021007gensei 現代政治の理論と実際 講義メモ 中村祐司
<北朝鮮に関する基礎知識>
―以下、『マイクロソフトエンカルタ百科事典99』から抜粋(ただし註は除く)―
正式名称は朝鮮民主主義人民共和国
第二次世界大戦後のソ連軍による朝鮮半島北部の占領を契機として、1948年9月に樹立。
人口は2,392万2,000人。首都平壌は人口約200万人。朝鮮語と韓国語は正書法と発音のわずかな相違をのぞけば、まったく同じ言語。
幼稚園1年、小学校4年、中学校6年、あわせて11年間の義務教育。
平壌の金日成総合大学(1946年創立)は280校(30万人以上)ほどから構成(1990年推計)。
朝鮮中央通信社、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」、政府機関紙「民主朝鮮」。
共産主義[1]政党である朝鮮労働党への権力集中を憲法に明文化した、強力な中央集権的社会主義[2]国家体制。
国家主席は、国会にあたる最高人民会議によって選出。国家主席はすべての権力が集中する中央人民委員会のメンバーを指名し、中央人民委員会首位として議長をつとめる。中央人民委員会の下に内閣に相当する行政執行機関としての政務院。最高人民会議はほぼ人口3万人当たり1名の割合で、直接選挙によって選出。任期5年、議席数687。全体会議は年に数回。
地方行政区である「道」が9道。道と同格の直轄市が平壌、南浦、開城、清津。
朝鮮半島の行政区分
資料:『マイクロソフトエンカルタ百科事典99』
1996年の軍の兵員総数は約105万5,000人。内訳は陸軍92万3,000人、海軍4万7,000人、空軍8万5,000人。総人口に対する兵員総数の比率はイスラエルに匹敵する世界最高水準。
1980年代までは、大規模な機械化、灌漑、干拓によって、農業生産は拡大。しかし、90年代にはいり、米の大幅な減産など、農業部門の不振が明らかに。90年代半ばには大規模な水害。国際的な人道援助の実施。
鉄道は中国、ロシアに直結。道路延長2万3219km、舗装率は8%。
1946年8月28日に朝鮮労働党が結成(指導者2人のうち1人が金日成キム・イルソン)。当時、北朝鮮を占領していたソ連軍(ソ連は1948年まで占領)の支援を受ける。中道と右派の排除、宗教諸派の弾圧、日本人や反体制派に対する資産の没収。朝鮮戦争は1950〜53年。1950年代終わりまでには金日成が完全に権力を掌握。1980年の朝鮮労働党大会で長男の金正日(キム・ジョンイル)が政治局と党中央委員会の要職に(後継者確定)。90年5月の選挙で金日成は主席に再選。91年9月に南北両国が同時に国連に加盟。1994年7月8日に金日成死去。97年に入って食糧危機が深刻に。97年10月8日に金正日が朝鮮労働党総書記に就任。
1959年以来、北朝鮮にわたった日本人女性は約1、800人。
―以下、朝日新聞朝刊2002年9月4日付から抜粋―
主体(チュチェ)思想:金日成主席への個人崇拝を特徴とする独特な社会主義思想。政治の中心は朝鮮労働党と朝鮮人民軍。