2000年1月の研究教育日誌


 2000年1月12日(火)

 「比較行政研究」(大学院)

 後期から2週間に1回のペースで続けてきたが、欧文文献を輪読するというスタイルはとらず、その都度テーマを設定し、また、修士論文の作成につながるような発表を何回かしてもらった。あまり地に足のついた講義とは言えなかったが、今日のように「国際学研究科」の意義や院生の研究スタイルについて議論することができたのは大変有意義であった。


 2000年1月17日(月)

「現代政治の理論と実際」 

 昨年末、受講生に提出してもらったレポートを何とか研究室のホームページにリンクさせたので、今週と来週の2回にわたって、一人ずつ発表してもらうこととする。レポートは添付ファイルで受け付けこれを保存し、ウィルスチェックをかけた後に、ホームページを立ち上げているディスクにリンクさせた。この作業が思いの外にやっかいであったが、こうして出来上がってみると、紙媒体と比べた場合の優秀性を肌で感じることができた。受講生も同感であろう。

「地方行政論」

 レポートの作成にあたっては、各受講生がそれぞれの興味関心に応じてかなり夢中になって市町村のホームページを眺めたのであろう。発表にあたっても一人7〜8分程度と決めていたが、結局4人しか終わらなかった。来週は時間配分をうまく考えなければならない。レポートを提出すれば事足れりとするのではなく、発表、その後の議論の充実がこの講義の大きな目的であることを考えると欠席が目立ったのにはさびしさを感じた。

 

「行政学演習B」・「卒論指導」

 卒論を内容はともかくとして、11日に6人全員無事提出したのでに変則的に今日は、演習に4年生も加わってもらい、こちらから話題提供をする。2000年度予算の政府案についてインターネットの新聞情報を提供し、「数字」に対し敬遠する気持ちをほぐすことをねらった。そして、立花隆の『青春漂流』という本の中にある「謎の空白時代」と題したエッセーを紹介し、こちらからのはなむけの言葉とした。


 2000年1月24日(月)

「現代政治の理論と実際」 

 試験は課さないこともあって、今日でこの講義は終了。残りの発表をしてもらう。とにかく全員に発表させるということで時間配分が大変気になった。来年度前期の初期セミナーでも同様なスタイルをとるかどうかはもう少し考えてみよう。レポート提出の締め切りを全員の受講生が守れなかったことと、基本的なパソコン操作やメール使用について個別に尋ねられてもこちらが困るということなどもあった。昨年前期の初期セミナーのように便利な使い方をむしろこちらが教えてほしいほどなのだが。いづれにせよ、試行錯誤の半期であった。ただし、研究室ホームページを利用する基本的姿勢は今後も継続していきたい。

「地方行政論」

 先週欠席者が多かったため、今日は一人5分以内で発表してもらう。専門的な知識は全くないが、情報処理センターのパソコンを利用する学生には、一人当たりの容量(8Mか)に制約があるために、インターネット上で容量の大きい画像などを自分のファイルに貼り付けた場合に不都合が起こるようだ。ZIPなどを利用できれば相当に便利なのだが。もっとも画像等を極力少なくし、主としてテキスト文書でレポートの内容を充実させていくというやり方に転換する手もあるであろう。

「行政学演習B」・「卒論指導」

 「卒論発表会」と題して合同で行う。司会や運営など全部4年生にまかせる。昨年はこれを行わなかったので4年生にとっても戸惑う部分が多かっただろう。それなりに一生懸命やっていたのは分かったが、発表や質疑応答に緊張感が感じられず、気の短いこちらとしてはどうしてもいらいらしてしまった。ただし、こうして発表を行うことによって卒論に区切りを付けることは大切だと思う。講評ではややきついことを言ったが、心の中では「ごくろうさん」と繰り返していた。


 2000年1月25日(火)

「比較行政研究」(大学院)

 今回でこの講義も終了。受講生が現段階で考えてる修士論文のテーマについて発表してもらう。1年後には提出なので今からコツコツをやってほしいというのが、自分を省みた上でのアドバイスである。夜間開講ということで当初はやや抵抗感もあったが、曲りなりにも何とか続けられた。時間をやりくりして出てきてくれた受講生に感謝したい。


 2000年1月31日(月)

「行政学演習B」・「卒論指導」

 演習生に現段階で最も関心のあるテーマで発表させ、運営もまかせる。学年間の交流と学び合いを柱として今までジョイントゼミ勉強会などに取り組んできた。そうであるならば今日だけでも4年生6名全員参加してほしかった。2、3年生の発表には「真剣さ」を感じてうれしかった。特にこの半年間は演習と卒論指導には気をもむことばかりであった。しかし、逆に言えばその分、指導する側の充実感も大きいということが今日分かった。

 来年度もこの教育研究日誌を続けていきたい。