宇都宮市のゴミ行政
行政学ゼミ 国際社会学科3年 松島一志
宇都宮市の環境行政の1つであるゴミ行政に着目し、宇都宮市の一般廃棄物のゴミ問題やリサイクル問題の現状や対策について以下まとめていき、環境行政のあり方について考察していく。
(以下は「平成11年度版清掃事業概要、市環境部清掃課」と「平成11年度版うつのみやの環境、市環境部環境課」を参考資料として所々抜粋)
このレポ−トは大きく5つに分けて構成しすすめていく。
1.環境問題に対する市の施策
2.市内のごみに対する予算の現状
3.市内のごみの現状
4.市の一般廃棄物処理計画
5.ごみの減量化や資源化にむけた市や市民の現在の取り組み
1.施策・事業
@環境管理計画の概要
・平成7年3月、宇都宮市では環境行政の総合的かつ計画的な推進を図るため「宇都宮市環境管理計画(うつのみや環境プラン)」を策定した。ゴミ問題についてみてみると一例として、平成7年の4月から、5種9分別・半透明ごみ袋使用の完全実施・粗大ゴミ個別有料収集(リクエスト方式)による「平成のゴミ改革」を市全域で実施し始めた。
A環境活動推進協議会
・ 上の計画に掲げる目標の実現に向け、市民・事業者自らが身近にできる環境保全などについて意見交換や実践活動を行うため、平成9年4月に設置した。
(主な活動)
平成9年度・・・「清潔で美しいまち」の推進を図るため、実践活動(空缶など散乱物の除去)を通じ、ごみのポイ捨て防止に対する市民意識の高揚を呼びかけた。
平成10年度・・うつのみや遺跡の広場において除草活動を実施
平成11年度・・市民参加による実践活動の輪を広げることを目標に全国都市緑化とちぎフェアうつのみや会場予定地において、「緑化フェアグリ−ンキャンペーン」と称して、小枝拾い・散乱ゴミの除去・ミックスフラワ−の種蒔き等の環境美化・保全活動を実施。
B各種保全事業の推進
a.「空缶などの散乱防止に関する条例」に基づく取り組み
市・市民・事業者が一体となって空缶などの散乱を防止し、地域環境美化の向上及び資源の有効な利用の確保を図りながら、良好な都市環境づくりを目的とした「宇都宮市空缶などの散乱防止に関する条例」を平成8年12月に制定し、平成9年4月1日から施行した。
本市周辺の3市12町と「栃木県央都市圏空缶など散乱防止対策協議会」を組織し協力体制で各種事業を展開している。
[主な取り組み]
・主要幹線道路への横断幕の掲出
・4市12町合同のポイ捨て防止キャンペ−ンの実施
・公共施設などでの啓発物品などの配布
b.各種対策の実施状況
[啓発活動]
・市制テレビ番組・広報誌などによる周知
・関東地方統一美化キャンペ−ンの実施
[清掃活動など]
・宇都宮市環境活動推進協議会における実践活動
・全市一斉清掃の実施
・鬼怒川クリ−ン作戦の実施
[調査活動]
・散乱ごみサンプリング調査
・クリ−ンアップフェアにおけるアンケ−ト調査
[検討推進体制]
・栃木県央都市圏空缶など散乱防止対策協議会(4市12町)
c.空き地の適正管理指導
空き地の雑草などの繁茂に起因する害虫や犯罪の発生、ゴミの不法投棄
の誘発、あるいは枯草の密集による火災の発生などを未然に防止し、近隣
生活環境を損なうことのないよう、空き地の適正管理を土地の所有者・管
理者によびかけている。
2.平成11年度清掃費予算
@歳入
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市債 分担金及び負担金 国庫支出金 使用料及び手数料 諸収入 |
7,732,400,000円 1,664,400,000円 1,086,600,000円 919,100,000円 161,700,000円 |
66.9% 14.4% 9.4% 7.9% 1.4% |
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計 |
11,558,100,000円 |
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A歳出
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ごみ処理施設建設費 清掃総務費 ごみ処理費 し尿処理費 地域下水処理施設費 |
10,756,300,000円 3,579,400,000円 2,500,200,000円 593,600,000円 557,600,000円 |
59.8% 19.9% 13.9% 3.3% 3.1% |
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計 |
17,987,100,000円 |
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3.市内のゴミの現状
@人口・世帯数の伸びとゴミ処理量の推移
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年度 |
人口 |
指数 |
世帯数 |
指数 |
ゴミ量 |
指数 |
紙布除ゴミ |
指数 |
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H1 |
422948 |
100 |
139046 |
100 |
173734 |
100 |
173734 |
100 |
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H2 |
424889 |
100.5 |
141389 |
101.7 |
177882 |
102.4 |
177882 |
102.4 |
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H3 |
428291 |
101.3 |
147811 |
106.3 |
181206 |
104.3 |
181206 |
104.3 |
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H4 |
429514 |
101.6 |
150679 |
108.4 |
184846 |
106.4 |
184846 |
106.4 |
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H5 |
430029 |
101.7 |
152775 |
109.9 |
186465 |
107.3 |
186465 |
107.3 |
