011105jichi 講義メモ 中村祐司作成
寄本勝美編著『公共を支える民―市民主権の地方自治』(コモンズ、2001年)
プロローグ 二つの公共性と官、そして民
公共の担い手=官(行政)→公的公共性
民(市民、民間企業)→私的公共性
公共政策=「市民、企業、それに行政の役割の分担と組合せの図式を実現」
役割相乗型の公共政策の追及
「官僚もまた民」「公務員市民」「企業市民」
「官僚化」「民僚化」
第3章「地方議会と住民投票制度」1、2、3
1 地方議会・地方政治への低い関心
地方議員(議員定数は約8万5000人。各議会の定数削減により実員は約6万4000人)
95年の統一地方選挙では投票率59.6%
「明治以来の伝統的な間接民主主義制度たる議会制度と、戦後の地方自治制度に導入された
直接民主主義の諸制度とをどのように両立させて地域政治の復権を具体化していくべきかに
ついて、『地域住民の自己決定権の拡充』のための多元的ルートの構築という観点から論じ
ることとしたい。」
2 第2次世界大戦前の地方議会
「代表なければ課税なし」
議会:@時の為政者の方針・施策に対する異議申し立てA監視の機関B決定に正当性を与え
るための手続機関
1878年:府県会規則
1880年:区町村会法
「議会設置の主眼は、国の仕事を地方の住民の負担により実施するための合意調達と、その
決定への正当性の付与であった。」
1888年:市制町村制
1890年:府県制・郡制
地方「議員が名誉職とされたことは、現在に至るまで、地方議会議員はアマチュアで可とする
風土を産み、政治や政策のプロとしての専門職と認知されることを妨げる原因となっている。」
3 第2次世界大戦後の地方議会
「新しい袋と古い酒」
条例の制定改廃請求、事務の監査請求、議会の解散請求、議員・長等の解職請求→「間接民主
制度と直接民主制度との並立状況」
「経済成長を達成するために自治体が国の指示に従って仕事を進める仕組みが整えられていく。」
「都道府県行政の7割、市町村行政の4割程度を占めるとされる機関委任事務」
「肥大化する行政機能と制限された議会の活動範囲」
「国会議員―都道府県議員―市町村議員―選挙民の系列化」
「“お供物(1票)―ご利益(補助金や公共事業)”構造の強化」
議会活動そのもののマニュアル化が問題
「住民参加は保守・革新を問わず、首長が支持を得るために有効な行政手法」
「首長が、議会対策として、議会内に支持してくれる与党と対立する野党とを色分けする傾向」
レポートの作成・提出にあたっての諸注意!
来週から2回にわたって受講生によるノート発表のホームページ掲載開始!
<レポート提出までの日程>
11月12日:第1回ノート発表(受講生の半数が発表)
11月19日:第2回ノート発表(受講生の半数が発表)
12月3日 :レポート提出日!
<12月3日(月)提出のレポートの内容・体裁等について>
テーマは国内外を問わず、地方自治、市民生活、個人と社会との関わりなど現代地域社会に関わるものであれば、自由に設定してよい。html文書の形式。フロッピーで12月3日のこの時間の最初に提出。(この日の授業は最初に編集作業に当て、残りの時間を10日、17日の議論についての説明に当てたい。ファイル名は名前011203→(例)nakamuray011203
文字の大きさは10.5. 字体はMS明朝が望ましい。
最初にファイル名、「地方自治論」レポート(ここで改行)、「テーマ」、学籍番号(最後のアルファベットは記入せず)、名前を書く。ここまでの字の大きさは太字12ポイントで。
(例)nakamuray011203 「地方自治論」レポート
「アメリカボルティモア市におけるコミュニティ活動の現状と課題」 k○○○○ 中村祐司
文章の書き出しはテーマ名等の記載行から1行空ける。章、節を設ける際には章は1、節は(1)(さらに細かい項目は文章の細切れとなるので設定しないことが望ましい)。
分量は目安で400字相当×10枚程度から20枚程度の間(正確でなくてよい。印刷レイアウトの画面で40字×40行とすれば、最低で2.5ページ。最高で5ページ程度)。
リンク先として、レポートを読んだ者に対してどうしても見てほしいと思うサイトを1つ以上5つ以内の範囲で紹介する。レポートの文章終了後に1行空けて、例えば、
<参照サイト>(字の大きさは10.5で太字に)
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/
宇都宮大学国際学部行政学研究室のページ。講義メモ////////であり、興味深い。
のように書いてもいいし、
宇都宮大学国際学部行政学研究室のページ。講義メモ////////であり、興味深い。
のように書いてもいい。
<レポート作成の当たっての基本姿勢の再確認>→自分の文章をつなげる。見栄えは気にせず(色をつけたり、画像の切り貼りは不要)あくまでも文字中心で。引用部分はどこから引用したのかカッコ内に明記。要約したものであってもとにかく、自分で書いた文章と引用・要約とは区別し、読む者が分かるようにすること。例えば、中村研究室のホームページには「このホームページは、Netscape Navigator/Netscape
Communicatorでは、正確に表示されないことがあります」(http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/)とあり、////// というふうに。
<ホームページ紹介>
http://www.ci.baltimore.md.us/
アメリカボルティモア市のホームページ。都市行政研究を行う上で、事前に当該自治体のホームページに目を通しておくことが今や不可欠となっている。
* 次回はノート発表とテキスト第3章4、5。