2001年11月 中村祐司の教育日誌
01/11/05.Mon.
現代政治の理論と実際
今週から3回にわたって、レポート作成に向けた受講生のノートをホームページに掲載することにする。人数が少ないのでやりやすい反面、そもそも出席してノートを提示してくれなければ、授業そのものが展開していかない。ノートでは電子媒体の強みを生かして、関連サイトや関心を持ったサイトにどんどんリンクを張ってほしい。ただし、張りっぱなしではなく、当該ページを自分なりにまとめたり、重要箇所を引用したりして、自分なりの充実したノートを積み重ねていってほしい。
地方自治論
テキスト第3章の1、2、3.受講生が予め読んできたかどうか猜疑心を持ってチェックしようなどとはいささかも思わなかったが、結果的にかなりの質問を連発した形となった。やはり、こちらから一方的に説明するだけでは果たして受講生が本当に理解しているのか把握できないので、これからもできるだけ問い掛けるようにしたい。良質なテキストというのは読むことによって、受講生に考えさせ、疑問を湧かせる内容となっていなければならず、その意味でこのテキスト「公共を支える民」は多くの素材を提供しているのではないだろうか。一コマ目と同様、レポート作成にあたっての諸注意について説明する。来週から2回にわたってノート報告となる。人数の関係で1回限りとなるので質の高い報告を行ってほしい。報告内容にリンクを張るための表を作成しておかなければ。
行政学演習B
要は発表者がテーマに対して知的にも体力的にもどれだけのエネルギーを注ぐことができるか、その度合いがそのままレジメの質に表れてくるのだろう。一生懸命調べ、考えてきたゼミ生の発表を聞くのはうれしいものだ。やはり学生の特権はフットワークの軽さではないか。物怖じしないで、対象に向かっていける年齢だと思う。120名以上を動かすジョイントの運営にしても同じであろう。今週の土曜の打ち合わせにかかる交通費等をゼミ内でカンパし合おうなどという柔軟な発想に賛同したい。
卒論指導
なかなか全員が揃わない。発表予定者3名のうち2名が欠席。考えてみれば、各々が千差万別の事情を抱えている中で、人が一同に集まるというのは子どもであろうと青年・大人であろうとなかなか大変なのかもしれない。いずれにしてもこの卒論指導では残りの期間、淡々と進んでいくしかないだろう。卒論生一人一人はその度合いに差があっても確実に前進していることは確かなのだから、他者と比較などしないでそれぞれのやり方でゴールを目指せばいい。
01/11/06.Tues.
比較政策研究(大学院)
英語でレジメを作成してきて、英語でディスカッションするというやり方の第1回目。自分の準備としては新聞記事に印を付ける程度で終ってしまったが、それでも無駄ではなかったと思う。受講生1名欠席のため、1対1で進行。今さら自分の英語のコミュニケーション能力を嘆いても仕方がなく、とにかく、この方式を継続していきたい。ただし、中身の充実は母国語であるかないかではなく、自分自身の洞察力にかかっていることも痛感した。次回は借り物の内容ではなく、自らの言葉で何とかレジメらしきものを作成したい。
修論指導
2名とも目次の確定をしつつ、既に文章を書き進めている。この時期、文献を読み込むよりも収集した一次資料の分析に力が注がれている。職業柄、「書く」という行為には大変なエネルギーが必要だとは分かっているつもりである。読み手としては書き手に勝るとも劣らない集中力で取り組んでいかなければならない。まさに、これから1カ月余りが佳境という感じだ。
01/11/12.Mon.
