要約
はじめに
本研究の背景
第一章 マレーシアでの日系AV会社の技術者採用政策―日系企業への提言―
第一節 日系AV会社のマレーシアへの生産移管とR&D(設計開発)の展開
1 プラザ合意以降の電気・電子産業のマレーシア展開
2 設計移管の拡大
3 グローバル設計へ
第二節 日系R&D、欧米系R&D、大学での聞き取り調査
1 R&D委員会の立ち上げ
2 日系R&Dの訪問とアンケート調査
3 欧米系R&Dの聞き取り調査
4 ベスト7大学訪問と聞き取り調査
5 日系・欧米系技術者の構成比較
6 まとめ・3者比較
第三節 日系R&Dへの提言
1 処遇と制度の改善
2 大学との交流拡大
3 提言実施にあたっての日系R&Dの克服課題
4 今後の課題
第二章 マレーシアの技術者になぜ「Why」がないのか―マレーシア政府への提言―
第一節 マレーシア駐在3年の悩みと感想
1 ローカルの技術力についての悩み
2 マレーシア駐在3年間の感想
第二節 大学院2年間の調査活動
1 日系企業のR&Dは良い技術者を採用出来ておらず、欧米系に取られている。
2 学校教育で「Why」が教えられていない
第三節 学校教育で「Why」が教えられていない原因についてのヒヤリング
1 学生のレベル
2 教科書と試験制度
3 教え方と教師の質
第四節 調査結果
1 TIMSSとPISAについて
2 教育時間
3 2部制
4 教員の給与と大卒化
第五節 教育問題に関するマレーシア政府への提言
1 PISAへの早期参加で学力の見極めを
2 理科教育の充実
3 2部制の廃止
4 教員の資質向上
あとがき
図表
資料
参考文献
1 綾部 恒雄 石井 米雄『もっと知りたい 第2版 マレーシア』弘文堂 平成10年6月15日
2 青木 健『[第2版] マレーシア経済入門 2002年先進国入りを目指す』日本評論社 1998年8月10日
3 アジアネットワーク編『マレーシア現代情報事典』星雲社 1998年10月1日
4 伊藤 元重『ゼミナール国際経済入門』日本経済新聞社 2003年6月20日
5 藤田 和子,
平井 雅世, 岡本 義輝「東南アジアにおけるローカリズムとグローバリズム―諸アクターの研究事例を中心に」『宇都宮大学国際学部 研究論集(第19号)』pp.13―20 宇都宮大学国際学部 2005年3月1日
6 岡本 義輝「マレーシアのAV R&D拡大発展に向けてー日系企業とマレーシア政府への提言」『電気学会研究会資料』HEE−05−18(pp11−16)、社団法人 電気学会 2005年9月8日
7 岡本 義輝(筆者)のホームページ「URL;http://www18.ocn.ne.jp/~yokamoto/」
8 格付投資情報センター国際格付部『アジアを格付けする 国の信用力とは何か』日本経済新聞社 2000年12月11
9 国立教育行政研究所編「TIMSS 2003 算数・数学教育の国際比較―国際数学・理科教育動向調査の2003年報告書」株式会社ぎょうせいpp.024-025 2005年5月25日
10 国立教育政策研究所編「TIMSS 2003 理科教育の国際比較一国際数学・理科教育動向調査の2003年報告書」株式会社ぎょうせい pp.024-025 2005年5月25日
11 小杉 泰『増補 イスラームに何がおきているか 現代社会とイスラ-ム復興』平凡社 2001年12月14日
12 桜井 由躬雄『東南アジアの歴史』放送大学教育振興会 2002年3月20日
13 清水 建宇『2005年版 大学ランキング』朝日新聞社 2004年5月1日
14 末廣 昭『キャッチアップ型工業化論』名古屋大学出版会 2000年11月10日
15 杉村 美紀『マレーシアの教育政策とマイノリティ』東京大学出版会 2000年12月23日
16 谷浦 孝雄 編『アジア工業化シリーズ7 アジアの工業化と直接投資』アジア経済研究所1991年1月11日
17 谷浦 孝雄 編『アジア工業化シリーズ10 アジアの工業移転と技術移転』アジア経済研究所1994年6月10日
18 谷浦 孝雄 編『アジア工業化シリーズ13 アジア工業化の軌跡』アジア経済研究所1992年10月31日
19 西口 清勝・西澤 信善 編著『東アジア経済と日本』ミネルヴァ書房 2000年12月20日
20 日本イスラム協会+嶋田 襄平+板垣 雄三+佐藤 次高 監修『新イスラム事典』平凡社 2004年3月10日
21 日本経済新聞社『アジア 新たなる連携』日本経済新聞社 2000年9月11日
22 日本国際文化学会年報編集(委)『インターカルチュラル2日本国際文化学会年報』アカデミア出版2004年5月20日
23 藤森 英男 編『発展途上国における 現地化政策の評価』アジア経済研究所 1989年3月31日
24 堀井 健三 編『マレーシアの工業化 多種族国家と工業化の展開』アジア経済研究所 1995年3月25日
25 マハティール・ビン・モハマド『日本人よ。成功の原点に戻れ』PHP研究所 2004年2月6日
26 マハティール・モハマド『アジアから日本への伝言』毎日新聞社 2000年12月25日
27 マレーシア日本人商工会議所『数字で見るマレーシア経済』マレーシア日本人商工会議所 2004年12月
28 マレーシア日本人商工会議所『数字で見るマレーシア経済』マレーシア日本人商工会議所 2003年12月
29 マレーシア日本人商工会議所・調査委員会『マレーシアハンドブック2001』マレーシア日本人商工会議所
2002年1月 第6版
30 マレーシア日本人商工会議所・調査委員会『マレーシアハンドブック2005』マレーシア日本人商工会議所
2005年4月 第7版
31 三木 敏夫『ASEAN先進経済論序説―マレーシア先進国への道』現代図書 2005年2月25日
32 矢野 恒太 記念会編集・発行『世界がわかるデータブック 世界国勢図会 第14版』2003年9月1日
33 游 仲勲『華僑・華人経済 日本・アジアにどんな影響を及ぼすか』ダイアモンド社 1995年11月30日
34 横山 久 モクタール・タミン『転換期のマレーシア経済』アジア経済出版会 1992年3月31日
35 吉野 直行 編著『アジア金融危機とマクロ経済政策』慶応義塾大学出版会株式会社 2004年6月30日
1
本研究の背景
生産工場のマレーシア移転、及び工場での生産性や品質の改善に関する生産技術の移管については多くの先行研究がある。参考文献を調査した結果を下記する。
2はp172にR&Dの項目があるが、GNPに占めるR&D支出の低さを述べているのみである。
14では第10章で「技術移転と技術形成の能力」が論じられている。しかし、生産技術の面での言及のみである。
17では技術移転を3段階に分類し詳しく分析している。しかし、新技術の開発を行う第3段階は海外子会社の位置づけ上さしあたりありえないとしている。
23は第10章でブミプトラ政策の観点で分析している。
その他、上記のように多くの技術移転や経済関係の文献があるが、いずれもR&Dについての記述がないか、少ない。取り上げられている時代が古い事も要因の一つである。しかし、R&Dに関しては企業秘密の関係から各社がその内容の公表を好まない。従って殆んど先行研究は無いといっても過言では無い事を予め断っておきたい。