2000年6月の教育日誌


2000年6月5日(月

行政学概論

 テキストの11章と12章。いよいよ後半戦という感じだ。このあたりから分量も多めの章が続くが、めげないでぜひ予習は続けてほしい。こちらも内容を総花的に網羅するよりも分かりづらい箇所を重点的に説明するつもりだ。

行政学演習A

 行政学資料室でプロジェクタを使ったレポート作成の途中経過報告にもだんたんと慣れてきたようだ。空調の導入も間もなくということで、この時期、勉強するには研究室よりも良質な環境となる。自分の学生時代では考えられないことだ。しかし、パソコン環境も含めてあくまでも「器」が揃いつつあるということで、こうした環境を利用して貪欲に学んでいけるかどうかはゼミ生次第だ。                                  


2000年6月7日(水)

初期セミナー(インターネットと政府情報)

 レポートの研究室ホームページへの掲載をめぐっての技術的な問題がいくつか出てきた。例えば、ワード画面のオンラインレイアウトではページ数が把握しにくい、特に画像との関係でこの画面にすると従来のワード画面から相当なずれが生じ修正するのが大変である、htm文書とhtml文書との機能的な違いがはっきりせず、このことが添付ファイルで送付した場合のフォルダの違いとなって現れてしまう、などなどである。問題を複雑にしてるのが、情報処理センターで用いているワードのバージョン、インターネットアクセスソフト(Netscape Navigator 3.0)、と研究室で用いているそれとの違い、さらには何人かの学生が個人的に購入したパソコンで用いているそれとの違いである。 果たしてhtml文書で掲載する今回の試みは大丈夫だろうかという懸念がますます大きくなってきた。                            

余暇行政論

 やはり、2、3年生は他の授業でのレポート作成やパソコン操作に慣れているせいか、初期セミの時間と比べて安心して経過報告を聞くことができた。しかし、技術的な問題については解決していない。すでに印刷レイアウト画面でレポート作成を進めている学生もかなりいて、一定の方向性を来週ぐらいには出さないと混乱してしまうだろう。期限内の提出も含めて最終的にはレポート形式を学生がどれだけ守ってくれるかであろう。今さらになってぐちるのもおかしいが、編集作業を思うと正直なところ気が重い。


2000年6月12日(月)

行政学概論

 テキスト13章と14章。何とか順調に進んでいる。具体例を出して説明すると理解しやすいのか個々の説明にうなずいてくれる学生が多いような気がする。農学部、教育学部、国際学部の学生が一緒に専門教育を受講するというのは良い意味での緊張感を双方に生み出しているようだ。「概論」を習得することで他の学問分野の勉強に役立つことは確かであるので、そのための手助けに徹するという覚悟で週2章分のペースを維持していきたい。             

 

行政学演習A

 他の演習との関係でプロジェクターの使用ができず、E棟の教室を借りて、ミニノートパソコンをテレビ画面につなぐという苦肉の策をとる。学部の先生に教えてもらったのだが、今のテレビはそのほとんどがパソコンとの接続が可能だという。両者が合体するのも時間の問題か。発表の方は残念ながら低調。順番の決め方により先週、先々週の発表者が行ったことが原因のようだが、このやり方は自分たちで決めたのだから、時間がなかったという言訳は通じないのではないか。何のためにこの教室を確保したのか徒労に終わってしまったようで残念だった。


2000年6月14日(水)

 

初期セミナー(インターネットと政府情報)

  昨日、受講生の一人が研究室宛に添付ファイルで送付したレポートが文字化けしてしまい解決できず、何か変だなという思いでセミナーに臨んだ。その受講生から直接フロッピーを受け取り、html文書で画像と共に予め容易しておいたフォルダに取り込むとすんなりと見ることができた。やはり方針としてはhtmlと、名前を変更しない画像ファイルをそのまま送らせ、こちらはそれらを並列的に取り込むのが一番いいようだ。一抹の不安は残るがこの方法でやってみよう。国際学部の受講生は未だにE棟資料室のパソコンにアクセスできない状態。こちらの支持を待つだけでなく、サーバーを管理している教員にメールを利用して教えてもらうなど、なぜ個々が積極的に取り組もうとしないのか。歯がゆい思いだ。

 

余暇行政論

 既にほとんどレポートを完成している学生の指摘が気になった。彼が言うにはレポートを情報処理センターでhtml形式で保存しようとしたができないということだ。これがその通りだとすれば、送り手側の状況に合わせてこちらが別々にフォルダを作成しなければならなくなりやっかいなことになる。先の「一抹の不安」が的中した感じだ。彼に頼んでhtmlとhtmの両方の文書で送ってもらうようにする。中間報告を聞いた限り、進行具合もまちまちで、各々の個性がテーマ内容や発表の仕方に反映しているのが面白い。締め切りを守ってもらえれば、現段階での進み具合を気にする必要はない。マイペースで取り組んでいってほしい。


2000年6月19日(月)

行政学概論

 テキスト15章と16章。 法令案や行政規則がどのように作成されるのかに重点を置いて説明する。錯覚かもしれないが、ほとんとの学生に理解してもらえたのではないだろうか。 

 

