2003/12/15
科目名 |
比較政策研究 |
指導教官 |
中村祐司教授 |
学籍番号 |
MK030110 |
氏 名 |
韓相榮(ハンサンヨン) |
課題;栃木県内の町づくり事例報告及び問題点について
--鹿沼市を事例として--
1、 位置づけ
私はまちづくりを勉強しているうちにまちづくりというのは中心市街地の整備改選、商店街の活性化などがまちづくりの全部だと勘違いました。
今回、調査のためにあちこち市役所走り回って、知りましたのはハード面でまちづくりも大切ですが、ソフト的なまちづくりも大切であるのを知って両面的に調べたいと思います。
私は来日して5年目ですが、もともと国際交流に興味があって、国際交流の行事に参加し、韓国の文化や伝統民俗音楽などを紹介している際、鹿沼市のグローバルグループの体表である山本和子さんに出会って、ソフト的なまちづくりについて聞きました。
それで、私は栃木県 鹿沼市を選んで西茂呂土地区画整理事業とソフト的な面の一つである鹿沼市教育委員会生涯学習課の事業の中で学校教育における国際理解教育支援事業について事例を挙げて報告し、その問題点を指摘したいと思います。
2.鹿沼市の概要
1)人口
総人口 |
94,128 |
男性人口 |
46,470 |
女性人口 |
47,658 |
(段位:人)
2)就業産業別人口 (段位;人)
第1次産業 |
4,088 |
第2次産業 |
19,478 |
第3次産業 |
25,604 |
(出典:統計庁資料参照)
3.
西茂呂土地区画整理事業
現在、市が進めている土地区画整備事業は、市の第4次総合計画においてまちづくりのための諸施策の1つとして実施している。区画整備手法は都市計画区域内において実施される市街地開発事業の一つで、都市施設の施設別整備と代比して、面的整備と言われるものである。市においては、西茂呂、下横町周辺、貝島西、成陸の4つの地区で
土地区画整備事業を実施中であるほか、新鹿沼駅西地区においても具体化を目指している。
その中で最近区画事業が終わった西茂呂土地区画整理事業について調べたいと思う。
西茂呂土地区画整理事業は、1973年12月に都市計画決定し、機能的な市街地を形成する
ことを目的として、1975年から事業を開始した。鹿沼市にとっては初めての大規模な区画整理事業であり、施行面積135.1haを1工区と2工区に区分けをし、整備してきた。
現在は街並みも変わり、公共施設も整備されて、住みよい環境の街に生まれ変わっている。
目的としては隣接する工業団地及び東北縦貴自動車道鹿沼I・Cとの位置的な関連により、
その周辺部において急激に無秩序な行為が進み、都市基盤が未整備のまま虫食い状の市街
地が形成され、住居環境の悪化を招いています。また、年々増加傾向に鹿沼市の宅地需要
に田対応するため、本事業は都市計画道路を根幹に区画道路の新設、拡張等を行い、土地
の利用増進を図り豊かな潤いのある市街地を形成することを目的としている。
1)事業計画一覧
西茂呂土地区画整理事業は1975年に事業認可を受け、事業に着手したが、1978年より事業が一時中断した。当時は一部の権利者から、事業に対する強い反対の意思が示されていた。減歩による土地の負担とは土地をただで取られることだという思いがまだまだ一般的だった。農業による収入を主としている方にとっては、それが即減収につながるとしか考えにくかったこの後、約5年の中断期間を得て、再度事業を具体化する取り組みが始まった。もちろん当時から、住環境の整備を望む声もたくさんあったそうだ。1988年より本格的な工事が始まり、ここに素晴しい町が完成した。土地区画整備事業によって、道路、公園、学校といった公共施設が整備され、多くの商業施設が立ち並び、たくさんの人が暮らすようになった。2つの写真はわずか十数年しか違わないが、こうした並べてみるとあらためてその違いの大きさに驚かされる。
◎事業の経過
1973年12月14日 都市計画決定
1975年06月27日 事業計画決定
1977年03月26日 事業計画変更(第1回)
1986年08月01日 事業計画変更(第2回)
1988年01月11日 事業計画変更(第3回)
1988年03月01日 第一工区仮換地指定(0.5ha)
1988年03月25日 第一工区仮換地指定(81.8ha)
1989年01月07日 事業計画変更(第4回)
平成元年03月30日 第二工区仮換地指定(52.8ha)
1993年02月01日 事業計画変更(第5回)
1998年03月02日 事業計画変更(第6回)
2)対策
◎換地と減歩
区画整備は、道路・公園などの新設や変更を行うと当時に、安全で使いやすい宅地につくりかえるため、今までの土地を整形し、今までの条件(位置、地積、環境、利用状況等)に見合うところに適性に配置換えをする。このように今までの土地に対して新しく配置換えされた土地についての所有権、地上権、永小作権、賃借権等の権利は換地にそのまま移る。また、区画整備は、事業区画に新たに必要となる道路、公園等の用地や事業費の一部にあてるための土地(保有地)を区域内の土地に所有権又は借地権を有する物が基準に基づいて、それぞれ公平に出しあって生み出す方法をとる。このために土地が減少することを減少という。したがって、通常、換地の面積より少なくなる。換地は、可能なかぎり今までの宅地に見合うように定めるようになっているが、それぞれの宅地の形状、地形、建物の状況その他により、換地が適正に定まらない場合がある。実際の土地の値段は上がったかも知らないが住民たちは自分の土地をただで取られたと思うケースが多い。政府では土地の清算金をもっと明確にやった方がいいと思う。
