オンラインジョイントセミナー2020 感想
宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科4年 川口直樹
今年は僕にとって2回目のジョイントセミナーであった。昨年のジョイントは良い思い出だ。初めて訪れた館山は暖かかった。久々に海を見て、やはり海なし県民としては多少テンションが上がった。一から作り上げた新スポーツ「すしティメット」を披露し、一定の評価を得ることができて自信がついた。他大学の研究発表を聞き多くの学びを得た。2日目夜の打ち上げでは他大学の学生との交流を楽しみ、ビンゴではAmazonギフトカードを頂戴した。そんな昨年の段階で、今年の幹事を宇都宮大学が務めることは決まっていた。実際に参加して、全体の流れや幹事校として直面しそうな苦労などはある程度分かっていた。昨年、幹事校として素晴らしいジョイントを作り上げた山梨県立大学の皆様に敬意を表するとともに、今年は自分たちが幹事校として、昨年を超えるジョイントにしよう。新年を迎え、そんな決意を新たにした矢先の新型コロナウイルスであった。長い歴史を誇るジョイントセミナーは今年、史上初のオンライン開催となった。幹事校というだけで責任は重い。加えて、僕たちはオンラインジョイント幹事のパイオニアになるのだ。否が応でも緊張感が高まった。
前例がないというのは不安である。形式がガラッと変わり、昨年の経験が通用しない場面も多い。一方で、前例に縛られることがないという点で無限の可能性が広がっていた。オンライン開催に合わせたタイムスケジュールから質疑応答の方法に至るまでのすべてを自分たちで決められることは、難しさと同時に幹事校のやりがいを感じた。Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用したグループワークなど、対面形式にはない新たな試みにも果敢にチャレンジした。僕は成功も失敗も含めて、今後のオンライン開催時に少しでも参考にできるものを提供することが、初のオンラインジョイント幹事校の使命だと思っていた。もちろん、実際に運営してみて分かった改善点はあるし、参加者それぞれに不満や文句もあっただろう。しかしジョイントの在り方に正解はなく、オンラインジョイントの1つの形を提示することはできた。そういう点で、今年の幹事校としての役目は果たせたのではないかと思う。
夏を迎えるころから本格的に動き出し、中村ゼミに関わる皆が運営や発表の準備に心血を注いだ。その中でも、幹事校代表として最前線で働き続けた小島隼平氏の献身性は目を見張るものがあった。進路関係が12月まで長引いたこともあり、僕はしおりを作り当日にちょっと司会をやった程度の仕事しかできなかった。それでも無事にジョイントを終えられたのは、他大学との連絡調整から当日のメイン司会までマルチにこなした小島氏のハードワークゆえである。そのユーティリティ性を存分に見せつけた彼の貢献のおかげで、僕の負担は最小限に抑えられた。準備段階を含め、ジョイント期間中の働きに改めて感謝申し上げたい。その小島氏の感想は僕の次に掲載されている。この1年、誰よりもジョイントの成功を願い、働き続けた男の言葉は一読の価値がある。とくとご覧あれ。
以下4行は余談である。ジョイント期間中、個人的に大きな発見があった。それは大学入学時から愛用してきたパソコンのバッテリー持ちの良さであった。僕は「充電中はパソコンをいじらない」ことを信条としている。しかし今回のジョイントは初日が7時間10分、2日目が5時間20分の開催で、昼休憩を除きZoomに接続しっぱなしの状態。さすがに充電が持たないと見ていた。Zoom接続中の充電もやむなし、と半ば諦めていたが、僕のパソコンは1日目終了時に残量11%と抜群の調整力を見せつけた。「充電は残量20%を切ってから」も僕のこだわりの1つである。帰宅してすぐ、2日目に備え充電に取り掛かれる絶妙な残量であった。他のパソコンもこれくらいの時間は持つのかもしれないが、僕は長丁場を耐えきった相棒の健闘を称えたい。
幹事校としてジョイントの成功に向け共に努力した中村ゼミの仲間たち、参加していただいた他大学の学生・教授の皆様、そして望外のバッテリー性能を発揮したマイパソコンには心より御礼申し上げたい。
宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科4年 小島隼平
