担当教員:
中村 祐司
「締切効果」を再認識したジョイント合宿
それが大きなものか小さなものかに関係なく、何かを成し遂げるには締め切りが不可欠である。○○をいついつまでにといった具合に期限を区切ることで、事業でも何でもスタートするからである。
ジョイントについても同様である。6大学7つの行政学研究室のゼミ生が一同に会する環境が設定され、レジメ提出や発表の締切日が定められるがゆえに、各々の研究室ではまさにフル稼働でジョイント当日を目指す。知的な向上には「内発的発展」とは別の「外圧的発展」が必要不可欠なのだ。
宇都宮大学国際学部の場合、3年生の前期が演習、後期が卒業研究準備演習となっていて、同じゼミでも各々が分離(とくに前期ゼミの場合は完結型ゼミとなっている)しているため、教員としては前期のゼミ生にどのようにジョイントの良さや伝統を伝えればいいのか、毎年苦慮している。
今回、嬉しかったのは帰りの車の中で、今のゼミ生自ら来年度の前期ゼミ生(新3年生)に対して来年度ゼミが始まった時点で、ジョイント合宿について説明する機会を設けたいと言い出したことだった。確かに毎年ジョイント経験を重ねる教員よりも、初めて異質でダイナミックかつ刺激的な2泊3日を過ごした今のゼミ生から、ジョイントでの知的興奮を率直に語ってもらうのは、とても有意義な機会となろう。
今回、発表を担う3年生6人が2グループを形成し2つの分科会に参加することから始動したため、共通テーマの担い手がいなくなるピンチに直面した。一時は「共通テーマができないのだからジョイントには参加しない」という何とも素朴かつ悪気のない、それでいて強烈な不参加の動機付け発言が出て、あきらめる一歩手前まで行った(後期開始の10月上旬のことで、正直、教員としてはこの時が一番焦った)。しかし、教員が分科会の発表内容との重複を避ける条件をかろうじて提示して、共通テーマは結論に重点を置いた形で行うこととなった。相撲で言えばまさに土俵際での苦し紛れの首投げが決まったといったところだ。
現実は甘くはなかった。共通テーマでの発表を聞いた参加者からは消化不良にも似た物足りない雰囲気が漂い、さらにずばりとそのことを指摘された。ゼミ生1人であろうと20人であろうと、ジョイントはジョイントであり、参加する限り真正面からジョイント仕様で臨まなければいけなかった。この教訓を今後のゼミ運営に生かしていきたい。さらに、宇都宮市以外のことをぜひ対象としてほしいという要請に、どう応えていくかも来年の重要な課題である。
しかし、嬉しいことにゼミ生は今回の教訓を非常に前向きに受け止めたようである。確かにジョイントは経験してみなければわからない。しかし、先輩はジョイント未経験者である後輩にジョイントの価値を伝えなければいけない。研究室活動とは単独なものではなく、他大学の仲間と先生とそして社会と世代間を連鎖していくものだということを、ゼミ生は今回のジョイントで学んだのではないだろうか。
さて、行き帰りの注意ポイントを数点述べておきたい(あくまでも記憶にもとづいて)。館山自動車道の全線開通で数年前と比べてアクセスは格段に向上した。宇都宮からであってもほとんど高速道路に乗っているという印象だった。大学正門出発時間は今回と同じ朝5時30分でいいだろう。川口P.A.の小休止後は慢性的な渋滞に毎年はまるものの、車はゆっくり流れるので慌てる必要はない。
行きの一番の注意点は、首都高速の平井大橋で降りて京葉道の看板にしたがって進む途中、右折方面への「千葉・木更津」と記載されている何とも紛らわしい京葉道の標識があることだ。脳裏に千葉へ、木更津へとある運転手にとっては落とし穴だ。ここは直進しなければいけない。いまだになぜこの記載があるのか理解できない。また、その後にまたもや直進か右折か紛らわしい京葉道入り口への標識がある。ここは右折が正解である。この看板は冷静に見れば、仮に直進と判断すると右折方面への行き先表示が皆無となるため、この点を頭に入れておけば大丈夫だろう。
館山からの帰りの注意ポイントは、京葉道の降り口についてである。「小松川I.C.」で降りるということを頭に入れておこう。降りるとはいっても一般にイメージするインターのようにぐるぐる回ったり曲がったりはせず、そのまま直進して一般道に降りる変わったI.C.である。
