021202gensei  現代政治の理論と実際 講義メモ(中村祐司作成)

 

KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)についての新聞報道(紙媒体)からの抜粋→

 

1111日に金大中大統領は川口外相との会談でKEDOが北朝鮮の「核開発の凍結に非常に重要な役割を果たしてきた」と評価。

「日韓両国はKEDO維持の必要性で一致」した。

「米朝枠組み合意に基づく北朝鮮への重油供給について、米国が凍結を検討していることも協議。凍結はKEDOの枠組み自体を揺るがすという認識から、とりあえず11月分の供給凍結については、米国に慎重に対応するよう求める方針を確認したと見られる」(朝日新聞朝刊20021112日付)

 

KEDO理事会声明の要旨>

「一、   北朝鮮の核兵器開発計画の追及は、米朝枠組み合意核不拡散条約(NPT北朝鮮の国際原子力機関(IAEA)保障措置協定などの下での義務に対する明白かつ重大な違反であり、非難する。

 一、 核兵器開発計画はすべての責任ある国家に対する共通の挑戦だ。

 一、 同計画は、地域及び国際的安全保障に対する脅威であり、NPTに基づく国際的な核不拡散体制を損なうものだ。

一、       北朝鮮は目に見え、かつ検証可能な形で核兵器開発計画を迅速に放棄しなければならない。

一、       南北、日朝及びEU・北朝鮮間の対話は、双方の、及び国際的な懸案事項を解決していく上で、また、北朝鮮に対し、早急かつ目に見える形で核兵器開発計画を放棄するための取り決めを順守するよう要求する上で、重要な窓口だ。北朝鮮の今後のKEDO及び理事会メンバーとの関係は、同国が完全かつ恒久的に核兵器開発を放棄するかどうかにかかっている

一、       重油供給は12月の輸送分から停止される。将来の重油供給は、北朝鮮が高濃縮ウラン計画を完全に撤廃するための具体的かつ信頼できる行動をとることにかかっている。(行動がなければ)その他の北朝鮮とのKEDOの事業は見直されるだろう。

一、       理事会はKEDOの将来の活動について、引き続き協議する。」(朝日新聞朝刊20021116日付)

 

「(*1994年の米朝枠組み)合意の柱がKEDOの設置だった。北朝鮮が核開発を断念する見返りに、日本や韓国などが資金を出し合って軽水炉型原発2基を供与する。1基目が完成する予定の08年までの間、代替エネルギーとして米国が毎年50万トンの重油を提供する事業だ。▼理事会は日米韓、EU(欧州連合)の4者で構成され、一般参加国として豪州など9カ国も加わる。一国の非核化を共通の目標とする国際組織は他に例を見ない。///▼重油提供の凍結は、米国の強い姿勢の反映だ。ブッシュ政権はもともと枠組み合意に懐疑的だった。米議会でも強硬論が台頭し、議会が今後の重油予算を承認しなければ、KEDOは重大な危機に立つ。」(朝日新聞朝刊20021116日付)

 

北朝鮮のウラン濃縮計画の真相をめぐっては、あいまいな点が多い。10月のケリー訪朝時に米側がウラン濃縮計画の存在を示す証拠をぶつけ、北朝鮮側がそれを認めたというのが当時の米国務省の声明内容だ。▼しかし、北朝鮮側の説明は食い違う。在米・北朝鮮当局者の1人は、姜発言について、『ウラン計画を進める権利がある』とした上で、『より強力な武器を持つ可能性もある』と表明したのだと主張。『平壌は、ウラン計画を認めも、否定もしない』と強調する。」

「ロイター通信によると、米議会の一部議員らは、北朝鮮の原子力事業に米国が関与することを禁じる法案を用意し、年明けにも提出する方針だという。もし可決されれば、KEDOが北朝鮮で進めている軽水炉型原発の建設計画も止まり、枠組み合意が崩壊する。▼ブッシュ大統領は15日、『北朝鮮を攻撃するつもりはない』と改めて表明したが、軍事力ではない、からめ手の『間接攻撃』で北朝鮮への締め付けを強めている。」(朝日新聞朝刊20021121日付)

 

朝日新聞朝刊20021121日付より。