行政学演習B(中村祐) 191101のノート   佐々木 佐藤 山本 

高速交通

栃木から見た羽田の国際化について

前回発表時の補足

諸外国の主要国際空港との比較

出典;東京都都市計画局 『政策の実現に向けて』 http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/SHOUSAI/70B19203.HTM 平成12
 
東アジア各国の主な大規模空港

空港名

仁川国際空港

位 置

ソウル市の西52km(海上埋立)

開 港

2001年3月

 

開港時

全体計画

面 積

1,174ha

4,744ha

滑走路

3,750m×2

3,750m〜4,200m×4

処理能力

 

滑走路

17万回/年

53万回/年

旅客施設

2,700万人/年

1億人/年

 

 

 

空港名

上海浦東国際空港

位 置

上海市の南東約30km

開 港

1999年10月

 

開港時

全体計画

面 積

1,252ha

3,200ha

滑走路

4,000m×1

4,000m×4

処理能力

 

滑走路

12.6万回/年

32万回/年

旅客施設

2,000万人/年

7,000万人/年

 

 

 

空港名

東京国際空港

位 置

東京都大田区

開 港

1993年9月(沖展U期供用開始)

 

現在

全体計画

面 積

894ha

1,100ha

滑走路

3,000m×2  2,500m×1

処理能力

 

滑走路

25.6万回/年

27.5万回/年

旅客施設

 

 

 

空港名

新東京国際空港

位 置

千葉県成田市(東京より約50km)

開 港

1978年5月

 

現在

全体計画

面 積

550ha

1,065ha

滑走路

4,000m×1

4,000m×1

 

 

2,500m×1

処理能力

 

滑走路

12万回/年

22万回/年

旅客施設

 
世界の大都市空港の比較
http://www.toshikei.metro.tokyo.jp/ksk/01-1.pdf
 
羽田・成田棲み分け論――アメリカの例をとって――
ワシントンのレーガン空港は原則として運航距離が1250マイル以内の路線、ニューヨークのラガーディア空港は原則として運航距離が1500マイル以内の路線しか使用できないとのルールが設定されている。このルールは、国内線、国際線、米国社、外国社を問わず原則として全ての航空路線に適用される(『日本航空の主張』http://www.jal.co.jp/keynote/)。
ワシントン首都圏には、レーガン空港のほかにダレス空港とボルチモア空港がある。ワシントンDC中心地と3空港の位置関係は、レーガン空港は7km、ダレス空港は42km、ボルチモア空港は51kmである(参考資料;http://www.jal.co.jp/keynote/key05/key_4.html)。ワシントンDCの場合、需要中心地から最も近いレーガン空港は1,250マイル(約2,000km)以内の航空機に限定し、その基準は国際線・国内線、自国航空会社・他国航空会社問わない。反対に、ダレス、ボルチモア両空港は制限が無い。
ニューヨーク都市圏にはラガーディア、JFK、ニューアークの3空港があり、それぞれ需要中心地から13km、20km、26km離れている。この場合は、ラガーディア空港が1,500マイル(約2,400km)の制限があり、その他の2空港は制限が無い。この棲み分け経緯は、レーガン空港(当時ナショナル空港)周辺の混雑や騒音が深刻化する一方、ダレス空港では閑古鳥が鳴いていた。これを是正するために棲み分けを行った。
成田の国際旅客便一日約300便の内、韓国、中国、香港、マニラ、グアム、サイパン等の近距離路線便数は約100便、年間36000回である。これを羽田に移行し、その発着枠を成田空港は新規、或いは増設の航空乗り入れ要求の受け入れや、国内線における幹線路線である札幌、名古屋、大阪、福岡、沖縄の各路線に加え、仙台や広島、鹿児島などからの乗り入れも認めてはどうだろうか。
羽田空港再拡張の必要性
国土交通省の首都圏空港容量需給予測によれば、現在65%程度である羽田発着国内線の平均ロードファクターは、今でも世界に突出して高い羽田の航空機大型化比率を前提にしても、羽田が再拡張後の2005年頃に70%、さらに2015年頃には80%を超え、年末年始や夏の繁忙期のように、座席の予約取得が極めて困難な状況が1年中続くものと予想されている。一方、国際線については、成田空港の暫定平行滑走路が供用されても2007年頃には需給が逼迫し、本来の2,500m平行滑走路が整備されて発着枠が年22万回に拡大したとしても、2015年頃には平均ロードファクターが70%を超え、再び需給は逼迫すると見込まれている。(http://www.jal.co.jp/keynote/key05/key_1.html

羽田空港の国際化について(電話による聞き取り調査 平成13年11月15日現在)

国土交通省(国際企画調査室 伊藤さん)

目的 成田空港の混雑解消。成田空港の利便性の問題。

平成13年2月26日より、深夜国際チャーター便を、週2回運行。

通常便の深夜・早朝運行 運行しない。

理由 顧客が少ない。相手国との関係もある。騒音等の問題。

現在 沖合い滑走路等が建設されており、有効利用したい。

 

大田区(都市計画課 星さん)

基本的には、大田区としては、指示する。

地元と共生していく、周辺の環境と調和した発展した空港を求める。

これに関しては、国と検討している。

国際チャーター便を増やそうという案が、国土交通省からでている。

但し、A滑走路、一番内陸にあるが、昨年の7月より、朝 5便飛行機が飛ぶが、かなりの音がする。

しかしながら、大部分の滑走路が、沖合い滑走路のため、現在 そこは東旅客ターミナル建設中だが、騒音に関しては、かなり静かになっている。人間の耳による感覚でも、静かである。