一般道に降りてから右折のタイミングは東小松川交差点だ。右側に目安となるビルがあったのだが、今は名称が浮かんで来ない。ここで右折しないと何となく二つ目の川を渡ってしまうという雰囲気が前方に漂っているので、この川を越える直前の雰囲気を目安としておこう。
さらに平井大橋から首都高に入るところが橋の手前なのだが、急に表示される感じでやや分かりづらい。しかし、落ち着いてゆっくり気味に右車線を注意して走っていれば大丈夫だろう。
まだ二つほどある。ここから首都高速への入り口までの距離が極めて短くETCが左側、一般車が右側なので、瞬時の判断が不可欠だということ。過去に左側のETC用に入ってしまい、職員立ち会いでバックした苦い経験がある。そして、ここで安心すると東京特有のI.C.ゆえ、高速本道までのI.C.道が極めて短いだけでなく、すぐに1車線化されており、入ったと思って安心しているとETCがかなりのスピードで突っ込んでくることがある。一般車の場合、とにかく左側からの車に一旦注意を払うことが必要だ。
院生一年生:
陳 懐宇
三年生たち、本当にお疲れ様でした。今回、行政学研究室の大学院生の一年生としてジョイントゼミを参加しました。日本でこのような合宿を参加することは初めです!!すごく勉強になりました。各校の発表から刺激を受け、また学生だけでなく教授方とも交流ができ、参加して本当によかったです。各校の発表から刺激を受け、他の大学の学生と教授方とも交流ができ、本当に嬉しかったと思います。
中村先生ジョイントゼミを参加させていただけ、ありがとうございました。
四年生:
平田 真美
はじめに、合宿を終えた3年生のみなさん本当にお疲れ様でした。今回の合宿では、3年生全員が共通テーマ・分科会を担当しており、準備・発表すべての面で昨年の自分たちの発表よりも格段に大変だったろうと思います。限られた時間の中で2つの論文を一から構成しまとめ上げたのは尊敬します。
合宿では、例年通りジョイントの目玉とも言える厳しい質疑が飛び交う中、「宇大はいつも宇都宮のことしか考えていない」との痛烈な指摘があり、昨年も同じことを言われたにもかかわらず、それを後輩に伝えていなかったこと、本当に悪かったと反省しています。
2回目のジョイント参加でしたが、合宿を終え自分自身の至らなさと、3年生に負けないよう努力していこうという気持ちになりました。各校の発表から刺激を受け、また学生だけでなく教授方とも交流ができ、参加して本当によかったです。
合宿を通してゼミの3年生と仲良くなれたことも嬉しく思います。
佐々木・松谷ペア、準グランプリ本当におめでとう!
最後に、中村先生今年もお世話になりました。
素晴らしい合宿に参加させていただき、ありがとうございました。
三年生:
秋山 果歩
今回ジョイント合宿に参加して、下調べや発表の仕方などまだまだ十分ではなかったということを実感しました。同時に他大学の発表から学ぶことが多く、とても良い経験になりました。また、ここにくるまでインタビューや現地での調査といったいままでほとんどやることなのかった経験も出来ました。この経験を無駄にせず、まちづくり提案など今後に生かしていきたいと思います。
先生、先輩方、至らない点が多くご心配をおかけしたと思います。ご協力ありがとうございました。
松谷 剛
今回のジョイント合宿を通じて、私は自分の論文を作成する力やプレゼン能力がまだまだ未熟であると感じました。特に、1日目の共通テーマの発表では、他大学の発表内容やプレゼンの仕方が私たちと比較して、非常に完成度の高いものでした。
こうしたことから2日目は自分に自信が持てなくなりましたが、佐々木さんに気合いを入れてもらい、とにかく思い切ってやってみようと心に決めて分科会に臨みました。結果として準グランプリを頂けたので、自分たちのやってきたことは間違ってなかったんだ、と思い非常に嬉しかったです。3日目はスポーツ大会で他大学の学生とも交流でき、収穫の多い3日間になりました。