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H6 |
434860 |
102.8 |
155201 |
111.6 |
190772 |
109.8 |
190772 |
109.8 |
|
H7 |
435357 |
102.9 |
156415 |
112.5 |
170379 |
98.1 |
159690 |
91.9 |
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H8 |
438235 |
103.6 |
159769 |
114.9 |
177025 |
101.9 |
164913 |
94.9 |
|
H9 |
440353 |
104.1 |
162814 |
117.1 |
184583 |
106.2 |
169429 |
97.5 |
|
H10 |
442548 |
104.6 |
166094 |
119.5 |
188554 |
108.5 |
171901 |
98.9 |
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上の表からみても分かるように、年々増え続けているゴミの量が平成7年度では逆に減少し、平成元年度よりも少なくなっている。これは平成7年4月から行なわれた「うつのみや環境プラン」による影響だと考察される。このプランにより、リサイクルの方も推進されていった。
A市内の可燃系ゴミ・不燃系ゴミの内訳 (単位:t)
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区分 |
可 燃 系 ご み |
不 燃 系 ご み |
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年月 |
焼却ごみ |
資源物(紙・布類) |
埋立ごみ |
資源物(ビン・缶類) |
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7年度 8年度 9年度 10年度 |
138,975.70 157,086.87 165,306.70 169,536.78 |
138,975.50 144,975.34 150,152.30 152,883.54 |
2,622.76 2,407.10 2,384.50 2,516.82 |
16,020.60 15,772.30 15,079.47 14,568.39 |
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月均 日均 |
14,128.06 464.48 |
12,740.29 418.86 |
209.74 6.90 |
1,214.03 39.91 |
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*有害ごみは、資源物(びん・缶類)に含む。
・人口増加によりごみの増加はある程度やむをえないが、その増加を
どれほど抑えられるかがポイントとなってくる。上の表を見る限り
埋め立てごみは、平成7年度に比べて減少している。埋め立てず資
源化を推進した成果がここに出ていると考察できる。
B犬・猫死体収集状況
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年度 |
平1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
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収集量 |
2,245 |
2,520 |
2,322 |
2,484 |
2,503 |
2,424 |
2,639 |
2,984 |
2,850 |
2,969 |
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Cごみステ−ション数の推移
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平成9年4月1日 |
10,853件 |
※平成7年度より全て共用ステ−ション に変更。また、粗大ゴミは戸別有料収 |
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10年4月1日 |
11,175件 |
集(リクエスト方式)となりステ−シ ョンは廃止。 |
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11年4月1日 |
11,454件 |
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D不法投棄処理件数(特別清掃指導班)
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年度 項目 |
H 1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
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件数 |
55 |
71 |
74 |
101 |
95 |
58 |
16 |
33 |
10 |
12 |
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処理量(t) |
259 |
143 |
110 |
173 |
124 |
70 |
29 |
72 |
18 |
23 |
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・平成7年度を境に件数は減少しており、特別清掃指導班の活動の
成果がここにあらわれていると考察される。
4.市の一般廃棄物処理実施計画
@宇都宮市の一般廃棄物の定義
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区 分 |
内 容 |
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資 源 物 |
新聞紙・チラシ、段ボ-ル、雑誌・その他の紙、布類、ビン缶類 |
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有害ゴミ |
