中村ゼミ                             2005年2月1日

                                  MK040104

賈 臨宇

1.中国都市及び都市ごみの概況

 

1949年中国建国当時、都市の数は69カ所(康慕誼、1997)に過ぎないが、近年、特に1978年以後、中国経済発展が速く、都市化の進呈が著しい。1998年末まで、中国の都市総数は668ヶ所である。中には、人口200万以上超大都市は13ヶ所、人口100〜200万の特大都市は24ヶ所、その大部分は中国の東部または中部地区に位置している。50〜100万人の大都市は49ヶ所、20〜50万人の中都市は205カ所、20万人以下の小都市は377ヵ所、都市人口は2.469億人、流入人口は0.8億人、全国人口の28%を占めている。(国家環境保護総局汚染控制司、1999)。

中国都市の経済発展は迅速で、国民生活レベルが上昇し、生活様式も大きく変わった。これは都市ごみの増量を引起した重要な要因である。それに都市ごみの成分の変化によって、ごみ処理が更に困難化複雑化した。

現在では、中国都市一日一人当たりのごみ発生量は約1.2kg、1998年全国都市搬運量は11301.81万t、この数字はまた毎年8%〜10%のスピードで増え続けている(国家統計局、1979―1998)。2000年には11819万t、2001年には13470万tに達して。不完全統計によると、中国都市ごみ歴年累積量は60億tにものぼる。全国200余りの都市がごみに囲まれていることに陥った。

近年来、都市ごみ量が増え続いている。1986年都市ごみ総量は5010万t、1998年には1301.86万tに達し、急速に増えている。年増加率は約8%にもなる。(図―1)

図―1中国統計年鑑2002

 従来では、中国都市ごみの成分と先進国のごみと比較すると、可燃物か回収物が少なく、石炭の燃焼灰はたくさん占めている。すなわち、無機物が多く、燃焼率は低い。大多数の都市ごみの燃焼率は226.8〜3162.6kj/kgしかない。

 近年、国民生活様式の変化につれ、都市ごみの成分も大きく変わった。ごみ中の無機物が減少、有機物が上昇し、再利用可能な成分が増加している。例えば、紙類、ガラス類、プラスッチク、金属など、約30%〜40%である。燃焼率も高くなって、一部の都市では、4000kj/kgを越えている。

 都市ごみ成分は非常に複雑である。物理的には、紙類、ゴム、プラスッチク、金属など18種類分けられる。中国では、一般的な都市は、ごみを有機物(主に台所ごみ)、無機物(主に粉塵、渣、陶磁器、石塊)、紙類プラスッチク、ゴム、布、木、竹、ガラス、金属など九種類に分けられる。中には、後の七種類は再利用可能である。表―1(李暁東等、2001)は、中国典型都市のゴミ種類構成の示した通り、成分が複雑で、物理形状不均等であり、高水分、高蒸発率、燃焼率低いなどの特質を示している。

 

2.中国ゴミ処理状況

 

 日々増えつつけるゴミに反して、中国国内では、ごみ無害化処理が少なく、無害化率は極めて低い。都市ごみが環境汚染を惹起する要因となっている。

 歴史原因や、認識レベルなどの原因で、大多数の都市で、従来の処理方法は、露天放置か、自然低地に埋め立てするのであった。この処理方式は、土壌、河川、地下水、大気などに汚染をもたらした。改革開放政策実行以後、一部の都市の基礎施設が改善され、都市ごみ汚染が少し緩和されたが、大多数の都市は、ごみが急速に増え、ごみ処理施設が老朽化し、環境汚染が進んでいるのが現実である。表―2

最終処分場の無害化設備が不足、運営管理不善、特に、浸出液を収集、浄化装置無く、地表水や地下水を汚染するケースが目立っている。一部の地区では、深さ800mの地下水も汚染されてしまった。また、ごみが発生したメタンガスによる爆発事故も起こることもある。

 前述のように、現在未処理ごみ累積量は60億tがあるため、置き場用地は5億uを占用している。2001年中国環境盬測総站が全国のごみ最終処分場、焼却施設、堆肥施設に対して、調査を実施した。

この調査によると、2000年度全国30の省、自治区(チベット、香港、マカオ除き)の都市ごみ総量は1.18億t、処理したごみの量は0,49億t、処理率は41.5%である。

全国2000年度では、都市ごみ処理施設の数は345ヶ所。埋め立て処分場は298ヶ所(86・4%)、堆肥施設24ヶ所(6.9%)、各種焼却施設23ヵ所(6.7%)である。

全国都市ごみ処理の総処理能力は135325t/d、約0.49億t/a 。内訳、埋め立て能力は121488t/d(89.8%)、堆肥能力は6187t/d(4.6%)、焼却能力は7650t/d(5.6%)。中国現在のごみの主な処理方法は、埋め立てである。同調査によると、298ヶ所の処分場の中、GB16887-1997 『生活ごみ填埋汚染基準』に達しているのは16ヶ所(5.4%)、大体基準に合格の(遮水工、酸化塘、沈淀池有)は115ヶ所である(38.6%)。残り56%の処分場簡易処分場である。

 298ヶ所処分場の中、195ヶ所(65.4%)は浸出液を未処理のまま、直接排出している。93ヶ所(31.2%)が浸出液の処理施設を持っている、10ヶ所(3.4%)は浸出液を汚水処理工場へ転送している。240ヵ所はメタンガスを収集、処理装置が無く、直接排出している。

 監測のよると、2000年現在まで全国の各都市の処分場中で、汚染物排出においては、国家基準に達している都市はひとつもない。表―3

 

 

参考文献

康慕誼 『城市生態学与城市環境』 中国計量出版社 1997

国家統計局 中国各城市統計年鑑19791998  中国統計出版社

国家環境保護総局汚染控制司 城市固体廃棄物管理与処理処置技術 中国石化出版社1999

李暁東、陸勝勇、徐旭等 中国部分城市生活ごみ熱値の分析 中国環境科学2001-21(2)