2000年4月の教育日誌
2000年4月12日(水)
インターネットと政府情報(初期セミナー)
前期の授業がスタート。このセミナーの趣旨をシラバスを大型スクリーンに映ししながら説明する。インターネット情報のほとんどは確かに「空っぽの洞窟」かもしれないが、使い方によっては自分だけの資料の宝庫を作ることができるのではないかということを、立花隆の考えに同調しつつ話を進める。研究室のホームページのレポート一覧を紹介したり、新聞を覗いたりして、受講生のやる気を引き出すよう努めた。うれしいことに、まずまずの反応が得られた。 とにかく、インターネット情報に触れてみようということで、受講生を引き連れて情報処理センターに行く。幸い、1年生でも既に使用可ということでさっそく、アクセスさせてみたが、うまくいったかどうか。少人数でもあり、慌てずに全員で進んでいくようなセミナーにしたい。
余暇行政論
受講生が多く、ほぼ教室が埋まる感じで驚いた。他の授業時間との絡みもあるのだろうが、「余暇」に何らかの関心を持って出てきたとしたら、こちらとしては大変うれしい。シラバスを映して、この授業の問題意識を説明した後で、授業の成果(レポート)をオープンなものにしていことの意義や、新聞情報等を入手する上での紙媒体と比べた場合のインターネットの利便性などについて話す。5月の連休明けぐらまではこちらからの話題提供が中心になるだろうが、初期セミナーと同様、この授業の質は受講生の情報収集意欲やレポート作成をめぐる「やる気」にかかっている。受講生が回を重ねるごとに夢中になっていけるような授業にしたい。
2000年4月13日(木) 16:00〜
修論指導
社会人の方(院生2年)は時間のやりくりが大変だが、何とか月1回でも直接会う時間をつくって、修論に取り組んでいこうということで、今日はそのスタートの日。指導する側としても、ついこの間院生を迎えたばかりという思いであったが、それからもう1年。月日の過ぎるのは早いものだとあらためて実感した。
2000年4月17日(月)
行政学概論
30人くらい収容できる教室の外に学生があふれている。まさかと思ったが、この授業の受講生だった。うっかりしていたが、今年度から教育学部の新コースと農学部の学生も受講可能となっていた。あわてて教室変更を事務に問い合わせるが、空教室がない。テキストの1章を進むつもりであったが、仕方なく急遽内容を変更し、行政学と聞いて持たれがちな固いイメージをなくしてほしいということと、レジメを研究室ホームページに掲載したことを説明し、早めに切り上げた。
来週から人数は減るかもしれないが、紙を配らなくて済むのは大助かりだ。その後すぐに生協にテキスト40冊分の追加を頼みにいった。
行政学演習A
男女5名ずつほどの受講。女子学生が圧倒的に多い国際学部にしては珍しい。演習を4つ取らなければいけないという学生側の事情もあるだろうが、この演習は通常の大学が有する「ゼミ」とほぼ同じの「緩やかなゼミ」として捉えていきたいことを最初に強調した。院生にも加わってもらい、ジョイントゼミやホームページの充実などを目指していることも説明した。その後ゼミ生に簡単な自己紹介と今後レポートを書いていく上での問題意識について話してもらった。各々からそれなりの意欲が感じられてうれしかった。当然ではあるが、ゼミ生の雰囲気も年ごとにまったく異なっており、とてもおもしろい。
修論指導 17:30〜
学部から上がった院生と、今後の研究の方向性についての打ち合わせ。まずは広く大学院の授業を生かしていくことと、行政・地方自治関係の書籍等の読み込みを行っていくことした。ホームページについては自分が担当する授業・演習、卒論生、修論生ごとにリンク先をコメント入りで紹介していくという基本的な進め方について確認した。
2000年4月18日(火)
修論指導 18:00〜
4月に入学した社会人の院生と授業科目の履修や研究の進め方について打ち合わせ、研究室も学部からの院生1名、社会人の院生2名の合計3名を抱えることになった。世代もまちまちで、自分も含めお互いに刺激し合いながら進めていきたい。
2000年4月19日(水)
初期セミナー(インターネットと政府情報)
