地方行政論(月曜 3−4時限)

  テーマ:『インターネットが果たす町づくり』

清水文香(990531U)

  1. はじめに
  2. 日本全国には、約3300の市町村が存在している。彼らは各々独自に「自分たちの町づくり」を展開している。彼らのほぼ全てがホームページをたちあげており、自分たちの町づくりを公表している。

    今、町づくりは行政ではなく、住民の手によってなされる時代になった。こうした状況の変化の中、町づくりの状況もかわりつつある。そこで、私は、「インターネット」に注目してみた。情報拡散能力のあるインターネットに、住民からの町づくり参加を促す役割が果たせるのではないか。まずは町づくりに関して、さまざま点から紹介からしようと思う。

     

  3. 町づくりの担い手は誰か

現在、町づくりの担い手は、行政中心からNPOも含めた多様な主体へとかわりつつある。多様な主体には、市民活動から個人活動、NPOなどの非営利民間組織などがある。これらの町づくりの活動、どのようにして町づくりに参加しているかを以下に説明する。

 

もどろみ夢ネット21という団体があるが、これは美しい自然環境を守り、自然と調和した町づくりを進めようと、ごみ減量や花いっぱい運動など環境問題にも取り組む市民活動である。「自分たちの町は、自分たちでつくろう」をスローガンに、平成9年7月に発足した。現在、会社員、主婦、公務員など16名会員が月1、2回夜に町中央公民館に集まっている。

 

愛知県に住んでいる尾崎智央さんは、個人でホームページをたちあげており、愛知県を中心に町づくりとは何かを公開している。彼は、実際仕事で関わったり、訪問して住民から話しを聞いて「住民主体による町づくり」についてまとめている。

 

(特定非営利活動法人 練馬町づくりの会)

練馬区を住み続けたい町にするため、「市民主体による町づくり」を推進し、発展させ定着させていくことを目的としている。

(NPO)

1998年3月には、特定非営利活動促進法が成立し、市民活動支援をめぐる環境づくりも本格的に展開している。現在、町づくりの担い手が、行政中心からかわりつつあり、実際、神奈川県大和市では、ホームヘルプサービスの3分の1は、NPOが支えている。これからの時代は、NPOとの交流、協議なくして町づくりは成り立たないといってもよい。

 

  1. インターネットによる町づくり

ほとんどの町が、彼らの町づくりをインターネットで公開している。

以下にホームページに公開されていた2つの町の「町づくり」を紹介しようと思う。

 

宮崎県の北方町では、干支を町づくりに利用しています。昭和62年に始まったこの町づくりは、独創的かつユニークで住民に親しみやすいものとなっている。平成元年には、「ふれあい道しるべの設置」、平成4年には「ふれあい遊歩道(うさぎ橋)の完成」、同6年には「干支大橋」「未(ひつじ)トンネルの開通」がなされた。

 

沖縄県北谷町は、沖縄本島の中部に位置し、県の基幹道路である国道58号が南北に縦走する地理的条件を有している。西海岸は、都市近郊では数少ない良好な海浜空間を備えており、昭和62年にはコースタール・コミュニティー・ゾーン(C・C・Z)として建設大臣の認定を受け、地域活性を活かした「海辺のふれあいゾーン」として安全でうるおいのある海岸環境の整備にはげんでいる。

 

実際、神奈川県大和市では、ホームページの公開によって住民の町づくりへの参加は増加した。大和市では1995年に都市計画マスタープランの策定にあたり、インターネットによる市民からの意見募集を行った。インターネットからの市民参加は現実社会(市民懇談会やポスターセッションなど)の10倍の参加者を得ることができた。また、これまで参加の得られなかった就業就学層の取り込みにも成功したそうだ。

 

  1. まとめ−考察を交えて−
  2. 以上紹介したものは、全てインターネットに公開されていた内容である。私はこれらを見るまで、町づくりがインターネットに公開されていることを知らなかった。と同時に、インターネットによって町づくりができないか考え始めるきっかけにもなった。現在、町づくりに関わっている人も、またこれから関わろうとしている人にとってもインターネットによる情報収集、情報交換は大変役に立つものである。

    インターネットの持つ最大の特徴の一つは、電子メールのやりとりに端的に現れる双方向性である。発信者から受信者に一方的に情報を伝えるのではなく、受信者から発信者に対して、簡単に送信できるというすばらしい特徴を持っている。この情報のやりとりは、一回きりではなく、卓球のラリーのように何度も繰り返すことができる。よって各自治体は、住民の意見を聞くのに、電子メールを最大限に利用したらいいのではないかと考える。

