chi010115 各レポート内容をめぐる全体討議 司会 谷澤寿和
青字は討議内容メモ
赤字は担当教員(中村祐司)による感想
各々のレポート内容は→こちらから
|
名前 |
テーマ |
1 |
梅村 理恵子 |
人材センターは社会に何ら貢献しないのでは。税金投入の意味あるのか。地域ニーズあるのか→退職後の有効な時間の使い方は大切。ニーズがあったからこそ各自治体に普及していった/施設管理など問題あるのでは→仕事の価値あり/発展途上のものであるので課題あるのが当たり前。現段階で評価下すのは早い。賛否両論あるという段階でとどめておくべき。 会員と仕事発注者との間に雇用関係を結ばないことで生じる具体的なメリット・デメリットは何であろうか。シルバー人材センターをめぐるインターネット情報のあり方に言及したのはよかった。ただ、全体的に文章が非常に滑らかな反面、個性的な見解提示という点で物足りなさが残った。 |
2 |
遠藤 文恵 |
過疎化を受け入れてその中でどうやっていこうかという努力がみられる/実際の成果として過疎化は食い止められたのか→就職したい若者にとって役立ったことは確か。 「(県のホームページが)民間情報の提供、民間ホームページへのリンクを控えている」という批判は重要な指摘。他県と比較したことで説得力も増した。このテーマで「行政、地域、住民の協力体制の確立」のためにできる具体的方策を挙げるとすれば何があるのだろうか。 |
3 |
大槻 久美 |
海外との自治体との交流の必要性はどこにあるのか/問題点の提示があれば。 もう少しテーマを絞って、例えば、国際市支配人協会について掘り下げて調べてみたら面白かったのでは。「先駆的な事業としての判断」「期間の限定」「費用の設定」などは国際協力において一般に言われていることなのでは。 |
4 |
川村 カナエ |
札幌市をなぜ取り上げたのか→札幌市のHPに出会ったことと、寒冷地であること/環境保全の対策にはならないのでは。生活のゆとりができなくなり結果的に継続しないのではないか→札幌市ではディーゼル車どうこうよりも市民が積極的に公共交通を利用している/対策の立案段階なのでまだ実施されていない。 札幌市の取り組みをめぐる課題は存在しないのか。「まとめ」のところは政府や地方自治体がある種「決まり文句」として常に提示している内容とどう違うのか。 |
5 |
桑原 千亜紀 |
もう少し具体的な課題について取り上げてもよかったのでは/各自治体はまだあまり力を入れていないのが分かった。今後の積極的取り組み必要。 「いらない情報」とは何なのか。「地方ほど情報化についての情報がすくない」と言い切れるのか。「役所の怠慢でそのままほったらかしている」状況が生まれるのはなぜなのか。 |
6 |
小島 周一郎 |
地方分権による地方自治体の将来」 市町村改革と都道府県改革に的を絞った/道州制について、日本を9つに分けるというのは画一的過ぎるのではないか→交付税や補助金による縛りがなくなる。自分たちで徴税をすることができるようになる/市町村自治達成の根本は財政基盤の充実/民主主義の実現とあるが、どのようなことが挙げられるか→今の政治は国会中心主義。市町村レベルで自分たちの政治を変えていくことが大切。 終始一貫して行政資料・新聞情報などを自分なりに咀嚼した上で地方分権を把握しようとしている。データを自らグラフ化した工夫もよい。市町村→都道府県→国という発想や道州制案も決して新しい見解ではないが、関連のインターネット情報を丁寧に読み込んだ前提に立っているので説得力あり。ただ、地方分権について当の市町村がどう考えているかなどの情報提供があってもよかったのでは。 |
7 |
佐々木 哲夫 |
議会は知事に是々非々の立場というが当たり前のこと。今までは是々是々/多選問題→都道府県では特に多選の弊害大きいのでは。市町村の首長の方が住民との接点多いから、住民の目が届きやすい/任期の上限は4期ではないか。20年は長過ぎる。 テーマが非常にユニーク。選挙活動における現職有利の指摘から始まって、多選禁止論を自分の言葉で貫いているのがいい。多選禁止反対論者の主張を真っ向から受けているのもいい。しかし、例えば、3期12年説の論拠についてはもっと具体的に述べてほしかったし、全体的に文章が細切れなってしまったのは残念。 |
8 |
佐藤 美佐子 |
