ISFJ 日本政策学生会議

Inter-University Seminar for the Future of Japan

政策フォーラム2002

21世紀日本の未来構想図−

 

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ISFJ政策フォーラム2002の感想

 

中村祐司(宇都宮大学国際学部行政学研究室担当教員)

 

 環境分科会に属した宇都宮大学中村祐司研究会の発表は政策フォーラム2日目の一番目であった。自分は夏休みから始まったゼミでの取り組みをただ見守っていただけであったが、それでもこの日の発表に向け2人が果敢に取り組んだ経緯を知っているだけに、あたかも自分が発表するかのような緊張感を覚えた。

個人的な話となるが、10月に後期が始まって以来、週末のほとんどは学会や研究会、翌週の授業の準備などで休日らしい休日がなく、とくに12月に入ってからは、今年蓄積された疲れが精神的にも肉体的にも一気に吹き出てきたような状態で、正直なところ東京に出向く足は重かった。宇大の発表だけを聞いて帰ろうかという思いも一瞬頭をよぎったが、せっかく参加するのだから、午前9時から他の分科会の発表も聞かせてもらい、環境分科会には終日付き合い、今後の取り組みの参考にしようと敢えて自分を奮い立たせ、早朝、宇都宮発の在来線に乗り込み3時間近くかけてやってきたのである。

結果は非常に収穫の多い1日であった。2名の発表は予め想像していた通り、今まで勉強してきたことの蓄積を吐き出し、プリゼンテーションの面でも見事に力を発揮したもので、こちらにも達成感が伝わってくるほどであった。

驚いたというか目を覚まされる思いがしたのは、他大学(早稲田大学政治経済学部吉野孝研究会と中央大学総合政策学部田中努研究会)の発表と質疑応答のスタイルとその中身であった。質問することをためらわないというのか、疑問に思ったことは率直に口にするストレートさとそれを的確に言葉に表しその場で組み立てていく表現の仕方、それでいて嫌味のない素直なふるまいに引き付けられた。また、質問する当の本人が納得できない場合はその旨を発表者に明確に伝え、さらなる回答を求める追求力にも魅了された。要するに簡単には引き下がらないのである。一方、質問に答える発表者側も堂々としたもので、たとえ痛いところをつかれるような指摘をされても、決してたじろぐことなく、これまで勉強した知識を総動員して懸命に応答している姿勢にも感銘を受けた。

おそらく、彼ら彼女らにとってみれば当たり前のことをしただけなのだろう。しかし、この点は地方都市にぽつんとある大学における、いわば居心地のいい閉じられたコミュニティで完結されがちな宇大生一般に欠けているところであり、知らず知らずのうちに自分も活発な議論の応酬に不慣れとなっていたことと、この面での指導力の不足を認めざるを得なかった。

コメンテーターやパネラーによるいずれも現実を踏まえポイントを押さえた発言を聞き、大変勉強になった。自分がパネルディスカッションで発言の機会が与えられるとは全く予期しなかったが、地元の広域行政組合によるゴミ処理施設建設の取り組みが咄嗟に頭に浮かんだのは、書物等からの字面ではない、直接の関わりがあったからであろう。話をしている最中に、実証研究には独特の説得力があるのかもしれないとも思った。

学生ディスカッションも有意義であった。政策に関心を持つ者には、いずれも共通の悩みがあることを再認識した。参加者が発表という緊張から解放され、肩の力が抜けた状態のなかで醸し出す非常にあたたかくそれでいて真摯な雰囲気がとてもよかった。同時に、そこには「政策」というとても強固で手ごわい諸課題にこれからも格闘していこうとする共通の認識や覚悟があるように思われた。こうした時間を頼もしい一人一人の若者たちと共有することができたことをうれしく思う。

