行政出版物の意義と使い方
―住みやすさの視点から―
国際学部国際社会学科4年 田中絢子
はじめに
私が栃木県で生活をし始めて4年目になる。人口5万人の実家で育った、私にとっては人口44万人の宇都宮は大きな都市であり、気に入った生活の場である。その一方、大学生活の中で日々思うことは、田舎出身者を含めて宇都宮を気に入っている人がほとんどいないということだ。さらに、全国的知名度が低いことや、特色の欠如という点は私自身も生活の中で感じる所である。そこで、果たして、宇都宮または、栃木県は住みにくいのだろうか?という疑問を持ち始めた。
住みやすさの基準とは?今国民が求めるニーズって何?これらの疑問を持つにつれ、疑問を解決すべく時に私が使ったのが行政出版物であった。各省庁が出している出版物の多くは研究書、白書であり、そこには時代のニーズと課題、住みやすさの基準や、対策がのっており、私の疑問を晴らすのに大いに役立ってくれた。
そこで、今回の行政学演習では、各自が今後この基準を元に対象地域を考察できるように第一に住みやすさの基準の視点から見た行政の出版物の意義、第二に身近な計画としての栃木県総合計画の使い方を取り上げ考察し、国民と行政の接点である出版物(研究書)の使われ方についてを住みやすさの視点から考察したい。
目次
はじめに
第一章 行政出版物の意義
一節
行政の住みやすさ基準
二節
国民の現状についての研究白書
第二章 行政出版物の使い方
一節
とちぎ総合計画いついての概略
二節
新しい総合計画について
三節
とちぎ総合計画三期計画の進捗結果
まとめ 考察
第一章 行政出版物の意義
第一節 行政の住みやすさ基準
「住みやすさ」という抽象的な概念について決まりは個人の価値観に由来するものであると考える。しかし、行政は一定の基準を定めそれに添った形で判断していることから、行政の定める、住みやすさについてまとめたい。
(1)新国民生活指標とは何か
注)平成10年度
新国民生活指標 経済企画庁国民 生活局 編 を 参照作成
「豊かさ指標」=「新国民生活指標(PLI:people s
Life Indicators)」
・生活水準・豊かさを総合的に把握するために目安となる生活統計体系
・生活に関わる多くの情報を個人の生活感覚を整理して、分かりやすくかつ具体的な形で数量化したもの
・生活の多面的な側面をきめ細やかく把握し、地域社会の豊かさや特徴を捉え、個々人が豊かさを考え、自らの地域やライフスタイルを見なおすための情報として、活用される事を期待。
・PLIは、毎年、個別指標や地域別の体系の変更を行なうなど、現在でも試算段階にある。有識者、関係機関はもとより、国民からの意見や提案を生かして、さらに生活の現状や実感にあった指標体系となるように改善に努めている。
PLIの8つの活動領域と4つの生活評価軸
・PLIでは住む、費やす、働くと言った基礎的活動だけでなく、遊ぶ、学ぶ、交わると言った高度な生活活動にも注目し、以下のような8つの活動領域を設定した。
PLIの8つの活動領域 住む……住居、住環境、近隣社会の治安等の状況 費やす…収入、支出、資産、消費生活等の状況 働く…賃金、労働時間、就業機会、労働環境等の状況 育てる…(自分の子供のための)育児・教育支出、教育施設、進学立等の状況 癒す…医療、保険、福祉サービス等の状況 遊ぶ…休暇、余暇施設、余暇支出の状況 学ぶ…(成人のための)大学、生涯学習施設、文化的施設、学習時間等の状況 交わる…婚姻、地域交流、社会的活動等の状況 |
・豊かさはある1つの視点ではなく、様々な軸から総合的に評価して捉えることが大切であり、各活動領域を重層的に捉えるため、4つの「生活評価軸」を設定した。
PLIの4つの生活軸 安全・安心…個人の欲求としてより基本的な軸 公正…格差の少ないし焼きのやさしさ度を表す軸 自由…個人生活面での選択の幅を示す軸 快適…より気持ちよく生活できるかを示す軸 |
・社会尺度から個人尺度へ
PLIでは社会全体としての視点ではなく、あくまで個人(成人)の視点から生活上の諸相について評価する立場をとっている。
・PLI策定の経緯
生活の状況を示す指標体系については、昭和45年より国民生活審議会を中心に開発が行なわれ、昭和49年から「社会指標(SI:socialIndicators)」として、また昭和61年からは「国民生活指標(NSI:New Social Indicators)」として公表されてきたところであるが、近年の急激な経済社会状勢や価値観の変化等を踏まえ、従来の指標にかわる新たな指標づくりの必要性が高まったことを受け、国民生活審議会の元に調査委員会が設置され、平成4年5月、調査委員会報告として、「新国民生活指標(PLI:Peole s Life Indicators)」取りまとめられた。http://www.epa.go.jp/99/c/19990622c-pli.html
ちなみにこの指標による栃木県の活動領域バランス図は次のとおりである。
全国平均=50
(2)平成11年度
国 民 生 活 選 好 度 調 査
−国民の意識とニーズ 注)HPより編集
・平成11年度国民生活選好度調査について
1.調査の目的
本年度の国民生活選好度調査は、1978年度以降3年ごとに実施している時系列調査であり、国民生活政策の立案あるいは政策実施の際の判断材料とすることを目的とし、国民生活の様々な分野のニーズ、満足度等、人々の主観的意識について調査を行った。また、本年度は格差、能力主義、情報通信の高度化に関する意識についても調査を行った。
2.主要調査項目
(1) 国民生活に関係する60項目についての重要度、充足度
(2) 10の福祉領域の重要度、政策優先度
(3) 生活全般の満足度、幸福度、階層帰属意識
(4) 格差と能力主義に関する意識
(5) 情報通信の高度化に関する意識
http://www.epa.go.jp/2000/c/0217c-senkoudo/senkoudo.html
以上(1)と(2)が行政の取り決めている今現在最も新しい、判断基準である。この判断基準の指標によって各地域別の豊かさや、女性、高齢者の住みやすさについて考察している。つまり、この指標に基づいて宇都宮市を見ることでどの部分が欠如して、どの部分が他より優れているのかがわかる一つの考察基準になりうるだろう。しかし、この判断基準こそが変動的なもので、時代の流れ、価値観によって流動することを留意しなければならない。そこで、次節で、この指標の基準になった現在社会の流れや、国民の求める物について紹介したい。
第二節 国民の現状についての研究白書
各省庁がそれぞれの所管する行政分野に関して報告し、今後の課題と施策を具体的に述べるのが「白書」である。各省庁からは多く研究書、白書が毎年出されており、これらを通読することで今まで断片的にしかわからなかった日本の姿を見ることができる。