蛍光灯など水銀を含むもの、スプレ-缶など爆発性のあるもの、カミソリ等鋭利なもの |
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焼却ゴミ |
生ゴミ、プラスチック類、皮革製品など燃やせるもの |
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埋立ゴミ |
陶磁器、金属製品、小型電気製品など燃やせないもの |
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ゴ |
粗大ゴミ |
家電品、家具類、自転車など大きさが50p以上250p以下で重さが100s以下のもの |
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多量のゴミ |
引っ越し、大掃除、植木の手入れなどにより、家庭から一時に多量に排出されるもの |
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適正処理困難ゴミ |
事業活動に伴い排出されるもの |
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ミ |
胞衣汚物等 |
市が行う一般廃棄物の処理を著しく困難にし、又は市の処理施設の機能に支障が生ずるため、市で受入しないもの |
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動物の死体 |
犬、猫などの死体 |
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牛乳パック |
500ml及び1000mlの飲料用紙容器(原材料としてアルミニウムが利用されているものを除く。) |
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不法投棄ゴミ |
投棄禁止又は排出方法に違反して投棄されたもの |
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生 活 |
し 尿 |
一般世帯、事務所などにおける人体からの排泄物 |
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排 水 |
浄化槽汚泥 |
し尿浄化槽を清掃したときや、汚泥の濃度調整をした時に 汲み取られる汚泥 |
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A一般廃棄物の処理量
1収集ごみ (単位:t/年)
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区 分 |
処理量 |
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資源物(紙布類) 資源物(びん缶類)有害ごみ 焼却ごみ 埋立ごみ 粗大ごみ |
19,500 14,500 157,080 2,440 2,150 |
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合 計 |
195,670 |
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2その他の一般廃棄物
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区 分 |
処理量 |
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胞衣汚物等 動物の死体 牛乳パック 適正処理困難ごみ し尿 浄化槽汚泥 |
3,000kg/year 3,100体/year 19t/year 300t/year 23,900t/year 35,700t/year |
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Bごみ中間処理計画
1中間処理体制
・中間処理については次の体制で行い、区分のうち資源物(びん缶類)、
有害ごみ、焼却ごみ、埋立ごみ及び粗大ごみは、市内から発生するもの、
及び事務委託に基づき河内町及び上河内町から搬入されるものの中間処理
を行う。
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区 分 |
処理方法 |
処理主体 |
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資源物(紙布類) |
再資源化のため選別・圧縮・梱包 |
委託 |
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資源物(びん缶類) |
再資源化のため選別・圧縮 |
委託 |
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有害ごみ |
蛍光灯 |
有害物除去のため水銀抜取り |
委託 |
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その他 |
再資源化のため金属類の選別 |
委託 |
|
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焼却ごみ |
減容化のため焼却 |
直営 |
|
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埋立ごみ |
破砕後、再資源化のための金属類の選別 |
委託 |
|
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可燃性 |
破砕後、減容化のため焼却 |
直営 |
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粗大ごみ |
不 燃 |
廃家電品 |
フロンガス回収後、破砕、金属類の選別 |
委託 |
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性 |
その他 |
破砕後、再資源化のため金属類の選別 |
委託 |
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胞衣汚物等 |
