国際社会研究専攻1年 李 えい MK050114
これからの日中関係への展望―よりよい関係を築くため(仮)
――2005年の“反日運動”を中心に
研究目的
中国と日本の間に様々な問題を抱えています。特に近年両国の関係は緊張になっているようです。私は2005年の反日運動を中心にして、行った背景やその後の両国にとっての影響などを分析し、これからの日中交流関係の行方を展望して、よりよい日中関係を築くため提言したいと考えています。
二次世界戦争が終わって中華人民共和国を成立しました。日本との交流を一旦中断しましたが、1972年国交正常化によって交流活動を再開しました。中国の改革開放にしたがって日中関係一層よくなりました。(当時の世論調査を引用する予定です)。しかし、天安門事件以降、日本人が中国に対するイメージが変わり、好感が落ちました。(当時の世論調査を引用する予定です)。パブル崩壊以降、多くの日本会社が中国に進出しています。様々な社会問題の中に、経済の面からみれば両国をうまく協力しているようです。正常化になって30年以上経った現在、日中の間は“政冷経熱”の状態になっています。このような状態のなか、もっとお互いの文化を分析し、よりよい日中関係を築くため、私なりの力になりたいと考えています。
研究方法
相関書を参考する以外に、反日運動に関する新聞記事やネットの新聞記事などにも参考する予定です。特に朝日新聞、読売新聞と産経新聞の記事を中心に調べたいです。また、反日運動の影響に関しては宇都宮大学の日本人学生と留学生に対象してアンケートを取る予定もあります。アンケート対象の範囲は2006年現在の大学院生ですが、人数が少ない場合は三年生に対象するのも考えています。
研究内容のキーワード
2005年の“反日運動”の背景
1 政治に関する問題
歴史問題
今話題になっているのは靖国神社問題でしょう。靖国神社問題とは、靖国神社と日本政府の関わりや、内閣総理大臣や国務大臣が靖国神社に参拝する事が政教分離および戦争責任の認識に関わるとされる議論、戦犯などの合祀についての異論や訴訟など、靖国神社に関連する諸問題をまとめたものである。近年、小泉首相が靖国神社を参拝して、アジアにおいて特に中国、韓国、朝鮮の3カ国とは外交上の問題にもなっている。外務省のホームページによると小泉総理の靖国神社参拝が、過去の軍国主義を美化しようとする試みではなく、祖国のために心ならずも戦場に赴き命を落とさなければならなかった方々に対し、心からの哀悼、敬意及び感謝の気持ちを捧げると共に、戦没者が目にすることができなかった今日の日本の平和と繁栄を守ることの重要性を自覚し、不戦の誓いを込めて、総理の職務としてではなく、一人の国民としての立場で靖国神社に参拝していると主張しています。この問題についてのキーワードは政教分離と公私の別となります。
領土問題
2004年6月日本政府は「海洋権益関係閣僚会議」を成立させ、東海海域資源の「重視」を表明した。日本のいわゆる「自国大陸棚」の範囲は、小笠原諸島、南鳥島、中国領土である沖ノ鳥礁、釣魚島から韓国との争いのある独島まで全てであり、総面積は日本の国土面積の1.7倍の65万平方キロにも及ぶのである。そして、資源に関わる領土問題も日中関係の重要なポイントになります。
理事国問題
国連総会議長で、マレーシア国連大使でもあるRazli Ismail氏は、国連安全保障理事 国を現行の15ヵ 国に、9ヵ国を加えることを提案した。しかしながら、新たに選出される常任理事国は、従来からの5ヵ国の常任理事国、すなわち中国、イギリス、フランス、ロシア、アメリカが保有する拒否権を付与はされないであろう。国連憲章によると、安全保障理事国の拡大には加盟国の3分の2の承認が必要とされる。日本は、国連安保理常任理事国に選出されることをつよく望んでおり、そのためにあらゆるてだてを講じている。この問題は2005年大型反日運動の直接の原因になるのではないかと私は思います。
