011203jichi 中村祐司メモ 「スポーツ政策をめぐる都市間比較」ノートの続き
http://www.goldcoastmarathon.com.au/interactiveresults.htm
ゴールドコースとマラソン参加者は、名前とゼッケン番号を記入すると順位が分かるようになっている。
フルマラソン、ハーフマラソン、10キロ競歩?10キロマラソン、車椅子マラソン、車椅子ハーフマラソンがある。
2002年は7月7日に開催。
関連商品として帽子、Tシャツ、ジャージなどを販売している。
トレーニング日程の表示もある。
参加者の感想が書かれた掲示版もある。
また、サイクリング道路が整備されていることが分かる。
サイクリングクラブがあり、例えば、ゴールドコースト自転車協会の存在。
http://www.bicyclegoldcoast.com/welcome.html
「サーファーズパラダイス・トライアスロンクラブ」というのもある。
http://www.fastfeetsports.com/clubprofile.htm
をみると、その沿革が説明されている。
1989年に法人化された際には、オーストラリアにおけるトライアスロンコーチの第一人者による後押しがあった。その後、40名にメンバーが増加し、このクラブからフランスやドイツでの大会に選手を送り出した経験も持つ。10月には自転車週間が設定されているようだ。
http://www.goldcoast.qld.gov.au/attachment/factsheet_ethnic_communities.pdf
によれば、ゴールドコーストでは、人口の24.2%に相当する82,662人が国外で生まれた住民である。(1996年の調査)。その内訳は英語圏15.2%であり、非英語圏9.0%となっている。ちなみに日本生まれの住民は2,139人で全体の0.6%である。
また、住民の11.4%に相当する36,345人が英語以外の言葉を用いていたか、生まれた国の言葉を用いていなかった。
とにかく、ゴールドコースト市においてはイベントが目につく。例えば、カヤック・レガッタ大会(12月)、サーフィン大会(12月)、オーストラリア女子テニス大会(12月、1月)、クウィーンズランドバレーボール選手権(1月)、ジュニア国際バレーボール選手権(2月)、オーストラリア女子ゴルフマスター大会(2月)、オーストラリアビーチバレー選手権(3月)などがそれである。
http://www.goldcoast.qld.gov.au/t_std2.asp?PID=341
行政組織において、スポーツ担当部局はどのように設定されているのか。→
スポーツの語は明記されてはいないものの、「コミュニティサービス」局というのがあり、この中に「コミュニティ・レクリエーション施設」の項目がある。
http://www.goldcoast.qld.gov.au/attachment/community_services.doc
には添付書として、コミュニティサービス担当部局の中の役割分担についての図がある。
コミュニティサービス局は、
「コミュニティ・レクリエーションサービス課」Community & Recreational Service、
「厚生・規制課」Health & Regulatory Services、
「図書館サービス・文化振興課」Library Services & Cultural Development,
「ビジネス課」Business Services
「執行部支援課」Executive Support Services、
の5課からなっている。
「コミュニティ・レクリエーション課」の所管内容の一つに「スポーツ・レクリエーション施設計画」Sport & Recreational Facilities Planningというのがある。
その他、「公園・オープンスペースの計画・管理運営」Parks and Open Space, Planning & Managementや、「イベントの振興・運営」Events & Promotions Managementにおいてもスポーツ政策に関連するものを展開しているようである。また、「図書館サービス・文化振興課」においても担当項目の一つに「ボランティアの調整」Coordination of Volunteersとある。さらに、「ビジネス課」で水泳プールやコミュニティセンター、全国水準のスポーツ施設の管理運営とあり、市が保有するスポーツ諸施設(Carrara Sports Stadium, Beenleigh Sports Centre, Runaway Bay Centres, Gold Coast Athletics Centre, Gold Coast Regatta Centre, Gold Coast Cycle Centre)の管理運営に携わっていることが分かる。