斎場において焼却 |
直営 |
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動物の死体 |
焼却 |
委託 |
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適正処理困難ごみ |
破砕後、再資源化のため金属類の選別 |
許可 |
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・処理に関して民間企業に委託しているケ−スが多い。
2焼却処理
・宇都宮市では3つの焼却施設で焼却している。
@屋板清掃工場(実処理能力:250t/24h)
A下荒針清掃工場(120t/24h)
B河内清掃工場(190t/24h)
《焼却処理量》
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区 分 |
屋板 |
下荒針 |
河内 |
合計 |
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宇都宮市内の焼却ごみ 選別・破砕施設から 河内町から搬入 上河内町から搬入 |
75,360 40 |
36,700 |
45,020 880 7,600 1,400 |
157,080 920 7,600 1,400 |
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合 計 |
75,400 |
36,700 |
54,900 |
167,000 |
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3不燃物選別・破砕処理
T.施設
・選別施設:リサイクルセンタ−
・破砕施設:河内清掃工場粗大ごみ処理施設
[リサイクルセンタ−]
河内清掃工場に搬入される不燃物を粗大ごみ処理施設において破砕
処理する前に、手工業により選別し、危険物及び資源ごみを分別・回
収することにより、粗大ごみ処理施設の運転の効率化、事故防止と作
業の安全確保及び資源の有効利用と最終処分場の延命化を図る。
※不燃ごみ処理フロ−シ−ト
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ごみ |
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|||||||||||||||
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||||||||||||||
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ストックヤ−ド |
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|||||||||||||||
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||||||||||||||
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投入不適ごみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・埋め立て |
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投入ホッパ− |
一斗缶など大型鉄類・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
資源化 |
||||||||||||||
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供給コンベア |
ごみ袋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
焼 却 |
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||||||||||||||
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選 |
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廃プラスチック類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
焼 却 |
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別 |
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中型鉄類 |
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磁選機 |
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鉄類 |
|
金属圧縮機 |
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鉄ブロック |
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資源化 |
|||||||
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アルミブロック |
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|||||||
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コ |
|
アルミ類 |
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|||||||||||
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ン |
カレット白・・・・・ |
|
・・・・・・・・・・ |
資源化 |
||||||||||||
|
ベ |
カレット茶・・・・・ |
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資源化 |
|||||||||||||
|