昨年初めてジョイントに参加し、他の大学の学生との交流を楽しんだだけだった。しかし、今回は幹事校の代表としてジョイント全体の運営に携わった。加えて、昨年はお尻を痛めながら館山に向かったこともジョイントの思い出の一つであるが、今回は感染症の大流行により、ジョイント史上初のオンラインでの開催だった。
幹事校になることはあらかじめ知らされていたが、オンラインでの開催になることは全くの予想外だった。滞りなく運営を進めるため、Zoomの使い方などわからないことだらけの中で、一つ一つ手探りで解決し、準備を進めて行った。他大学との連絡・調整も全て請け負って任務を遂行した。幹事校代表として責任を持って他の大学をリードし、運営を進めることができたと感じる。今回のジョイントは、発表には直接関わることはできなかったが、様々な発表を見ることができ、今年も良い刺激を受けた。
幹事校代表を務め、他大学の学生との連絡・調整や、深夜に大学に行ってホームページの更新作業、オンライン上で90人近くをコントロールするなど、滅多にない貴重な経験をすることができた。やらなければいけないことや多くの不安に追われることもあったが、その分、無事にやり切った「やってやったぞ!」という達成感も非常に大きかった。
最後に、中村ゼミNo.1ホストとして、無事全日程を終えることができたことを誇りに思う。我々の挑戦がジョイントの歴史と将来に良い影響を与えることができれば幸いである。参加大学の皆様には多大なご協力をいただき、本当に感謝している。関わってくれた全ての皆様へ「ありがとう」を伝えたい。
宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科4年 今野裕太
今年のジョイント合宿に幹事校としての参加が決まったとき、正直不安を覚えた。ジョイント合宿は、他大学の多くの学生が参加する中村ゼミのメイン行事である。こうした大きな行事を運営側として取り仕切る経験はなかったので、入念な準備を怠ればジョイント合宿が締まりのないものになってしまう。ジョイント合宿を成功させるため、しっかりと準備して臨みたい。その決意を固めた直後、コロナウイルスが世界中で流行してしまった。コロナの影響で、今年のジョイント合宿はオンラインでやらざるを得ない状況となった。
初の幹事に、初のオンライン。加えて、就職活動と卒業論文も進めなければならない。再び不安が押し寄せた。しかし、コロナによって、大学にも満足に行けず、一人でいることの多かったこの1年。ゼミの皆との共同作業は孤独を忘れさせてくれた。
代表者小島を中心に、私の貢献は少なかったかもしれないが、しっかりと準備ができた。本番のオンラインジョイントは大きな問題はなく、無事に進行した。4年間の最後に素晴らしい思い出ができた。最後にゼミの皆に、今までありがとう。
宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科4年 会田紗瑛
今年のジョイント合宿は初のオンライン開催だった。ジョイントの運営自体も初であり、どのようにしていけばいいか不安だった。しかしオンラインにする事で食事や入浴などの時間配分を考える必要がなくなり、移動疲れもなくむしろジョイントに集中できたという運営上の利点もあった。来年以降どのように開催されるかわからないが、今回のことが次回以降の運営の一助になればいいと思う。
私は主に自由論題の発表を担当した。卒業論文の一部を活用して発表を行った。質問にもきちんと答えることができ、賞もいただくことができた。大変うれしく思った。
宇都宮大学大学院地域創生科学研究科コミュニティデザイン学プログラム2年 穆ト
初めてオンライン開催のジョイント合宿を参加して、目新しいと思う。今回は発表者ではなく、観客として参加したが、宇都宮大学や他大学の発表内容を聞いて、すごく勉強になった。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響でジョイント合宿の準備が大変だけど、無事に開催出来て良かったと思う。来年のジョイント合宿は対面で開催できるように期待している。
宇都宮大学大学院地域創生科学研究科コミュニティデザイン学プログラム1年 蒋婷怡
外国人留学生として、今回のジョイント活動は日本に対する理解を深めました。学校ごとに発表する時、私は多くの地域と大学の協力の方法に関して知って、大学生としてどのようにもっと良いのが地域の活動の中に参与することを学びました。最後のグループワークの中で、日本人とも良い交流ができました。