さらに、これらの多くの出版物はホームページ上にて読者の利便性を考慮して編集、収録していることから多くの国民に、現在のニーズわかりやすく伝えられる趣旨となっているので、紹介しておく。中でも経済企画庁編纂、国民生活白書はよりわれわれの生活に身近な事を扱っており、国民がこれまでの生活を振り返り、新しい時代について考察できるような内容であると判断する。
〈参考資料〉
障害者白書 |
総理府 |
http://www.sorifu.go.jp/ |
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男女共同参画白書 |
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観光白書 |
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公害紛争白書 |
公害等調整委員会 |
http://www.kouchoi.go.jp/ |
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交通安全白書 |
総務庁 |
http://www.somucho.go.jp/ |
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行政管理・総合調整白書 |
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青少年白書 |
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高齢社会白書 |
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規制緩和白書 |
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警察白書 |
警察庁 |
http://www.npa.go.jp/ |
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防衛白書 |
経済企画庁 |
http://www.epa.go.jp/ |
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経済白書 |
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世界経済白書 |
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国民生活白書 |
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科学技術白書 |
原子力安全委員会 |
総理府 |
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原子力安全白書 |
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環境白書 |
環境庁 |
http://www.eic.or.jp/eanet/ |
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土地白書 |
国土庁 |
http://www.nla.go.jp/ |
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防災白書 |
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水資源白書 |
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首都圏白書 |
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独占禁止白書 |
公正取引委員会 |
http://www.jftc.admix.go.jp/ |
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犯罪白書 |
法務庁 |
http://www.moj.go.jp/ |
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外交清書 |
外務省 |
http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html |
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教育白書 |
文部庁 |
http://www.monbu.go.jp/ |
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農業白書 |
農林水産庁 |
http://www.maff.go.jp/ |
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林業白書 |
林野庁 |
http://www.rinya.maff.go.jp/index.html |
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漁業白書 |
水産庁 |
http://www.jfa.maff.go.jp/ |
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通商白書 |
通商産業省 |
http://www.miti.go.jp/index.html |
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中小企業白書 |
中小企業庁 |
http://www.sme.ne.jp/ |
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運輸白書 |
運輸省 |
http://www.motnet.go.jp/mthome_.htm |
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気象白書 |
気象庁 |
http://www.kishou.go.jp/ |
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海上保安白書 |
海外保安庁 |
http://www.kaiho.motnet.go.jp/ |
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通信白書 |
郵政省 |
http://www.mpt.go.jp/ |
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労働白書 |