ゴミ処理と情報化との関連は?→情報を市民にもっと広げていくというのが趣旨。情報化によって地域にネットワークが広がれば、市民間で情報の共有が進む/情報による行政サービスに自治体間で格差が生じている。情報化により自治体の個性が問われる。 「自治体の電子化」「情報基盤の整備」を進めている二つの市を取り上げ、コンパクトにうまくまとめている。地域情報化にインターネットの果たす積極的役割を強調する姿勢はよく分かったものの、例えば、こうした流れに歯止めをかける要因や消極的な地方自治体についての考察があればよかったのでは。 |
9 |
佐藤 美和 |
身近な問題ではないせいか関心を持ったことがなかった/データを見る限り待機者数は減っているが、長期間把握したものがないと分からない。 テーマがよく絞られたため問題点が明確になった。入所待機児童問題を示すインターネット情報がないということ自体重要な指摘だろう。ただし、「市民の需要に政府が対応しきれていない」最大の要因はどこにあるのだろうか。テーマから派生する社会的諸課題についても触れてほしかった。 |
10 |
佐藤 勇弥 |
考察で自治体が国にものをいえる体制を作らなければといっているが具体的には?→自治体が公共事業に反対していても国の意思に従う例が圧倒的に多いので、これを変えていく必要がある/最終決定権を自治体に託すことについて、事前の協議でまとまらない場合でも住民の意思を尊重するのか→最終的には住民の安全性を考えて決定すべき。 このテーマを冷静に見つめながらじっくりと取り組んでいてとても内容が濃い。「せき上げ」現象など技術的事項もフォローしながら、問題点をしっかり把握しながらの展開。だからこそ、「『本当に必要な物』は、直に触れて、感じて、疑問や不満に思う事から生まれてくる」「最小単位から公共事業を出発させるべきだ」「勝手に決定された事業に反対運動を起すよりもエネルギーの無駄は無い」といった鋭い指摘が生まれた。唯一残念だったのは、読んだ時点で「参考ホームページ」にリンクできなかったこと。 |
11 |
佐藤 理恵 |
新知事に期待できるのか。理念が表れていないのでは→確かに政策面では弱い気がする/まだ評価する段階ではないのでは/インターネット投票について、本人証明をどうするのか→アメリカがこのシステムを利用している。 「感想」に自分なりに煮詰めた考察がよく展開されている。しかし、そこに至るデータ提示の幅がやや弱い感じ。例えば、「タテ割り社会」の存続理由や具体例についての説明も必要だったのでは。
|
12 |
澤 ちえり |
地方公共団体および関係機関の役割と相互連携の実態〜ロシアタンカー流出事故を例として〜
防御措置について、その後の解決策は何か出てきたのか→HP上では見つけられなかった。/具体策はなかったのか/自治体の役割が曖昧であるため緊急事態に迅速に対処できない。 「立場の異なる多数の関係者の存在」という表題が面白い。ここを起点に関係諸機関を列挙したり、「国際」「民事」「環境」という問題の視点は地方自治体にとっては「机上の空論にすぎない」という指摘がなされ、大変興味深い。ただし、活発なボランティア活動の態様や、こうした災害への問題意識の共有継続のための方策などについて取り上げられたらよかったのではないか。 |
13 |
関谷 恵梨子 |
具体的な成果については今後の検討課題/よくまとまっている。 非常に丁寧に対象となった自治体ホームページを当たった上で、「交流は単なる情報交換の域を出ない」「交流のための交流」と批判(こうした批判がレポート作成では大切)。「姉妹都市提携の条件」の@ABの指摘、例も含めて面白い。さらに、これだけで終わらすに「食」と「滞在型体験学習」の具体的提案につなげていく発想がとてもいい。 |
14 |
田島 優子 |
廃棄物料金について→ゴミ処理にお金をかけていない。処分場運営費などもっとお金をかけるべき/マレーシアでは分別収集はしていない。 後半の「考察」「まとめ」「課題」とも読み応えあり。例えば、「有害物質の分離は、利益を受ける地域と被害を受ける地域とを分離してしまった」「被害者の一部集中」「加害者の広域化」という指摘は重要。前半部分、例えば、反対住民運動の展開について紹介すれば内容の厚みが増したのでは。 |
15 |
田面木 千香 |
今後、この制度の運用を見つめていく必要がある。 後半に2つの自治体の事例を取り上げ、「考察」で施設利用をめぐる需要の大きさを指摘したのはよかった。しかし、自治体が「柔軟な対応」を行っていくために必要な制度的仕掛けや財源調達、自治体間の連携などについても言及してほしかった。 |