ア |
カレット緑・・・・・ |
貯留ピット |
埋 立 |
|||||||||||||
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カレット黒・・・・・ |
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埋 立 |
|||||||||||||
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残渣 ・・・・・ |
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埋 立 |
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U.選別・破砕処理量
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処理量 |
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区 分 |
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宇都宮市 |
河内町 |
上河内町 |
合 計 |
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資源物(ビン缶類)有害ゴミ 埋立ごみ 粗大ごみ |
14,500 2,440 2,150 |
860 189 180 |
270 1 30 |
15,630 2,630 2,360 |
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合計 |
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20,630 |
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資源化量 焼却施設への搬出量 不燃残渣量 委託処理量 |
13,400 920 4,950 1,350 |
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Cごみ最終処分計画
・最終処分量
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区 分 |
処 分 量 |
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焼却残渣 不燃残渣 |
11,770〓/year (18,730t/year) 8,250〓/year ( 4,950t/year) |
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ごみ小計 |
20,020〓/year (23,320t/year) |
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し尿処理焼却灰等 |
270〓/year ( 340t/year) |
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ごみ・し尿小計 |
20,290〓/year (23,660t/year) |
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覆土 |
190〓/year ( 300t/year) |
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合 計 |
20,480〓/year (23,960t/year) |
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Dごみ処理施設整備計画
1中間処理施設の整備
@新清掃工場の建設
・一般廃棄物を適正かつ安定的に処理するため、新清掃工場(クリ−ン
パ−ク茂原)を平成9年度から建設中。
A既存施設の整備・改良
・屋板、下荒針、河内清掃工場については、引き続き安定した一般産業
物の処理が行えるよう修繕工事を実施する。また、屋板清掃工場にお
いてダイオキシン類の削減対策として改良工事を実施する。
2最終処分場の整備
・長岡最終処分場の増設工事が竣工し平成14年度まで埋立期間が延長され
たが、引き続き安定した最終処分が行えるよう、新最終処分場の整備を推
進する。
5.ごみの減量化や資源化にむけて
@ごみ発生抑制・リサイクル計画
1市民・事業者・市の協力
・廃棄物減量等推進審議会の設置や清掃指導員の活動により、市民・事業者
および市が一体となり、ごみの発生・排出抑制と再資源化に努める。
2市民によるごみ減量化の取り組み
・市民は、大量生産、大量消費、大量廃棄につながる「使い捨て」の生活様
式を改めるとともに、再利用、再生品の積極的な使用、資源物団体回収等
への参加などにより、地域レベルで資源循環型社会の形成に努める。
《例》
・資源物団体回収活動の実施 ・「ごみ減量行動手引き」の活用
・不用品交換やフリ−マ−ケット等の活用 ・再生品の積極的利用
・生ごみのコンポスト化容器利用による自家処理
3事業者によるごみ減量化の取り組み
・事業者は、長く使うことのできる製品の供給、廃棄された場合の回収や再
生、適正な包装など総合的な自己処理システムを構築するとともに、再生
原料の積極的利用などに努める。
《例》
・長く使える製品の供給 ・アフタ−サ−ビス体制の整備
・リタ−ナブル容器を利用した製品販売 ・簡易包装の徹底
・業務用生ごみ処理機等による自己処理
4市によるごみ減量化の取り組み
・市は、率先してごみの減量化に取り組むとともに、市民・事業者に対する
意識啓発等の施策・事業を推進する。
@意識啓発の推進
市は、ごみの減量化・資源化の意義について市民と事業者に対しあらゆ
る機会を通じて、意識啓発に努める。
《例》
・「ごみの分別と正しい出し方」パンフレットの配布
・「ごみ減量行動手引き」の作成、配布
・小学4年生に冊子「わたしたちのくらしとごみ」を配布
・広報うつのみや「清掃コ−ナ−」欄に隔月、ごみ減量特集記事を年2回
掲載
・ごみ減量キャンペ−ン:毎年1回、ごみ問題への関心を高め、ごみ減量
とリサイクルを推進するため開催している。(「リサイクル展示会」、
「ごみ減量リサイクル大会」の開催)
Aごみ減量活動の推進