労働省 |
http://www.mol.go.jp/ |
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婦人労働白書 |
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建設白書 |
建設省 |
http://www.moc.go.jp/index-j.html |
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地方財政白書 |
自治省 |
http://www.mha.go.jp/ |
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消防白書 |
消防庁 |
http://www.fdma.go.jp/ |
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公務員白書 |
人事院 |
http://www.jinji.admix.go.jp/top.htm |
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厚生白書 |
厚生省 |
http://www.mhw.go.jp/ |
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私はこのような多くの白書を読むことで「住みやすさ」とは、今社会が求めているニーズを汲み取り、そこから生まれてくることである事を実感した。つまり行政が定めた住みやすさ指標とは、以上のような研究書から現代社会の一般的な価値観を科学的に分析し、それに即した形で決定されている。また、このような研究書は誰が見ても分かりやすいように工夫されていることから、その意味で各省庁が出しているこれらの出版物は意味があるものであり、私達はこれを読むことで世の中の流れを理解することができる。
さらに一節、二節の資料を見ると次の事を考察した。住みやすさとは行政が国民に補償し得る当たり前のサービスである。だから専門家によって社会を綿密に分析し、毎年、それらの研究書ともいえる膨大な数の現代分析・計画・課題を発行し、一つのことをこれだけ詳しく分析、計画、課題を導かせることができるということは行政ならではである。以上のことについてより重要なのはこれらの企画計画書、分析出版物、が一般の人にどのように使われているか,使いやすくなっているのかという点である。そこで、身近な行政の出版物として県の計画書を例にして、次の章で明らかにしたいと思う。
第二章 行政出版物の使い方
第一節 栃木総合計画についての概略
栃木県代替的な計画として挙げられるのが「総合計画」である。そこでこの計画の立て方、情報公開について考察することで、出版物の使い方の一例としたい。
1 総合計画とは
県を取り巻く多様な時代の潮流の中で、次の時代においても、着実な県勢の発展と豊かな県民生活の実現を図っていくためには、県の進むべき方向を示す明確な将来ビジョンと、それを実現するための具体的なプランを、総合的・体系的に示したもの。現在の総合計画としては「とちぎ新時代創造計画」が実施中であり、今年の12月でこのプロジェクトは終了となる。
「栃木新時代創造計画」とは、栃木県知事の渡辺文雄氏が県知事に就任した時に、栃木県の地域社会の活性化を目的に−栃木新時代―をいった、プロジェクトを掲げ、その具
体的道筋と、県政運営の指針となるべく振興計画である。 この政策過程は、平成6年(1994)の豊かな栃木県づくりに関する県民意向調査の実施、栃木県の総合計画につい ての懇談会など数回行なった上で、平成8年(1996)に「とちぎ新時代創造計画三期計画」としての5ヵ年計画である。
第二節 新しい総合計画について
県の総合計画である「栃木神事大創造計画三期計画」が平成12年度(2000年度)をもってその計画期間を終えることから、三期計画の成果を承継しつつ21世紀という新たな時代に適合した県政を推進していくための基本指針として、平成13年度(2001年度)から始まる5か年間の新しい総合計画を策定中。
とちぎ21世紀フォーラムについて
21世紀の“とちぎ像”について各地域の県民のご意見・ご提言を集め、新しい総合計画に反映していくため、とちぎ21世紀フォーラム「21世紀のとちぎへ−20世紀からの提言」を開催。
これら二節.については栃木県では平成13年度から実施される総合計画に向けて、住民参加を最も重視して現在この他多くの研究会、懇親会、イベントを行なっている。ホームページにアクセスすれば、簡単に計画の主旨や内容、要望も書きいれることができる。その点について考察するとこの計画は、広くに開かれた形でつくられており、住民が主体であるという基本に真摯に対応しているように思える。(ホームページにて詳細参照http://www.pref.tochigi.jp/)しかし、私が注目したいのは平成12年度ももって計画期間が終わる事になる「とちぎ新時代創造計画三期計画」の進捗状況や問題の受け渡しの状況である。昨年、地域実習の調査で日光市の総合計画書について計画のその後について市役所の職員に聞いたところによると「計画はあくまで計画であって、終わったらそれまでである」というようなことをヒヤリングした。今回、栃木県の総合計画が修了するのに対し、、これらの計画の結果についての情報は公開されなければ、完全な意味での情報公開ではないと考え、計画結果についての調査した。
第三節
とちぎ新時代創造計画3期計画の進捗結果
以上にも述べたように、新しい総合計画については住民参加を強調し、ホームページ上にて詳しく詳細がかかれているが、今年の年末に終わる現在の総合計画の進捗状況などは公表されるのかどうかについて、県庁企画調整科にヒアリング調査をした。
結果としては、計画の結果はプロジェクトが終了した半年後にまとめるということであったが、前回二期計画の結果のやり方と同様になるとのことであった。その二期計画の結果であるが、以下のである。
1.要項
(1)県では、平成3年1月に策定した「とちぎ新時代創造計画二期計画」(計画期間:平成3年〜7年)を県政運営の指針として、各般にわたる施策を積極的に推進してきた。
(2)平成7年度で二期計画の計画期間が終了したため、今回、二期計画の各論に記載された重点主要な事業128項目について実施状況を取りまた。
(3)128項目の状況は、計画を大きく上回った事業13項目、概ね計画どおり進捗した事業105項目、計画を下回った事業10項目となっている.なお、計画を下回った事業の多くは、用地取得や関係者の合意形成が計画どおり進まなかったことなどによる。
(4)また、計画期間5か年の投資的経費は、計画事業費の1兆535億円に対し、実績一兆2.426億円で、計画に対し118%の実績になっている.
