現代政治の理論と実際レポート

「諫早湾の干拓事業」        近藤 温子(002540C)

 

諌早湾干拓事業は、1986年に、関係者すべて力強い推進の決意により、またそれまで反対をいていた漁業者からも推進の要望を受け事業に着手しているということであるが、1997年に行われた諫早市の商店街街頭模擬投票では推進がたったの6%だった。(賛成93%)http://www.cityfujisawa.ne.jp/~559-mori/isahaya/

  これで要望に基づいてといえるのだろうか。省庁の発表と随分かけ離れていると思う。この様な状況で行われている干拓は果たして必要なのだろうか。疑問に思った。

 

1.干拓の目的

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~559-mori/isahaya/

 

(1)優良農地の造成
                                                                

 灌漑用水が確保された大規模で平坦な優良農地を造成し、生産性の高い農業を実現すること。

  ()災害に対する防災機能の強化

諌早湾地域は、土地が低いため、昔から高潮や洪水、排水不良の災害に度々見舞われてきているが、潮受堤防と調整池を設けることにより、これらの災害に対する防災機能の強化を図る。  

 平成 11723日におこった「諫早市集中豪雨」では、32000世帯に避難勧告が出て、死者も1人出たという。

干潟を失った事で、地盤の沈下が起こり、以前からある堤防で、ひどい所では1m沈下。こんな状態では強化されたというのだろうか。                

 2.諌早干拓事業について  *赤字 19991214日 農水省正式発表

   国営干拓事業 

予定工期:1986-2000 2000年から6年延期決定

総事業費:2,490億円 事業費120億円増 

H10年度までの事業費 1875億円   進捗率75,3%            

 本事業は諌早湾の約1/3を締切るもので、事業により湾内の全ての干潟が消滅するものではない。また、その面積は有明海全体の干潟(20,700ha)の約7%にあたる。もともとは事業予算1350億円であったので、1140億円ましではないかと思う。

3.事業の実施状況

   潮受堤防 H11年3月完成

   地区内整備   1、中央干拓地  内部堤防(14km)は、H10年度に試験堤防工事(200m)を行い、この結果にもとづき、H113月から本格的に着手。 

2、小江干拓地  内部堤防はほぼ概成、排水路等の整備を実施中

 

  民主党選挙公約で諫早湾の干拓事業を「中止を含めて見直し」と発表。

この背景には諫早湾の干拓が無駄な事業だと言う考えがある。インターネットで調べると様々な問題点があることがわかった。

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~559-mori/isahaya/

*漁業の視点から

貝柱をすしのネタに使うタイラギなどの貝類は壊滅状態(八年連続休業)となり、シャコ、シバエビ、ワタリガニなども激減。

 有明海のような閉鎖海域では富栄養化が進み、水質が悪化。(それが避けられたのは、広大な干潟があったためである。)

赤潮が頻発するようになった。(対策として、長崎県は調整池の排水を月12〜13回から月20回に増やし一回の排水量を減らすことを決める。)

    干潟の破壊は、生命の循環を断ち切った。

反対に…

有明海で海岸堤防の前面に干潟が年々成長している。

ムツゴロウは、異質干潟に住んでいて、漁獲量も増えており、人工ふ化技術もほぼ確立されているので、絶滅の必要がない。

 

諫早湾干拓事業における営農計画について、 稲作を行うものではなく、野菜や畜産等の生産の振興を行うもので、周辺農家の増反による野菜経営と肉用牛の肥育経営および入植による酪農経営を想定。

農地配分面積1477haのうちバレイショ(全国第2位の生産量)・たまねぎ・レタスなどといった野菜生産に1004haをあてることとしている。しかし干拓地における野菜生産は、地中に残留した塩分が悪影響を及ぼすことが知られており、除塩作業に長い年月と費用を要する。とりわけ諫早湾干拓地は、雨水が 浸透しにくい有明粘土層で構成されていることから、塩分除去はより困難なものと想定される。また農地をリン酸・銅・鉄分・マンガンなどを多く含む土壌に改良する「熟畑 化」に関しても、「5年で可能」というもので、きわめて安易かつ不十分な計画である。

採算ペースにそった畑作生産について当初は非常な困難を伴う。長崎県の示す営農モデル試算(バレイショ・ニンジン・玉ねぎの組み合わせによる大規模野菜経営、1戸あたり面積20haで年間農業所得3300万円)の実現は不可能である。
そもそも
減反政策により長崎県内には多くの遊休農地が放置されており、コストのかさむ新規干拓地を造成する必要性は乏しい。

気候的に牛を飼うのには適さない。

 

反対に・・

今までは大雨が降ったとき、農地の冠水を防ぐために昼夜を問わず水門操作が必要だったが、今はその必要が無くなる。

現在の状況で水門を開けると、今までの莫大な投資が無駄になる。

水質悪化は今後排水設備事業が進展するので心配無い。

長崎県は中山間地農地が多く採算が合わないので、優良農地の供給は必要。

日本の自給率向上は危急の課題。

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~559-mori/isahaya/

 

4.最後に 

色々調べて見て、賛成派、反対派、住民、長崎県,各省庁で言っている事が違っていて、どちらが正しいのか良く分からなかった。同じ住民でも、干潟を壊し、堤防や農地を作ることにより利益を受けるひともいるし、反対に被害を受けるものもいる。

私は、干潟を失うことによって、失うものの方が多いように思える。まず干潟を失い、生態系を失い、漁業による利益を失う。まだまだ沢山のものを知らず知らずのうちに失っていそうで恐い。

最近になって公共事業の見直しが盛んになってきている。民主党の発表では、諌早の事業は反対を含めて検討中であるという。一度壊してしまったものをまたもと通りにするのは大変なことだろうが、元に戻るなら戻した方がよいと思う。今ならまだ間に合うと思う。本当にその事業が必要なのかも疑問に思う。

しかし、水害のことを考えると、事業をやってしまった方が安心できる。自分がそこにすんでいたらいつおこるか分からない災害に備えて防止策を練って欲しいと考えるだろう。そこがすごく難しい。だから推進派もいるのだと思う。

それでも、自然のことや漁業のことを考えると私はできることならこのまま干潟干拓の中止が決定することを願っている。

参考にしたホームページ

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~559-mori/isahaya/

http://www.somucho.go.jp/kansatu/kansatuf.htm