市は、市民と事業者のごみ減量化、資源化の取り組みの促進に努める。
《例》
・資源物団体回収へ助成 ・ハ−トクラブ加盟者への活動支援
・コンポスト化容器、生ごみ処理機購入への助成
・事務系生ごみ資源化事業の具体的検討
B事業系ごみに関わる事業者処理責任の徹底
事業者の処理責任を徹底するための方策の検討及び実施
《例》
・関係機関との連携による減量行動等の説明会の開催
・大規模事業所に対する減量計画作成などの個別訪問指導
・自己処理基準の強化及び徹底方法の検討
5排出抑制・再資源化効果
・排出抑制、再資源化効果量については、年48,519tを見込んでいる。
(単位:t/年)
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排出抑制効果量 |
再資源化効果量 |
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資源物 |
紙布類 |
12,500 |
|
紙布類 |
19,500 |
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|
団体 |
びん缶類 |
500 |
分別収集 |
牛乳パック |
19 |
|
|
回収 |
小計 |
13,000 |
|
小計 |
19,519 |
|
|
コンポスト化 |
2,600 |
不燃系ごみ選別回収 |
13,400 |
|
||
|
合計 |
15,600 |
合計 |
32,919 |
|
Aコンポスト容器及び機械式生ごみ処理機設置費補助金制度
・焼却ごみ中の生ごみの減量を目的に、昭和60年度コンポストモニタ−調査を経て、昭和61年度より補助金制度を設け普及を図っている。また、平成9年度より集合住宅の増加及び防臭・防虫の面を考慮して機械式生ごみ処理機の補助金制度を設けた。
1条件
・市内に住所を有し、かつ居住している者
・容器または処理機を設置できる敷地を有する者
・肥料化された生ごみを自家処理できる者
2補助額
・コンポスト容器:購入価格の1/2(上限3,000円)
・機械式処理機:購入価格の1/2(上限10,000円)
3普及実績・・・計10,642件
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年度 |
普及実積(件) |
年度 |
普及実績(件) |
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61年 62年 63年 元年 2年 3年 4年 |
2,024 1,472 757 613 503 576 749 |
5年 6年 7年 8年 9年 10年 |
550 935 764 456 (95)393 (527)850 |
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( )機械式処理機で内数
4宇都宮市コンポスト容器及び機械式生ごみ処理機設置費補助金交付要綱
(途中略)
第2条 この要綱は、コンポスト容器及び機械式生ごみ処理機を購入し、
及び設置する者に対し、経費の一部を補助することにより、生
ごみ等の堆肥化を促進し、その減量を図ることを目的とする。
(以下略)
Bハ−トクラブ
・商品の購入の時点から、ごみの減量とリサイクルを推進するため、市内の小売店を対象として、「ハ−トクラブ」加盟店制度を発足した。
1主な推進事項
・簡易包装の推進
・エコマ−ク等再生品の販売
・ダンボ−ル等の再資源化
2登録状況
平成11年3月現在、計759店舗
C牛乳パックのリサイクル
・平成3年度から出張所、公民館、地区センタ−など24ヶ所に「みどりのボックス」を設置し、牛乳パックの回収を行っている。
D落ち葉のリサイクル
・落ち葉をごみとして捨てずに、堆肥化するようパンフレットなどで市民に呼びかけている。
E資源ごみ回収推進事業
・ごみの減量、資源の再利用をめざし、昭和53年度から開始した。
この事業は各地区の子供会、育成会などを中心に年々活発化し、この事業を通して大人と子供のふれあい、物を大切にする心など地域のコミュニティ作りの一助となってきた。また、平成元年11月より集団回収と平行して、月1回資源ごみの日を設け(資源ごみは現在使っているごみステ−ションに出し、ごみステ−ションからの回収は業者が行う)新しい「ステ−ション方式」のシステムを推進している。
報償金は発足当時、売却額の10%であったが、昭和56年度から20%に増額、昭和61年10月から回収重量1sにつき2円と回収実施1回につき1000円に改めた。さらに平成2年度からは、回収重量1sにつき4円に改めた。
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年度 |
@ |
紙類(s) |
ビン類(本) |
金属類(s) |
布類(s) |
その他(s) |
回収量(s) |
A |
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S53 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 |
431 685 701 714 608 575 566 550 527 501 509 |
2,040,653 7,085,820 8,307,875 9,624,680 11,051,578 11,273,671 12,154,225 11,739,422 11,931,388 11,820,416 10,995,375 |
910,174 1,254,604 1,221,990 1,323,674 1,228,646 1,031,896 994,438 790,387 723,873 598,821 506,727 |
505,957 840,612 818,737 886,876 823,211 691,339 666,274 529,559 485,019 401,210 339,572 |
64,722 66,445 75,085 64,740 85,080 86,288 96,203 140,711 156,212 163,507 135,634 |
3,449 11,458 12,051 14,553 12,229 11,141 10,997 10,145 10,795 8,867 9,134 |
3,175,427 8,577,345 9,754,696 10,949,905 12,084,505 12,175,607 13,039,390 12,542,913 12,689,445 12,498,908 11,570,723 |
