chi001113 講義メモ(中村祐司)
11月10日現在、アメリカ大統領選が予想外の展開をみせている。
フロリダ州の開票結果により、ゴアとブッシュのどちらが大統領に
なるのか決定するという事態になった。
ところが、この選挙自体のやり方、正当性をめぐって以下にみるよ
うに難解な問題が持ち上がってきた。
また、ここ数日の大統領選をめぐるメディアからの情報は混乱・錯
綜しており、インターネット上では数時間単位で情報発信がなされて
いる。
以下の情報は「ストック」というよりも「フロー」の要素が強く、少なく
とも数ヶ月後には跡形もなくなくなっているようにも思われる。
そこで、いくつかのサイトをピックアップしてみた。
この情報内容も講義の時点では既に古いものになってしまうであろう。
後半にはレポート作成の上で、どうしても注意しなければいけない「著
作権」について取っ掛かりとなるサイトの内容を一部提示した。
講義では以下の情報内容の引用はあくまでも口頭説明のための補助
手段と考えているのだが、この「講義メモ」そのものが著作権違反だと詰
め寄られた場合に反論できるのだろうか。
不安な気持ちから、せめて、「見開き画面」は自分の文章を盛り込もう
として書いてみた次第である。
<アメリカ大統領選挙>
フロリダ州
再集計の結果11月14日に。不在者投票の結果11月17日以降に。
2000年11月10日(金) 7時30分同日夕(日本時間10日午前)までには民主党のゴア副大統領と共和党のブッシュ・テキサ
ス州知事の両候補の、州内67カ所における得票集計が終了する。AP通信によると、作業
が進むにつれてゴア氏の得票が増え、32カ所終えた段階で最初の開票時に1784票あっ
たブッシュ氏との差を843票詰めた。
作業を確認する監視団として、ゴア陣営はクリストファー前国務長官と弁護士50人を、ブッ
シュ陣営はベーカー元国務長官らをフロリダ州に派遣した。
すでに再集計が終わった32郡で、ゴア氏の票は1189票増えた。一方、ブッシュ氏は346
票増やし、その結果ゴア氏は843票、差を縮めた。最初の開票時には、67カ所で1784票
の差があった。
ブッシュ氏の実弟である同州のジェブ・ブッシュ知事は、作業終了を受け、9日夕以降に結果
を公表する予定だが、監視団の承認作業いかんでは、遅れる可能性がある。さらに敗者側が
再集計作業に納得しない場合には、手作業による集計作業のやり直しを求めることができ、
CNBCテレビは、ゴア陣営が「疑問があれば、手作業によるやり直しを求め、裁判所に提訴す
る方針」と報じている。
[毎日新聞11月10日] ( 2000-11-10-01:49 )
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/001110/dom/09000000_maidome003.html
CNN.co.jpより
2000.11.10 Web posted at: 2:06 PM JST (0506 GMT)
「フロリダ州タラハシー(CNN) 米大統領選の勝敗を分けるフロリダ州の再集計で、AP通信によ
れば、67郡中65郡の集計の結果、ブッシュ氏のリードはわずか225票の僅差になった。」
問題になっているパームビーチ郡の投票用紙
「ゴア陣営の選挙事務局長を務めるデイリー元商務長官は8日に会見し、フロリダの投開票手続きの混乱を厳しく批判した。
デイリー氏によるとゴア陣営は、投票用紙の形式がわかりにくかったという指摘のある4つの郡(ボルシア、ブロワード、デード、パーム・ビーチ)に限り、機械ではなく手による再集計を要求する。問題の4郡では、投票用紙が分かりにくかったせいで、ゴア候補に入ったはずの票が数十万単位で改革党のブキャナン候補に計上されたという批判が、有権者の間からも噴出している。」
http://www.cnn.co.jp/2000/US/11/10/florida.recount.update2/index.html
「ブッシュ陣営の選挙対策議長、ドナルド・エバンズ氏は、パームビーチ郡内の改革党登録者が4年前に比べて2倍以上の増加を見せていることを指摘、「民主党は出来事を政治問題化し、ゆがめている」と非難した。
大統領選の投票結果をめぐっては、フロリダ州のほかにニューメキシコ州でも投票の再集計が行われており、10日までには結果が判明する見通し。さらに、ブッシュ陣営はゴア氏が僅差で勝利を収めたアイオワ、ウィスコンシンの両州の結果についても、再集計の必要性を指摘している。」
http://www.cnn.co.jp/2000/US/11/10/florida.recount.update2/index.html
「米国の大統領選は、有権者が候補者に直接投票して当選者を決める「直接選挙」ではなく、まず州ごとに「選挙人」を選び、その人たちが改めて大統領候補に投票する「間接選挙」の形をとっている。
形式的には、各州に配分された選挙人を一般有権者が11月に選び、その選挙人が12月の正式選挙で大統領を選ぶ仕組み。しかし実際には、有権者は大統領候補か、その候補が提出した選挙人候補名簿に投票する。
各州の選挙人の数は、上院議員(定数2人ずつ)と下院議員(人口比で州によって違う)の人数を足し合わせた人数が振り分けられている。全体の選挙人は計538人。通常、州の得票で1位となった大統領候補がその州の選挙人を独占する仕組みで、大統領候補が州ごとに得た選挙人数の合計が過半数270を超えれば、当選が確定する。
11月7日の一般投票で、大統領候補の当選が確定した後、手続きとして、12月18日に選挙人による正式選挙が行われる。正式選挙では、選挙人が州議会など各州ごとに指定された場所に集まり、正副大統領を選出する。選挙人の投票結果は封印されてワシントンの上院議長宛てに送られる。連邦議会は翌年の1月6日に上下両院本会議を開き、全米50州およびコロンビア特別区から集まった投票結果を集計する。そこで全米の選挙人538人の過半数の270票以上を獲得した者を大統領当選者として正式に宣言する。」
http://www.cnn.co.jp/2000/US/11/10/florida.recount.update2/index.html
「米大統領選の勝敗を分けるフロリダ州の再集計で、AP通信によると9日午後10時ごろ(日本時間10日正午)、67郡中66郡の集計の結果、ブッシュ氏のリードはわずか229票の僅差になった。」
http://www.cnn.co.jp/SPECIALS/elex2000/
