2000年5月の教育日誌
2000年5月1日(月)
行政学概論
テキストの3章と4章。受講生が予めじっくり読んできたという前提でポイントを抑えながら授業を進める。なるべく質問しようと思うが、流れが中断するし、時間との兼ね合いもありどうしてもこちらが一方的に説明するスタイルになってしまう。しかし、顔をふせて眠っている者もいないし、つまらなそうにしている様子でもない。こういう状況ではこちらも手は抜けないが、その分やりがいがある。最後までこの調子で行ってくれればいいのだが。ぜひめげないで1週間に二つの章を読んできてほしい。教室がいっぱいいっぱいで空調もないので、これから暑くなるとしんどくなりそうだ。試験もこの教室では無理だろう。
行政学演習A
連休前なので出席しない者も少しはいるのではないかなどと、院生と始まる前に言葉を交わしたが、ほぼ全員が参加。先週、院生と苦労して資料室の壁に紙を貼ったのでこれを生かすべく、プロジェクターを借りてきてパソコン画面を映写させようとする。ケーブルの長さが足りず苦戦するが、パソコン本体をずらしたりしてどうにか映し出すことができた。画面もはっきりしているし、まさに「ミニ・イメージラボ」といった感じである。インターネットの画面も映写できるのが大きい。各自に簡単な途中報告をしてもらうが、インターネット情報からあたかもノートを取るようにうまくフロッピーに保存しているゼミ生もいてうれしかった。インターネットを有効に用いれば、情報の収集量が一昔前とは比べものにならないほど多くなるはずだ。ゼミのレポートはできる限り実際の現場に足を運んだ上で各自の文章を積み上げてもらうことになるが、それにしても事前の情報収集としてインターネットを利用しない手はないであろう。
他のゼミ生のテーマ内容についてもぜひ貪欲に吸収してほしい。来週は皆で話し合ってもらい、再来週以降の発表者の割り当て、メーリングリストの作成、資料室在室表などを作成することとする。最後にゼミ長と副ゼミ長を募ったところが、何と瞬間的に女子2名が自ら手を上げてくれた。正直予想外であったがこういうゼミの雰囲気は何とも頼もしい。
2000年5月8日(月)
行政学概論
テキストの5章と6章。学会発表の準備で尻に火がついた状態で、一瞬、休講にという思いが頭をよぎった。しかし、この授業も週に2章分ずつ進んでいかないと後で苦しくなるのはこちらだ。それにやや理想論すぎるかもしれないが、今日の2コマ目は二度と来ない。たとえ、学生と授業中に言葉を交わすことはなくても、その時その時が一種の「出会い」であるし、やや自分に対して突き放した言い方かもしれないが、学生にとってみればこちらが苦しんでいようがいまいがこの授業のために出てきているのである。やはり休講にはできないのだ。
行政学演習A
だんだんとゼミ生の自主性にまかせ、自分たちでゼミを運営してほしいという思いも強く、今日は中間発表の順番等を自分たちで話し合って決めてもらった。ゼミ長を中心に副ゼミ長2人がサポートする形で進めてもらったが、話し合いの中では日程をめぐって、いろいろな彼ら彼女らなりの考えが出て来て、興味深かった。ちょっとした軌道修正ぐらいにして、なるべくこちらはでしゃばらない方がいい。考えてみればゼミの場でこそ、普通の授業ではできないことをやるべきなのであって、個人同士の考えのぶつけ合いや議論、ゼミとしての活動の仕方など、自分達でおおいに試行錯誤し、その中からいろいろなことを吸収していってほしい。
2000年5月10日(水)
初期セミナー(インターネットと政府情報)
いよいよ今日から各自がフロッピーに保存したインターネット情報を持参し、実際にスクリーンに映し出しながら説明を加えてもらう。残念ながらここまでやってきたのは出席者の半数程度だったが、ユニークなテーマがいろいろ出てきて面白かった。もちろんレポートはこれから各個人の力で作成していくこととなる。しかし、中間報告の際などに他の発表者の視点や整理の仕方などにもおおいに学んでほしいし、他のテーマにも関心を持って内容を吸収していってほしい。
余暇行政論
現段階での各自のレポート作成テーマについて聞く。余暇と一口に言ってもこれに関わる領域の多様性に改めて驚く。それぞれが興味のあるテーマを挙げていて、どんなレポートが出てくるか楽しみである。来週には簡単な作成要領を提示するようにしたい。
2000年5月15日(月)