新型コロナウイルスのせいで、みんなと面と向かって交流することができませんでしたが、ネットでの交流もよくお互いの関係に引き込まれました。今回のジョイントは私にとって大きな意味があります。
宇都宮大学大学院地域創生科学研究科コミュニティデザイン学プログラム1年 趙子凌
留学生として、他大学と交流できる機会はあまりないので、よい経験になりました。他 大学の研究発表を聞いたり、自らがグループとして研究を発表したり、また教授や学生か
ら質疑応答を受けることで、教授を始め、他大学の質問の内容も高度なもので、自分の知 識の無さを痛感しました。今回は本当により視野が広がり大変勉強になりました。
そして、今回は初めて ZOOM で行われた、いつもと違う経験が受けました。他大学との
交流は貴重な体験ですので、ぜひ来年も参加したいと考えています。
最後になりましたが、当日は ZOOM を司会者として皆様、ありがとうございました。
宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科研究生 銭汀芷
ジョイント合宿は私にとって初耳のものだが、先輩たちに連れられて合宿に参加した。何も知らないから、これまで先輩たちのもとで多くの経験をさせていただき、心から感謝した。
今年の共通テーマは『地域と大学』であるので、大学の学生が今まで気になる地域問題の現状と、それに対応する大学が地域の貢献できる提案をたくさん聞いた。各グループの発表が終わったら、さらにも一回グループに分けて討論を始めた。今年はコロナウイルスの影響で皆さんがリモートで参加した、それにもかかわらず討論会の気分が盛り上がってきた。規定の時間が来たら、私たちのグループはまだ話しを止められない。各大学の優秀な学生が本気に自分の思いを主張している姿を見て、本当に感心していた。
今年のジョイント合宿をきっかけに、来年のジョイント合宿について経験を積んだ。来年度で頑張りたい。
宇キ宮大学行政学研究室担当教員 中村祐司
35年間の歴史を誇るジョイント合宿が開催中止となってしまう・・・・・。昨年12月に今年度の幹事校を引き受けた際には思いもよらなかったコロナ禍の広がりに、6月末(2020年)にゼミの時間にジョイント運営の主体となる4年生と話し合い、7月に入って各大学の先生方にZoom会議で行いたい旨を連絡した。すべての教員がこれを前向き提案と捉えてくれて、「必ずできます」との励ましの声をもらい、とても力付けられた。
ところが肝心の自分がこの時点ではZoom操作がほとんどわからない状況であった。言い訳がましくなるが、前期の授業では新式のC-Learningではなく、旧式のMoodleを使い続けた出遅れ感もあり、加えて前期のゼミでは、論文作成指導に専念したため、ゼミ論も卒論もメールでのやり取りと、添付ファイルによる添削といった、何とも地味かつアナログ的なやり方に終始してきたのである。
後期に入り、準備の本格化が迫られる中、その都度教えてもらいがらZoomの使い方を模索するような日々が続いた。学生の吸収力のスピードには目を見張るものがあって、80人あまりを対象にZoomを通じて統率する工夫や案を次々に打ち出してきて、「しおり」ができ上がるころには、一切合切を学生に任せて大丈夫だと確信するに至った。
卒業研究を活かした共通テーマではグランプリに輝いた。自由テーマについては留学生が担うこととなったが、これも結果的には非常に良かった。他力本願的な要素が一切入り込まなかったからである。
教員としてやれたことは、場所の確保であった。陽東キャンパスの研究室のある建物の教室二室を実質的に2日間借り切ることができ、研究室メンバーは何かあればいつでも顔を合わせられるようにした。私以外はマスクをせざるを得なかった反面、個人的には2日間、研究室でマスクなしでモニターに向き合えたことも大きかった。留学生の日本語試験の日程がジョイント2日目と重なったことなど、予想しなかった事態はあったものの、ジョイントに参加した教員と学生すべての協力で、成功裏に終わることができたのが何よりも嬉しい。
研究室でいえば、たった4人の4年生でこれだけのイベントを成し遂げたことは、学生時代の価値ある「財産」となったはずである。また、誰もがコロナ禍のリモート技術に向き合わざるを得ない中で、卒業後も「しなやかにコロナをすり抜けて前進する(Weave our way through Corona Virus flexibly)」術を身につけたことの意義はとても大きいと思う。