各地方自治体の環境保全対策について

川村 カナエ(990116X

  1. はじめに
  2. 近年、環境破壊が大きな問題として取り上げられている。この環境問題に対し、各地方自治体はどのような取り組みを行っているのか。日常生活の中で個々人が取り組めることも多いだろう。各地方自治体がどのように住民と密着し、環境保全のための取り組みを推進しているのか、見ていこうと思う。

     

  3. 各地方の現状・各地方自治体の取り組み

  1. 札幌市
  2. 札幌は、人口や経済活動の拡大に伴い、都市生活型の環境問題が大きな課題になっている。また化石燃料の消費量拡大により、地球温暖化の主因である二酸化炭素の排出量が増大している。札幌市の持続的発展を築いていくためには、これまでの生活のあり方を見直し、環境への負荷の少ない都市づくりが必要なようだ。

    そこで自治体は地球環境保全のための課題・行動指針を掲げ、計画の推進体制を整え、環境保全のための取り組みを推進している。

    地球温暖化の防止、森林資源の保全と脅威、酸性雨(雪)の防止、オゾン層の保護などの実現のために『エネルギーを有効に利用する都市の実現』『環境低負荷型の交通網を持つ都市の実現』『廃棄物の少ない都市の実現』などの具体的施策を立てている。

    さらに各市民が率先して取り組むよう、市民の行動指針として、具体的に次のようなことを挙げている。

    《日常生活における環境負荷減のための取り組み》

    省エネルギー:こまめな節電、効果的な暖房や融雪、太陽熱の有効利用

    自動車の適切な利用:公共交通・自動車・徒歩の利用、低公害車の選択、

    環境負荷の少ない運転

    ゴミの減量・資源回収:使い捨て製品の自粛、長期使用・再利用可能な

    製品の選択、資源回収への協力

    水環境の保全:水の節約、環境負荷の少ない洗剤の使用、使用済み油の

    適切な処理

    《身近な地域における環境保全・創造のための取り組み》

    身近な自然の保全と育成:住宅や道路の緑化活動、身近な緑地や水辺地

    の保全

    資源回収・再使用活動の推進:資源ゴミの回収活動、フリーマーケット

    の開催

    雪に強い都市づくりの推進:除排雪の効率化

    環境教育・学習活動の推進:学校と地域の連携、自然観察会の開催

    公共の場におけるマナーの遵守:ゴミの投げ捨て、ペットの扱いのマナ

    −を守る

     

    このように札幌市では家庭・学校・地域・企業・社会などの様々な場に

    おける、市民の環境保全のための取り組みを推進している。

     

  3. 堺市
  4. 世界保健機関が発がん性について従来より強い危険評価を打ち出した猛毒物質ダイオキシン類について環境庁は6月20日、昨年度の大気中濃度の測定結果を公表した。

    調査は全国21市区町村を選び96年夏と冬のダイオキシン濃度の平均値をまとめた結果、堺市車之町東が最も高く、1立方メートル当たり、1.6ピコグラム(1ピコグラムは1兆分の1)を測定。同地は仁徳天皇陵から北西に約1.5キロの同市の中心部にあり調査地点は市役所から500メートル離れた住宅地である。西1キロの臨海地帯には工場群になっているが、排出源とされるごみ焼却場は確認されていない。

    同市だけでなく、焼却施設から離れた都市部の多くの測定地点から高濃度で検出されたことからダイオキシン汚染が広範囲になっていることを裏付けた。ちなみに、大都市部の平均濃度(1.02ピコグラム)は欧米の10倍前後に達し、環境庁は排出規制などの対策を急ぐ方針である。

     

  5. 河内長野市

今年度から市は職員の夏用作業服にペットボトルからリサイクルした材質(ポリエチレンテレフタレート)と綿の混紡の再生服を採用している。6月から貸与を始めたが、今後冬用作業服や事務服などにも採用し、数年後には前職員が再生服を着用する予定である。河内長野市では昨年10月から、ペットボトルの回収を実施し公共施設11か所で五月末までに2.6トンが集まったが、まだ再生率が低いため市職員自らが再生商品利用の先頭に立つことで、市民のリサイクル意識を高めることが目的である。

 

  1. まとめ

このように、各地方自治体は環境保全のために現状調査や何らかの対策を立てていることがわかった。その中でも特に、札幌市の取り組みに共感を持った。環境保全のために、私達が日常生活の中で取り組めることも多い。それらをバックアップするような取り組みを推進しており、他の自治体もこのような活動を行うべきだと思った。札幌市のように自治体と市民が手を結び、環境保全が実現すれば良いと思う。

そこで最後に、私は環境保全実現のために以下のような取り組みを提案する。

 

市民・企業・行政の協働による計画推進体制

  1. 市民や企業の環境保全・創造活動の推進(例:省エネやゴミの減量)
  2. 環境保全の寄与する産業や技術の振興(例:再使用容器への転換)
  3. 環境教育・学習活動の推進 (例:学校と地域の連携)

環境保全・創造のための都市作り施策

  1. エネルギーを有効に使う都市の実現
  2. 廃棄物の少ない都市の実現
  3. 豊かな自然環境に包まれた都市の実現

地球環境保全の実現

  1. 地球温暖化の防止
  2. 森林資源の保全と育成
  3. 酸性雨の防止
  4. オゾン層の保護

 

 

<参考にしたホームページ>

http://www.city.sapporo.jp 札幌市の自治体のホームページ。札幌市の環境問題の実態や、環境保全にむけての具体的な取り組みが載っている。

http://www3.osk.3web.ne.jp

近畿各地方自治体のホームページ。堺市や河内長野市などの環境問題の実態、環境保全対策のほか、様々な情報が載っている。