100 270 307 345 381 383 411 395 400 394 364 |
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※昭和54年度から昭和63年度のデ−タは省略
@:届出団体の数
A:昭和53年度を100として回収量を比較
・宇都宮市資源物の集団回収に関する報償金等交付要綱
(途中略)
第2条 この要綱は、資源物の集団回収を市民の自主事業として実施している団体又は資源物の回収業者に対し資源物集団回収報償金又は資源物回収事業補助金を交付することにより、資源物回収活動の活性化を図り、もって一般廃棄物の減量と資源の再利用を促進することを目的とする。
第3条 この要綱において資源物とは、一般廃棄物のうち古紙、空きびん、金属
類、布類その他資源として再利用が可能なものをいう。
第4条 報償金は、資源物の集団回収を実施している団体で、次の各号に掲げる
要件のいずれにも該当するものに対し交付するものとする。
1市内に住所を有する者で営利を目的としないこと。
2資源物の集団回収を定期的に行っていること。
2 補助金は、集団回収により集められた資源物を回収する業者で、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものに対し交付するものとする。
1市内に事業所又は住所を有すること。
2主たる事業又はそれに準ずる事業が、資源物の回収及び売却であること。
3この要綱に定める資源物の全てを回収し、及び売却することが可能であること。
4この要綱の趣旨を理解し、安定的かつ継続的に協力することが可能であること。
第5条 報償金の額は、回収した資源物の重量1sにつき4円とする。
2 補助金の額は、回収した資源物の重量1sにつき1円とする。ただし、指定された複数の場所に集積した資源物を1月につき1回以上定期的に回収する事業である場合は、資源物の重量1sにつき2円とする。
(以下略)
※宇都宮市のペッドボトルの資源化について
・宇都宮市では、現在ペッドボトルは資源物ではなく焼却ごみとして処理されている。ペッドボトルの資源化についていえば、市は積極的にペッドボトルを回収・資源化するコンビニやス−パ−に大きく遅れをとっている。しかし市の方もようやくペッドボトルの資源化について着手しはじめたようだ。関係者の話によると、資源化が現実のものとなるにははやくて今年の10月以降、遅くて来年度になるという。ペッドボトルの収集自体は可能で処理過程状況は整っているらしいのであるが、市の予算がらみの問題や委託会社との 関係の問題など受け入れ体制が整っていないというのが現実らしい。まだ全てが準備中であるとの事である。
<まとめ>
・ 普段宇都宮市に住む我々は週に2回、焼却ごみをごみ捨て場に持っていき、週に1回それぞれ資源ごみや有害ごみ、埋め立てごみをごみ捨て場に出す。市の方で市民に、ごみの分け方の紙を配布するのだが、ス−パ−やコンビニで積極的にリサイクルされているペッドボトルやトレ−がリサイクルできない焼却ごみと一緒の種類に分類されていることが、市のごみ行政について調べてみたくなった1つの大きな動機であった。調べていくうちに、いろいろな小さな活動やコンポスト容器・生ごみ処理機の補助金制度、子供会などの資源ごみ回収運動の存在などを知り、市もごみ問題について何も手を打っていないわけではないという事がよく分かった。
しかし、情報提供不足ならびにリサイクル体制不足、市・市民・事業者の協力体制の不備という感はまだまだ払拭されそうにない。まず情報提供の件であるが、たとえばペッドボトル1つとってみても、リサイクルのマ−クがついてないペッドボトルをリサイクルセンタ−にもっていってもリサイクルできないという情報をどれくらいの市民が知っていることであろうか。またビデオやカセットテ−プは焼却ごみで、ガラスやコップは埋め立てごみという情報やなぜそういうふうに分類されるのかその根拠を市民に明確に表示する必要性もあると私は思う。私自身、ガラスを市の方針にしたがって埋め立てごみとして捨てる時、この選別のあり方についてしばらく考えた経験がある。選別のあり方や、資源物はどのようにリサイクルされどんな物として生まれかわるのか市は詳しく市民に情報を公開しなければならない。
次にリサイクル体制についてであるが、ペッドボトルについては上でとりあげたのでここでは省略する。市は政策として牛乳パックのリサイクルをとりあげているが、資源ごみとして明確に打ち出されていないのが現状でありおそらくそれは雑誌・その他の紙の中に位置付けられているのであろう。牛乳パックのリサイクルを奨励しているのに、そのリサイクル体制が市で確立されていないこの状況は矛盾している以外の何物でもない。トレ−においても同様である。リサイクルできるトレ−も焼却ごみとして捨てられている。一刻も早くこの種のリサイクル体制の整備が強く望まれる。また、我々のごみ捨て場において、たとえば新聞コ−ナ−、ビンコ−ナ−、牛乳パックコ−ナ−というふうにしてきちんと種類別に我々市民が区分けした方がいいと思う。現在は資源物のごみ捨て場というと、ビン缶や紙類が混合して捨てられている。それを我々が細かくコ−ナ−を設けて区分けしていくと、それを運ぶ業者にとっても都合がいいであろうし、我々もリサイクルの問題意識が高まる気がする。
とはいえ、我々市民だけの力ではこえられない問題もやはりあるわけで、市や事業者との協力体制を充実させていかなければならない。ペッドボトルのリサイクル化が遅れている背景には、市と事業者との連携の難航が一因にあげられている。リサイクルを計画立案する市、ごみを出す我々市民、そのごみを運び実際にリサイクルを行う事業者、この3つが1つになってこの問題に取り組んでいかない限りごみ問題はいい方向には向かっていかない。
我々市民もリサイクルに対する意識が今一つ欠けているような気がする。この意識を高め、実際に活動して市にはたらきかければ、市も本腰をいれてこの問題に取り組んでいくことであろう。リサイクルがさかんになれば、処理するごみの量も減り、きれいで美しく住みやすい街づくりができるはずである。そのためには、自分の住む街のごみの状況、リサイクル状況、それに対する自治体の取り組みなどをしっかりと把握する必要がある。把握した上で我々が今しなければならない事は何かというのをみんながそれぞれ考えなければならない状況に来ているのではないかと私は思う。