受講生が先週は10名ほどであったのが、15名ほどに増えたため、5名の純増かと思ったが、出席カードで確認してみると先週から引き続いて来たのは僅か4名ほど。正規の科目登録前なので仕方ないといえばそうであるが、やややりにくい。今日は、インターネットへのアクセスを選択的に行う上で大変便利な「野口悠紀雄online2000」http://www.noguchi.co.jp/を紹介する。
「政府と大学」→「中央省庁」→「郵政省」と入り、次回までに「通信白書フォーキッズ」に目を通しておくようにという課題を出す。いきなり審議会答申などの内容にあたるよりも、入門的な情報としては格好な素材だし、内容も非常に充実している。このような画面を読んだ小中学生が大きくなっていくと質的にもインターネット情報利用の在り方は激変していくのであろう。
余暇行政論
初期セミナーにならって野口悠紀雄オンラインや郵政省のホームページ、法庫などを紹介した後、レポート作成の土台となるノート作りについて、イギリス文化省のスポーツ政策というテーマ例を示し、ワード画面で説明する。出所(URL)を明らかにしつつまとめていくということと、インターネット情報の中身をどのように取捨選択できるかは、テーマの幅も含めて各自の問題意識にかかっているということを強調した。Html文書の形で添付ファイルとしてメール送付してほしいということも付け加えた。テーマの絞り込みと課題に切れ込む視点がしっかりしていれば、技術的なパソコン操作については何とかなるという姿勢が大切だ。リンク先の作成について言い忘れたので来週この件について述べなければいけない。
2000年4月24日(月)
行政学概論
先週はほとんど進むことができなかったためか、やや意気込んで臨んでしまい、密集した教室状況のプレッシャーもあってか、1章2章の内容についてうまく噛み砕いた説明ができなかった。頭で一応整理しておいたことが口になかなか出てこないというのか、あせりもあり常日ごろ避けたいと思っている「絶叫型」に知らず知らずのうちになってしまった。受講生が例年になく多いことも影響したかもしれない。いずれにしてもペースをつかむまでは、説明の中身の充実と疲労感とは比例しないということか。
行政学演習A
学部所有のプロジェクターとノートパソコンを借り出してきて、フロッピーの内容を演習室の黒板に付属しているスクリーンに映し出せるようにする。先週、意外といってはゼミ生に失礼だが、調べてみたいテーマが既に固まっている学生が多かったため、今日はインターネットで調べた情報をフロッピーに保存してきてもらい、各自に簡単な説明をしてもらった。今日から参加するメンバーもいて人数がさらに多くなった。活気があるのはいいが、今後、ゼミとしての一体感がどれだけ出てくるだろうか。行政学資料室も積極的に使ってもらい、皆でホームページの作成や勉強、進路などに関する情報収集などに協力して取り組んでほしい。終了後、院生と資料室の壁に紙をつなぎ合わせて貼り付け、来週使う臨時のスクリーンを作った。この資料室にゼミ生全員が入れれば、プロジェクターを用いてイメージラボのように、インターネットの画面も映し出すことができるようになると思うとうれしい。
2000年4月26日(水)
初期セミナー(インターネットと政府情報)
郵政省のホームページで「通信白書 for Kids」 を見てくるようにという課題を出したが、半分程度の受講生しか見ていないという。何かおかしいと思いさらに聞くと、アクセスに至ることができなかった者が何名かいた。先週のこちらの説明がインターネットを使い始めて間もない1年生を対象としている割には丁寧さに欠けていたのだ。使いなれている学生も僅かいるようだが、これからはこうした初めての学生に合わせていくことが大切だ。アクセスした者の中に面白くないから途中で止めたというのがいてさらに驚く。再来週までに実際にこれはいいといったホームページを探してもらい、この場でアクセスし、簡単な説明をしてもらうことにした。
余暇行政論
前半は百科辞典のホームページのURLを紹介したりして、後半はイギリス文化省のスポーツ政策をホームページをもとにワード画面でのノード作りの例を示した。言いたかったことはノート作りにおいても各自の問題意識や視点が常に問われるということと、パソコン操作はテーマ追及に対する熱い思いがあれば、必ずクレアできるし、大した問題ではないということだったが、うまく伝わっただろうか。