ゴールドコースト市には30を超えるコミュニティセンターがあり、たとえば、そのうちの一つである
がホームページを開設しているのでそれをみると、(Inc.とあるので株式会社形態をとっているのか?)スポーツクラブがこのセンターを利用しており、また、センター所有のテニスコートの使用についてのきまりが書かれている。その他パーティや結婚式場、会議にも利用できるようだ。
市営のプールも市内10カ所にある。→ http://www.goldcoast.qld.gov.au/t_std2.asp?PID=199
注目したいのは、2001年11月に立ち上げたゴールドコースト市が掲げている「経済発展振興計画―ゴールドコースト2010」Gold Coast
Economic Development Strategy (November 2001) である。
http://www.goldcoast.qld.gov.au/attachment/goldcoast_economic_development_strategy.pdf
をみると、この発展計画の中にスポーツが位置づけられ、2ページにわたる記載がなされている。それによれば、
「スポーツは常にオーストラリアの人々の生活において重要な役割を演じてきた。しかし、それにもかかわらず、スポーツ産業がこの国の経済に及ぼす影響力についての認識が明確にされたのはつい最近のことであった。スポーツはこの国で最もダイナミックで主要な産業の一つとなっている。オーストラリアスポーツ連盟は、この点についての調査研究を行い、スポーツ産業分野の1995-96年の支出が79億オーストラリアドル以上に達したこと、スポーツ産業がオーストラリアのGDPに多大に貢献しており、113の産業分野の中で25位にあること、スポーツ産業は鉄鋼産業、穀物産業、被服産業、車両・部品産業、電子産業、印刷産業に匹敵すること、を明らかにした。」
また、シドニーオリンピック大会等の派生効果として、ゴールドコースト市でも一流競技者のためのトレーング施設が充実したことや、市は世界的な大規模スポーツイベントの開催地であることなどが指摘されている。
そして、市が抱える課題として、大会を支える多くのサポーターが宿泊するための施設が不足しているために、大規模スポーツイベントの種類がどうしても限定されたものとなっていること、ゴールドコースト市はオーストラリアで6番目の大都市であるにもかかわらず、全国水準レベルに達するスポーツチームが存在しておらず、これはゴールドコースト市の施設不足と地理的なブレスベンへの近さが原因である。州政府はブレスベンにおける施設の開発を重視しており、この点からもゴールドコースト市における施設の改善や開発の努力が必要とされる。また、ゴールドコースト市におけるスポーツチームへの法人スポーツが存在していない。
Matrix of Outcomes and Actionsと題した表の中で→スポーツ産業に携わる企業の誘致。ゴールドコーストスーパースタジアム(Gold
Coast Super Stadium)の改修。スポーツ産業の雇用の増大を目指してTAFE大学やグリフィス大学、ボンド大学との提携。ナショナルチームや国際的スポーツチームがそのスポーツ活動計画の一部として用いるテクノロジーを市が開発。スポーツ行政区域(a
sports administration precinct)の設定をめぐる調査の実施。ゴールドコースト市におけるスポーツ産業担当部局の明確化と魅力ある施策づくり。あらゆるレベルの政府と産業との協力活動。スポーツ用具・製品生産企業やサーフィン産業における産業ネットワークキンググループの展開。例えば、「アジア国家開発」Asia
State Developmentといった企業を誘致するために、州政府や連邦政府の担当機関との協働。シドニー大会においてトレーニングキャンプ地として利用されたゴールドコースト市の評価を確立し、国際スポーツ大会の際には国外のスポーツチームに当市を利用してもらうこと。市において中核となる施設を設置し、ここで国内・国際大会を実施しトレーニングの機会も提供すること。
* まだもう少しデータがありそうだが、ここまで。
宇都宮市におけるスポーツ政策:
人口は44万3,000人(2000年4月現在)