行政学演習A

 この1週間は研究室と資料室のパソコン環境の整備作業で終わってしまった。研究室では、プリンタやスキャナなどの設定、資料室ではWindows 2000へアップグレード、これに伴う画面やプリンタなどの修正措置、ソフトのインストール、インターネットやメールへのアクセス、研究室ホームページ掲載パソコンの移行、ネットワーク設定などでまさにてんてこ舞いだった。一部のゼミ生や院生と長時間かけて取り組んだが、例えば、研究室ホームページ掲載に必要な、サーバー環境をWindows 2000で整えるにはどうしたらよいのかなど丸1日考えても解決できなかった。 同じ階のコンピュータを専門としている同僚に聞いても解決できず、結局マイクロソフトのサポート担当に問い合わせ、その後、同僚に設定してもらってどうにかホームページも無事移行となった。

 旧パソコンの画面色とワープロソフトのインストールが可能かという小さな問題が残っているものの、この過程で、行政学を勉強するための手段にすぎないパソコン環境の整備がなかなか進まないことにいらだち、さらには特に資料室においてはゼミ生が使うパソコンなのだからもっとゼミ生が汗を流すべきであるという感情的な思いに捕われてしまい、協力してくれた一部のゼミ生、院生、他学部の学生にきつい調子で接してしまった点は反省したい。

 同時に中国から留学し、同じ階でコンピュータ言語を研究している修士2年の院生には感謝してもしきれないほどだ。こちら側からの未熟で勝手な「泣きつき」に誠実に対応してくれ、長時間にわたって取り組んでくれた彼の存在がなければ研究室と資料室の環境の進化はなかったであろう。この資料室の環境を器(うつわ)のままで終わらせるのか、インターネット情報を駆使して貪欲に政府関連活動に関する勉強を深めこれを体系化していくことができるかどうかは、すべて今後のゼミ生の取り組みにかかっている。表現としてはおかしいが、こちらとしては「サイは投げられた」という思いよりも、自分でできる限りの「サイを投げた」ということだ。


2000年6月21日(水)

初期セミナー(インターネットと政府情報)

 昨日、実際に情報処理センターに出向いたりして、自分なりに添付ファイルの問題を解決しようとしたのだが、結局、これでは危ないという結論になり、フロッピーに入れたhtml文書を直接提出してもらうやり方に変えた。レポートの内容そのものよりもこのような技術的な問題で振り回されるのは我ながら情けないが、コンピュータ技術の便利さを日々享受しているわけだがら仕方ないという思いと、こうした便利さは意外と危ういところで成り立っているのではないかという思いが頭をかすめた。

 

余暇行政論

 初期セミナーと同様、曲りなりにも2回にわたる中間発表が今日で終了。来週はいよいよ提出となる。受講生毎のフォルダとこの時間のトップページを作成しなければ。各々のタイトルを盛り込んでここから直接リンクを貼る予定だ。リンク集の作成など自分にとってはかなりの作業量になりそうだ。しかし、いずれにしても中身の充実は個々の学生のレポート内容にかかっている。


2000年6月26日(月)

行政学概論

 17章と18章。予算編成過程については、例えば年末の新聞記事を見てこれを受動的に捉えるのではなく、そこまでに至った中央省庁内のミクロな過程を、能率についてはこの規準設定の意義、難しさと限界を理解してほしいという思いで講義を行った。ここまでくればあともう少しという感じだ。しかし、来週の講義、再来週の試験、採点、補足講義などやらなければいけないことはまだ相当残っていることも事実である。

行政学演習A

 先日、研究室の冷房が使用可となり喜んでいたらその日限りで切られてしまった。こうなると資料室の冷房がうらやましくなってくる。現時点では研究室よりも学生が勉強する資料室の方が良質な環境となっている。特に研究室の窓際は5階ということで上からの熱射が加わって暑い。なるべく移動には階段を使っているが、階を上がるごとに温度が0.5℃ぐらいずつ上がっていくみたいだ。今日の発表で中間発表は1人2回一通り終わる。時間的な制約もあると思うが、発表を受けて質問が全くゼミ生から出ない場合もあった。各々自分のレポートのことで精一杯なのだろうか。


2000年6月28日(水)

初期セミナー(インターネットと政府情報)

 添付ファイルを使ったレポート提出をあきらめざるを得なかったため、この時間を使って各自のフロッピーを確認しながらZIP(100MB)に移していく作業を行った。イメージラボのパソコンにZIPドライブが内蔵されていて本当に助かった。この種のやり方・提出方法に試行錯誤はつきものだろうが、正直なところ、特に内容面で1年生にとってはやや荷が重かったのではないかという思いが脳裏をかすめた。同時に画像等を引用する際の慎重さを繰り返し強調したつもりであったが、そのことが受講生には伝わっていないのではないかという危惧を抱いた。

余暇行政論

  締切は明後日だが、予想外にレポート提出者が多く、うれしかった。それでもこの時点に及んでも画像ファイルを残さなかったり、ファイル名に半角英数字を使わなかったりする者が何人かいて手間取ってしまった。確認したわけではないが、欠席の多い者に限って不完全な形でフロッピーを提出してくる傾向にあるようで、教える側としてこの点ではどうしても感情的な思いを抱かざるを得ない。気を取り直して、ホームページ掲載をスムーズに行うためにも、とにかく明後日には全員が提出することを願うのみだ。