他大学の先生方からの厳しいご指摘も多々ありましたが、それを今後の研究に生かしていきたいと思います。また、ジョイント合宿では中村先生や院生の陳君、4年生の平田さん、3年生のみんなの協力がなければ、ここまで充実したものにはならなかったと思います。本当にありがとうございました。
佐々木 真美
初めて参加したジョイント合宿は、多くの刺激を受けた実りあるものとなった。何よりもまず、他大学の学生から受けた刺激が強かった。質の高い発表をした学生は、他の人に対する質問も非常に鋭い。そのことから、物事に対して常に「なんでだろう?」と疑問を抱く姿勢が重要だと感じた。また、普段私たちは女子が多い環境で、かつ生徒にあまりがつがつ言わない中村先生の下でゼミを行っているので、合宿では圧倒的に多い男子学生と、がんがん質問を投げかけてくる他の先生方の存在によって、いつもは味わえない緊張感があった。それらはとてもよい刺激となり、同時に自分はまだまだだなぁ、とモチベーションを高めるきっかけともなった。
刺激を受けたのは他大学からだけではない。このジョイント合宿に向けて一緒に準備をしてきた3年生の仲間からも、学ぶことは多くあった。チームとして共に調査にあたった松谷君とは、徹夜で作業をする日々が長く続いた。二人とも寝不足の中で、私は「これでもういいかな?」と妥協しそうになった時も、彼は細部にまでこだわり、納得いくまで丁寧に作業をしていた姿がとても印象的だった。焦っている時や、逆にすぐそこに完成が見えてきた時などこそ、彼のような丁寧さが大切だと強く感じた。
私自身がこのジョイント合宿で多くのことを吸収し、成長できたことから、ぜひ来年入るゼミの後輩にもこの経験をして欲しい。やはり他大学との交流は友達もできて純粋に楽しいし、自分では気づかなかった自分に出会えたりもするのでお勧めしたい。また、今回多くの方からご指摘を受けたように、「ジョイント合宿」と中村ゼミが毎年参加している宇都宮市の「まちづくり提案」を同じ内容で乗り切ろうとしないことを後輩には伝えたい。それは、ジョイントはジョイントで真剣勝負をし、まちづくりはまちづくりで望むのが本来あるべき姿だと痛感したからだ。
サポートしてくれた平田さん、陳君、一緒に準備をしてきた3年生のみんな、そして中村先生、大変ありがとうございました。お疲れ様でした。
中村 佳代
今回のジョイント合宿では、共通テーマや分科会の発表を通して他大学との意見交換を主眼として目的を持って臨むことができました。
中でも、分科会の発表では、質問や意見が飛び交う中、自分の考えや意見を明確に持つことが大切だなと率直に感じました。
共通テーマの発表では、文化とスポーツの両方をまとめた結論を出すように指摘を受けたのでこれからの課題として来年度に役立ててもらいたいと思いました。
最後に、2日目の打ち上げが非常に盛り上がり、心から楽しめたことに感謝すると同時に、他大学の学生との意見交換を積極的に行えたことに満足しました。みんなで一致団結して発表を行えたことにありがとうと伝えたいです。4年生の先輩や院生の方々、先生、本当にありがとうございました。
黒川 佳美
他大学の発表を聞く機会がないのでとても良い機会でした。今回ジョイント合宿に参加して様々な発表を聞き刺激を受けたし、勉強にもなりました。発表では準備も練習も中途半端で、みんなに迷惑をかけてしまったと反省しています。ジョイント合宿で得たものをこれからのまちづくり提案の発表や卒論などに生かしていきたいと思います。
先生、4年生の先輩方、ゼミの皆さん、アドバイスなどありがとうございました。
酒井 理恵
共通テーマも分科会も、他大学の完成度の高いプレゼンや鋭い質問に驚かされました。一方で自分たちの発表はまだまだ未熟で、他大学の先生方からも厳しいご指摘を受けたりしました。もっと時間をかけて練習すべきだったと反省しています。
しかし、始めはジョイント合宿に参加することに負担を感じていたのに、合宿の最終日になると「もうちょっといたいなぁ」と思えるくらい楽しい3日間を過ごすことができました。たくさん迷惑をかけてしまいましたが、先生、先輩方、ゼミのみんな、協力してくださって本当にありがとうございました。