続けていくことが大切。

 

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02/06/11.Tue.

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公開講座(地方自治体入門)

 口頭でレポート作成状況の説明をしてもらった。意欲的にだいぶ進んでいる様子でうれしかった。地方分権の流れについての自分なりの総括。来週から合併論に踏み込んでみるか。県の単位施策に関する資料を提示。基礎単位である事務事業レベルのものもあったような気がするので、捜してみよう。それから、テキスト3章の前半。住民生活の感覚から見ると、地方議員の活動には課題が山積しているといった受け止め方が多かった。来週はこの章の後半。来週と再来週、受講生全員にレジメ発表をやってもらうこととする。良質なレポート作成に向けたアドバイスができればと思う。

 

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02/06/12.Weds.

 

インターネットと政府情報(初期セミナー)

 最初、ワールドカップの話で盛り上がる。リンク集の紹介も少しずつ蓄積されてきた。これをどのような形で提示していくか、そろそろ考えなければいけない。それにしても有用なサイトというのは捜せば捜すだけ次から次へと出てくる。多大なエネルギーを注ぎ込んで作成したページを見ていると、営利企業はともかく、情報の共有を喜びとして作成に情熱を傾けている人々が至るところに存在していることに感心した。

余暇政策論

ノート発表の3巡目の前半。キャンプ地における経済効果、選手の移籍をめぐる高額な金銭のやり取りとこれに依存するクラブ運営、フーリガン対策をめぐって浮かび上がってきた課題など、いずれも興味深かった。残りの30分程度をフリートーキングとして、意見交換や新しい視点について皆で検討した。現在進行形の問題を取り扱っているために、それだけ醍醐味がある。次回にはレポートの体裁を示したい。

 

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02/06/17.Mon.

 

行政学概論

テキスト第11章と第12章。先週の試験については、結果の良し悪しにかかわらず、いったんリセットして今日から出直そうと呼びかける。受講生の数が多少増えているのがうれしかった。

ホームページに掲載しているレジメの11章以下を見ることができないという指摘があり気になる。情報処理センターや学外からアクセスした限りでは問題ないのだが。ブラウザの問題だろうか。それともHPへのアクセス数には一定の限界があるのか、アクセスする側の問題か、こちらの作成時のミスか、原因が分からない。

 

行政学演習A

レジメ発表も軌道に乗ってきたようだった。やはり、関係者にインタビューすることで、レポート作成にあたって新たな展開がなされていく。その意味ではインターネット情報は副次的なものである。ジョイントに向けた始動も今週からなされる。とりあえず、来週までに分科会のテーマについて各自が考えてくることになった。何といってもうれしかったのは、4年生2名が途中からゼミに参加してくれたこと。レポート作成やゼミ運営、就職活動についてのアドバイスなどを通じて、学年間でのコミュニケーションを図ることは、それがそのまま研究室の活性化につながっていくと思う。時間を何とかやりくりして、集まることの意義は大きい。他の卒論生のテーマや現段階での進み具合を把握しておくことで、個人個人ではなく研究室として卒論に取り組んでいくという意味合いが生じるからだ。レジメを用いた発表の場があるということは、他者が発表者の考えに耳を傾けてくれるという貴重な機会が与えられているということで、こうしたある意味で恵まれた環境を卒論生にはぜひ生かしていってもらいたい。

 

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02/06/18.Tue.

 

公開講座(地方自治体入門)

 今回と次回は受講生に連続してレジメを作成してきてもらうことになっている。7月2日の提出に向けてどうしても必要なステップとなる。発表内容にはこちらが勉強させてもらえるような感じだ。まさに草の根レベルからの問題提起となっている。後半は、今朝の報道で、地方分権改革推進会議が昨日中間報告を提出したことを知り、これに関する情報提供とテキストを読み進める。学生以外の世代の方々とこの公開講座を通じて接することができることをうれしく思う。

 

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02/06/19.Weds.