     

    しかし、現実はうまくいかないようだ。実際、私は町づくりを進めている5つの自治体にEメールを送ってみた。その結果、神奈川県大和市から丁寧な解答を得た。しかし、残り4つの自治体からの解答は得られなかった。以下に大和市から送信されたメールを紹介する。私の質問に対し、二人の担当者からメールをいただいた。

     

     

     

    清水文香様 おはようございます。

    大和市情報政策課 原と申します。

     

    さっそくご質問にお答えします。

    まず一点目の「ホームページの公開によって住民の町づくり参加は増加したか」というご質問です。

     

    大和市では、1995年に都市計画マスタープランの策定にあたり、インターネットによる市民からの意見募集を行いました。インターネットからの市民参加は現実社会(市民懇談会やポスターセッション)の10倍の参加者を得ることができました。また、これまで参加の得られなかった就業就学層の取り込みにも成功しました。

     

    次に二点目のNPOとの交流のより町づくりを進めているか、というご質問については、こちらは大和市市民活動課から解答いたします。

     

    最後に三点目の「住民からのメールは町づくりの際役に立っているか」というご質問について

     

    しみん意見の反映状況のついては、ポスターセッションで得られた全意見数の約5割程度が何らかの形で計画書の反映されているのに対し、電子メールでは意見件数に対して2割程度の反映にとどまっています。

     

    紙とほぼ同質の内容をHPに掲載し、電子メールにより意見を集める方法では、情報提供範囲の拡大には効果を発揮しますが、参加の継続性や計画内容への理解度の問題があり、市民意見の反映率は低くなっています。

     

    大和市役所市民活動課 井東と申します。

    NPOの担当をしています。

    質問2「NPOとの交流による町づくり」についてですが、現在、町づくりの担

    い手が、行政中心からNPOも含めた多様な主体へと変わりつつあります。事実

    大和市でもホームヘルプサービスの三分の一は、NPOが支えています。これか

    らの時代は、NPOの交流というか協議なくして、町づくりは成り立たないと思

    います。

     

    そのため、市民活動と行政との協議のしくみづくりに取り組んでいるところです。

    内容についてはよろしかったらホームページをご覧ください。

    http://www.city.yamato,kanagawa.jp/katudo/katudo-top.html

     

    何かございましたら、ご連絡ください。よろしくお願いいたします

     

     

     

     

     

    その大和市では、ホームページにメールにリンクするのを設けており、住民からのメールをもうけつけている。

     

    「町」はそこに住む人によってつくるのが大事な事だと思う。反映率が低くても、住民の意見に対し、きちんと解答する姿を全自治体は見習うべきだ。双方向性を活かすという点で、電子メールだけでなく、ホームページ上に「掲示板コーナー」を作り、住民と行政、また住民と住民の間でオープンに意見をかわしていけるようになればいいと思う。実際、神奈川県藤沢市は、ホームページに「市民電子会議室」なるものを設け、「ネットワーク上のコミュニティーづくり」をめざし、身近な生活の話題から地球環境に関することまで、さまざまな意見や情報の交換が行われているそうだ。

     

    しかし、このように町づくり参加をするのに良い環境が作られても、住民が町づくりに対する知識が不足しているので、感情的になったり、自分の利益だけを主張したりと、なかなかうまくいかないようだ。

     

    私が思うに、町づくりから始めるのではなく、住民の町づくりの学習環境から作っていくべきである。そこではじめて「住民による町づくり」は始まる。

     

     

     

     

  3. ホームページの紹介

 

NPOに関することが書かれている。町づくりNPOネットワークの活動内容も載っている。

尾崎智央さんのホームページ。愛知県を中心に町づくりに関する内容が載っている。

NPOのグループのホームページにリンクできる。

特定非営利活動法人の「練馬町づくりの会」のホームページ。町づくりの会の活動などが載っている。

藤沢市市民電子会議室に関するホームページ。市民参加の市政を目指す中、その中の「市民電子会議室」について紹介されている。

宮崎県北方町の町づくりに関する内容が書かれている。

沖縄県北谷町の観光に関する内容が書かれている。北谷町のおすすめ観光スポットが満載しているので、北谷町に行ってみたい人におすすめのサイト。

沖縄県庁のホームページ。沖縄県の市町村にもリンクできる。

千代田区へのメールを受け付けているサイト。千代田区のホームページにもリンクできる。