西尾勝『行政学<新版>』有斐閣 の概要
行政学の序論<現代国家の形成と行政学の誕生との関係>
現代国家の特質:@行政サービスの範囲・規模の膨張 A政府による市場メカニズムへ
の介入 B大衆民主制の実現と現代公務員制の確立
∇☆第1章では@Aの歴史的位置づけを行政サービスの側面から検討
∇☆第2章ではBがもたらした立法・行政関係と政治・行政関係の変動を、行政サービスの生産・
供給の主体である官僚・行政官にかかわる側面から、近代官僚制の変容として歴史的に位置づ
ける。
現代国家における行政体制をめぐる制度改革の課題に応えて誕生したアメリカ行政学の発展史(行
政理論の系譜、組織理論の系譜)←☆第3章
アメリカ行政学を継受、補完した上で独自の行政学の構築に努めてきた日本の行政学について
←☆第4章
行政学の本論1<現代国家の行政活動を枠づけている大枠・中枠・小枠の政府体系・政府形
態。制度論>
現代国家における中央地方関係←☆第5章(∇大枠)
日本における中央地方関係←☆第6章(∇大枠の詳述)
議院内閣制のもとでの政治機関(内閣・首相・大臣等)と行政機関(各省庁等の官僚制組織)の関係=
政党政治家と職業行政官との関係←☆第7章(∇中枠)
∇政府内部での権力分立については省略!
行政活動を担う行政職員を規律している現代公務員制について←☆第8章(∇小枠)
行政学の本論2<官僚制組織の作動様式と職員の行動様式。官僚制論>
官僚制・官僚制組織・官吏制という諸概念の相互関係について整理←☆第9章
官僚制組織の作動様式(官僚制組織の課題・環境とその内部における情報伝達経路が官僚制組織の
多様化の原因)←☆第10章
官僚制組織の規律のもとでの上司と部下の関係(職員の行動様式。よりミクロな次元)←☆第11
章
法令の立案・制定・執行の相互関連と、行政機関の執行活動段階における第一線職員と対象集団の
相互作用の諸相(規制行政活動の事例)←☆第12章
官僚制の病理現象・機能障害現象←☆第13章
∇9〜13章は、「行政活動のひとつの側面」=「官僚制組織内部の力学」に焦点
行政学の本論3<政策の立案活動、法令の起案活動、予算の編成活動。政策論>
政策立案と政策形成の関係、政策立案分析の視座(政策の必要性・現実性・合理性)←☆第14章
課題環境条件の変動の認知と政策対応の必要性の判定(政策立案において最重要)、行政需要の施
策への変換、予測と計画←☆第15章
法令案、行政規則案が日本の中央省庁の内部で発案され決定されていく仕組み(稟議制をめぐる従
来の理解の見直し)←☆第16章
予算編成過程の仕組み(財源の要求と査定)と、会計検査(予算執行結果の確認・検査・統制)←
☆第17章
政策・行政活動の能率とは何か?←☆第18章
∇14〜18章は「行政活動のもうひとつの側面」=「官僚制組織と課題環境の対応関係の力学」
に焦点
「本書では、現代国家の行政活動を担う官僚制組織がいかなる制度の枠組みのもと(行政学の本論1)
で、どのような作動原理にしたがって(行政学の本論2,3)活動しているのかという点に焦点を当
ててきた。」
行政学の締め括り論<再び行政活動の全貌を展望>
管理学の視点+管理学、政策学、制度学の接合・連動←☆第19章
国民による行政統制と、行政官・行政職員の個々人の行政責任←☆第20章
第1章 行政サービスの範囲
第2章 官僚制と民主制 |
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行政学の序論 |
第3章 アメリカ行政学の展開 |
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第4章 行政学の構成
第5章 現代国家の政府体系−中央集権と地方分権
第6章 戦後日本の中央地方関係 |
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行政学の本論1 |
第7章 国の政治行政関係 |
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第8章 現代公務員制の構成原理
第9章 官僚制分析の視座
第10章 官僚制組織の作動様式 |
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第11章 官僚制組織職員の行動様式 |
行政学の本論2 |
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第12章 第一線職員と対象集団の相互作用 |
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第13章 官僚制批判の系譜
第14章 政策形成と政策立案
第15章 環境変動と政策立案 |
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行政学の本論3 |
第16章 日本の中央省庁の意思決定方式 |
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第17章 予算編成過程と会計検査 |
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第18章 行政活動の能率
第19章 行政管理と行政改革
行政学の締め括り論
第20章 行政統制と行政責任 |
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