優秀論文を得たのは、他大学の論文や発表、質疑応答との優劣の結果というのではなく、懸命に取り組んだことの「努力賞」という意味合いだと理解している。最後にISFJ政策フォーラムという貴重な機会を提供してくれた関係者の方々に心から感謝したい。

 

 

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                       国際学部国際社会学科3年 板倉世典

 

 正直か感想は大変疲れたということだ。発表本番を終えるまでは気を抜ける日がなく、緊張した日々が続いた。だから発表の次の週末は思いっきり羽を伸ばした。

 環境分科会に参加したと理由は単に僕が環境を専門に勉強したいと考えていたからだ。何について研究するかを自分も含めて公募したところ、ダム建設について、リサイクルシステムについてなどがでたが、中村先生が研究中のRDFについてやってみてはどうかという案をいただいて、初期リサーチをした結果面白そうだということで、この研究テーマに決定した。準備は夏休みから始めた。まずRDFという言葉そのものを知らなかったので、RDFが書かれているめぼしい本を片っ端から読んでリサーチを開始した。また、宇都宮市のごみ処理施設と、福島県のRDF施設を夏休み中に見学した。

夏休み後に調べたまとめをゼミに提出し(ノルマは各人A410枚だった)、どういう方向性でいくかを、サブゼミを含めて議論しあった。その議論は時に7時を過ぎることもあった。研究の行き詰まりを打開するきっかけとなったのは農学部の岩渕先生との出会いだった。研究室を訪ねて簡単な講義をしてもらい、RDFの性質と問題点、生分解性プラスチックの存在や堆肥化の現状を教えてもらった。ここで練り直していった結果、広域化、ダイオキシン、化石燃料消費などの問題と見事につながったのだ。

 中間発表への提出はぎりぎりの調整だった。とにかく問題点の整理にとどまった。しかし、既に頭の中ではある程度すっきりしていた。

 論文の作成は想像以上に骨が折れるものだった。論文らしい論文を執筆するのは初めてだったので、内容のまとまりと簡潔さはもちろんだが、脚注の作り方、構成、段落の分け方、誤字脱字の訂正といったものにも神経を使うこととなった。当然のことだが、種々の締切は守った(かろうじて守れた?)。いくつかのゼミは守れなかったところもあったようだが。

 後期からこの研究に加わってくれた岩佐君の存在は奇跡だった。バイト等で忙しいにもかかわらず、第4章の執筆、パワーポイントの作成、リサーチのまとめ、ドイツ帰りの意見を交えた意見交換と、論文そのものには見えにくいが、目に見えないところで絶大な仕事をしてくれた。彼なくしては論文の完成は見なかった。たった2人だけ、そしてタイプの違う2人がうまく協力したことによってこの研究発表は成功した。

 論文を提出してからも大変だった。ジョイント合宿への参加のための準備、つまり発表レジュメの作成やパワーポイントの作成などである。また、学祭中のビラ配り、ポスターはりも大変だった。とにかく重視したのは発表の練習だ。4年生とゼミ生で教室を借りて行うものであったが、これによって発表の質や問題点を確かめることができた。質問への対応力もつけることができた。

 ジョイント合宿は前祝も盛大にしつつも順調に終え、優秀論文賞もいただいた。練習の成果が出た。

 政策フォーラムの発表もうまく行った。質問も少なく、少しラッキーだった。やはり論文の質が発表を左右するようだ。質問もリサーチが徹底していれば何とか切り抜けられる。なお、発表にはRDFの現物を配りながら説明した。これは好評だったようだ。また、レーザーポインタも使いながら説明した。環境分科会での優秀論文ゼミにも選ばれた。

他の大学のゼミの発表も見て回った。やはり予想通り、財政分科会、金融分科会、そして企業産業分科会の一部はまったくついていけなかった。経済学部、商学部主体だからいたしかたないことかもしれない。執行部の人もこれがISFJの弱点とも言っていた。国際学部が切り込む意味は大きいと感じた。発表の質は濃淡があり、大学、ゼミの色が垣間見えた。発表以上にパネルディスカッションが面白かった。(政策・外交安全保障・環境に参加)環境分科会の田中ゼミは内容がよく検討されていて、面白いと思った。