2 民間の出来事
西北大学わいせつ寸劇事件
寸劇で日本人留学生らは、Tシャツの上にブラジャーを着け、「何を見ているのか」と書かれた帽子をかぶって壇上に登場。音楽に合わせて声を上げながら後ろを向いて、背中に書いた「日本」「(ハートマーク)」「中国」の文字を見せ、日中友好を訴えるつもりだったはずですが、ところが他の演目は伝統舞踊など格調が高かったこともあり、観衆の中国人には理解されず、「ばかにしているのか」と解釈された可能性が高いという。北京の対日関係者によると、中国人学生は性的刺激を伴う見せ物には慣れていないのが普通。留学生らの寸劇は「日本ではさして問題にされないかもしれないが、中国ではやりすぎになる」。
寸劇は中国人教師らに中断されて終わったが、中国人学生の動きはエスカレートした。関係者によると、翌30日午後、日本人留学生と教師の男女計43人が生活する7階建ての留学生寮を約1000人が取り囲み、謝罪を求めた。興奮した40〜50人が寮内に突入し、部屋を回って、「お前は何人か」と問いかけ、日本人と分かると、殴るなどの暴力を振るったという。
珠海買春事件
この事件は400人あまりの日本人客が9月16―18日に同ホテルに滞在し、珠海や深センから約500人の売春婦を呼んで、買春行為を行ったとされるもの。9月18日は日本が1931年に中国侵略を始めた満州事変の発生日にあたるため、中国ではインターネットなどを通じて、一気に反日感情が高まっている。
3 企業中の不安定要素
手元に資料が少ないため、この節については現段階検討中です。
4 中国の愛国教育
前回発表したため、今回省略させていただきます。
今回の“反日デモ”に関して日中の反応とその後の影響
この章では、当時反日運動について書かれた新聞やインタネットの記事などを調べ、まとめたいと考えています。また宇都宮大学の日本人学生と中国留学生にアンケートをとる予定もあります。アンケートの内容が現在考え中ですが、一部分の質問が出来ています。
*2005年の反日運動に関心しましたか
1 非常に関心した 2 関心した 3 普通 4 関心しなかった
1,2,3を選んだ人次へ
*どうな手段で関心した
1 日本のテレビ 2 日本の新聞 3 日本のラジオ 4 インタネット 5 日本にある中国テレビ 6 日本にある中国新聞 7 その他
*自ら参与しましたか(ネット上のサインや掲示板に書き込みなど)
1 はい 2 いいえ
その理由は( )
*
2005年に行った反日運動についてあなたはどう思いますか
1 いずれ必ずそうなる 2 意外だった 3 考えたことない 4 その他
*
これからの日中関係についてどう思いますか
1 よくなるはず 2 今のまま 3 悪くない 4 わからない
*
今回の反日デモ前後、あなたの対日・中の印象が変わることがありますか
1 大きく変わった(よい方・悪い方) 2 すこし変わった(よい方・悪い方) 3 変わっていない 4 その他
*
日中関係をよりよいいい方向に発展するのに、一番の問題は何だと思いますか
参考文献:
月刊 『中国21』2005年6月号 愛知大学現代中国学会編
週刊 『日経ビジネス』20005年7月11日号
西村成雄編 2000年『現代中国の構造変動3 ナショナリズム−歴史からの接近』
東京大学出版会
毛里和子編 2000年『現代中国の構造変動7 中華世界−アイデンティティの再編』
東京大学出版会
田中恭子編 2000年『現代中国の構造変動8 国際関係−アジア太平洋の地域秩序』
東京大学出版会
21世紀中国総研編 2005年『中国情報源2004-2005年版』 倉倉社
21世紀中国総研編 2005年『中国情報ハンドブック2005年版』 倉倉社
興木呂一郎 2005年『中国激流―13億のゆくえ』 岩波書店