 

環境について

根拠となる法

環境基本法(平成5年11月19日成立 最終改正 平成12年6月2日 公布の日から施行)

この法には、公害防止計画の作成及びその達成の推進が、規定されている。

(公害防止計画の達成の推進)
第十八条  国及び地方公共団体は、公害防止計画の達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。

すなわち、国及び地方公共団体は、公害防止計画の達成に努めなければならない。航空機の騒音もこれに該当する。

参考文献

http://law.e-gov.go.jp/ 環境基本法

 

そのために、成田空港においては、航空機騒音の現状を把握するため、航空機騒音測定を行っている。開港時と比較して、発着回数が大幅に増加しているにもかかわらず、航空機の低騒音化等により、騒音レベルは、ほぼ横ばいである

 

航空機騒音対策

@平成6年 航空法改正

初期のB747型機等の旧基準機・・・段階的に運行の制限を行う。平成14年度から運行禁止。新基準機への以降。

 

航空機の低騒音機について

ICAO(国際民間航空機関)付属書16により、亜音速ジェット機の騒音証明基準が定められている。

チャプター2・・・旧基準(騒音基準強化前の基準)平成14年4月以降、運行禁止。

チャプター3・・・新基準(騒音基準が強化。現在最も厳しい基準)昭和53年に決められた基準

 

B777−200、B747−400、A321、DC10、MD11、MD90、B777、B767、B737・・・チャプター3に該当。いわゆる新基準機

DC8、DC9―41 B707、B747、B727・・・チャプター2に該当。

技術の進歩により、一層の騒音低減が可能。現在、ICAOでは、チャプター3より、更に強化された基準案の検討がなされている。

 

航空宇宙技術研究所

 ジェットエンジン低騒音化の研究

  現用の旅客機並びに次世代の旅客機に用いられるジェットエンジンの低騒音化に向けた研究を行う。このエンジンの騒音は主に高速で噴出する排気ジェットと前面で大量の空気を吸い込むファンで生ずる騒音からなっている。そこでこれらの部分からの発生音を抑制する騒音源低減技術や、反位相の二次音との干渉によって互いにうち消し合うアクティブ騒音低減技術などの実用化の検討を行っている。

 

A航空機のエンジンの試運転を行う際には、消音施設を使用する。平成10年末に新しい消音施設完成。

 

B滑走路西側部分を中心に防音堤・防音林の整備

「成田空港周辺緑化基本計画」に基づいた平行滑走路に係わる防音堤・防音林の整備

 

C住宅防音工事の助成・公共施設防音工事の助成

 

D周辺対策交付金の交付・・・千葉県・千葉県の14市町村と茨城県・茨城県の4町

空港使用料を財源とする

公共施設等の防音施設の維持費、道路・公園等の整備費用の一部に当てられる

 

参考文献

http://www.narita-airport.or.jp/naa/eco/index.html NAA エコ・エアポート構想

http://www.jal.co.jp/ JAL環境報告書

http://svc.ana.co.jp/ 全日空と環境

http://www.mlit.go.jp/ 国土交通省 

http://www.nal.go.jp/ 航空宇宙技術研究所

羽田空港

1931年(昭和6年)8月に開港。

1964年から1971年(昭和39年から昭和46年)にかけ、3本の滑走路を有する羽田空港完成。

 

成田空港

1978年(昭和53年)5月に開港

 

航空旅客輸送実績の伸び率 (平成8年度 図でみる運輸白書より)

国際: 1.76(昭和50年から昭和59年)

1.56(昭和59年から平成5年)

 

国内: 2.10(昭和50年から昭和59年)

2.16(昭和59年から平成5年)

 

航空貨物輸送実績の伸び率 (平成8年度 図でみる運輸白書より)

国際: 2.66(昭和50年から昭和59年)

 2.16(昭和59年から平成5年)

 

国内: 2.64(昭和50年から昭和59年)

1.59(昭和59年から平成5年)

 

 

福島空港

質問:羽田空港が国際化されると、福島空港にとって利益があるのでしょうか?それとも不利益があるのでしょうか?

 

羽田空港国際化についてお答えいたします。
ご承知のとおり、福島空港には東京便がありません。それは、福島空港が首都圏の補完空港の役割を果たすと考えるほど東京に近く、福島市から新幹線で約1.5時間の距離だからです。
福島空港の国際定期路線は中国(上海)、韓国(ソウル)の2路線であり、その他の国際路線を使う人は、成田空港や仙台空港などを使っていると思われます。
羽田空港が国際化した場合、成田空港よりも近距離のため、空港までの移動の面で有利となることから福島県民にとって利便性が上がるものと思われます。
また、仙台空港と比較した場合、羽田空港までは遠距離であるが、集客力があるため路線数、便数が多くなることが予想されることから、やはり利便性は上がるものと思われます。
しかしながら、海外旅行の荷物の多さを考えると、混雑した首都圏を経由しての自動車移動は快適とは言えず、バスや鉄道等を乗り継いでの移動は苦痛とも言えると思います。福島県民にとって1番有益なのは1番近い福島空港から世界各地に旅行できることです。
福島空港は約2,100台の無料駐車場を備えており、自動車専用道路により迷うことなく速やかに移動できるため、長期の海外旅行には大変便利です。
ただし、羽田空港の国際化によって利便性が上がれば、福島空港への路線誘致が難しくなり、十分な便益供与ができなくなることが危惧されます。