行政学概論
テキストの7章と8章。ポイントを押さえて何とか週2章ずつ進んでいきたい。やや堅苦しい授業であることは確かだが、人数もそんなに減ったようには思われない。この調子で皆あきらめずにぜひ予習をしてきてほしいという思いを強くする。今日は比較的涼しかったがこれから暑くなるとこの教室ではちょっと辛そうだ。今日は一方的にしゃべってしまった。来週は少しでも質問するようにしたい。再来週は試験となるが、そのための空教室を確保すべく授業終了後すぐに事務(教務)に向かった。
行政学演習A
今週から中間発表。慣れてくるとかえってプロジェクターを資料室に運んできて設定するのが面倒になってしまう。各々が提示したテーマは興味深く、インターネット情報もうまく取り入れているようだ。院生と紙で作った臨時のスクリーンは確かにゆがみが目立つが、それでも皆が同じ画面をみながら、指摘し合うには大変便利だ。プロジェクターとつなぐNECのmobioが小回りがきいて、こういう時に役立つものだと妙に関心する。後期のジョイントゼミの連絡役も最終的に2人が手を挙げてくれた。
初期セミナー(インターネットと政府情報)
イメージラボに入って、スクリーンに映し出すためのスイッチを入れようとしたら何とパソコン一式が机上から消えており、配線がはずされた形で机の下に片付けられている。後で分かったことだが、映像の提示に邪魔になるとのことで前の時間か何かにはずしたということだった。工学部の1年生2人と一緒にあれこれとつなげてみるが、どうしてもうまくいかない。あきらめかけたときに、机上のモニターとパソコン本体とを直接ではなく、イメージラボを操作する機器を経由する形でつなげることに学生が気づき、これでやると見事にスクリーンに映し出された。こういう時、こうした機器の分野に関心のある学生の手助けは大変助かるしうれしかった。普段何気なく使っている設備だが、このセミナーを進めていく上でいかにありがたいものであるか痛感した。 研究室ホームページから受講生だけが見ることのできる掲示板を開き、これを使ってレポートの作成要領について説明する。再来週以降の発表の割り当ても行う。提出の仕方などについてやたらと条件が付いて面倒な印象を与えてしまったかもしれないが、要は各自が設定したテーマをどのような視点で切っていくかであり、画像の編集等は何とでもなると思う。
余暇行政論
この授業でも掲示版を開き、レポート作成要領の説明した後で、来週以降の順番を割り当てる。同じ階の資料室にあるパソコンの利用について尋ねたところ、ほとんどの学生がまだ使っていないということだったので、早めに切り上げ、皆で資料室に向かう。情報処理センターのパソコンが使えない場合にこうした設備を利用できれば学生にとっては心強いはずだ。
2000年5月22日(月)
行政学概論
今日で何とか10章まで進み、来週の試験が終われば折り返し点となる。受講生の人数がほとんど減っておらず、こちらとしてはやはりうれしいものだ。このテキストはやや難解ではあるものの、単著として全体の構成が非常に良く組み立てられており、格好の教材ではないだろうか。来週の試験問題作成に加えて、再来週以降のレジメをホームページに掲載するための編成作業をやらなければいけない。
行政学演習A
中間発表がうまく回りだした感じだ。プロジェクターの設定や後片付け等もゼミ生にまかしておけばちゃんとやってくれる。発表者に対する質疑もゼミ生間で議論が活性化することが大切なのであって、こちらからあまり口出ししない方がいいかもしれない。プロジェクターはいちいちコピーしなくても情報を共有できとても便利だが、暗幕を引くので室内温度が上がり、これからの季節を考えると毎週毎週苦しくなってくる。空調機の設置も考え、終了後パソコンで主要メーカの製品を捜したがとても高くて手が出ない。来週は研究室にある扇風機も使って凌ぐしかなさそうだ。幸い、研究室と資料室とは廊下をはさんで真向かいにあるので両方のドアと窓を開けっ放しにすれば、風が良く通るだろうし、網度もあるので虫も入って来ないだろう。それでも暑い場合には研究室と資料室にある冷蔵庫(いずれも卒論OBが置いていってくれたもの)で凍らせた氷をビニール袋か何かで包み、これを扇風機の前につるして冷風を起こす手もありそうだ。何とか工夫してやってみよう。
初期セミナー(インターネットと政府情報)
