ジョイント2015に参加して―感想―
国際社会学科3年 吉田正絵
私はジョイント合宿に参加して、成長したと思うこともあるが、自分にまだまだ足りないものも多くあることに気づいた。この合宿までに準備に割けるだけの時間を費やし、自分たちの出来る精一杯のことをして挑んだつもりだった。だが最後に終わったあとに感じたのは自分たちの発表の課題点と、これからの発表に活かしていかなければならない今後の課題であった。
チームで協力して毎日努力してきた発表は、それだけの自信があり、頑張ったものを大勢の前で披露させてもらえるという機会に心を弾ませていた。発表後の講評には内容のまとまりがあり、プレゼンテーションの仕方がよかったと言って頂けたものもあり、大変うれしかった。しかしそれだけではなく、少しでも具体的に発表を突っ込まれたら答えられないものも多くあった。このことにより私たちの発表の課題点は、弱点を隠そうとし過ぎてできた保守的で抜きんでた面白味がないものだったと、この合宿で気づかせてもらった。もう少し具体的に言うと、発表自体はまとまっていても、深く具体的に追求することができておらず、具体性がいまいち見えてこないものだったのである。
また、自分たちの発表だけでなく、他大学の発表をみたことによる気づきも沢山あった。それぞれの大学ごとにあらゆる視点から、共通も分科会も面白いものが多くあった。発表に対してその場で質問も出来るので、学生どうしで意見の交換を行うことができ、教授の意見もその場で聞くことができるので、自分では見つけられなかった視点や新しい知識を身につけることができた。
最後にこの合宿は5つの大学が参加し、多くの学生との出会いがあった。合宿の最後は学校名も関係なく、それぞれの大学が仲良くなれたと思う。幹事校の四日市大学にも感謝したい。この合宿で気づかせてもらった課題は今後の発表で活かしていきたいと強く思う。
国際社会学科3年 橋隆浩
ジョイント合宿を終えて、今の気持ちを素直に一言で表すと「大変だった…」。前期の行政学演習を終え、本格的にジョイントテーマとまちづくりテーマに取り組み始めた時期は夏休みだった。正直に言うと今年の夏休みは私にとって何の休みでもなかった。しかし、そのことは同時に充実を表すものとなるだろう。一番苦労したことはテーマ決めだ。一つに決めたとしても、調べていくにつれ既に研究されていたり、考えつくされていることを知り中々研究テーマを確定することができなかった。先生への論文提出が遅れたことはそのことが影響している。最後の最後まで必死になって仲間と研究し続けたことは、一生忘れない思い出になると感じる。
合宿中は非常に様々な知識を得ることができた。個人的にとても収穫が大きかった。ドローンやキャッシュレス社会、各大学の共通テーマ発表などどれも参考になるものばかりだった。この合宿を通して心に残っている言葉がある。それは「批判しなさい。」だ。どうしても役場に調査しに行くと、聞いた話は真実だと勘違いしてしまう。重要なことは常に批判する姿勢であり、情報を鵜呑みにしないことであることを思い知った。学生らしくフットワーク軽く動くことを基本に、しっかり考え抜くことをこれからは大切にしていきたいと心から感じた。
最後に論文提出やパワポ作りを言葉通り「必死」になって3人で徹夜した日々は忘れない。
国際社会学科3年 飯塚瞳
今回のジョイント合宿に参加して得られた力は、他の人の意見を吸収する力である。
この合宿の発表を通して、様々な人に関わり、助けてもらう機会が多くあった。
ゼミのメンバーの3人はもちろん、合宿前に行ったpeer to peer授業の受講生や研究室の先輩方、合宿での他大学の学生や先生方、そして調査をした地域の人たち、これら全ての人からの意見は、とても刺激的であった。初めての現地調査で緊張しながらお伺いし現地の人の意見から自分の固定概念に気づいた。またゼミのメンバーとは喧嘩のような意見の出し合いを毎日のように行った。そして発表をなんとか形にし、望んだpeer to peerの授業や4年生への発表からゼミのメンバー4人では気付かなかったことに気づかされた。そして合宿当日の発表では、他大学の学生や先生方から多くの鋭い質問やコメントを頂いた。また他大学の発表は、同じテーマであるにも関わらず、自分たちとは違う視点での調査そして内容であり、とても興味深いものであった。
