まずドイツの太陽光発電システムの累積導入量と日本のものを比較し、そこから導入量の増加と政策を照らし合わせてみたい。
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ドイツ |
日本 |
IEA諸国 |
2003年 |
41 |
86 |
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2004年 |
79.4 |
113.2 |
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2005年 |
142.82 |
142.08 |
370 |
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単位:万kW |
これは2006年度版のエネルギー白書と総合資源エネルギー調査会第15回新エネルギー部会によるものだが、ドイツは、2003年度から毎年累積導入量を約2倍に増加させている。また2005年にはそれまで累積導入量世界トップであった日本を上回った。もちろん日本も、毎年導入量を伸ばしてきている。
しかしながら、ドイツの導入量の増加の要因は一体どこにあるのであろうか。新エネルギーを大幅に普及させることとなっている、各国の新エネルギーの政策をみてみたい。
固定枠制度と固定価格制度
現在自然エネルギーの普及に関して各国で導入されている制度は大まかに固定価格制度と固定枠制度の二種類がある。
固定価格制度
・ 電力事業者に対し、自然エネルギーによる電力を一定価格で買取ることを義務付ける制度。イギリス、スウェーデン、イタリア、日本、米国(州による)などが導入している
固定枠制度
・ 電力供給者に対し一定量の自然エネルギーによる電力供給を義務づける制度。ドイツ、デンマーク、スペインなどで導入されている。
ドイツにおける固定価格制度は1990年に導入が始まった。また2004年度の改正により、一般住宅屋根置き太陽光発電システムへの優遇がなされ大きな普及増加へと繋がった。
一方、日本の固定枠制度(RPR法)は2003年度に導入された。毎年、各電力事業者への自然エネルギーによる発電義務量は達成されていた。しかしすでに次年度の義務量以上に供給が進んでおり、逆に普及の妨げになっているのではという意見もある。