現代政治の理論と実際
ホームページに掲載するノート報告2回目。先週欠席した受講生が準備してきたこともあり、先週よりも2名報告が増えた。あまり準備できない場合もあろうが、めげずにもう一回ノート作成にチャレンジしてほしい。このごろつくづく思うが、ホームページのレイアウトなどの「飾り」は最小限でいい。あくまでもテキスト(=文字文章)の内容で勝負すべきであり、これを読むのを厭う者の視覚に訴える必要はないと思う。自分のノート作成が間に合わず、今回は休もうと当初考えていたが、何だか逃げているようで納得できず、講義終了後掲載することにした。
地方自治論
発表者12名を予定しており、市職員の聴講生のミニ講義、テキストも読み進めるということで、かなり時間配分には気を使ったが、発表者のプレゼンテーションが予想外にあっさりとしていて、肩透かしを食わされた格好となった。やはり、準備期間が短かったか。それでもホームページ掲載後、目を通してみると力の入ったノートもあり、この点はうれしかった。来週の発表内容を楽しみにしている。自分は果たしてどのテーマを設定しようか。
行政学演習B
ジョンイントの実務面の準備もレジメの作成もうまく回転してきたようだ。先週の土曜日に数名が打ち合わせで東京に出たが、そこでの他大学との話し合いもうまくいったようでうれしい。次の卒論指導の時間もそうだが、来週の午後いっぱい、実質的に国際学部主催の「栃木・科学シンポジウム」に参加しなければならず、かといって次回ゼミはジョイントに向けた大切な追い込みとなるので、どうしようかぎりぎりまで迷った。
卒論指導
なかなか全員が揃わない。大丈夫だろうかという思いがかすめたが、今は少しでも書き進める時期。その道の専門家のような格好いい文章表現を真似る必要はないのであり、とにかく多少はたどたどしい文章であっても自分の考えを正確に相手に伝えるよう心掛けてほしい。
01/11/19.Mon.
現代政治の理論と実際
ホームページに掲載するノート報告の3回目。残念なことに一人欠けた。来週は学祭の関係で休みとなるので、この2週間で自分なりに少しでも多く納得のいくものを書いてもらいたい。
地方自治論
午後から栃木・科学技術シンポジウムに参加し記録をとらなければいけない関係で、気持ちの中ではあせって進めようとしたが、こういう時に限ってうまくいかないものである。発表者が提出するファイル名をこの講義で決めた通りに守ってくれれば問題ないのだが。それでも何とかぎりぎりで時間内に終了することができた。このクラスは前の時間と比べて人数が多く、各自1回限りのノート発表となってしまったが、何とかレポートを仕上げてもらうよう願っている。通常は、この日のお昼過ぎのゼミが始まる前に出欠席の整理とノート報告のホームページ掲載作業を済ませてしまうのだが、今日はシンポジウム参加のため手を付けることができなかった。
01/11/20.Tues.
比較政策研究(大学院)
残念ながら1名欠席。出席の受講生もレジメなし。そこで、自分が作成したレジメを中心に説明と質問を提示した。英語でレジメを作成しようと最初は威勢のいいポーズでいたが、実際は英文の雑誌や記事を何とか理解して、アンダーラインを引き、疑問点や論点を示す短い英文を作成するので精一杯という感じである。仮にすべて英語で学部や大学院の講義を行うとなったら、今の自分の力ではボーダーラインに届かないのではないか。しかし、反面で英語表記であろうと日本語表記であろうと、大切なのは視点であり、自分が持つ問題意識であろう。ネイティブに英語を話す人たちにとっても、資料に依存しないレジメ作成はしんどい作業であることに違いないはずである。
修論指導
事情で1名が欠席。教える側も発表する側も疲れているという感じだ。年末に向かい、いろいろな仕事が重なってくるのがこの時期。一つ一つこなしていくしか方法はないとは分かっているものの、毎年毎年同じパターンを繰り返しているようで、少々まいってしまう。それでもこうして対面形式で論文指導の時間を持つ意味は大きいと思う。特に研究面で抱えている課題の克服に向けて、お互いに励まし合う空気が生まれる点に価値がある。
01/11/22.Tues.
修論指導
1昨日、指導を受けられなかった院生の指導。文章を書き進めている段階なので、今の調子でやっていってほしい。章立てで悩むようになっているということは、少なくとも書けそうだというバックボーンがあるということなので、完成に向けていい方向に進んでいると判断している。