◎施行前後の土地の利用状況
項目 |
施行前 |
施行後 |
|||
地区の面積 |
1,351,454,85u |
1,351,454,85u |
|||
地区の人口 |
3,547人 |
10,800人 |
|||
地区の人口密度 |
約26人/ha |
約80人/ha |
|||
土 地 利 用 |
宅 地 |
1,240,041.54u |
91.8% |
950,290.66u |
70.3% |
道 路 |
78,290.45u |
5.8% |
279,324.11u |
20.7% |
|
水路・池沼 |
12,825.04u |
0.9% |
11,040.65u |
0.8% |
|
公園・緑地 |
1,665.00u |
0.1% |
37,479.43u |
2.8% |
|
保 留 地 |
|
|
73,320.00u |
5.4% |
|
測 量 増 |
18,632.82u |
1.4% |
|
|
|
計 |
1,351,454.85u |
100.0% |
1,351,454.85u |
100.0% |
(鹿沼市 都市建設部区画整備課 平成11月4月作成)
(鹿沼市 都市建設部区画整備課 平成11月4月作成)
4.ソプト的事業
1)目的
商業・観光や地域文化の活性化を図るハード的な事業とともに、人材・情報提供・イベント実施などのソプト的事業を実施することで、効果的なまちづくりを行う。
2)事業の位置づけ
観光資源の活用として,その魅力を旅行会社、鉄道会社、バス会社等にPRすることで首都圏からの多くの来街者を誘導し、各社と店舗などの業務提携により鹿沼らしさのある商業環境を提供する。
イベントの実施においては、鹿沼祭り、鹿沼さつき祭り、花火大会など各種年間イベントに加え、商店街ナイトバザールやフリーマーケット、新鮮な農作物・特産品を販売する朝市などの小イベントを町なか中央広場などで定期開催・当時開催することで、集客性向上を図る。
人材の育成・活用においては鹿沼生涯大学において地域の緑化や鹿沼市の観光ガイドなどのまちづくりに関わる人材を育成、まちづくり事業ネットワークの参加などを促すことで、市民主導型の活性化を図るとともに、商店街後継者の育成や個店の経営方向のための商業ノウハウを学べる講座の参加を促進する。
情報システム構築においては、市民情報センターと市役所、屋台のまち中央公園、小学校などの公共施設間の情報ネットワークを構築することで、いつでも手軽い学べる教育環境・学習環境の向上を図るほかインターネットによる鹿沼市の情報提供による集客向上を図る。
5.ソプト的なまちづくり事例
国際理解教育支援は1996年に石川小学校から始まった。当時、国際交流をしていた
グローバルグループが、今までの交流を通じて学校教育に関われることを捜し、適切な講師の紹介やカリキュラムの編成などを先生と話し合いながら組み立ていた。生徒たちの反応が目覚しく、集中力や探究心が深かったのは言うまでもない。その後、このような授業に感心を持たれた学校から、国際理解教育支援のボランチィアグループが必然的に生まれた。2003年3月現在、鹿沼市内31校のうち20校にボランチィアグループが立ち上がっている。教科の授業や家庭教育学級、親子の集いや学年PTA、子供会育成、コミュニティ事業など、多くの場面で外国人講師の派遣や教材の開発を実施してきた。直接体験の基づく講師の話しや、生活習慣、分化の違いなどを見聞きした児童・生徒たちの余韻は限りがない。学校教育改革の中で地域の力を発揮できることは、生涯学習の担い手として大いなる喜びである。総合的な学習の時間において、国際理解教育の視点はさらに重要性を増やしている。児童・生徒たちが国際的視野に立って世界平和や国際協力に貢献できるよう支援しながら、自分たちの視野の拡大にも努め、いきいきと活躍できる場を一緒に確保していきたいと思う。以上はグローバルグループの体表山本和子さんと話しの内容だが、私も何回か鹿沼市にある小学校に行って韓国の文化やいろんなことを紹介したことがあるが、韓国人だから韓国について全部知っている訳ではない。やはり韓国について学問的に紹介するのが難しかった。
外国人の講師の確保が一番大切ではないかと考える。
例えば、焼肉屋さんのビビンバ教室とか、外部の団体の協力を得てやった方が効率的だと思われる。商店街が生涯学習の拠点として、住民たちの知識と笑顔につながるだろう。
国際理解教育支援の全市システムの開発〜 |
学校教育における国際理解教育支援事業の推進構想
学区サークル |
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平成11年度 |
東小 |
菊沢東小 |
石川小 |
北小 |
西中 |
平成12年度 |
池ノ森小 |
上南摩小 |
北押原小 |
津田小 |
北犬飼中 |
平成13年度 |
さつき小 |
中央小 |
西小 |
北中 |
南押原中 |
平成14年度 |
みどり小 |
南押原小 |
板荷小 |
東中 |
板荷中 |
(鹿沼市教育委員会生涯学習課 平成15年3月)
<融合への手順> |
例えば・・・ |
◆実践手順 |
@ グローバル・グループによる中心となる人材発掘発句 |
参照資料
1.鹿沼市中心市街地活性化基本計画の概要 平成11月3月 鹿沼市
2.鹿沼市 都市建設部区画整備課 平成11月4月作成
3.宇都宮都市計画事業西茂呂土地区画整理事業 平成14年10月
4.鹿沼市教育委員会生涯学習課 平成15年3月