現代政治の理論と実際

介護保健法はなぜ必要?

001352 井上智子

なぜ介護保健法が必要になるのか

20003月以前まではあるわけもない介護保険法制度。では、なぜこのように国単位でまでして動かなければならないのだろう。一応それまでにも介護に対するきまりやシステムがなかったわけではない。何か理由があるはずである。そこで自分なりに情報を集めながらまとめてみた。次のような事が挙げられる。

これでは地域単位の制度で対応していくには限界がある。よって、介護保険法を定め、高齢化社会に向けて国民負担の増大を抑制し医療保険と介護保険を切り離し、効率化を図っていかなければならないのである。

介護保険法の成り立ち

介護保険法が成立する前の実態

介護保健法が執行されるまでの実態はどうなっていたのだろう。平成11年度までの高齢者介護に関する制度は、医療と福祉の縦割りの制度となっており、サービスが自由に選択できない、サービス利用時の負担に不公平が生じている、介護を理由とする長期入院等医療サービスが不適当に利用されてきた。表に表わすと以下のようになる。

老人福祉

老人医療

対象となるサービス

  • 特別擁護老人ホーム等
  • ホームヘルプサービス、デイサービス等

対象となるサービス

  • 老人保健施設、養護型病床群、一般病院等
  • 訪問看護、デイケア等

これでは介護される身となってみたら、かなり不満だらけであろう。金銭面の負担ついてはどうかというと以下のとうりである。

 

費用

1人/月)

利用者負担

1/月)

居室面積

1人当り)

一般病院

50万円程度

3.9万円

4.3u

療養型病床群

40万円強

3.9万円

6.4u

老人保健施設

33万円

6万円

8u

特別擁護老人ホーム

27.1万円

平均約45万円

10u強

かなりの額を負担することになりしかもかなりの額差がある。これらの不公平な実態により介護保健法案がでてきたのである。

介護保険法成立

上記の事柄により介護保険法が、平成9年12月9日、自民、社民、さきがけなどの賛成多数で可決した。これにより平成12年4月から新たな介護保険法制度がスタートしたのである。

介護保健法の内容

介護保健法の概要

介護保健法とこれまで言い続けてきたが、では一体介護保険法とはどういうものなのかにここでは触れていこうと思う。まずは概要をまとめたものが以下のものである。

(概要)市,町,村及び特別区として国、都道府県、医療保険者、年金保険者がこれを支え合う。 被保険者は、第1号被保険者(65歳以上の者)と、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)に分けられる。 保険料は、第1号保険者については市町村が徴収し、第2号保険者については、医療保険者が医療保険料として徴収し、納付金として一括納付する。 利用手続きとしては、被保険者が更請を行い市町村が、介護認定審査会の審査会判定に基づき要介護認定・要支援認定を行う。

このような概要となっている。介護保健法が出来る以前と比べるとかなり介護を受ける者にとって安心して暮らせる内容ではないかと私は思う。

介護保健法本文

かいごほけんほうの概要を先ほど述べてしまったが、ここでは直接本文に触れてみようと思う。しかし介護保健法と一言で言ってもかなりの文量になってしまうので、ここでは要約しながら見ていこうと思う。

総則

  1. 被保険者
  2. 介護認定審査会
  3. 保険給付

    1. 通則
    2. 認定
    3. 介護給付
    4. 予防給付
    5. 市町村特別給付
    6. 保険給付の制限等

  1. 事業者及び施設
  2. 介護保険事業計画
  3. 費用等
  4. 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務
  5. 保健福祉事業
  6. 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務
  7. 介護給付費審査委員会
  8. 審査請求
  9. 雑則
  10. 罰則

このような内容になる。ここまで詳しくしかも法律にまでなるというのは2で述べたような高齢化社会という背景において何の不思議はない事だと情報を集めつつ思った。この介護保健法自体が主体となっているがこの他にもたくさんの制令や条例がある。まだまだ始まったばかりの介護保険法制度だが、どのようにしてそれらを適応させていくかこれからも目を配っていきたいと思う。

考察

高齢化社会が目の前に迫ってきた今、老人福祉を考える事は非常に大切な事である。しかし核家族化が進む現代世代の違う人と触れ合う機会、接する機会がほとんどなくなってきている。誰もが到達する老後の生活が充実したものになるためには今から何らかの対応すべきであると思う。それが今回のレポートでの介護保健法ではないかと思う。この介護保健法をどの程度国民が知り、そしてどの程度うまく利用していけるかによって、この国単位で動く介護保険法制度といったものの本当の価値が現れると私は思う。そして今回のレポート作成の過程により題名でもある”介護保険法はなぜ必要?”の答えが見えてきた。このレポートを通して介護保健法の必要性を私は訴えたい。

 

参考ホームページ

http://www.mhw.go.jp/topics/kaigo99_4/kaigo5.html

http://www.mhw.go.jp/topics/kaigo99_4/index.html

このホームページは実際の老人ホームの写真や図などが豊富に使っていてかなり見やすいし、分かりやすかった。介護保健法の事について詳しく載っているので非常に参考になった。