受講生によるインターネットへのアクセスがうまくいっていると受け止めていたことから、フロッピーへの情報の保存もすんなりやっていると勝手に思い込んでいたが、聞いてみるとフローピーの初期化を経験していない者が半数以上いたため、初期化の仕方から説明する。パソコン上ですべてこなすのではなくこれと思った情報は印刷することと、資料に対して自分なりの視点から切り込んでいくことの大切さを強調した。その後、実際に写真をワード画面にコピーし、図とのバランスを考慮した上での文章の作成の仕方を示した。これに対してインターネットの画面をそのままワードに保存して編集できないかという質問があり、できないものと思っていたが、工学部の学生からインターネット・エクスプローラ5.0を用いるとそれができるということを教えてもらう。情報処理センターのインターネットへのアクセスにはいまだにネットスケープ3.0が使われているので授業に生かすことはできないものの、後で研究室で確認してみるとインターネット画面をそのままワード画面に取り入れることができた。すごい時代になったものだ。マイクロソフトのワープロ機能とインターネット機能とが合体しつつあるのを肌で感じた。
余暇行政論
来週から合計4回にわたる中間報告が始まることもあり、今日は初期セミナーの時間にならってインターネット画面のワード画面への取り入れ等について説明した後、同じ階にある国際学部資料室のパソコンをこの時間内に受講生全員が使えるようになるために皆で資料室に移動する。だんだんと出席者が減ってくるようだが、レポート作成の負担と関係しているのだろうか。
行政学概論
今日は折り返し点のテスト。農学部のやや広い教室を借りて実施。念のため、前回の出席カード分プラス15枚ほど余分に問題用紙を持っていくが配布し終えるとこれがほぼなくなってしまった。普段の講義に出ないで試験の時だけ受けにくるのがかなり多いように思われ少し驚く。既にテキストの11章から20章までは研究室のホームページに掲載したので、来週からはいよいよ後半戦だ。まだここまでかという気持ちと、もうここまで来たかという気持ちが半々である。
行政学演習A
資料室の暑さ対策は、研究室から扇風機を持ってきて2台使うことでしのいだはずだったが、後でゼミ生に聞くと、プロジェクターの近くにいた者はその熱でかなり暑かったようだとのこと。いろいろと難しい。院生とも相談して思い切って空調の導入に向けてインターネットで検索するがやはり値段が高い。5階だということで設置費も考えると頭が痛い。
発表の方は皆が意欲的に進めているようで安心した。この調子で行けばホームページへの掲載作業もゼミ生にまかせられそうだし、そのようにした方がいいだろう。
2000年5月31日(水)
初期セミナー(インターネットと政府情報)
今日から中間報告だが、期待していた割に発表内容をフローピーに保存してこなかったり、踏み込んだ発表になっていない者が多く、正直なところ前途にやや不安を抱く。加えて、ワード画面のオンライン-レイアウトで作成し、このファイルを添付で送付すれば問題ないと安易に考えていたが、画像等はフォルダと連動させなければ提示できないということが分かった。となるとこれはだいぶやっかいだ。
余暇行政論
1,2限目とは対照的に各々の発表内容は個性的で、思わず「こんなテーマ内容もあったのか」と感心することしきりであった。ただし、オンライン-レイアウトでの作成については授業時間中もずっと心に引っかかるものがあり、終了後、レベルの高いホームページを作成している学生に助けを求めると、やはりレポートのHTM文書(あるいはHTML文書? この統一もはからなければならない。)での提出はすんなりとはいかないのではないかと言う。しかし、彼女が言うにはあらかじめこちらで個人別にフォルダを作成しておき、学生にはHTM文書と、画像フォルダ内の個々のファイルを添付で送らせる。そして受け取った画像フォルダ内のファイルを作成しておいたフォルダ(ただし、学生作成の画像フォルダと同名でなければならない。)にそのまま入れて、HTM文書もこれと並列する形で個人名別フォルダに入れれば、可能だということである。このあたりが素人の悲しさだが、研究室に戻って四苦八苦しながら自分宛で送ってみると何とかうまくいき、要領も分かったような気になった。来週はこの点、皆に分かりやすく説明しなければならない。