「同州選出のロバート・ウェクスラー下院議員(民主党)は8日の会見で、投票用紙に穴を開ける方式のパームビーチ郡で、約19000票が2カ所に穴を開けられ、「2重に投票したとして無効とされた」と説明した。
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大統領選 | 獲得選挙人 | 獲得州 | 獲得票(推計) | |||||||
ブッシュ | 246 | 29 | 49 % | |||||||
ゴア | 260 | 20 | 49 % | |||||||
当確に必要な選挙人数は270人 |
http://cnn.co.jp/SPECIALS/elex2000/
*フロリダ州の選挙人は25人。
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http://www.yomiuri.co.jp/president/
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http://www.yomiuri.co.jp/president/
http://www.yomiuri.co.jp/president/pmap.htm
「パームビーチでは、有権者が2人以上に投票したため約1万9000票が無効とされたが、「ゴア氏に投票するつもりが、間違えて他候補に投票してしまった」との声が相次いでいる。民主党は投票方式に問題があったとの見解を示し、記者会見したクリストファー前国務長官は「違法」という言葉さえ使った。
州当局の再集計で、ブッシュ氏の勝利が確認されても、民主党は手作業による再々集計、無効票の見直しなどを求める構え。票差がわずかなだけに、約2000票とみられる在外投票が勝敗を左右する可能性がある。無効票の扱いをめぐって泥沼の法廷闘争に発展することも予想され、当選者がいつ決まるか、時間的なめどは立っていない。
一方の共和党も、ブッシュ氏が僅差でゴア氏に敗れたアイオワ、ウィスコンシン両州などの再集計を要求する構えをちらつかせており、「民主主義の尊重」をうたう両陣営の対立は、泥試合に発展する可能性も出てきた。」
[毎日新聞11月10日]
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/vote2000/article/11/10-04.html
「米大統領選はフロリダ州での再集計で当落が決まるが、票差次第では国外に駐留する米軍人らの不在者投票で決着する可能性が出てきたことで在日米軍関係者らの関心が高まっている。
東京発のロイター通信は「一九八○年以来、毎回のように不在者投票してきたが、自分の一票がいかに重要か今回分かった」(海兵隊岩国基地の隊員)との声を紹介。最高司令官でもある大統領を選ぶ一票の重さを米軍人らがかみしめている様子を伝えた。
(了) 11/09」 http://www.kyodo.co.jp/kikaku/uspresident/uspresident-339.html
「オースティン(米テキサス州)9日共同】米大統領選で共和党のブッシュ候補は八日、フロリダ州での票の再集計で九日に勝利を確認できると自信を見せたが、全国での得票数では民主党のゴア候補に約二十万票の差をつけられ、選挙制度が国民の意思をそのまま反映する直接選挙であれば「敗北」していたことにショックを受けている。///」 (了) 11/09
http://www.kyodo.co.jp/kikaku/uspresident/uspresident-337.html
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http://www.asahi.com/paper/special/election2000/text/110905.html
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「引用して利用する場合には、いろいろな条件を守る必要があります
著作権法第32条は「公表された著作物は、引用して利用することができる」としています。この規定に基づく引用は広く行われていますが、中には、記事をまるごと転載したあと、「○年○月○日の□□新聞朝刊社会面から引用」などとして、これに対する自分の意見を付けているケースも見受けられます。また、記事全文を使えば「転載」(複製)だが一部だけなら「引用」だ、と考えている人も多いように思われます。
しかし、著作権法第32条は、「この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」という枠をはめています。
この規定に当てはめると、引用には、報道、批評、研究その他の目的に照らして、対象となった著作物を引用する必然性があり、引用の範囲にも合理性や必然性があることが必要で、必要最低限の範囲を超えて引用することは認められません。また、通常は質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」という主従の関係にあるという条件を満たしていなければいけないとされています。つまり、まず自らの創作性をもった著作物があることが前提条件であり、そこに補強材料として原典を引用してきている、という質的な問題の主従関係と、分量としても引用部分の方が地の文より少ないという関係にないといけません。」
表記の方法としては、引用部分を「」(カギかっこ)でくくるなど、本文と引用部分が区別できるようにすることが必要です。引用に際しては、原文のまま取り込むことが必要であり、書き換えたり、削ったりすると同一性保持権を侵害する可能性があります。また著作権法第48条は「著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない」と定めています。新聞記事の場合、「○年○月○日の□□新聞朝刊」などの記載が必要です。」
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著作権について
例えば、「著作権関連リンク集」http://www11.cds.ne.jp/~xcvbn/cr/link/index.html
の上欄「公官庁」に 社団法人 著作権情報センター(CRIC)
のサイトがあり、ここを開くと左欄の「著作権Q&A」をもとに基本的なことを学ぶこと
ができる。→ http://www.cric.or.jp/qa/qa.html