2010/01/25

高橋清人

修士論文構想

1、          タイトル

LRT導入をめぐる都市交通政策過程分析〜富山・宇都宮・堺の比較研究〜

 

2、          目的

近年LRT導入をめぐる議論が各地で起こる中で、「成功例」と知られる富山を除いて、LRT導入に至った自治体はいない。このような現状にある要因が何かを本論では明らかにしたい。

LRT導入をめぐる政策過程に注目し、成功例としての富山と具体的な軌道計画策定後、あと一歩のところで導入に至らない宇都宮と堺の事例を比較することによって、単一事例では導き出せないLRT政策の構造的要因を探る。

 

3、          アウトライン

 序章

第1章     交通政策をめぐる日本の動向:

第1節              LRTが着目されるに至った経緯の整理

第1項     車社会

第2項     路面電車の廃止

第3項     欧米でのLRT導入件数の増加

第2節              LRT導入をめぐる日本の動向

第1項     国の動向…支援制度(補助金)、LRTに関連する議論を探る。

第2項     地方自治体の動向…成功例としての富山、その他の検討自治体の停滞状  況を明らかにする。ここでは、現在の状況までの経緯説明。

第2章     仮説の提示…政策過程のステージを分類し、そのステージごとの考察を行う。各ステージごとに有効となるアクターが異なると想定。それを明らかにする。

第1節              ステージ1

第1項     仮説1:市民の同意が得られている場合、政策導入が起きる。…積極的に参画する市民の有無、アンケートの実施の有無、行政の手続きの透明性、公開性。

第2項     仮説2:リーダーシップがある場合、政策導入が起きる。…首長がリーダーシップを発揮し、政策実施に影響を当たえる。…議会等の公式な発言録。

第3項     仮説3LRT政策に関連する諸制度が整っていると、政策導入が起きる。…たとえば、国の助成金制度や企業との関係について

第3章     事例研究

第1節              富山…成功した要因を探る

第2節              宇都宮…導入に至らない要因を探る

第3節              堺…導入に至らない要因を探る

第4章     考察

富山の事例の特殊性

市民の役割について

地方行政が抱える課題について 政治機会構造、政策過程での問題

リーダーシップの重要性について

LRT導入における困難性の発生原因の発見に繋げたい。