現代政治の理論と実際

少年法改正に伴う人々の声と、少年法のこれから」 000149A 史代

はじめに

「少年犯罪」、今日、私たちがこの言葉をテレビで聞き、新聞や雑誌で見ない日は、ほとんどないのではないかと思われるほど、少年犯罪は多発している。少年による暴力や窃盗、そして殺人までが起こり始めた現代で、被害者の無念の声と、それを聞いたマスコミや国民の、少年法は果たしてこのままでいいのかという疑問の声とが急激に高まり、あっという間に少年法改正案が立ち上げられ、可決され、少年法は改正された。しかしその新しい少年法は以前のものよりもかなり厳罰化されたものだった。世論は賛成と反対の二手にわかれ、また被害者の意見も二手にわかれている。果たして、少年法改正はどのようなものなのか、意味のあるものなのか、正しかったのか、きっとたった一つの正しい答えなどないとは思うが、これを通して、少年法について、自分なりに考えてみたいと思う。

少年法改正の経緯

当初、参院選挙制度改正を巡り、混乱があり、野党は少年法改正案の審議を拒否していたが、正常化に伴い、審議に参加した。野党は少年法の改正による厳罰化は1948年の成立以来の、「保護主義」、という少年法の理念に反していると主張し、改正に反対した。しかし、施行5年後に、改正したことで少年犯罪は減ったか、検察官の少年審判出席が少年側の不利益にならなかったかを検討した上で見直すことを条件に加え、自民、公明、保守の与党三党と、世論の声を気にした民主党が最終的に改正案に賛成したことで、賛成多数により、改正案は可決された。

今までの少年法と改正された少年法の主な違い

少年法は以前のものよりもかなり厳罰化されている。

少年法改正賛成側の意見

少年法改正反対側の意見

被害者と遺族の声

一般の人々の声

インターネットで検索してみると、様々な人の少年法に対する意見が述べられている。上記で紹介した被害者の子供たちの両親が開いているホームページの中に、そのホームページを読んだ一般の人々から寄せられた意見が記載されているぺージがあった。またそれ以外にも、多く、一般の人の意見は掲載されている。それらの人の意見を以下にまとめ、その意見に対する自分なりの意見を述べたい。

賛成派

少年に犯した罪を償わせるために、少年法改正に賛成するというのは、私も賛成だが、両親の罪を問い、時には刑務所にまで行かせる、というのいは、行き過ぎではないかと思う。確かに、無責任な親が増え、例え、自分の子供が犯罪を犯したと知っても、自分に責任は無いと考える人がいるのは確かだが、その一方で、子供のことを真剣に考えて、心配し、自分の子供が犯罪を犯した時に、自分を責め、苦しむ親は大勢いると思う。そういった人まで裁くと言うのは、行き過ぎだと、私は思う。

 

私は、少年法改正による厳罰化で、少年犯罪が確実に、減っていくとは思わない。なぜなら、重大な少年犯罪を犯す少年達が、そこまで(少年法について)深く考えて、犯罪を犯すとは思えないからだ。しかし、だからと言って、私は少年法改正に反対なわけではない。上記した、ある人が述べている意見のように、犯罪が減ることには至らなくても、抑止効果は果たすのではないかと思うからだ。

反対派

確かに、犯罪を犯す多くの少年達が、罪の怖さを考えて、犯罪を犯しているとは思えない。(中には、少年法の元の保護を計算している者もいるが。)少年法改正に意味がないとは、私自身、全く思っていないが、上で記載した反対派の意見も一理あると思う。

 

少年犯罪が、少年を取り巻く環境にある、という意見には、私も賛成である。また、その環境を改善しなければ、少年達は本当に救われることがないと、私は思う。しかし、今までの少年法で、本当に、諸問題に対応できるのか、といったことには、疑問を持たずにはいられない。少年法という自分を守ってくれるものがあることを考えて罪を犯す、そういった少年が全くいないとは言い切れないのだから。

 

自分の意見

最後に自分の意見をまとめて述べておきたいと思う。私はこの少年法改正についてを調べて、今まで、興味を持ってはいたものの、あまり自分自身で深く考えていなかった少年法について、自分の頭で考えることが出来たと思う。私自身は、少年法改正自体は、大きく意味のあるものであると思う。少年法改正による厳罰化が、少年犯罪を完全に止めるものではないとは思うが、少なからず、抑制にはつながると思う。また、それによって、多くの人々が、そして、多くの少年が、少年犯罪と少年法について考えて、意見を戦わせているのは確かだ。それは、今回調べているうちに、様々なホ−ムページに、多くの人が自分の意見を寄せていることを知り、本当によく分かった。考えることから始めなければ、何も始まらないと思う。少年法改正によって、厳罰化された内容は、もちろん、これからの議論を大きく必要としていくものである。改正された少年法が、本当に正しかったのかをきちんとこれから、考えていくべきだと思う。そのままにしておくのでは、改正した意味を持たない。

また、少年犯罪を、なくしていくためには、少年法のみに目を向けておくべきではない。ほかにも、すべきことは多くあると思う。まずは、少年達がなぜ、その犯罪を犯すに至ったか。その背景を、きちんと考え、改善していくべきであると思う。インターネットで調べてみたものの、加害者の少年達の少年法改正への意見、また、少年犯罪を犯した経緯、気持ちは、述べられてはいなかった。少年達が犯罪を犯す理由は、現代社会、それ自体にもあると思う。少年達のこころの闇を知り、その闇を取り除いていかなければ、本当の意味での、解決にはならないと思う。

そして、もう一つ、されるべき重要なことは、被害者への対応の改善であるとおもう。現代は、被害者の保護よりも、加害者側の保護に重きを置かれていると思う。被害者への対応がこのままでは、これから、ますます、被害者は傷ついていくことになる。法改正のみならず、被害者への対応の改善を私たちは考えていくべきであると思う。

少年法に関する、人々の考え、意見はそれぞれだったが、様々なホームぺージに記載されているそれらの意見は、どれも、真剣に、少年法、少年犯罪、そして、これからの日本の社会について、深く考えた上で、述べられたものだった。これらを見て、私自身、多くの事を学び、得たと思う。これらの様々な議論がこれからも展開され、みんなできちんと、考え続けていくように、努力していきたいと思う。私は、今回本当にそう思った。

 

参考にしたホームページの紹介

http://www4.justnet.ne.jp/~takatora/welcome.htm

少年犯罪によって子供達を失った親がつくるホームページ。自分達が当事者になって初めて、考え、わかったことが

数多く述べられている。自分の子供をなくした悲しみや経緯と、被害者でなければわからない視点から、少年法、

年犯罪、そして、これからすべきことについて、述べられている。このページは、ぜひ一度見てほしい。

http://plaza18.mbn.or.jp/~kodomonositen/

少年法改正に対して、反対の立場から、少年法、少年法改正への意見が述べられている。改正前と改正後の少年法の違い、

なぜ、少年法に反対なのか、などについて、詳しく、そして、わかりやすく、記載されている。