面積は312.16ku
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/news/11.htm#12
第15回宇都宮マラソン大会が、11月18日に開催された。約1800人の参加者が、1.5km・3km・5km・10km・ハーフマラソンを、16クラスに分かれて実施。結果をインターネット上で公表している点はゴールドコースト市と同じ。
第4次総合計画(基本構想)「市民が,いつでも,どこでも,生涯にわたり気軽にスポーツに親しめるよう,地域・職場・家庭での各種スポーツ活動の促進,指導者の育成に努めます。また,スポーツ拠点としての総合運動公園など施設の整備やサイクルスポーツの振興に努めます。」
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/bs/bs-frame.htm
には宇都宮市のスポーツ施設の案内がある。
http://www.ucatv.ne.jp/~u-keirin/
興味深いの「宇都宮競輪」のページ。出走表にはオッズ(賭け金に対する配当の率)まで掲載されている。出走結果も詳しく載っている。「電話投票」というのもあるらしい。
http://www2.city.utsunomiya.tochigi.jp/DataBank/main_9.htm
スポーツに関する統計として、「体育施設利用状況」がある。これをみると、1999年度において利用者数が最も多いのが体育館の33万7000人(100人単位四捨五入)である。次いで 野球場の22万9000人、水泳場の8万4000人、スケート場の7万9000人、庭球場の7万4000人、サッカー場の6万2000人となっている。あくまでも利用者総数をみると、1991年度が113万4000人であるが、以後、減少傾向にあり、1999年度は92万3000人となっている。この間、施設の設置や閉鎖、改修などがあったはずで、いちがいにこの傾向をどうみるかはいえないものの、公的機関以外にも民間のレジャー施設や余暇活動の広がりがあり、こうした他のセクターへの利用者数の吸収がなされているものと推測できる。
には例規集が掲載されており、この中の「宇都宮市教育委員会事務局組織規則」によれば、
教育委員会事務局は、総務課、学校管理課、学校教育課、生涯学習課、文化課、スポーツ振興課(管理係、市民スポーツ)の各課から構成される。スポーツ振興課の所管事務は、
市民スポーツの振興に関すること、体育施設の管理に関すること、体育団体に関すること、宇都宮市スポーツ振興審議会に関すること、学校体育施設の開放事業に関すること、サイクリングターミナルに関すること、冒険活動センターに関すること、ジャパンカップサイクルロードレースに関すること、財団法人宇都宮市体育文化振興公社に関すること、とある。
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/bs/bs-ssframe.htm
外郭団体である「財団法人 宇都宮市体育文化振興公社」のページにはスポーツ教室の情報などがある。目的として、「体育・文化施設の管理運営を行うとともに、体育文化の向上のための各種事業を実施し、宇都宮市の体育文化の振興および市民福祉の向上に寄与すること」とある。
寄本勝美編著『公共を支える民―市民主権の地方自治』(コモンズ、2001年)
プロローグ 二つの公共性と官、そして民
公共の担い手=官(行政)→公的公共性
民(市民、民間企業)→私的公共性
公共政策=「市民、企業、それに行政の役割の分担と組合せの図式を実現」
役割相乗型の公共政策の追及
「官僚もまた民」「公務員市民」「企業市民」
「官僚化」「民僚化」
第4章「小さな自治体と大きな市民自治」
2 公―民関係の現状
GDPに対する租税総収入の割合(政府総体の大きさ)
租税総収入に占める地方税収入の割合(自治体の大きさ)→
英国は小さな政府、小さな自治体
財政調整による財源移転後の財政規模に着目して、政府総体のなかで中央政府と
自治体がそれぞれ占める割合→英国の自治体小さく、日本の自治体大きい。
英国:公務員数多いが、全体として小さな政府、小さな自治体。歳出の自治にも
歳入の自治にも欠け、弱体。→民間活動領域の大きさ。市民自治の営みが
重層的に築かれている社会。英国の公民関係の特徴として、要するに小さ
な自治体と大きな市民自治。
日本:全体として小さな政府だが大きな自治体。歳出の自治(仕事の単純な大きさ)
で際立つ。
英国「市民自治の営みが重層的に築かれている社会」
*次回は同章3