学生ディスカッションではみんなの率直な意見が聞けて、環境に熱い自分としては大変有益だった。

懇親会には中間発表、説明会を含め3回とも出席した。宇都宮は風通しがよくないので、こういう機会に他大学の学生と話すことは大切だと思っていたからだ。普段はなかなか話せない執行部の方たちをはじめ、いろいろな人たちと交流、情報交換ができた。

発表は2日あるので、宇都宮まで帰ると大変でお金もかかるので、カプセルホテルに一泊した(3300円)。五反田で初体験だったが、きれいでよかった。カプセルホテルはあやしいところもあるので注意。

 

感想はこんなところです。卒論を一本仕上げたような気分になるくらい大変でしたが、収穫、成果も大きいものがありました。大学生活のアカデミックな思い出にもなりました。実際本当に大変ですが、やる気があれば、来年もぜひ参加すべきだと思います。

 

 

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国際学部国際社会学科4年 岩佐真樹

 

 今更ながら「感想を書け」と言われても「大変でした。でもやってよかったと思います」くらいしか思い浮かばないので、政策フォーラム当日までの簡単な記録を思い出しながら記そうかと思う。

 

10月初旬

 行政学演習に初参加、ISFJの存在を知る。板倉君と共に参加が決定。「RDF」も「政策提言」も未知数のものなので、取り敢えず「大変そう・・・」と思う(今にしてみればこれはまったく間違っていなかった)。

10月中旬

 インタヴュー、資料読み。バイトの掛け持ちをはじめたので、それと相まって地獄の日々が始まる。

10月下旬

 中間発表に向けてのレジメ、発表用パワーポイント作りに追われる。中間発表ではプレゼンも担当、反省点が多々顕在化。10月は夜8時に家にいた日が全く無いという始末。

11月初旬

 論文執筆開始。相変わらず資料読み。学際準備が重なり、多忙の日々。

11月中旬

 論文締め切りに追われる。ゼミ室にノートPCを持ち込んでの作業。「演習の授業のためになんでここまで・・・」が口癖となる。

11月下旬

 学際本番の1週間後、ジョイント合宿。ジョイント発表用PP作りで、論文完成後も息つく暇無し。本番ではプレゼンを担当。

12月初旬

 ISFJ本番に向け、ジョイントの反省点を踏まえPP作り直し。プレゼンは担当しなかったが結局多忙の日々。環境分科会で「優秀論文賞」ゲット。

 

 以上、「報われてよかったね」と帰りの新幹線で終始言っていた僕であった。

 

 

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国際学部国際社会学科3年 秋元麻里

 

  政策フォーラムは発表を見る形でしか参加していないので、詳しいことは言えませんが、きっと相当大変であったのではないかと思います。ジョイントにも参加をし、政策フォーラムにも参加して、そして、両方で優秀賞を得た板倉君と真樹さんは本当にすごい、というのがわたしの感じたことです。

わたしがはじめて政策フォーラムに参加したのは、中間発表のときでした。そして、本番と参加させてもらいましたが、発言力の凄さに少し圧倒されてしまった感もあります。みんな、自分の思ったことを口にして、納得するまで食い下がることのない姿勢をみて、自分を見つめなおしました。そして、とても勉強になる場であると思います。日常に存在する問題を取り上げ、それについての提言であり、学生がどのように提言をするのかというとても興味深いところがあります。

実際に研究して,発表することはかなりの労力を費やすと思いますが、学内でなく、一歩外に出て発表するというのは自分の糧になることであったのではないかと思います。

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国際学部国際社会学科3年 佐々木琴美

 