(5)今後は、とちぎ新時代の実現に向け、「とちぎ新時代創造計画三期計画」(計画期間:平成8〜12年度)の着実な推進に努めていく。
2.内訳
施策体系の柱 |
項目 |
計画を大きく上回った事業 |
概ね計画どおりの事業 |
計画を下回った事業 |
T明日をひらく人づくり |
25 |
- |
25 |
- |
U明るく幸せな社会づくり |
28 |
7 |
19 |
2 |
V快適で安心な環境づくり |
46 |
4 |
38 |
4 |
W豊かな生活の基礎づくり |
29 |
2 |
23 |
4 |
合計 |
128 |
13 |
105 |
10 |
施策体系の柱 |
計画事業費 |
計 |
T明日をひらく人づくり |
559 |
706 |
U明るく幸せな社会づくり |
646 |
704 |
V快適で安全な環境づくり |
7005 |
8223 |
W豊かな生活の基礎づくり |
2325 |
2793 |
計 |
10535 |
12426 |
(注)
*目標に数値があるのに対しては、8割成功している物に対して「計画を大きく上回ってしる」とし、5割を「概ね計画どおりの事業」それ以下は「計画を下回った」としている。
*数値目標が設定していないような:老人が住みやすい社会をつくる:といったような物の評価基準としては「計画の遂行を実施しなんらかのインパクトがあった」「計画を実施した」「計画に取組まなかった」といった抽象的な判断となっている。
以上が計画に対しての結果報告になっている。県民に対しては下野新聞に、以上と同様な分が少し記載されただけであり、不十分で抽象的なものである。その点について職員は、今回のとちぎ総合計画3期計画については同様なものにしかならないけれど、情報公開が叫ばれる中で、新しい計画から具体的な結果をだす方向で検討中であるということである。
これから見ると、まだ栃木県の総合計画はまだ住民参加という意味で不充分ではないかと判断したい。しかし今後情報公開の流れに沿う形で計画のプロジェクトについて具体的な数値でホームページに載せていくなど、改善の予定はあるようだ。また、出版物では毎年県庁の企画調整科より出している「県勢白書」に計画の進捗状況を載せているので、こちらをもっとわかりやすく公開する方向でも検討中とのことである。
まとめ
今回、行政出版物の意義と使われ方ということで少し範囲が広がり、いいたいこと考察したことがばらばらになってしまったところがあるので、簡潔にまとめたいと思う。
・住みやすさとは行政が国民に補償し得る当たり前のサービスという行政の前提だから、専門家によって社会を綿密に分析し現代分析・計画・課題を発行し、一つのことをこれだけ詳しく分析、計画、課題を導かせることができる。 ・研究書には多くの情報が詰まっており、使い方は使用者次第である。 ・研究書を見ることで時代の流れ、住みやすさについての基準を考察できる。よって、地域開発を考える際、行政研究書は多いに活用できる。しかし、行政はそれら研究書を国民(対象住人)にもっとわかりやすく公開する必要がある。 ・栃木県の計画については、まだ情報公開が完全にはされていなく、まだ計画書は身近なものではない。 |
最後に今回、多くの研究書を読むことで現代社会を多面的な方面から観ることができたという点で収穫はあったが、大きな反省として、少し内容が飛火的になってしまい、概説的レポートになった。章立てに上げた題目一つ一つ重要なテーマになりうることがらなので、もっと細かく深く追求すべきであり、問題の着目について絞込むことを次回から心掛けたいと思う。