 

インターネットと政府情報(初期セミナー)

昨日のサッカーワールドカップ、日本対トルコ戦(0-1)と韓国対イタリア戦(2-1)の余韻と脱力感を引きずりながら授業へ。各々のペースでリンク集の紹介をしてもらっている。7月10日には仕上げたいので、来週は今日紹介したリンク集の体裁を参考にして、もう1回サイトを探してもらうこととする。初めての試みだが、汗をかいた分に比例した形で成果が生じるという原則は揺るがないように思われる。

 

余暇政策論

ノート発表のラスト。ワールドカップに関わる政策や社会現象は多様である。切り口はいろいろあり、受講生の発表内容もそれを反映したものとなっている。確かに日本代表チームのワールドカップは昨日で終ったが、アジアで唯一勝ち上がった韓国の試合もこれからだし、大会の開催地としての役割は決勝まで続く。単にタイムリーということ以上に、この巨大スポーツイベントを今、取り扱うことの時代的意義はあるように思われる。7月3日のレポート提出日を当面の目標にして、受講生を後押ししていきたい。

 

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02/06/24.Mon

 

行政学概論

テキストの第13章と14章。テキストの後半は分量も多くなってくるが、何とかこのペースを維持していきたい。受講生は多少減ってきているものの、その分、真剣に聞いてくれる者が多いようで非常にやりやすい。いよいよ政策論に入っていく。政策、予算、法令が成立するしくみを理解しておくことの応用性は、行政学以外の領域においても高いと思われるので、確実に教えていきたい。

 

行政学演習A

前の時間に委員会が入ってしまい、途中で抜け出してくるのでどうしても遅れてしまう(今後も7月1日、8日、15日と同じ時間に設定されてしまい、頭が痛い)。レポート作成に向けた準備はほぼ着々と進んでいるようだ。ジョイントの打ち合わせが7月6日となった関係で、やむを得ずレポート提出日を1週間ずらして7月15日とする。幹事校ではないので、昨年よりは気が楽ではあるものの、その分、発表に向けた準備に力を注いでいきたい。ISFJの政策フォーラムへの参加について、前向きに検討していくことになり、ゼミ生のやる気にうれしい思いがした。スケジュール的に大変にはなるだろうが、今やらずしていつやるのかという思いもする。とにかく、ジョイントに加えて、ゼミ活動が内輪で完結するのでなく、外に向けて積極的にアプローチしていく機会を得るチャンスなのではないか。

 

卒論指導

遂にいずれの発表者の都合もつかず、発表者ゼロの状況に。そこで、急遽、ISFJの政策フォーラムへの参加について、4年生の考えを聞くと、「うらやましい」という声もあり、4年生からのサポートにあたっても前向きな意見を得られた。ともかくやってみてはどうかという思いをますます強くした。就職活動や試験勉強と卒論作成は決して二律背反的なものでなないように思われる。例えば、文章を書くという点から、現在、非常なエネルギーを注いでいる就職活動から得られたことなどを4年生にはぜひ文章化してほしい。

 

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02/06/25.Tue.

 

公開講座(地方自治体入門)

 レポート提出が来週に迫り、今回はその前のレジメ作成としては最後。驚くべきといっては受講生に失礼かもしれないが、文章化してほとんど完成版といっていいレジメを提出してくれた。決して力みのない、それでいてとても熱いこの意欲を学生は見習ってほしいほどだ。やはり、草の根レベルの視点から、しかも各々の生活体験から課題に切り込んでいくことの意義は大きい。ましてや、地方自治論・行政学を掲げて仕事に従事している自分にとって、学生以外の方々でこのような形で接することができる経験の貴重さをあらためて再確認できた。少人数であることが、かえってうまくこの公開講座の活性化につながっているように思われる。

 

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02/06/27.Weds.

 

インターネットと政府情報(初期セミナー)

 リンク集をどのようにまとめていくかを、そろそろ考えなければいけない時期になった。体裁についてはだいたいの合意ができたので、後はコメントの修正や付け加えをした上で、来週までに個人別に一覧表にしてくることにした。このセミナーの成果は、どれだけの学生が、あと少しで完成するリンク集を利用してくれるかどうかにかかっている側面もありそうだ。インターネット情報を生かすも殺すも、各自の問題意識によることをあらためて痛感した。

 

余暇政策論

来週、レポートの提出ということもあって、本日はノート発表はなし。不思議なもので、自分が発表するわけでもないのに、発表とその後の掲載作業がないせいか、負担感が軽くなったような気がした。ワールドカップに関するフリートーキングを行う。日本と韓国の人々の応援スタイルやその底にある価値観の相違、参加チームの戦法の個性や勝敗の明暗、チーム戦略の背景にある国民性、パブリックビューイングにおいて生じた運営側と観戦客の問題、キャンプ地の対応、スポーツと国家のプライドなど、話題は多岐に及んだ。チームの勝ち負けだけでなく、これだけの波及課題課題について論じることができるほど、やはりワールドカップというのはその影響力においてすさまじい大会なのである。

 

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