これだけ多くの人から自分の研究に関して意見を頂ける機会は初めてであった。そして、意見を頂く度に自分の発表が質の良いものに、そして自分の中でモヤモヤしているものが解消されていく気がした。
この合宿を通じ、他の人の意見を吸収することの大切さを感じ、そしてこれからの自身の研究にも積極的に他の人の意見を取り入れていきたいと思う。
国際社会学科4年 大柿彩華
今年のジョイント合宿は、本当に有意義なものだった。今年のジョイント合宿は去年とは全くの別物のように思えた。去年も有意義なものではあったが、幹事校という立場で分科会共通会も発表をしっかりと聞いていなかったような機がする。他大学の問題意識や考え方について、個人や中村ゼミのなかでは思いもつかないものもあった。去年も今年もジョイントに参加して、私自身の知識の少なさにびっくりした。自分では知っていると思っていたことも、着眼点を変えてみると全く違うものに思える。私は、知ったかぶりだと今年も思った。知識が少ないということで、語りつくすことができなかった場面があり、とても悔しく思う。私も、人と深く語るための知識を得たいと思うジョイント合宿であった。
セミナーハウスから富士山が見えた。2日目の昼食の休憩に渚の駅から見た景色はとても綺麗だった。誘ってくれた3年生に感謝したい。
4人という人数で、ジョイント合宿を乗り切った3年生、本当にお疲れさま。
国際学部 中村祐司教授
ジョイント合宿にはいつから参加したのだろうか。確か宇都宮大に赴任した翌年からと記憶しており、そうだとすれば1994年11月が初参加となる。国際学部の設置がその年の10月で学生受け入れが翌95年4月からだったので、教育学部(社会文化コース)に籍を置いていた頃に既にジョイントと関わっていたのだ。今回が何と22回目となる(学生の年齢を優に上回っている!)。よくぞ欠かさずに毎年度参加してきたものだ。継続はのお手本そのものである。
しかし、ジョイントで不思議なのはマンネリや飽きが全くないことである。繰り返しているという感じがしない。それは研究室の毎年度の雰囲気というか気質の違いにもよるのだろう。そもそも研究室にゼミ生がいなければ研究室活動は成り立たない。そして、一人ひとりのゼミ生には個性があり、個々のゼミ生による相互の協力や働きかけそのものがゼミ活動であり、同時に教員も年齢を重ねていくので、ゼミ生との接し方にしても、たとえこちらが意識してなくても変わってくるのである。まさにゼミというのは繰り返すことのできない一期一会の生き物のような存在だ。
今回の3年生の特徴は「助走期間」あるいは「熟慮期間」がとても長かったということだ。前期のゼミのテーマを敢えてジョイント共通テーマと同じ「村」にしたことで、やりやすい面と同時にその逆の面も生じた。すなわち、前期それなりに出した結論をさらに深掘りしなければならない難しさに直面したのである。村をめぐる前期とは異なるテーマや新たな提案を生み出さなければならない産みの苦しみがあった。また、分科会のテーマにしても、ゼミ生はまちづくり提案とは異なる切り口を自らに化したので、これも第二の産みの苦しみに直面した。
それでもゼミ生は潔く真正面から取り組んだ。しかも論文形式にこだわった。プレゼンにもこだわった。妥協しなかったのである。日程が迫ってきた段階で、まだ何も書き出していないことを知った時に正直焦った。しかし、締切も含め本番にはきっちり間に合わせてきた。助走や熟慮を徹底したがゆえに、十分に引ききった弓が短期間で強烈に放たれたかのように。この点だけでも大きな収穫となったはずである。
ジョイントは幹事校がいて、会場提供者がいて、他大学の教員がいて、参加者の学ぶ姿勢があるからこそ、2泊3日のしかも学生時代ならではの有意義な時間を過ごすことができるのである。このことに対するすべてのジョイント関係者への感謝の念を忘れてはいけない。
宇都宮から館山まではほぼ高速道路といってよい。それでも年々運転に臆病になってしまい、道順など事前に構えてしまうのは、毎年最終日のスポーツ大会で若者の動きを目の当たりにし、体力や反射神経などの衰えや鈍さを痛感するからであろう。今回は普段のゼミとは異なる会話が車中で展開され、大いに助けられた。ジョイントは往復の車中にも貴重な機会を提供してくれるのである。