 ISFJでは自分たちの参加はなかったけれど、とても勉強になった。今回参加したのは環境分科会のみであったが、各大学のテーマも興味深いものでおもしろかった。特に宇都宮大学の発表は作成段階から知ってはいたが、よく研究されていて内容も濃いものであったので、非常に良かったと思う。

ISFJの発表形態はジョイントと異なり、パワーポイントを駆使しての発表である。パワーポイントを使った発表はわかりやすく、ジョイントでももっと活用すべきではないだろうかと思った。

また、ISFJではコメンテーターとしてその専門家を呼んで発表に関する意見を求めているが、これも大変勉強になる。ただ、他の分科会はどうだったのか分からないが、環境分科会ではコメンテーターが一人だったので、複数居ればいろんな専門的な意見が聞けていいのではと思った。

宇都宮大学のISFJ参加は今回が初めてであったが、今後も続けていくのが望ましいのではと思う。ジョイントとほぼ同時期であり、同じ研究を発表できる。また、研究内容を二回発表できるということは発表に慣れることも可能だし、いいチャンスではないかと思うからだ。

 

 

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国際学部国際社会学科3 前田佑介

 

 行政学演習Bは11月末からのジョイント合宿と、この政策フォーラムへの参加準備のために進められてきた。演習Bは後期からの授業だが、政策フォーラムに関しては夏休み中からすでに情報収集を行うなど、ジョイントへの準備よりもやや前にスタートしていた。いま思うとこのことがジョイント準備に良い影響を与えていたのではないかと思う。

 演習生全体としては10月の末頃まで政策フォーラムに関わり、それ以降は政策フォーラム発表者の二人で進められた形だが、ゼミ内での進行状況報告というのはほぼ継続的にあり、ゼミ生全体が把握できていた。政策フォーラムの場合は論文締め切りがジョイントよりも早かったり、中間発表があったりでジョイントに向けた準備よりも2,3歩先を行く感じであり、ジョイントのみでの発表者はそれにかなりの刺激をうけていたと思う。実際、ジョイントにむけたレジュメ作成は直前で慌てることもなく、ゆとりをもって進められていた。また政策フォーラムの過去論文を見ても分かるが、発表者に求められる研究内容はジョイントのそれよりも深いものであると思われ、中村ゼミの環境班が目指していた所もやはり過去の政策フォーラムに相当する研究であったと思う。このような環境班の姿勢は、ゼミ生全体が研究に対する意識を向上させる一つのきっかけになったと思う。

 フォーラム当日はかなり少人数の前での発表であり拍子抜けの感もあったが、他大学に決して劣ることのない発表だった。ただ折角あそこまで調べていたのだから、もう少し大勢の前で発表させてあげたいというのはあった。質問や意見への対応も学内練習などでシミュレートしてきたが、人数の少なさのせいかあまり厳しい意見や質問もなかったようだ。

 

 

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国際学部国際社会学科4年 田面木 千香

 

 板倉くん、真樹くん、中村先生と3年生の皆さん、発表者並びに、主催者の皆さん、コメンテーターの皆さん、本当にお疲れ様でした。

環境分科会しか見ていないので、ISFJというものの規模について、あまり把握できなかった感じではありましたが、今回、宇都宮大学中村祐司研究室としてISFJに初参加した意義のようなものは、かなり大きかったのではないかと感じています。

 他校の発表も含め、見ていて感じたことは、環境問題しかり、様々な問題の解決につながる一番の方法は、私たちひとりひとりが問題意識を持つことなのだなあということです。意識改革を促すための啓発活動というのは、言うほど簡単なものではないとは思いますが、今後真剣に考えていかなければならないこと、改めて認識させられました。

 ISFJは、ジョイント合宿とはまた趣の異なるものであったように感じましたが、来年度以降もジョイントと同様、こちらへの参加も続けていって欲しいなあと・・・全くの傍観者でこんなことを言えるような立場ではありませんが、思いました。ありがとうございました。

 

 

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